FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
トイ・ストーリー3・・・・・評価額1750円
2010年07月09日 (金) | 編集 |
映画史上初のフル3DCGアニメーション「トイ・ストーリー」が、ピクサー・アニメーション・スタジオで誕生したのは15年前の1995年。
満を持して登場する「トイ・ストーリー3」は、99年に公開された「2」以来11年ぶりの続編となる。
監督はジョン・ラセターから、「2」や「ファインディング・ニモ」でコ・ディレクターを務めたリー・アンクリッチにバトンタッチ。
映画の中でも前作から長い時間が経過し、幼かったアンディ少年は、いまや立派な青年となり大学進学を控えている。
愛する持ち主の成長という、おもちゃとしての存在価値の根本を揺るがす事態に直面するウッディたちの葛藤と冒険が描かれる本作、シリーズのアイデンティティをしっかりと保ちながらも、描かれるテーマは子供時代を終えようとしているアンディに合わせるように、ぐっと大人向けになった。
ts3
(C)Disney/Pixar.All Right Reserved.
アンディ少年(ジョン・モリス)が、ウッディ(トム・ハンクス)やバズ(ティム・アレン)たちと夢中になって遊んだ日々は遠い昔。
17歳になったアンディは大学進学が決まり、数日後に引越しする事になる。
おもちゃをどうするか悩んだアンディは、ウッディを大学行きの荷物にいれ、他のおもちゃたちを屋根裏にしまう事にする。
だがママの手違いで、おもちゃたちは近所のサニーサイド保育園に寄付されてしまう。
そこは一見子供時代が永遠に続く、おもちゃたちの理想郷。
ここを終の住処にすると決めたバズたちを残し、ウッディは一人アンディの元へ帰ろうとするのだが、その途中でサニーサイドに関する恐るべき秘密を知ってしまう・・・・


たぶん、物心ついた頃に第一作の「トイ・ストーリー」に出会い、今成人を迎えようとしているアンディ世代に向けてドンピシャのタイミングで作られた作品だろう。
前二作では、誰がアンディのナンバーワンかといった競争や、壊れたおもちゃの悲哀といった部分は描かれていたが、基本的には愛するアンディの元に帰る物語であり、彼らには絶対的な“ホーム”が存在していた。
だが、今回はアンディがもはやおもちゃを必要としない年齢になり、彼らは帰るべき場所を失ってしまうのである。
まあ、これは劇中においては彼らが勝手に思い込んでいる部分もあるのだが、世界中で唯一絶対的に信頼できる人物と、安心と充実を得られる場所が否応なしに遠ざかって行く切なさ。
「トイ・ストーリー2」で、カウガールのジェシーが語った悲しい過去が、今度はウッディやバズにも降りかかるという訳である。
今回、ピクサー作品には珍しく、脚本が外部のプロ脚本家の単独クレジットになっているが、「リトル・ミス・サンシャイン」でオスカーに輝いたマイケル・アーントは、なかなかに懐の深い人間(?)ドラマを作り上げている。
もしも観客が幼い子供なら、ウッディたちの仲間になった気分でギャグとアクション満載の冒険を楽しみ、アンディ世代なら自分のおもちゃたちとの思い出と重なり、また大人が観れば彼らの“居場所”を巡る葛藤を人生の様々なシチュエーションに重ねて味わう事ができるだろう。

本作の世界観は誰が観ても「トイ・ストーリー」だが、コアターゲットの年齢層が上がった事に合わせ、物語もしっかりと成長しているのである。
特に、永遠のゆりかごを失ったおもちゃたちが、サニーサイド保育園に新天地を求めてからの展開は、前二作と比べるとかなり異質で、一作目からのファンには賛否が分かれるポイントだろう。
決定的に異なるのがおもちゃたちの中に明確な悪役が登場する事で、ある意味で人間社会のドロドロとした部分が、命を持ったおもちゃというファンタジーの世界に取り込まれているのである。
ネタバレになるので細部は書かないが、今回は嘗て人間に裏切られた事で、おもちゃとしての心を失ってしまった悲しき悪役が、ウッディたちと戦いを繰り広げるのだ。
一見すると温和でカワイイこのキャラクターの内面が、すっかりひねくれてしまっており、他のおもちゃたちを苛酷に支配するというギャップは、観客があまり幼いと精神的に少しショックかもしれない。
もっとも、一作目のシドの恐怖部屋の描写なども結構なホラーテイストで、“怖さ”はこのシリーズの隠し味になっているのだけど。
「トイ・ストーリー」というタイトルの持つイメージからは意外性さえ感じさせる、信頼と裏切りの交錯する後半部分のハードな展開は、テーマ性という点に関して言えばより深みを持って広がっていると言え、私は好意的に受け取る事が出来た。
一言で言えば、アニメであるとか実写であるとかの垣根を越え、一つの物語が終わりを告げ、まだ観ぬ新たなる物語が始まる継承の儀式として、極めて映画的にドラマチックな作品なのである。

