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REDLINE・・・・・評価額1600円
2010年10月10日 (日) | 編集 |
宇宙最速の座を賭けた究極のレース、「REDLINE」を描くアクションアニメ。
内容を一言で言えば、昔懐かしいタツノコプロの「マッハGo Go Go」の現代版だ。
思いっきりエキセントリックな登場人物たちが、数万馬力のスーパーマシンを駆って、相手への妨害、攻撃何でもありのサバイバルレースを展開する。
監督の小池健、原作・脚本の石井克人、制作のマッドハウスは、2000年のヒット作「PARTY7」のオープニングアニメのチームである。
スピーディーな展開のアメコミ調アニメは当時大いに話題になったが、要するにあのノリが全編に渡って続くと思えば良い。

5年に一度、宇宙最速を決めるレース、レッドラインが間もなく開幕。
予選落ちしていた若きレーサーのJP(木村拓哉 )は、上位レーサーが出場辞退した事で、繰上げ出場できる事に。
ところが今回のコースは、レッドライン開催を認めず、レーサー達が侵入すれば攻撃すると宣言する軍事独裁国家、ロボワールドに設定されていた。
JPは、凄腕女性レーサーのソノシー(蒼井優 )や、自らを改造してマシンと一体となったマシンヘッド鉄仁(石井康嗣)などのライバルと、壮絶なデットヒートを繰り広げるが・・・


上映時間の大半を占めるレースシーンは、手描きアニメの凄みを感じさせる仕上がりだ。
セルシェーダーの発達で、手描きアニメと見まがうばかりのCGも作れる様にはなってきたが、アニメーターのフリーハンドを最大限生かしたナチュラルな歪みの作り出す迫力は、やはりデジタルで再現するのは難しい。
10万枚という贅沢な作画量は、結果としてパワフルな映像として結実していると思う。
「崖の上のポニョ」とは方向性は違うが、手描きアニメの魅力とポテンシャルを再確認させてくれる。

冒頭から大バトルが展開されるが、これはイエローラインと呼ばれる予選レース。
各予選の優勝者だけが、5年に一回開催されるレッドラインへと駒を進める事が許される。
レッドラインは、どうやらモナコグランプリとスーパーボウルとサッカーのW杯決勝を全部合わせたかのような、全宇宙的スポーツイベントで、表の世界でも裏の世界でも、レースを巡って巨額の金が動く。
主人公のJPとメカニックのフリスビーは、過去に裏社会と関わった因縁で八百長レースに手を染めていて、イエローラインでは勝てるレースを負けているのだ。
他のレーサーが出場辞退した事で補欠として本戦へ進出するが、あくまでもガチンコ勝負での勝利を渇望するJPと、八百長から手を切れないフリスビーの友情と葛藤が、物語のバックストーリーとして機能している。

ぶっちゃけ、それ以上の話は無きに等しい。
何しろ一時間40分ほどの上映時間の内、一時間くらいはレースをやってるのだ。
アクションは個性豊かなライバル達とのレースと、彼らを殲滅しようとするロボワールド軍との追いつ追われつの大バトルの二重構造
ライバルは、子供の頃からレッドラインに出場する事を目標にしてきた最速女性レーサーのソノシー、不倫スキャンダルを抱える暴力警官のゴリライダー、人口惑星地球船のヲタクなチェリーボーイコンビの三木と轟木、魔法を使う女王の国からやって来たセクシーなスーパーボインズ、さらにはロボワールドからの飛び入り参加者まで、それぞれがエキセントリック、というよりも過去のアニメキャラのパロディの様なフザケたキャラクター達だ。
彼らの中でも強烈なのが、嘗てのシューマッハみたいな最強最速のレーサー、マシンヘッド鉄仁。
この御仁、レースに勝つために自らの肉体を改造し、文字通り人馬一体になってしまったサイボーグで、なぜかマジンガーZそっくりな形の頭に、キン肉スグルよろしく「鉄仁」って漢字で書いてある(笑

レーサー達が駆る個性一杯のマシンも魅力的だ。
ソノシーのホバークラフト型クラブソノシーや、もはや車だか飛行機だかわからない鉄仁のゴッドウィング、モグラの様に地中を走るチェリーボーイ達のセミマルなど、ギミックの楽しさに満ちている。
そんな中にあって主人公のJPが駆るのは、イエローのボディに黒のレーシングストライプ、宇宙時代なのにデロデロのOHVサウンドを響かせた、その名もトランザム20000!(笑
アメリカンマッスルカーの代表格、ファイヤーバード・トランザムは2002年に生産終了したが、こんな未来でも宇宙のどこかにGMは存続して、伝統のブランドを復活させている様だ。
本作は音への拘りも見所、いや聞き所で、各マシンのエンジン音や細かなメカニカルノイズ、スラムの生活音など非常に凝っている。

レッドラインの妨害者たるロボワールドは、更にパロディ色が強い。
JPそっくりのメタルのリーゼントを持つボルトン大佐指揮する軍団は、「AKIRA」のソルみたいな衛星兵器を持っているが、これで突然出現した生物兵器を攻撃するあたりは、元ネタを知っていれば思わず笑ってしまうところ。
この生物兵器は巨神兵の様でもあり、最期にはボルトン大佐自身が変身した巨大怪獣と戦うのだ。
もはやロボワールドの存在その物がオフザケであることは明白である。

アクションとギャグの狭間で、ごく僅かなドラマ部分の大半もキャラクターを立たせる事に費やされ、中にはその目的のためだけに使われて、放りっぱなしになっているエピソードも多い。
怪獣化した大佐と巨神兵の戦いも、途中でウヤムヤにされたままだ。
もっとも、良い意味で70年代のアニメ的で、いちいち細かい事まで気にするな!と言わんばかりの大雑把なストーリー展開は、個人的には大らかで好ましく感じた。
大バカなラストなど、このノリとテイストだからこそ成立する物だろう。
主人公のJPが拘るのも、金と名誉と女というわかり易いものだが、その根底にあるのは少年時代に見たトップレーサーの華やかな姿と、プロを目指す切っ掛けになった少女レーサーの一言。
人生を変えた少女レーサーは実はソノシーで、JPが彼女への初恋を胸に抱き続ける純情男というあたりも少年漫画の王道で良い。
とは言え、本作はかなり観客を選ぶ作品だと思う。
シリアス、ハード、或いは深さといったキーワードを期待してはいけない。
これは、子供の頃に観た古き良きアニメが忘れられない、大人気無い大人のための贅沢なお遊び、ある意味マスターベーション映画なのである。
同じ嗜好を持つ者たちのための、マニアックなギグの様な味わいと思えば良いだろう。
ちなみにマシンヘッド鉄仁は、5年に一度のレッドラインを四連覇してるという設定だから、JPが憧れたトップレーサーは、もしかしてマジンガー頭になる前の彼なのか?(笑

今回は、レースのお供に最適なアメリカンビール「バドワイザー」をチョイス。
名前こそ、チェコビールの代表格である「ブドヴァイゼル・ブドヴァル」から取られているが、中身はヨーロッパのビールとは全くの別物だ。
まるで水の様に薄くいくらでも飲めるバドは、サーキットを眺めながら炎天下でガブガブ飲むのにちょうど良い。
熱血少年漫画の様なレースで熱くなったハートをクールダウンしよう。

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