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THE 4TH KIND フォース・カインド・・・・・評価額1050円
2009年12月19日 (土) | 編集 |
一風変わった映画である事は間違いない。
西暦2000年10月に、アラスカ州ノームで起こったという一連の怪事件を題材にしたスリラーで、一応実話がベースという事になっているのだが、普通の物語のある映画とは違う。
かと言って「ブレアウィッチプロジェクト」「クローバー・フィールド」の様な、フェイクドキュメンタリーとかモキュメンタリーなどと呼ばれるジャンルとも異なる。
冒頭で、ミラ・ジョヴォヴィッチがナビゲーターとして姿を現し、これはアビゲイル・タイラー博士という人物が経験した事を再現した作品であり、心理学者であるタイラー博士が当時記録した映像と、再現ドラマで構成されている事を告げる。
ジョヴォヴィッチはタイラー博士の役で俳優としても出演もしている。
まあ売り物の記録映像の真偽はともかく、世界中の事件や事故を記録映像+再現ドラマで紹介するテレビのバラエティ番組の構成に一番近いかも知れない。

2000年10月。
アラスカ州ノーム在住の心理学者、アビゲイル・タイラー博士(ミラ・ジョヴォヴィッチ)のところには、不眠を訴える複数の住民がカウンセリングに訪れていた。
彼らが一応に訴えるのは、窓の外から自分を見つめる白いフクロウのイメージ。
何か共通する原因があると考えた博士は、トミーという患者に退行催眠をかけて、フクロウの記憶を探り出そうとする。
ところが、催眠状態のトミーは、突然記憶の中で何かを見てパニックに陥る。
何を見たのかを博士には告げず、逃げるように帰っていったトミーは、その日の夜に家族全員を殺害して自殺してしまう・・・


ティザー的に謎を散りばめて、ミステリ的な要素で客を引っ張ろうというのなら、「THE 4TH KIND フォース・カインド」などと豪快にネタバレしたタイトルをつけてはダメだろう。
ノームの住人に何が起こったのか、それを当時の記録映像をベースに、再現ドラマで補完しつつ、少しずつ迫ってゆくというコンセプトはまあ良い。
時間的にはごく短い「現実の記録」のリアリティを高めるために、再現ドラマを使うという手法は、やり方によってはアリだと思う。
だが、この作品の場合、インタビューアーとして出演もしているオラトゥンデ・オスンサンミという舌を噛みそうな名前の監督が今ひとつ上手くない。
作品の構造にも問題があり、映画のオチの判明が早すぎる上に、再現ドラマの展開がダラダラしており、どうにも退屈だ。

謎解きの結論がエイリアン・アブダクションなのは、タイトルですでにネタバレしてる事を別にしても、始まってから10分もかからず観客にわかってしまう。
多くの住民が不眠に悩まされ、共通のイメージを持っていて、それが「白いフクロウ」という時点でバレバレである。
モスマン伝説を始め、フクロウはしばしばエイリアンと結びつけられるのは良く知られているし、最初の患者の退行催眠だけでこの話の謎の大半は見えてしまい、以降もそれ以上のものは殆ど何も出てこない。

まあ再現ドラマの方で、タイラー博士の身に次々と災難が降りかかる事で、観客の興味をつなごうとはしている。
あるテープの存在によって博士自身も隠された記憶を持つ事が判明し、テープにある謎の言葉を巡る謎解きがあったり、催眠治療が殺人事件を誘発したのではと疑う保安官との葛藤があったり、さらにはアブダクション説に懐疑的な同僚心理学者が、タイラー博士に退行催眠を試みたりもする。
また最後の方では、「X-ファイル」モルダーのトラウマに良く似た事態が博士自身に起こったりと、エピソードの数的には結構盛り込まれている。
ただ、バラエティ番組の様な構成が仇となり、再現ドラマの一つ一つが有機的に結びつかず、どうにも盛り上がらない。
どのエピソードも思いのほかあっさりと終ってしまい、最終的に特にオチもつかないために、正直なところアブダクション説のネタバレ後は、細部のちっちゃな謎を無理やり引き伸ばしている印象だ。
記録映像の方も、怖い映像であるのは確かなのだけど、肝心のところがノイズだらけで、逆にそれがナマっぽい迫力を出しているとは言え、さすがにこれだけでは持たない。

ちなみにこの記録映像に関しては、一応ホンモノであるという事になっているが、客観的に考えれば眉唾だと思う。
何しろ、プライバシー保護のため仮名にしてると言いつつ、顔にモザイクも入らずバッチリ写っていたりするのだ。
博士本人の物はともかく、患者がこんな物の公開に同意するとは思えない。
ノイズが入る所以外も、9年前の映像にしては異様に画質が荒く、まるで80年代の裏ビデオみたいなのもリアリティを削いでいる。
ただ、この映像の真偽を追求する事に意味はないだろう。
映画の中でも描かれている様に、人間というものはどんなに証拠を突きつけられたとしても、受け入れられない物は受け入れられないのだ。
この映像も信じる人には真実だろうし、そうでない人には東スポのネタ記事と同じ類の物だ。

ちょうどこの映画を観ていて思い出した、私自身の経験を一つ紹介しておこう。
20年ほど前、私はアメリカの田舎のフリーウェイ上でUFOを目撃した事がある。
もうそれは幻覚とか見間違えとかが起こりえない至近距離だったのだが、車に同乗していて同時に目撃していた人間が4人いた。
彼らとはその後も付き合いがあり、十年後くらいにそのうちの二人にUFOを目撃したときの話をした。
ところが、彼らは「自分たちはそんなものは見てない」と言い張るのだ。
私が「あんなにはっきり見たのに、なぜそんな事を言うのか」と質すと、彼らは「だって、そんな事あり得ないから」と言う。
つまり「UFOなどあり得ない」故に「そんな物を見たという記憶は誤りだという」ロジックなのだ。
なるほど人間の記憶とは、何とも都合の良い物だという事だけは確かだろう。

「THE 4TH KIND フォース・カインド」は、ユニークなコンセプトを持った作品だが、残念ながらアイディアが上手く機能しているとは言いがたい。
テレビのバラエティ番組の1コーナー程度なら面白く観られたとしても、この程度の作りでは暗闇に2時間近く留置かれ、集中力を要求される映画としては辛い。
映画館よりも家庭のテレビ画面の方が相応しい作品だろう。
まあそれにしても、長さは半分くらいで十分だと思うが。

今回は、フクロウのラベルが印象的な豪州ワイン「バーキングオウル シャルドネ」の2006をチョイス。
バーキングオウルの白で白フクロウ、なんて事は置いといて、これはスッキリとした果実香がフレッシュな気分にさせてくれる、ドライなシャルドネ。
やや曖昧な映画の後味をキリリと引き締めてくれる。

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