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ウォーキング・デッド
2010年11月06日 (土) | 編集 |
「ミスト」以来となるフランク・ダラボンの最新作は、何とゾンビ物のテレビシリーズだ。
ロバート・カークマンによるグラフィックノベル、“The Walking Dead”を原作にしており、放送するAMCは、パイロット版を作らずに6話で構成されるファーストシーズン全体に初めからゴーサインを出したという。
10月31日のハロウィンにダラボン自身がメガホンを取った第一話が放送され、IMDBのユーザー評価でも11月8日現在で9.5ポイントという圧倒的な支持を得ている。

保安官のリック(アンドリュー・リンカーン)は、逃亡犯との銃撃戦で被弾し、意識を失って入院する。
彼が目覚めた時、世界は終わっていた。
まるで戦争でも起こったかのように、街中に死体が積み上げられ、軍の車両やヘリコプターまでが放置されている。
呆然とするリックは、偶然出会った親子に助けられる。
彼らによると、突然出現した奇病によって、死んだ人間が蘇って生きている人間を襲い始め、瞬く間に社会は崩壊してしまったという。
唯一安全な場所がアトランタにあるらしいのだが・・・・


ありそうで実は珍しい連続ドラマのゾンビ物
たぶん、イギリス製の「デッド・セット」ぐらいしか過去に例は無いのでは?
通常アメリカの大作ドラマは、パイロット版を放送して、その反響によってシリーズ化するかどうかが決定される。
6話というミニシリーズとはいえ、いきなり全話制作というのは原作の知名度と、ダラボンの信用ゆえだろうか。
実際、第一話はさすがの出来栄えである。

意識を失った主人公が、目覚めたらゾンビが跋扈する終末の世界だったというのは、ダニー・ボイルの「28日後」を思わせる。
まあこれは原作の出版当時にもパクリ論争があったらしいが、映画版「バイオ・ハザード」の冒頭も似たような物だし、ザック・スナイダー版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」も、朝起きたらゾンビの世界になっていたという点では同じである。
類型的ではあるが、とにかく主人公を情報から遮断し、理解不能な状況へと叩き込むには最も適した展開であることは確かだろう。

第一話は、とりあえず全体の起承転結のという感じである。
突然ゾンビワールドに目覚めてしまった主人公リックが、何とか家へ帰るものの妻子の姿は見えず、偶然出会った避難民の父子に救われて、絶望的な状況を教えられる。
彼らの家族を巡る悲しいドラマを絡めながらも、リックが妻子を探すためにアトランタへと向うというのが基本的な流れ。
無駄な描写が無く、テンポ良く物語を進めつつも、サブキャラクターのエピソードを効果的に使って、物語のキーワードが“家族”である事を示唆し、ついでに次回以降の展開のヒントも終盤に配置する。
そして、続きが観たくなる絶妙のポイントでの“To be continued”というオチ。
ダラボンの魅力はやはり圧倒的な脚本力であると思うが、本作もまた脚本の教科書になりそうな仕上がりだ。

原作を未読なので、第一話のみの印象ではあるが、二話目以降もリックがサバイバルしながら家族を探す物語が中心にあり、そこに生き残った様々な人々が絡んでくる、という展開になるようだ。
ダラボンのことだから、終末世界に比喩された濃密な人間ドラマが展開するのだろうし、彼の作品に特徴的な独特の宗教性が、どのように盛り込まれてゆくのか、あるいはゆかないのかも興味深い。
凄く楽しみであるのだが、第一話はFOXチャンネルで放送されるのに、第二話以降はFOXムービーでしか観られないという。
戦略的というか、意地悪というか・・・たぶん、DVD化は来年だろうし、この続きを観るためだけに、追加料金を出して契約するか、悩みどころである。
まだ正式決定はしていないようだが、この出来ならシーズン2以降も続くだろうし・・・・う~ん、悩ましい。

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