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ターミネーター4・・・・・評価額1350円
2009年06月10日 (水) | 編集 |
1984年に誕生した「ターミネーター」シリーズの、6年ぶりになる第四弾。
それぞれの製作時点での「現在」を舞台に、コナー母子VS未来から送り込まれるターミネーターの戦いというパターンを踏襲していた過去3作と異なり、今回は初めて「審判の日」以降の未来世界が描かれる。
したがって、ターミネーターというモチーフは共通しているものの、作品のムードはがらりと変わっており、どちらかというと近未来を舞台にした戦争映画という趣だ。
前作のジョナサン・モストウからバトンタッチしたMcG監督は、シリーズの伝統でもある重量感たっぷりのアクションを、これでもかというくらい盛り込んで、ビジュアル的には迫力満点。
バイク型から巨大ロボまで、様々なタイプのターミネーターが登場するのも楽しいが、シナリオがちょっと荒っぽいぞ。

西暦2018年。
「審判の日」以来、スカイネットと生き残った人類の戦争が勃発。
ジョン・コナー(クリスチャン・ベール)たち人類の抵抗軍は、わずかな拠点と武器を手に、絶望的な戦いを続けている。
そんな時、抵抗軍の司令部がスカイネットの機能を停止させられるシグナルの解析に成功し、一気に総攻撃をかけてスカイネットを殲滅させる作戦を立てる。
作戦の実行部隊を指揮するのはコナー。
しかし、彼の父となる運命のカイル・リース(アントン・イェルチン)が、捕虜としてスカイネットの本拠地に連行された事がわかる。
もしも救出せずに攻撃すれば、カイルは過去へ送られずに死に、コナーも生まれない事になる。
コナーは、謎の男マーカス(サム・ワーシントン)の協力を得て、単身救出に向かうのだが・・・


今回、ジョン・コナーを演じるのは、ヒーローならお任せのクリスチャン・ベール
やはりブルース・ウェイン役の印象が強いが、世界観がまるで違う事もあって直ぐに気にならなくなり、内側に秘めたものを感じさせるベールのイメージは、コナー役にはなかなか良い具合に嵌っている。
前作でクレア・ディンズが演じた妻のケイト役は、元々シャルロット・ゲンズブールが演じるはずだったらしいが、降板でブライス・ダラス・ハワードに。
少年時代のカイル・リースにアントン・イェルチン、謎の男マーカスにサム・ワーシントンがキャスティングされ、それぞれ役柄のイメージにはまずまず合っていると思う。
第一作以来久々登場のカイル・リースは、登場して最初の台詞が一作目と同じだったりするのも、旧作のファンには嬉しいところだ。

売り物のアクションシーンは、今までの様なターミネーター同士の一対一の肉体アクションだけでなく、A10攻撃機VSハンターキラーの空中戦から、どう見ても勝てそうに無い巨大ロボとの死闘まで、多種多様なターミネーターに合わせて、様々なシチュエーションがてんこ盛りだ。
この世界では「新型」であるT-800の登場シーンでは、若き日のシュワ知事の顔が現役ボディビルダーの体と合成されてデジタル出演しているのも見もの。
出番としては決して多くないが、やはりこのシリーズには必要な「顔」だろう。

