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アマルフィ 女神の報酬・・・・・評価額1250円
2009年07月26日 (日) | 編集 |
フジテレビ開局50周年記念作で、海外ロケでテロリストの出てくる大作サスペンス
しかも原作、主演が「ホワイトアウト」のコンビで、監督、主演は「県庁の星」のコンビ。
もうこの時点でイマイチ食指が動かない作品なのだが、意外にも周りの評判が良いので、先入観を捨てて観に行った。
なるほど、さすがに画作りは気合が入っているし、風格ある作品を作ろうと言う意欲は伝わってくる。
しかしながら、如何せん物語にアラがあり過ぎで、登場人物の造形も薄っぺらく、扱っているテーマが胸に迫ってこない。
つまらなくはないが、少々お金のかかった凡庸な二時間ドラマという感じだ。

クリスマス間近のイタリア、ローマ。
G8会合に出席する、川越外務大臣(平田満)の来訪を控えたローマの日本大使館では、準備作業が最終段階を迎えている。
テロ情報を受けて、急遽ローマ入りした外交官の黒田康作(織田裕二)は、赴任早々起こった日本人少女の誘拐事件に対処するために、研修生の安達香苗(戸田恵梨香)と共に少女の母親(天海祐希)にコンタクトする。
すると彼女の携帯に犯人からの電話が入り、黒田はとっさに少女の父親だと嘘をつくのだが・・・


日本人少女が誘拐され、母親の矢上紗江子とひょんなことから父親役を演じる羽目になった黒田が、犯人のメッセージを追ってローマ市内の観光地を駆けずり回る「天使と悪魔」ばりの前半部分はまあまあ面白かった。
もしもこの疾走感を維持できていたら、なかなかの作品になっていたかもしれないが、中途半端にテーマ性を強調した事と、凝った作劇が裏目に出る。
原作はベストセラー作家の真保裕一の手による書き下ろし小説なのだが、これって書いた後にミステリのロジックをちゃんと推敲したのだろうか。
過去にヨーロッパの某国で起こった虐殺事件に絡んで、日本国外務大臣に恨みを持つ、悲しきテロリストたちが7年もかけて計画した作戦にしては、あまりにも回りくどく、それでいて決定的な部分では偶然性に頼りすぎていて、計画のあちらこちらが破綻してしまっている。
切れ者の黒田が事件に関わったのは偶然に過ぎない訳で、もしも犯人の残した「ヒント」に誰も気付かなかったら?
また、GPS発信機を犯人グループが使えたのも、黒田の行動による偶然で、あれがなければ、どうやって警察を囮に誘導するつもりだったのだろう?
そもそも長年かけた計画の核心部分を全くの他人、しかも素人の女性に委ねるって・・・もしも彼女がボタンを押しそこなったら、あるいは土壇場で裏切ったら全てがオシマイではないか。
おまけにセキュリティ厳重なはずの警備会社の中枢司令室に、金属探知機も通らずに銃を持って堂々と入れるとか、都合良過ぎである。
計画の全貌の見えなかった前半部分は、矢継ぎ早な展開の面白さで何とか間が持ったが、佐藤浩市の正体が明かされ、物語のテーマ性が強調され始めると、逆にロジックの破綻と御都合主義が一気に表面化してしまった。
もっとも、計画の破綻の幾つかは、実は黒田が犯人グループの協力者だったという裏設定でもあるのなら、一応辻褄は合うのだけど(笑

では人間ドラマとしてはどうか。
残念ながら、これもキャラクターが記号的で深みに欠ける。
原因は物語を展開させるのに精一杯で、登場人物の内面や背景が殆ど描かれない事で、特に主人公の黒田に関しては、刻々と推移する事態に対処する姿しか描かれておらず、彼がどんな人物なのかさっぱりわからない
まあ織田裕二は、何だかんだ言ってもそれなりにスターオーラのある役者だから、画面はある程度持つのだけど、終始仏頂面で表層的なキャラクターは、今ひとつ魅力に欠けると言わざるを得ない。
おまけにこの人物、セキュリティ対策の専門家にしては首を傾げたくなる様な、後先考えない行動が多いのだ。
特にイタリア警察に銃を突きつけての大立ち回りは、どう考えても事態を深刻にするだけで、とりあえず日本人チームとイタリア人チームに別行動をとらせたいという作劇上の御都合主義にしか見えなかった。

