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2009年07月16日 (木) | 編集 |
この春、全米で大ヒットしたドリームワークス・アニメーション(DWA)の最新作。
「モンスターVSエイリアン」とは、身も蓋もないベタなタイトルだが、実際その通りの内容なのだ。
しかし物語こそ単純だが、実はこの映画、かなりマニアック。
これがファミリー映画の企画として成立し、二億ドルを稼ぎ出すアメリカの映画文化って、やっぱりとても奥が深い。
カリフォルニア州モデストに住むスーザンは、結婚式の直前に宇宙から飛来した謎の隕石とぶつかった事で、身長15メートルの巨人になってしまい、モンスターを管理する政府の秘密基地に監禁されてしまう。
そこには人間とゴキブリが合体したコックローチ博士や半魚人の様なミッシングリンク、アメーバの様なボブ、そして体長100メートルのムシザウルスといった仲間たち(?)が暮らしていた。
その頃、スーザンを巨人に変えたエネルギーを狙うエイリアンは、巨大戦闘ロボットを地球に派遣。
ロボットは、人類のあらゆる兵器の攻撃を寄せ付けず、サンフランシスコを目指して動き始める。
秘密基地のモンガー将軍は、モンスターたちを巨大ロボットと戦わせるように大統領に進言するのだが・・・
ライバルのピクサー・アニメーションスタジオに比べて、日本ではややマイナーなイメージのDWAだが、アメリカではCGアニメ界ビック2の一方の雄であり、実際アニメーション映画の世界興行歴代1位は同社の「シュレック2」が、僅差でピクサーの「ファインディング・ニモ」をかわす。
会社設立時の経営陣と過去のディズニーとの確執は有名で、ディズニー=ピクサー系の作品を露骨にライバル視して、ピクサーが「バッグズライフ」を作れば「アンツ」を、「ファインディグ・ニモ」を作れば「シャークテイル」と同系統の作品をぶつけて、企画盗用で訴訟沙汰になった時期もあった。
何れにしても、DWAとピクサーのライバル関係が、結果的にアメリカのCGアニメーションの歴史を作って来たと言っても過言ではないだろう。
どちらかというと万人受けする王道の作品が多いピクサーに対して、徹底的にディズニー的な世界観をコケにした「シュレック」シリーズの様にパロディ色が強いのもDWA作品の特徴で、今回の作品もパロディー満載。
いぢられるのは、もちろん古今東西のモンスターとエイリアンが出てくる映画だ(笑
映画は、まるで二部構成であるかの様に前半と後半で作りが違っている。
前半は、巨大花嫁スーザンをはじめとするモンスターVSエイリアンが送り込んできた巨大ロボットのバトルが中心。
モンスターたちのキャラ自体が、全員過去のB級SFのパロディなのを皮切りに、もう詰め込めるだけ詰め込んだというパロディの嵐だ。
メジャータイトルだけでなく、殆ど誰も知らないだろうという超マイナー映画までも堂々とパロられているのは、ある意味アメリカの観客のマニアックさの証明だろう。
近年ではOTAKUも国際語になったが、日本のオタク文化がやや閉鎖的なニュアンス持つのに対して、アメリカのマニアック文化は極めて裾野が広く奥も深い。
それはB級C級を含む古い映画へのアクセスのしやすさはもちろん、映画を観るという行為その物が日本よりもずっと一般的であるという事と無縁ではないだろう。
この映画に詰め込まれたパロディがしっかりと笑いを取れるかどうかは、一年間に一人当たり一本しか映画館で観ない文化と、五本観に行く文化の違いだ。
もっとも、全世界を対象とするハリウッド映画であるから、元ネタを知らなくても普通に面白い。
特にサンフランシスコを舞台にした怪獣映画的スペクタクルは圧巻で、東宝怪獣バトルに胸躍らせた記憶のある人は、文句なしに楽しめるだろう。
ところが後半、ボスキャラのエイリアンが巨大UFOで襲来し、再度モンスターたちが出動すると、映画の様相はだいぶ変わる。
ムシザウルスが早々に倒された後は、殆どエイリアンのUFOの中が舞台となり、スーザンまでもがエネルギーを吸い取られて人間サイズに戻ってしまう。
