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ボルト・・・・・評価額1550円
2009年08月05日 (水) | 編集 |
私はどちらかと言うと猫派の猫バカなので、ハリウッド映画における過剰な犬偏愛主義にはしばしば拒否反応を感じてしまう。
だが、そんな私でもこの映画のオープニング、動物シェルターで遊ぶ仔犬のボルトの殺人的な可愛さにはノックアウトされた。
あの子犬のまま映画が続いたら、そのまま悶え死んでしまったかも知れない(笑
だが、犬でも猫でも人間でも、小さくて可愛い時期は一瞬。
大きくなったボルトは、なんと悪と戦うスーパードッグに大変身、と言ってもそれは劇中のテレビの中の話。
「ボルト」は、自分自身が何者かを知らなかった一匹の犬が、長い長い旅路の果てに、本当の幸せを見つけるまでを描いた良質のファミリー映画だ。

ボルトはハリウッドで活躍するスター犬。
飼い主のペニーを守って、悪の組織と戦う番組の主役として大人気だ。
だが、ボルトと自身は、自分が本当にスーパードッグだと思っている。
ある日、ペニーが悪の組織に連れ去られるシーンの撮影があり、本当に彼女が誘拐されたと思ったボルトは、スタジオの外に飛び出してしまう。
ひょんなことから、ハリウッドから遥かかなたのニューヨークまで運ばれてしまったボルトは、猫のミトンズとハムスターのライノを道連れに、ペニーを探す長い旅に出るのだが・・・


2006年にディズニーがピクサーを買収した事で、実質的にピクサーの元でディズニーのアニメーションスタジオの再建が始まってから3年。
この作品は企画の始まりからピクサーのスタッフが関与した最初の作品となり、ストーリー及びビジュアルの高い完成度、エンドクレジットなどに見られる絵的な遊び心も含めてピクサー流の映画作りを強く感じさせる作品となっている。
今までの所、ディズニーブランドの作品はピクサー作品と若干コアターゲットとなる年齢層を変え、こちらの方がより若年層から楽しめる作品を目指している事で棲み分けも上手くいっている様だ。

本作の主人公は、自分を悪と戦うスーパードッグだと思い込んでいた犬。
予告編を観たときから、どこかで聞いたような話だなあと思っていたのだが、なるほどこれは本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるジョン・ラセターの代表作であり、映画史上初の長編フルCGアニメーション「トイ・ストーリー」の主人公の一人、バズ・ライトイヤーの葛藤の焼き直しだ。
あの映画で、自分の事を宇宙を救うヒーローだと思い込んでいたバズは、実は自分が子供の玩具に過ぎず、何のスーパーパワーも無いことに愕然とするが、彼の姿は本作のボルトにそのままかぶる。
また、物心付いた頃からスタジオのセットで育ち、外の世界を知らないという設定は、ピーター・ウィアー監督の「トゥルーマンショー」か。
これら、知らないうちにショービズというフェイクの人生を送っている主人公の物語に、懐かしのディズニー動物映画、「三匹荒野を行く」の様な、「ホーム」を目指す動物たちのロードムービーを組み合わせたのが「ボルト」と言えるだろう。
とは言っても、物語の構築に膨大な時間とお金をかけるのがピクサー流。
過去の作品のコンセプトを流用しつつも、プロットは無駄なく綿密に作りこまれ、観ている間デジャヴをそれほど感じさせないのはさすがである。

ボルトと旅の仲間となる、野良猫のミトンズとなぜか何時もボールに入っているハムスターのライノのキャラクターもいい。
ミトンズは、世間知らずのボルトに限りなく厳しい現実を教える役回りだ。
やせ細り、毛並みもボサボサの彼女は、都会の片隅でハトたちから食べ物を脅し取る事で何とか暮らしている。
猫を恐れるハトたちには強がりを言っているものの、彼女はどうやら昔の飼い主に爪を抜かれ、野生を生き抜く能力を奪われた上で、無残にも捨てられたらしい。
人間の愛を信じることが出来ないミトンズの傷ついた心は、私の様な猫バカにはたまらなく切ない。
対して、何時も能天気で、根拠無くポジティブなのはハムスターのライノ。
彼の迷いの無い生き方は、世界の現実に落ち込むボルトと厭世的なミトンズを勇気付ける。
ぶっちゃけ無謀ではあるものの、ライノの後先考えない(考える頭が無いとも言えるけど)行動力は、ボルトやミトンズだけでなく、我々観客にも明日を信じるパワーを与えてくれる・・・気がする(笑

一方、人間側でしっかりと描かれるキャラクターはペニーだけ。
彼女の周りの人間たちは出てくるものの、基本的にそれぞれの役割に記号化されたキャラクターだ。
だがこの作品の場合、フェイクで固められたボルトの世界で、「唯一本物だったもの」はペニーの愛だったわけで、人間側のキャラクターを彼女に絞ったのは正解だろう。
ペニーのマネージャーや視聴率至上主義のスタジオの女性幹部などの、ハリウッド的な価値観を揶揄するキャラクターは、若干自虐的なギャグにもなっていて面白いのだが、これをあんまり強調しすぎると、今度はドリームワークス系のアニメの様に毒で一杯になっちゃうので、バランスとしては今ぐらいがちょうど良いのかもしれない。

「ボルト」は、誰にでも薦められる超正統派のファミリー映画だ。
その分、万人向けを意識するあまり、優等生的にまとまり過ぎていて、全てが予定調和に進んでしまう事が欠点と言えるだろう。
まあ逆に言えば、観客を選ぶマニアックさは皆無で、年少の子供たちも安心して連れて行けるし、大人が観ても十分楽しめる。
ボルトの人生(犬生?)は極端な例だが、本当の自分とは何者なのか?と言う問いは、程度の違いはあれどおそらくは誰もが一度は抱いた事があるだろう。
その意味で、実社会で現実の壁にぶち当たり苦悩するボルトの姿は、自分はまだまだこんな程度じゃないはず・・・と思っている多くの大人たちにこそ説得力をもって受け入れられるかもしれない。

タイトルロールのボルトをジョン・トラボルタ、ペニーを「シークレット・アイドル/ハンナ・モンタナ」で大ブレイクしたマイリー・サイラスが好演。
共に喉に覚えのある二人だけあって、主題歌「I Thought I Lost You」も一緒に歌っている。
悪の組織のドクター・キャリコを、怪優マルコム・マクダウェルが演じていたりするのも遊び心があって嬉しい。

同時上映の短編はピクサー作品。
ジョン・ラセター監督の「カーズ」からのスピンオフ、その名も「TOKYO MATER」だ。
東京を舞台に、レッカー車のメーターのドリフトバトルが描かれるこちらは、「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」のパロデイ。
ゲイシャカーも登場し、まるで「スピードレーサー」の様にネオンがピカピカのこれは、確信犯的に日本を勘違いしてるな(笑

今回は犬だけに、「ソルティードッグ」をチョイス。
もっとも、この名前の元の意味は、海風に晒される水兵を「塩塗れの犬」に見立てたスラングで、地上の犬とはあまり関係ない。
グラスの淵にグレープフルーツジュースを塗って、粒の粗い天然塩を付着させてスノースタイルに。
塩は海塩の方が相性が良い。
冷したウォッカとグレープフルーツジュースをお好みの比率でステアして、夏の定番カクテルが完成。

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