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ガフールの伝説・・・・・評価額1450円
2010年10月06日 (水) | 編集 |
フクロウが高度な文明を持つ世界を描いた、キャスリン・ラスキー原作の児童小説を、「300 スリーハンドレッド」ザック・スナイダーが映画化した異色のファンタジーアニメーション。
動物を主人公としたファンタジーはそれほど珍しくないが、本作に登場するのは、全くと言っていいほどカリカチュアされていないリアルなフクロウ
彼らが喋り、冒険し、戦うという独特の世界観についていけるかどうかが、本作の評価の分かれ目だろう。
全体の印象は「ロード・オブ・ザ・リング」的異世界ファンタジーを、人間の変わりにフクロウのキャラクターで構成し、「300 スリーハンドレッド」的アクションで味付けしたという感じだ。

ティト森林王国に住むメンフクロウの少年ソーレン(ジム・スタージェス)は、世界征服を企む純血団を倒したガフールの勇者たちの伝説に夢中。
ある日、ソーレンは兄のクラッド(ライアン・クワンテン)と空を飛ぶ練習をしていた時、うっかり巣のある木から転落し、謎のフクロウたちに誘拐されてしまう。
ソーレンとクラッドが連れ去られたのは、滅びたと思われていた純血団の王メタルビークの砦。
彼らは密かに子供たちを攫い、月光麻痺と呼ばれる方法で洗脳して、新たな軍団を作り上げていたのだ。
サボテンフクロウのジルフィー(エミリー・バークレー)と共に脱出に成功したソーレンは、純血団復活を勇者たちに知らせるために、伝説のガフールの神木を目指すが・・・。


本作を観るまで、こんなに多種多様なフクロウがいるとは知らなかった。
主人公のソーレンは、メンフクロウと言われる種類で、その名のとおりお面を被ったようなルックスが特徴。
スラリとした体形は一見人間の様にも見えることから、米国のモスマン伝説や宇宙人の目撃談はメンフクロウを見間違えたとも言われる。
サボテンフクロウのジルフィーは、メンフクロウよりもずっと小さなミニサイズで可愛い。
映画は、人間が存在しない地球で、フクロウたちが種族ごとに独自の文明を発展させている世界が舞台。
ここでは嘗て、メンフクロウによる世界支配を目指す純血団というナチスみたいなグループと、ガフールの勇者たちと呼ばれる正義のフクロウとの間で戦争が起こり、純血団は敗れ勇者たちは去った。
激しい戦いの物語は、今では伝説となって親から子へと語り継がれている。
ソーレンは、そんな伝説の勇者にあこがれる少年だが、ある時巣から落ちて兄のクラッドと共に復活した純血団に誘拐されてしまう。
彼らはガフールの勇者たちを滅ぼして、再び世界征服を狙っているのだ

ソーレンは、ジルフィーと共に脱出に成功するが、出来の良い弟にコンプレックスを感じている兄のクラッドは、自分の意思で純血団に忠誠を誓いソーレンと袂を分かつ。
勇者たちVS純血団という因縁の戦いの内側に、さらに主人公の兄弟を配する事で、運命的な対決の構図が形作られるという訳だ。
ソーレンが純血団を脱出してから、旅の仲間が加わって勇者たちが住むと言われるガフールの神木を目指すが、このロードムービーの部分は意外とあっさり。
早々に「ロード・オブ・ザ・リング」のリヴェンデールを思わせるガフールにたどり着くと、ソーレンと仲間たちは戦士となる訓練を受ける事になるが、彼を教えるのが伝説の中でソーレンの一番のお気に入りだった“キールのライズ”という勇者。
隠遁していた年老いた師匠に鍛えられる若き戦士という設定は、ちょっと「スターウォーズ」のルークとオビワンを思わせる。

勇者たちと純血団は、それぞれに工夫を凝らした金属の兜や鍵爪で武装しており、まるで古代ローマの剣闘士グラディエーターの様。
まあ、あのフクロウの足で、一体どうやって道具を加工しているのかという疑問はちょっと頭を過ぎるが、そのあたりはあんまり突っ込んではいけないのだろう。
いざ戦いが始まると、金属の鍵爪が派手な火花を散らし、羽毛が舞い散る戦いを、スローモーションを効果的に使って演出するあたりは、いかにもザック・スナイダーらしく、正にフクロウ版の「300 スリーハンドレッド」という感じで迫力もあり、楽しめる。
ただ、一応原作が児童文学という事で、残酷描写は抑えられ、子供にも安心して見せられるだろう。

「ハッピーフィート」でやたらリアルなペンギンたちを描写した、アニマル・ロジック社の手がける3DCGは素晴らしい出来栄えだ。
ソーレンの妹のエグランタインのフワフワした羽毛は思わず触りたくなるし、大雨が吹きつける嵐の中を飛ぶソーレンの翼のしなやかさなど、まるで実写と見まがうばかりのリアリティを感じる。
だが、例えば「ヒックとドラゴン」などに比べると、嵐や夜間など暗くて対象物が見えないシチュエーションが多いので、飛翔感という点ではちょっと物足りない。

「ガフールの伝説」は、原作シリーズの三冊を纏めているという事で、ややダイジェスト感を感じさせるものの、スピーディーで良く出来た娯楽映画だ。
擬人化されたリアルなフクロウが主人公という点に違和感を感じなければ、逆に新しいも要素は他に何もないので、ごく普通に楽しむ事が出来るだろう。
ただ、ちょっと残念なのは、純血団がかき集めている秘密兵器の設定がよくわからない事。
これは、ペレットというフクロウが消化できずに吐き出す骨や皮などの固まりに、稀に含まれるという鉱物を集めた物で、フクロウの砂嚢、要するに砂肝に作用して、行動不能にしてしまうらしい。
描写からは、おそらくは磁気を持った金属か、隕石の破片のようなものだと思うが、いったいどういう仕組みなのか全く説明がないので、えらくご都合主義な代物にみえてしまう。
敵の最終兵器なのだから、もうちょっと丁寧な説明が欲しかったところだ。

今回は、豪州のワイン「バーキングオウル シャルドネ」をチョイス。
フクロウのラベルが印象的な銘柄で、柔らかな果実香が楽しめるドライなシャルドネだ。
適度な酸味が、スッキリと後味を引き締めてくれる。

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