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2010年03月23日 (火) | 編集 |
筒井康隆原作の永遠のベストセラー、「時をかける少女」の四度目の映画化。
とは言っても、これは単なるリメイクではなく、原作の続編にあたるオリジナルストーリーで、元の主人公である芳山和子の一人娘、芳山あかりが母の想いをかなえるためにタイムトラベラーとなる。
あかりを演じるのは、2006年のアニメ版で主人公の紺野真琴の声を演じた仲里依沙だ。
2010年春、高校卒業を控えた芳山あかり(仲里依沙)は、母の芳山和子(安田成美)が交通事故にあったと言う知らせを受ける。
昏睡状態の和子が、つかの間意識を取り戻したとき、彼女はあかりに嘗ての恋人である深町一夫(石丸幹二)宛てのあるメッセージを託す。
薬学者である和子の開発した薬を飲んだあかりは、母の言葉を伝えるために、1972年4月の土曜日の実験室にタイムリープ。
だが彼女が到着したのは、目標から二年もずれた1974年だった・・・・
1983年に大ヒットした最初の映画化である大林宣彦版、そして作品的にも興行的にも大成功した細田守による2006年のアニメ版という、二つの「時かけ」に強くインスパイアされた企画である事は間違いないだろう。
冒頭のタイトルバックに大林版の主題歌を持って来た事や、芳山和子が薬学の研究者になっている事からも、本作が大林版を継承する作品である事は明確だ。
回想シーンのアングルやカット割りも、意図的に似せている部分が多い。
ただ和子が戻ろうとするのが83年ではなく72年である事から、設定は1972年に放送された最初の映像化である、NHK少年ドラマシリーズの「タイム・トラベラー」に基づいている様である。
また続編的なリメイクと言うアプローチは、明らかに細田版に影響を受けており、主人公のキャステイングを含めて、記憶に新しいアニメ版のヒットに良い意味で乗っかろうと言う意図が見える。
言わば大林版、NHK版、細田版という過去の同タイトルの作品から、少しずつベースを受け継いで、統合させた様な続編と言えるだろう。
主人公がタイムリープしまくっていた以前の「時かけ」とは異なり、今回タイムリープは一回だけ。
昏睡状態に陥った母の想いを伝えるために、娘のあかりが飛んだのは1974年。
おっちょこちょいなあかりは、目標を二年も外れてしまうが、和子の開発したタイムリープの薬は二回分だけなので、もしも72年に飛び直せば今度は2010年に帰れなくなってしまう。
あかりは仕方が無く、74年の世界で知り合った映画監督志望の大学生、溝呂木涼太の下宿に居候しながら、芳山和子と深町一夫を探す事になる。
若い男女が一つ屋根の下に暮らせば、当然のごとく情が移り、あかりと涼太は恋に落ちるのだが、未来人であるあかりはいつか元の時代へ帰らなければならない。
そう、これは未来人への恋を描いた原作の人間関係を逆転させ、未来人の視点で描いた物語なのだ。
もちろん、立場は違えど時間と言う決定的な見えない壁によって隔てられ、決して結ばれない恋の切なさは共通。
「神田川」や「春だったね」と言った世代を超えて残っている名曲が、彼らの感情を盛り上げる。
芳山あかりを演じる仲里依沙は、紺野真琴の天真爛漫なキャラクターが印象に残っているが、今回のキャラクターも、どちらかと言うと真琴に近い元気系。
同タイトルの実写とアニメ、両方で主役を演じるというのは、もしかしたら過去に例が無いのではないか。
彼女はクォーターということで、ちょっと西欧的な顔立ちもあって、70年代の世界に紛れ込んだ未来人という設定が生きる。
また相手役の溝呂木涼太を演じる中尾明慶が良いなあ。
面構えといい、ファッションといい、見事に当時の青年になり切っており、ああそう言えばこんな兄ちゃんいたなあという懐かしさすら感じさせた。
あの頃のテレビの特撮ヒーロー物の主人公って、大体涼太みたいな髪型してた様な気がする(笑
彼は今で言うところのSF映画オタクで、大学の映研で8ミリ映画を撮っている。
あかりは、深町一夫を探しながら彼の映画作りを手伝う事で、次第に絆を深めていくのだ。
この映画作りのエピソードは、おそらく自主映画出身である谷口正晃監督自身の経験から来ているのだろうが、非常にリアルかつエモーショナルで、8ミリ映画を作った事のある人間には応えられない感慨がある。
時を永遠に封じ込められるフィルムの一コマに一コマに残された想いは、なるほどこの物語に相応しいメッセージだ。
ただ、あかりが74年の世界に落ち着いて以降の中盤の展開は、物語の流れという点ではやや停滞した印象を抱かせる事になってしまっている。