ただ、見せ場には事欠かないものの、映画全体のイメージとしてはいま一つピリッとしない。
物語の大きな流れは考えれれているものの、ディテールが荒っぽく、御都合主義で無理やり展開させている部分が目立つのだ。
タイムパラドックス云々ではない。
このシリーズでそれを言うほど野暮な事は無いだろうが、それ以外にも疑問点が山盛りだ。
例えば、物語のキーとなるマーカスの存在はかなり強引。
スカイネットはなぜ2002年から16年間もたってマーカスを作ったのか?ヘレナ・ボナム・カーター演じる博士は一体何をやったのか?なぜか心臓が人間の物という設定も、必然性が無く御都合主義としか思えない。
何よりも実質的なダブル主役にも関わらず、マーカスの背景が全くと言っていいほど描かれていないので、一体どんな人間(?)なのか最後までわからないのだ。
彼がカイル・リースに出会ったのも単なる偶然に過ぎないし、そもそもこんな不確実な代物に自らの運命をゆだねるスカイネットって・・・。
まあこのあたりは続編で謎解きがあるのかもしれないが、どう考えても辻褄が合わないのが、スカイネットがカイル・リースを捕虜にする事だ。
何しろこの世界のお約束では、カイルを見つけた時点で直ぐに殺せば、カイルは過去に送られず、ジョン・コナーも生まれてこないはずではないか。
もしそうでないなら、コナーにとってもカイルを救う理由が無くなってしまうのだから、これはもう物語の大前提で、タイムパラドックスうんぬんの話ではない。
何らかの作劇上のロジックを使って、ここを誤魔化す、あるいは目が行かないようにしてくれているならまだしも、何のフォローも無いのでスカイネットが限りなくバカに見えてしまった。
そう言えばまるで「宇宙戦争」の宇宙人よろしく、大量の人間を捕虜にしてたけど、あれも意味不明。
実験材料には多すぎるだろうし、何にすんの?まさかバイオ燃料?

もっとも、一番疑問なのはやはり物語のオチである。
瀕死のジョン・コナーは、マーカスのあまりと言えばあんまりな申し出を、ニッコリと微笑んで、すんなり受け入れてしまうのだ。
ちょ、ちょっと待て!あんたさっきマーカスを人間と認めたのとちゃうんかい!?
これでは自分が助かるために、平然と部下を犠牲にする傲慢な指揮官ではないか。
いくら自分が人類の救世主と予言されていたとしても、キャラクターとして感情移入出来ず、あれほど拘っていた捕虜の救出も、結局自分が消えないためにやったとしか思えなくなってくる。
自己犠牲的な行為に戸惑うブレアに対する、マーカスの答えも変だ。
彼の内面が描かれていないせいもあるが、あえて命を捨てる理由とは到底思えないのである。
百歩譲って、コナーは人類の未来のためなら全てを犠牲にする覚悟を決めているのだとしても、それならば人類の未来を託するに値する彼の人物像を描かなければなるまい。
少なくとも本作の時点で、彼はスカイネットの罠にあっさりと引っかかる程度の、多少向こう意気の強い現場指揮官にしか見えない。

シリーズの生みの親であるジェームス・キャメロンは、この物語は「2」で完結したと考えているという。
まあそれはその通りで、内容的にもテーマ的にも、きっちりと対称を形作る「1」と「2」で見事に作品として完成していると思う。
故にキャメロンがノータッチの「3」以降は、明確にビジネス的な思惑で作られた作品であり、必然的に物語よりもビジュアル重視になるのはやむを得ない部分があると思うが、それでももう少しテーマ性を考えたならば、この映画のラストはあり得ないのではないか。
どうも、作り手自身がこの作品で描くべき物は何なのか、いま一つ明確に出来ていなかった様な気がする。
「ターミネーター4」は、ビジュアル面では充実しているので、面白いことは面白いのだけど、シリーズ全体でみれば精々過去最低作といわれた「3」と同程度で、キャメロンの最初の2本には遠く及ばない。
とりあえず、次回作が作られることはもう決まっているらしいから、さらなる展開に期待したい。
少なくとも人類の救世主たるジョン・コナーの人物像は、もうちょっとしっかりと造形してもらいたいものである。

今回は、シュワ知事のカリフォルニアから「ファー・ニエンテ エステート・ボトルド シャルドネ・ナパヴァレー2007」をチョイス。
「ファー・ニエンテ」はカベルネ・ソーヴィニヨンが有名だが、こちらはスッキリとした喉越しと、柑橘系を中心とした果実香が楽しめる華やかな酒で、この価格帯では私が一番好きなカリフォルニアシャルドネだ。
名物オーナーのギル・ニッケル氏は残念ながら6年前に他界したが、今のところ味はしっかりと守られている様だ。
やや引っかかる映画の後味を、綺麗に流してくれるだろう。
ちなみに「ファー・ニエンテ」とは直訳すればイタリア語で「何もしない」で、要するに「のんびりいくぜ」みたいな意味だ。

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