こうなると、モンスター映画のパロディ色もかなり薄くなるので、普通のSFアクションコメディという感じだ。
「SW」ネタを初めとするパロディもしっかりとやってはいるのだが、前半の破天荒でマニアックなエネルギーはちょっとパワーダウン。
かなり間抜けなエイリアンの最期も、能天気な映画のトーンから少し浮いていて、なんだか可哀想に感じてしまった。
いっそのこと、モンガー将軍の新しいコレクションにされていても良かったんじゃないだろうか。
まあ、そうは言っても、これはこれで面白いし、クライマックの危機に飛来するあのキャラクターは、日本人としてはちょっと嬉しい。
繭になってた時点でわかってはいたけど、あれって「ゴ○ラ」のパロディだと思っていたら、そっちだったのね(笑
件のキャラクターは、1961年のオリジナルにおいて、東宝怪獣として始めてアメリカ(劇中ではロリシカという架空の国名が使われているが)を襲撃した記念すべき怪獣である。
翌62年には、コロムビア映画によって全米公開され大ヒット、当時14歳のスピルバーグ少年始め、多くの映画人に影響を与えている作品なので、なるほどハリウッドでちょっと捻ったパロディにされるにはこちらが相応しいのかもしれない。
また、全体の印象としてはどうしてもパロディやアクションが強いのだが、一応これはスーザンの成長物語にもなっており、薄いながらテーマ的にも考えられている。
突然モンスターになってしまったことで、信じていた婚約者に裏切られ、街を守って戦ったのに、見た目で差別される現実。
逆境の中で、自分にとって本当に大切なものを見つけてゆくスーザンの姿は、限りなくおバカな映画に一本筋を通す事に成功している。
「モンスターVSエイリアン」は、SFやモンスター映画のマニアが観ればより面白く、そうでない人もまずまず楽しく観る事が出来る。
今年の夏はアニメーション映画の封切りが例年以上に多いが、日本映画はシリーズ物が多く、予備知識無しの人でも楽しめる完全なファミリー向けは多くない。
本作や来月の「ボルト」といったハリウッド作品は、そいう意味で夏休みに家族で見る映画を探しているお父さんにはぴったりだろう。
パロディになっている作品からすると、世代的にはむしろ親の方が楽しめるかも?
どちらかというと映画好きなファミリーにこそお勧めだ。
ちなみに、この映画に盛り込まれているパロディーは、直接的な物以外にも盛りだくさん。
例えば、スーザンの家があり、エイリアンに襲撃されるモデストというカリフォルニアの田舎街は、ジョージ・ルーカスの故郷であり、彼の「アメリカン・グラフィティ」の舞台である。
映画ファンなら、いくつネタを見つけられるか、試してみるのも面白いかもしれない。
なお、最近のハリウッド製3DCGアニメは、3Dメガネをかけて観る立体版が用意されるのが普通で、今回も立体版と、2D版の二種類がある。
立体映画の上映システムが日本でもようやく普及し始めたが、過去に何度か起こった立体映画ブームがテレビとの差別化を主目的としていたのに対して、今ハリウッドで立体映画が増えている最大の理由は、増え続ける海賊版対策という極めて切実な物。
だから、今後ますますハリウッドの大作は立体映画の方が主流となるだろうが、元々見世物的な意味で作られている訳ではないので、立体感をことさら強調する演出は控えめだ。
この作品も、冒頭のカットを除けば立体を意識させる演出は多くなく、まあどちらで観ても印象はそれほど変わらないはず。
2000円の特別料金を出してまで、立体版を観るかどうかは正直微妙なところだ。
今回はコンパスボックス社のスコッチウィスキー、その名も「ピートモンスター」をチョイス。
2000年創業の新しい会社だが、ウィスキーだけにピートの怪物という訳だ。
ラベルにも、いかにもB級映画に出てきそうなモンスターが描かれている。
まあ味のほうは怪物的に凄いという訳ではないが、ピートモンスターというくらいだからスモーキーで、フルーティさとスパイシーさのバランスも良く、こちらもウィスキー好きなら広く好まれる味わいだと思う。