ちなみに、悪役キャラの物語上のオチに関しては、私はもう少し精神的な救いがあっても良いのではと思っていたのだが、試写後にディズニーの宣伝プロデューサーの方と懇談する機会があり、彼の拾い主に関する衝撃の裏設定を聞いた。
あくまでも裏設定らしいので、ここに書くのは自粛するが、言われてみればなるほどなあと思わせられる秀逸な設定なので、出来れば劇中に示唆する部分が欲しかった気がする。
それともどこかにヒントが出ていたのだろうか。
もう一度観て確認してみよう。

深みのある物語が印象的な本作だが、当然のごとくビジュアル面も素晴らしい仕上がりである。
第一作公開から15年が経ち、当時誰も観た事の無かった3DCGによるキャラクターアニメーションは、ハリウッドにおけるアニメーション表現のメインストリームとしてのポジションを完全に確立した。
当たり前ながら、今一作目を観ると技術的にも隔世の感があるのだが、本作ではあえて古いテイストを残す事で巧みに世界観を継承し、一方で最新のCGアニメーションならではの見事な質感や世界の広がりを見せてくれる。
コピペを隠そうともしない漫画チックな空の雲など、何とも懐かしく、ウッディやバズたちの演技も過度に人間的にならないように工夫されている。
今回は二次元版での観賞となったが、オープニングは明らかに立体上映を意識した派手な画作りになっており、この5分間で観客の心を一気に掴み、後は御馴染みの世界へと自然に誘導するという仕組みである。
折角の立体上映は生かしたいけど、やたらと飛び出すのは「トイ・ストーリー」の世界には馴染まない、ならば・・・というなかなかに美味しい妥協案であろう。

キャラクターも相変わらず楽しい。
今回はレギュラーの面々にプラスして、サニーサイド保育園の面々や、冒険の途中でウッディが立ち寄るボニーの家のおもちゃたちが新登場。
サニーサイドの(おもちゃたちから見れば)巨大なビッグ・ベビーなどは、「トイ・ストーリー」の原型となったピクサー初期の短編、「ティン・トイ」に登場する恐怖の赤ちゃんを連想させられる。
アンディの妹、モリーのバービーとサニーサイドで出会ったケンとのロマンスなどは抱腹絶倒だ。
またボニー家では、世界中で愛される日本生まれのあのキャラクターのぬいぐるみが登場する。
オリジナル同様喋らないけど、結構目立っているのは嬉しいポイントで、エンドクレジットにはちゃんとスペシャルサンクスにHayao MiyazakiとToshio Suzukiの名前が見える。
もしも「トイ・ストーリー4」があれば、レギュラーキャラクターに昇格か?
ピクサーとしては、「アンディのおもちゃたちの物語」としては本作をもって完結だが、“語るべき良い物語があればいつでも作る”というスタンスらしいので、いつ日か「トイ・ストーリー4」を期待したいところである。

恒例の同時上映ショートアニメーションは、対照的な性格の「昼」「夜」がコミカルな鞘当を演じるテディ・ニュートン監督の「Day & Night」だ。
2Dと3Dの融合が試みられ、ピクサーのショートアニメーションの中でもかなり実験的な色彩が強い作品である。
ディズニーによるピクサー買収後に、ジョン・ラセターとエド・キャットムルは閉鎖されていたディズニーの2D部門を復活させ、「プリンセスと魔法のキス」の公開に漕ぎ着けたが、立体化の波に抗しきれなくなったのか、現在発表されている2012年までのディズニーアニメのラインナップに2D作品は存在しない。
「Day & Night」に、いかに2Dの技術と魅力を今後の3D作品で生かすかという葛藤を感じると言ったら、穿ちすぎだろうか。

今回は、ピクサーに近いサンフランシスコのビール、「アンカースチーム」をチョイス。
コク、キレのバランスが絶妙な、西海岸を代表する地ビールである。
アンディが大学へ行って、入居するであろうドームのパーティーでもこんなビールが振舞われるに違いない。
そうして、子供時代は遠い思い出として消えて行くのだなあ・・・・。

本編とは関係ないけど、App Storeから無料でダウンロードできるiPad用のデジタルブック「Toy Story」もなかなか楽しい仕上がりだ。
環境のある人は是非手に入れて欲しい。これがタダっていうのはかなり太っ腹だと思う。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い








スポンサーサイト