他のキャラクターも描き方は似たような物で、佐藤浩市演じる犯人グループのリーダー藤井も、外務大臣に恨みがあるのはわかるのだけど、七年もかけた復讐の主目的がアレ??
関係者が皆死んでるというなら判らないでもないが、何しろ当事者が生きているのだから幾らでも告発の方法はあるだろう。
「隠蔽されました」の一言ではなくて、「どのように」という部分がないと、設定そのものに説得力が感じられない。
娘の身を案じる矢上紗江子を演じた天海祐希はリアリティがあったが、彼女にしても最後に黒田に託した藤井へのメッセージはあり得ないだろう。
娘が無事に保護された後なら判らないでもないが、あの時点での藤井はまだ憎き誘拐犯なのだ。
どうも登場人物の言動は内面の必然というよりも、作劇上の必然による物が目立ち、物語の強引な展開によってキャラクターの整合性が犠牲になってしまっている印象が強い。
全編を通して登場するキャラクターの中では、物語の核心部分からは一番遠い、戸田恵梨香演じる研修生が一番自然に見えるのはなんとも皮肉だ。
キャラと言えば、サラ・ブライトマンが本人役で登場しているのも話題だが、大金をかけてキャスティングしたからか、彼女の映像を劇中だけでなくエンドクレジットにまで再使用しているのも意図が良くわからない。
これが物語上で重要な意味のあるステージならともかく、単なる話の背景に過ぎないのだから、金を掛けた部分を必死に使っている様で、かえって貧乏臭く感じてしまった。

西谷弘監督の前作、 「容疑者Xの献身」もベストセラーの映画化で、世評は極めて高かったが、私としては物語のアラが気になって、傑作とまでは思えなかった。
ミステリと言うよりは人間ドラマなんだから・・・という論評も多かったが、私は人間ドラマだからミステリとしてのロジックがいい加減で良いとは思わない。
少なくとも作劇のロジックの破綻に観ている間に気がついてしまったら、人間ドラマを味わう以前に白けてしまう。
その意味では、「容疑者Xの献身」も本作も五十歩百歩ではあるのだが、やはり人物をじっくりと描いている分、キャラクターの説得力は前作の方が数段上だったと思わざるを得ない。
そういえば、本作にはなぜか脚本のクレジットがなく、シナリオ作家協会が抗議するという事態になっている。
実際には原作者の真保裕一と西谷監督の共同脚本だそうで、どちらも自分一人で書いたわけではないと譲り合った末にノンクレジットとなったらしいが、それなら二人をクレジットすれば済む話。
ホントのところ、出来栄えに自信がないから名前出したくなかったんじゃないの、と穿った見方をしてしまいたくなる。

「アマルフィ 女神の報酬」は、観ている間はそれなりに楽しめるが、観終わって振り返ると突っ込み所満載のB級観光地サスペンスという感じだ。
しかし、そのものずばりのタイトルにもなっているアマルフィ。
「ロード・オブ・ザ・リング」に登場する、ミナス・ティリスを思わせる美しい街は、私のいつか行ってみたい観光地リストにも入っているのだけど・・・・てっきり後半の舞台はアマルィになるのかと思いきや、ただ時間稼ぎで立ち寄っただけという設定にはびっくり。
まあ、英雄ヘラクレスが愛する妖精アマルフィの死を悼み、世界で一番美しいこの地に埋葬したという、街の起源に纏わる神話に、亡き妻の無念を晴らそうとする藤井たちの境遇を重ねたという事なのだろうけど、これをタイトルにしちゃうのはかなり無理がある。
「女神の報酬」という副題も、映画を観る限り意味不明だし、正直なところ看板に偽りあり。
どうも「アマルフィ」「テロ」「誘拐」「スーパー外交官」などのキーワードを先に思いついて、後は強引に話をつなげ合わせたという印象だ。
イタリア旅行の気分は味わえるので、夏休みに暇つぶしに観る分には良いかもしれない。

アマルフィといえばやはりリモンチェッロという事で、今回はプロフーミ・デッラ・コスティエーラ
社の「リモンチェッロ プロフーミ・デッラ・コスティエーラ アマルフィ」をチョイス。
元々この地方の家庭で長年作られていたレモン皮ベースのリキュールだ。
日本で一般的なレモンに比べ、数倍も大きいという特徴的なアマルフィ産リモーネをたっぷり使ったこの酒は、非常にスッキリしていて食欲の増進効果もあるという。
飲み方は様々だが、この季節なら、私はキンキンに冷やしてスパークリングウォーターで割るのが好きだ。
ちなみに、ちょっと調べてみたら、何とこの映画オフィシャルのリモンチェッロがあるらしい。
「アマルフィ・女神の雫」と名づけられたこちらはイル・グスト・デッラ・コスタ社製。
この生産者の製品は飲んだ事はないが、何れにしても今ひとつな映画の後味をスッキリさせてくれるだろう。

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