何しろここには、深町一夫探し、自主映画作りを通じた恋、高校生の芳山和子と彼女の将来の夫、つまりあかりの父を巡るエピソードまでもが詰め込まれている。
要するに元々の「時をかける少女」と「虹の女神」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を一度に詰め込んで同時進行する様なもので、描くべき事が多すぎて流れが滞ってしまっているのだ。
低予算ながら、非常に頑張って作りこまれた70年代の世界観の面白さによって、ある程度救われているが、少々欲張りすぎた感は否めない。
その分、物語の終盤で深町一夫ことケン・ソゴルが姿を現すと、物語は一気呵成に動き始める。
ここからの展開は、前半にわかりやすい伏線が張ってある事もあって、途中から読めてしまうのだが、わかっていても泣かされてしまった。
共にこれが長編デビュー作となる、谷口正晃監督と脚本の菅野友恵は、「時をかける少女」というビッグタイトルに新しいアプローチで挑み、成功を収めている。
芳山和子とあかりのそれぞれに訪れるラストシーンは、たとえ記憶は失われていても、心は覚えているという、人が人を想う力の強さを感じさせてくれる。
中盤をもうちょっと整理してくれたら、より観やすい映画になったと思うが、作り手の過剰なまでの想いが詰まった本作は、青春の切なさが心に響くさわやかな作品になった。
シンプルで骨格のしっかりした「時をかける少女」という小説は、物語を展開するプラットフォームとして非常に優れた存在なのだろう。
おそらく、これからも幾つものバリエーションが生まれてくるだろうが、大林版と細田版から本作が生まれたように、いつの日かその後の芳山あかりの物語が描かれる事があるのかもしれない。
「時かけ」と言えばラベンダーの香りが重要なモチーフになっているのだが、今回はラベンダーの香りのする酒を造ってみよう。
元々ラベンダーはリキュールの香り付けに使われる事があるが、簡単に自作して楽しむ事も出来る。
作り方は果実酒と同じように甲種焼酎にラベンダーを漬けるだけ。
焼酎1.8Lに対して、ラベンダーはドライで100グラム程度を投入し、一月ほどでラベンダーを取り除き、後は三ヶ月程度熟成させる。
好みで甘くしたり、他のハーブ酒を造って、色々とミックスさせるのも楽しい。
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とは言っても、これは単なるリメイクではなく、原作の続編にあたるオリジナルストーリーで、元の主人公である芳山和子の一人娘、芳山あかりが母の想いをかなえるためにタイムトラベラーとなる。
あかりを演じるのは、2006年のアニメ版で主人公の紺野真琴の声を演じた仲里依沙だ。
2010年春、高校卒業を控えた芳山あかり(仲里依沙)は、母の芳山和子(安田成美)が交通事故にあったと言う知らせを受ける。
昏睡状態の和子が、つかの間意識を取り戻したとき、彼女はあかりに嘗ての恋人である深町一夫(石丸幹二)宛てのあるメッセージを託す。
薬学者である和子の開発した薬を飲んだあかりは、母の言葉を伝えるために、1972年4月の土曜日の実験室にタイムリープ。
だが彼女が到着したのは、目標から二年もずれた1974年だった・・・・
1983年に大ヒットした最初の映画化である大林宣彦版、そして作品的にも興行的にも大成功した細田守による2006年のアニメ版という、二つの「時かけ」に強くインスパイアされた企画である事は間違いないだろう。
冒頭のタイトルバックに大林版の主題歌を持って来た事や、芳山和子が薬学の研究者になっている事からも、本作が大林版を継承する作品である事は明確だ。
回想シーンのアングルやカット割りも、意図的に似せている部分が多い。
ただ和子が戻ろうとするのが83年ではなく72年である事から、設定は1972年に放送された最初の映像化である、NHK少年ドラマシリーズの「タイム・トラベラー」に基づいている様である。
また続編的なリメイクと言うアプローチは、明らかに細田版に影響を受けており、主人公のキャステイングを含めて、記憶に新しいアニメ版のヒットに良い意味で乗っかろうと言う意図が見える。
言わば大林版、NHK版、細田版という過去の同タイトルの作品から、少しずつベースを受け継いで、統合させた様な続編と言えるだろう。
主人公がタイムリープしまくっていた以前の「時かけ」とは異なり、今回タイムリープは一回だけ。
昏睡状態に陥った母の想いを伝えるために、娘のあかりが飛んだのは1974年。