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「モンスターVSエイリアン」とは、身も蓋もないベタなタイトルだが、実際その通りの内容なのだ。
しかし物語こそ単純だが、実はこの映画、かなりマニアック。
これがファミリー映画の企画として成立し、二億ドルを稼ぎ出すアメリカの映画文化って、やっぱりとても奥が深い。
カリフォルニア州モデストに住むスーザンは、結婚式の直前に宇宙から飛来した謎の隕石とぶつかった事で、身長15メートルの巨人になってしまい、モンスターを管理する政府の秘密基地に監禁されてしまう。
そこには人間とゴキブリが合体したコックローチ博士や半魚人の様なミッシングリンク、アメーバの様なボブ、そして体長100メートルのムシザウルスといった仲間たち(?)が暮らしていた。
その頃、スーザンを巨人に変えたエネルギーを狙うエイリアンは、巨大戦闘ロボットを地球に派遣。
ロボットは、人類のあらゆる兵器の攻撃を寄せ付けず、サンフランシスコを目指して動き始める。
秘密基地のモンガー将軍は、モンスターたちを巨大ロボットと戦わせるように大統領に進言するのだが・・・
ライバルのピクサー・アニメーションスタジオに比べて、日本ではややマイナーなイメージのDWAだが、アメリカではCGアニメ界ビック2の一方の雄であり、実際アニメーション映画の世界興行歴代1位は同社の「シュレック2」が、僅差でピクサーの「ファインディング・ニモ」をかわす。
会社設立時の経営陣と過去のディズニーとの確執は有名で、ディズニー=ピクサー系の作品を露骨にライバル視して、ピクサーが「バッグズライフ」を作れば「アンツ」を、「ファインディグ・ニモ」を作れば「シャークテイル」と同系統の作品をぶつけて、企画盗用で訴訟沙汰になった時期もあった。
何れにしても、DWAとピクサーのライバル関係が、結果的にアメリカのCGアニメーションの歴史を作って来たと言っても過言ではないだろう。
どちらかというと万人受けする王道の作品が多いピクサーに対して、徹底的にディズニー的な世界観をコケにした「シュレック」シリーズの様にパロディ色が強いのもDWA作品の特徴で、今回の作品もパロディー満載。
いぢられるのは、もちろん古今東西のモンスターとエイリアンが出てくる映画だ(笑
映画は、まるで二部構成であるかの様に前半と後半で作りが違っている。
前半は、巨大花嫁スーザンをはじめとするモンスターVSエイリアンが送り込んできた巨大ロボットのバトルが中心。
モンスターたちのキャラ自体が、全員過去のB級SFのパロディなのを皮切りに、もう詰め込めるだけ詰め込んだというパロディの嵐だ。
メジャータイトルだけでなく、殆ど誰も知らないだろうという超マイナー映画までも堂々とパロられているのは、ある意味アメリカの観客のマニアックさの証明だろう。
近年ではOTAKUも国際語になったが、日本のオタク文化がやや閉鎖的なニュアンス持つのに対して、アメリカのマニアック文化は極めて裾野が広く奥も深い。
それはB級C級を含む古い映画へのアクセスのしやすさはもちろん、映画を観るという行為その物が日本よりもずっと一般的であるという事と無縁ではないだろう。
この映画に詰め込まれたパロディがしっかりと笑いを取れるかどうかは、一年間に一人当たり一本しか映画館で観ない文化と、五本観に行く文化の違いだ。
もっとも、全世界を対象とするハリウッド映画であるから、元ネタを知らなくても普通に面白い。
特にサンフランシスコを舞台にした怪獣映画的スペクタクルは圧巻で、東宝怪獣バトルに胸躍らせた記憶のある人は、文句なしに楽しめるだろう。
ところが後半、ボスキャラのエイリアンが巨大UFOで襲来し、再度モンスターたちが出動すると、映画の様相はだいぶ変わる。
ムシザウルスが早々に倒された後は、殆どエイリアンのUFOの中が舞台となり、スーザンまでもがエネルギーを吸い取られて人間サイズに戻ってしまう。
こうなると、モンスター映画のパロディ色もかなり薄くなるので、普通のSFアクションコメディという感じだ。
