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ラスト・ブラッド・・・・・評価額1200円
2009年06月05日 (金) | 編集 |
2000年に公開されたアニメーション映画、「BLOOD THE LAST VAMPIRE」の実写リメイク。
監督は「キス・オブ・ザ・ドラゴン」で知られるフランス人のクリス・ナオン、脚本は「SPIRITスピリット」クリス・チョウ、主演は韓国のチョン・ジヒョン、敵の大ボスは小雪と正に多国籍、いや無国籍映画。
セーラー服のヴァンパイアハンターという基本コンセプトはアニメ版と同一だが、オリジナルは48分の中篇なので、後半部分を大幅に拡大している。

1970年、東京。
人間に紛れて存在し、人間を喰らう「オニ」を狩る少女サヤ(チョン・ジヒョン)は、組織から米軍関東基地への潜入指令を受ける。
数百年前に出現し、全てのオニの祖となったオニゲン(小雪)が現れ、オニたちが活発化。
米軍基地にもオニが絡むと見られる事件が多発していた。
基地のハイスクールに転向したサヤは、基地司令の娘アリス(アリソン・ミラー)がオニたちに襲われている所を助けるのだが・・・・


各方面で評価の高いオリジナルのアニメ版だが、私はまあまあ面白かったものの、絶賛されるほどには素晴らしい作品とも思っておらず、実写リメイクされると聞いてちょっと驚いた。
ぶっちゃけ、あれは「女ブレイド」であり、1998年に公開されたハリウッド映画と、その原作コミックの影響下に作られた作品なのは間違いないだろう。
アニメ版では「翼手」と呼ばれていたヴァンパイアたちを、人間とヴァンパイアのハーフ少女が「刀」を使って狩ってゆくという設定は、正直パクリギリギリであったと思う。
ただ、舞台をベトナム戦争中の米軍基地という閉鎖空間に設定し、敵味方のわからない白人たちの中に、たった一人セーラー服の少女が入り込むという世界観の面白さがあり、舞台が日本でありながらも実質的な英語劇というのもユニークで、ハリウッド帰りの工藤夕貴が達者な英語でサヤを演じたのも見ものだった。

今回もオリジナルの面白さは生きている。
ロケーションの米軍基地と、セットとCGで作られた猥雑な基地の街のビジュアルはなかなかによく出来ていて、ある種の異世界として機能している。
28歳のチョン・ジヒョンのセーラー服は微妙なところだが、元々が童顔な事もあり雰囲気は悪くない。
日本語の芝居は吹き替えだったが、意外と言っては失礼ながら英語の演技がなかなかしっかりとしているのも驚いた。
アニメ版と同じく、チョン・ジヒョン演じるサヤが米軍基地に侵入し、実写版では「オニ」と呼ばれているヴァンパイアを炙り出し、基地の街での一対多数の大チャンバラアクションを展開するまではまずまず面白く見ることが出来る。

問題は、やはり付け加えられた後半部分。
舞台が米軍基地から離れ、山深い田舎となり、さらに時系列が数百年前のサヤの過去の記憶と絡み合いはじめると、映画はなんだかグダグダになってしまう。
時代劇パートは倉田保昭 が頑張っているものの、相手がヴァンパイアというよりはモロに漫画チックな忍者だったり、サヤの初恋の人がどうやって殺されたのかも描写不足で良く分からなかったり、なんとなくムードで押し流そうとしているのがアリアリ。
売り物のアクションも露骨にCGが目立ち、これなら別にアニメのままでも・・・と感じさせてしまうのは何とも痛い。
決定的なのは、見せ場という見せ場が既にどこかで観た様な既視感を感じさせてしまう事。
オリジナルが公開されてから9年の間に、デジタル技術を駆使したアクションというのはあらかたやり尽くされており、新しい物を作り出すというのは並大抵の事ではないのだけど、だからといって過去の作品で観たようなシーンばかりでは白けるだけである。
特に、サヤがヴァンパイアたちをワンカットで切り倒してゆくカットが、「300 スリーハンドレッド」そっくりなアングルだけでなく、バレットタイムの手法までそのまんま真似しているのには呆れてしまった。
クリス・ナオンの演出は、話が進めば進むほど「キス・オブ・ザ・ドラゴン」で見せたシャープなアクション感覚と物語のリズムが影を潜めてしまう。
まああれは、ジェット・リーという希代のアクションスターの肉体あっての見せ方なのは確かなのだけど、本来なら一番盛り上がらねばならないラスボスの小雪との対決も、CGと生身の人間がかみ合っておらず、消化不良のままあっさりと終わってしまう。
おまけにラストのオチまでつい最近どっかで観たような・・・

「ラスト・ブラッド」は、正直あまり幸福な映画とは言えない。
9年前の時点で、米軍基地を舞台にセーラー服の少女が凶悪なヴァンパイアを切りまくるアニメ、というのは確かにそれなりに新鮮な部分があった。
だが、実写化されたことで、アニメならカリカチュア化、あるいはデザイン化されて格好良く見せられた部分が、単に珍妙で安っぽい描写に成り下がってしまった。
中々に気合の入った、「1970年の日本の裏側」という世界観が画面を支配している前半は何とか間が持つものの、アニメ版の展開から離れて舞台がどこともつかない山の中となると、単なるB級アクションホラーと化してしまう。
どうせなら、後半の変な展開は無くして、米軍基地とその周辺だけで物語を完結させた方が、ずっと引き締まった映画に成ったような気がする。

今回は、アジアン・ビューティーたちのアクション映画ということで「ドラゴン・レディ」をチョイス。
ホワイトラム45ml、オレンジジュース60ml、グレナデンシロップ10ml、キュラソー適量をステアしてグラスに注ぎ、スライスしたオレンジを添える。
ドラゴン・レディとは、元々男を支配するような神秘的な魅力のあるアジア人女性を指す言葉だが、この酒は名前から受ける印象よりは、ずっと甘口でジュース感覚で飲める。
映画に出演していたドラゴン・レディたちも、もっと神秘的で魅力的に撮って欲しかっただろうに。

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