おっちょこちょいなあかりは、目標を二年も外れてしまうが、和子の開発したタイムリープの薬は二回分だけなので、もしも72年に飛び直せば今度は2010年に帰れなくなってしまう。
あかりは仕方が無く、74年の世界で知り合った映画監督志望の大学生、溝呂木涼太の下宿に居候しながら、芳山和子と深町一夫を探す事になる。
若い男女が一つ屋根の下に暮らせば、当然のごとく情が移り、あかりと涼太は恋に落ちるのだが、未来人であるあかりはいつか元の時代へ帰らなければならない。
そう、これは未来人への恋を描いた原作の人間関係を逆転させ、未来人の視点で描いた物語なのだ。
もちろん、立場は違えど時間と言う決定的な見えない壁によって隔てられ、決して結ばれない恋の切なさは共通。
「神田川」や「春だったね」と言った世代を超えて残っている名曲が、彼らの感情を盛り上げる。
芳山あかりを演じる仲里依沙は、紺野真琴の天真爛漫なキャラクターが印象に残っているが、今回のキャラクターも、どちらかと言うと真琴に近い元気系。
同タイトルの実写とアニメ、両方で主役を演じるというのは、もしかしたら過去に例が無いのではないか。
彼女はクォーターということで、ちょっと西欧的な顔立ちもあって、70年代の世界に紛れ込んだ未来人という設定が生きる。
また相手役の溝呂木涼太を演じる中尾明慶が良いなあ。
面構えといい、ファッションといい、見事に当時の青年になり切っており、ああそう言えばこんな兄ちゃんいたなあという懐かしさすら感じさせた。
あの頃のテレビの特撮ヒーロー物の主人公って、大体涼太みたいな髪型してた様な気がする(笑
彼は今で言うところのSF映画オタクで、大学の映研で8ミリ映画を撮っている。
あかりは、深町一夫を探しながら彼の映画作りを手伝う事で、次第に絆を深めていくのだ。
この映画作りのエピソードは、おそらく自主映画出身である谷口正晃監督自身の経験から来ているのだろうが、非常にリアルかつエモーショナルで、8ミリ映画を作った事のある人間には応えられない感慨がある。
時を永遠に封じ込められるフィルムの一コマに一コマに残された想いは、なるほどこの物語に相応しいメッセージだ。
ただ、あかりが74年の世界に落ち着いて以降の中盤の展開は、物語の流れという点ではやや停滞した印象を抱かせる事になってしまっている。
何しろここには、深町一夫探し、自主映画作りを通じた恋、高校生の芳山和子と彼女の将来の夫、つまりあかりの父を巡るエピソードまでもが詰め込まれている。
要するに元々の「時をかける少女」と「虹の女神」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を一度に詰め込んで同時進行する様なもので、描くべき事が多すぎて流れが滞ってしまっているのだ。
低予算ながら、非常に頑張って作りこまれた70年代の世界観の面白さによって、ある程度救われているが、少々欲張りすぎた感は否めない。
その分、物語の終盤で深町一夫ことケン・ソゴルが姿を現すと、物語は一気呵成に動き始める。
ここからの展開は、前半にわかりやすい伏線が張ってある事もあって、途中から読めてしまうのだが、わかっていても泣かされてしまった。
共にこれが長編デビュー作となる、谷口正晃監督と脚本の菅野友恵は、「時をかける少女」というビッグタイトルに新しいアプローチで挑み、成功を収めている。
芳山和子とあかりのそれぞれに訪れるラストシーンは、たとえ記憶は失われていても、心は覚えているという、人が人を想う力の強さを感じさせてくれる。
中盤をもうちょっと整理してくれたら、より観やすい映画になったと思うが、作り手の過剰なまでの想いが詰まった本作は、青春の切なさが心に響くさわやかな作品になった。
シンプルで骨格のしっかりした「時をかける少女」という小説は、物語を展開するプラットフォームとして非常に優れた存在なのだろう。
おそらく、これからも幾つものバリエーションが生まれてくるだろうが、大林版と細田版から本作が生まれたように、いつの日かその後の芳山あかりの物語が描かれる事があるのかもしれない。
「時かけ」と言えばラベンダーの香りが重要なモチーフになっているのだが、今回はラベンダーの香りのする酒を造ってみよう。
元々ラベンダーはリキュールの香り付けに使われる事があるが、簡単に自作して楽しむ事も出来る。
作り方は果実酒と同じように甲種焼酎にラベンダーを漬けるだけ。
焼酎1.8Lに対して、ラベンダーはドライで100グラム程度を投入し、一月ほどでラベンダーを取り除き、後は三ヶ月程度熟成させる。
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