「SW」ネタを初めとするパロディもしっかりとやってはいるのだが、前半の破天荒でマニアックなエネルギーはちょっとパワーダウン。
かなり間抜けなエイリアンの最期も、能天気な映画のトーンから少し浮いていて、なんだか可哀想に感じてしまった。
いっそのこと、モンガー将軍の新しいコレクションにされていても良かったんじゃないだろうか。
まあ、そうは言っても、これはこれで面白いし、クライマックの危機に飛来するあのキャラクターは、日本人としてはちょっと嬉しい。
繭になってた時点でわかってはいたけど、あれって「ゴ○ラ」のパロディだと思っていたら、そっちだったのね(笑
件のキャラクターは、1961年のオリジナルにおいて、東宝怪獣として始めてアメリカ(劇中ではロリシカという架空の国名が使われているが)を襲撃した記念すべき怪獣である。
翌62年には、コロムビア映画によって全米公開され大ヒット、当時14歳のスピルバーグ少年始め、多くの映画人に影響を与えている作品なので、なるほどハリウッドでちょっと捻ったパロディにされるにはこちらが相応しいのかもしれない。
また、全体の印象としてはどうしてもパロディやアクションが強いのだが、一応これはスーザンの成長物語にもなっており、薄いながらテーマ的にも考えられている。
突然モンスターになってしまったことで、信じていた婚約者に裏切られ、街を守って戦ったのに、見た目で差別される現実。
逆境の中で、自分にとって本当に大切なものを見つけてゆくスーザンの姿は、限りなくおバカな映画に一本筋を通す事に成功している。
「モンスターVSエイリアン」は、SFやモンスター映画のマニアが観ればより面白く、そうでない人もまずまず楽しく観る事が出来る。
今年の夏はアニメーション映画の封切りが例年以上に多いが、日本映画はシリーズ物が多く、予備知識無しの人でも楽しめる完全なファミリー向けは多くない。
本作や来月の「ボルト」といったハリウッド作品は、そいう意味で夏休みに家族で見る映画を探しているお父さんにはぴったりだろう。
パロディになっている作品からすると、世代的にはむしろ親の方が楽しめるかも?
どちらかというと映画好きなファミリーにこそお勧めだ。
ちなみに、この映画に盛り込まれているパロディーは、直接的な物以外にも盛りだくさん。
例えば、スーザンの家があり、エイリアンに襲撃されるモデストというカリフォルニアの田舎街は、ジョージ・ルーカスの故郷であり、彼の「アメリカン・グラフィティ」の舞台である。
映画ファンなら、いくつネタを見つけられるか、試してみるのも面白いかもしれない。
なお、最近のハリウッド製3DCGアニメは、3Dメガネをかけて観る立体版が用意されるのが普通で、今回も立体版と、2D版の二種類がある。
立体映画の上映システムが日本でもようやく普及し始めたが、過去に何度か起こった立体映画ブームがテレビとの差別化を主目的としていたのに対して、今ハリウッドで立体映画が増えている最大の理由は、増え続ける海賊版対策という極めて切実な物。
だから、今後ますますハリウッドの大作は立体映画の方が主流となるだろうが、元々見世物的な意味で作られている訳ではないので、立体感をことさら強調する演出は控えめだ。
この作品も、冒頭のカットを除けば立体を意識させる演出は多くなく、まあどちらで観ても印象はそれほど変わらないはず。
2000円の特別料金を出してまで、立体版を観るかどうかは正直微妙なところだ。
今回はコンパスボックス社のスコッチウィスキー、その名も「ピートモンスター」をチョイス。
2000年創業の新しい会社だが、ウィスキーだけにピートの怪物という訳だ。
ラベルにも、いかにもB級映画に出てきそうなモンスターが描かれている。
まあ味のほうは怪物的に凄いという訳ではないが、ピートモンスターというくらいだからスモーキーで、フルーティさとスパイシーさのバランスも良く、こちらもウィスキー好きなら広く好まれる味わいだと思う。

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