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ハリー・ポッターと謎のプリンス・・・・・評価額1450円
2009年07月22日 (水) | 編集 |
早いもので、2001年のシリーズ開始から既に8年。
ハリーたちはホグワーツ魔法学校の6年生となり、もう見た目は完全に大人だ。
第4作の「炎のゴブレット」でヴォルデモートが復活してからは、それまでの一話完結的な展開から、壮大なサガ的物語へと大きく舵を切ったシリーズだが、今回の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は、いよいよ最終章への助走開始。
作品のトーンはますます暗くなり、もはやファミリー映画というよりも、ダークファンタジーという形容が相応しい。

復活した闇の帝王に脅かされる魔法界。
ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)は、ホグワーツ魔法学校にホラス(ジム・ブロードベンド)という教員を復職させる。
嘗てヴォルデモートの担当教員であったホラスは、闇の帝王の復活に関する重大な秘密を知っているらしい。
ハリー(ダニエル・ラドクリフ)はダンブルドアに、ホラスに取り入ってヴォルデモートの秘密を聞き出す様に命じられる。
同じ頃、父親がアズカバンに送られたドラコ(トム・フェルトン)は、自らヴォルデモートに忠誠を誓い、魔法の力で守られたホグワーツに闇の勢力を侵入させようとする。
舞台裏で生死をかけた熾烈な駆け引きが行われている一方、生徒たちは恋の季節の真っ只中。
ある女子生徒の猛烈アタックに夢中になるロン(ルパート・グリント)に、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)は冷ややかな視線を送るのだが・・・


物語的には、シリーズ中最も動きが少ない。
来年と再来年に公開が予定されている、シリーズ最終章「死の秘宝」二部作を前にした、嵐の前の静けさという感じか。
もちろん、結末への布石は着々と打たれており、決して話が滞っている訳ではない。
物語のメインストリームは、前作から本格化した魔法戦争であり、キャラクターの役割が明確化され、迫り来る最終決戦への準備が整う。
ヴォルデモートの脅威はますます顕著となり、ホグワーツの内部も光と闇に引き裂かれる。
ダークサイドの人となる事を選択したドラコに、ようやくハリーの対極としてのポジションが与えられ、ハリーとダンブルドアドラコとスネイプという師弟コンビの間で、ヴォルデモート復活の秘密という対立軸を巡る駆け引きが展開する。
人間関係はますます複雑に絡み合い、物語から退場する者もいれば、抜き差しならぬ袋小路に追い込まれる者もいるが、今回はとりあえず、最終局面を争うキャラクターたちがゲーム盤の上に並べられたところまで、という感じだろうか。

「ハリー・ポッター」シリーズは、第一作が出版された当初から、「スター・ウォーズ」との類似点の多さが指摘されてきたが、ヴォルデモート=シスの暗黒卿、不死鳥の騎士団=ジェダイ騎士団、ハリー=ルークと考えれば、このシリーズが、「SW」の旧三部作と新三部作をミックスしたような構造をもっている事がわかる。
今回のクライマックスのダンブルドアの行動は、もろ「エピソードⅣ」のオビワンだ。
もちろん、「SW」の新三部が完結したのは、J・K・ローリングが本作の原作を発表したのと同年で、多分に偶然よる部分もあるのだろうが、どんどんダークな方向へと突っ走るあたりを含めて「ハリー・ポッター」の原点にローリングの映画的な記憶が関わっている事は間違いないだろう。
もっとも、途中から始まり、そこへ通じる途中で終わる事で、ハッピーエンドとバッドエンドがループするという映画史的にも珍しい物語構造を作り上げた「SW」と違って、原作通りならこちらはもっとスッキリと終わるはずだけど。

また、権謀術数渦巻く魔法戦争だけが見所ではなく、学園物という側面があるのも、このシリーズの大きな特徴。
案外と描写される比重が大きいのは、青春真っ只中の若き魔法使いたちの恋の話だったりする。
ハーマイオニーとロンの恋の鞘当や、ハリーとジニーの微妙な関係にかなりの時間が費やされ、学園ラブストーリー半分、魔法戦争半分が物語の表裏に配されているという感じだ。
まあ恋バナの部分は、主人公たちが思春期にある事を強調する以上に意味を持って広がる事はなく、どちらかと言うと今回は手持ち無沙汰なロンとハーマイオニーの出番を作るために活用されている印象が強いのだが、一応ハリーにジニーと言う大切な存在が出来る事で、これまで以上にヴォルデモートとの対決ムードに切迫感がでていたり、ホグワーツの裏で展開するダークすぎる物語の箸休めの様な役割を果たしている。

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は、シリーズ映画として、忠実にポジションを守った一作だ。
このシリーズは、第一作から一貫して原作を読んでいる人に向けて作られており、そのスタンスは今回も変わらない。
もちろん原作を読んでいなくても、それなりにきちんと話は追えるし、楽しめない事は決してないが、相変わらず端折り感は否めないし、映画ではほんのチョイ役になってしまっている者を含め、キャラクター一人一人が誰だったかを思い出すのも大変だ。
その意味で、これはやはり原作の超豪華な挿絵であり、それ以上でも以下でもないのである。
「不死鳥の騎士団」から続投のデヴィッド・イェーツ監督は、膨大な文章量を誇る原作を、前作同様に比較的コンパクトに手堅く纏めているが、原作既読者向けというスタンスを維持する以上、誰が撮ったとしても劇的に違った物にはならないだろう。
もっとも、今回は初めて原作7部作の完結後に作られた映画である。
前回までは、原作の展開がどうなるのか不明だったので、なかなか大胆に脚色するのは難しいという事情があったが、今回はもう少し取捨選択が可能だったのではないか。
実際、切っても問題ない部分もあったし、「ロード・オブ・ザ・リング」の様に、次章の話の一部をこっちに持ってきてしまう事も可能だっただろう。
まあ契約上の問題もあるだろうし、映画チームにどこまで創作上の自由が与えられていたかはわからないが、ここまで来たらちょっと冒険して、一本の映画としての完成度を目指しても良かったかなあという気はする。
「ハリー・ポッター・サガ」全体の中で、クライマックスの前章としてはなかなかに良く出来た作品だと思うが、完全に話の途中で終わってしまう事もあり、この作品単体での印象はあまり強くない。
やはりこれは最終章とセットで評価すべき作品だろう。
個人的には、前作から登場したホグワーツの不思議ちゃん、ルーナ・ラブグッドの大西ライオンみたいな被り物が一番記憶に残った(笑

今回はアイルランドのブリュードッグ・ブルワリーから「パラドックス アラン1998カスク」をチョイス。
濃厚なインペリアル・スタウトを、アランのシェリーカスクの空き樽で熟成したという。
インペリアル・スタウトとは、帝政ロシアで飲まれていたスタウトがルーツで、体を暖めるためにアルコール度数が10%前後と高いのが特徴。
スパイシーかつフルーティで、強さだけではない深い味わいを持つ。
凍てつく冬の様に冷たいムードのこの映画、観賞後はこれで暖まろう。

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