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マチェーテ・・・・・評価額1550円
2010年11月07日 (日) | 編集 |
まさかのダニー・トレホ主演、まさかの映画化!
「マチェーテ」は、あの「グラインドハウス」で流れたうそ予告編を、本当に映画化してしまった、素晴らしきB級魂が迸る怪作である。
アバタ顔のヒスパニック系悪役スター、ダニー・トレホが文字通り大鉈(マチェーテ)を振るって悪を斬る、タイトルロールの元メキシコ連邦捜査官を溌剌と演じ、最高に格好良い!

メキシコ警察の豪腕捜査官、マチェーテ(ダニー・トレホ)は、麻薬王トーレス(スティーブン・セガール)と対決した事で、妻子を殺されてしまう。
三年後、テキサスで流れ者の不法移民として暮らしているマチェーテは、謎の男ブース(ジェフ・フェイヒー)から、反移民政策の急先鋒として知られる上院議員(ロバート・デ・ニーロ)の暗殺を依頼される。
だが全ては暗殺未遂事件をでっち上げて、再選を狙う議員サイドが仕掛けた茶番だった。
罪を着せられて追われる身となったマチェーテは、議員もブースもトーレスの麻薬組織と関わっており、反移民政策に乗じて国境を越える麻薬ルートを牛耳ろうとしている事を知る。
マチェーテは、I.C.Eの捜査官サルタナ(ジェシカ・アルバ)と密入国組織のルース(ミッシェル・ロドリゲス)の協力を得て、トーレス一味を倒そうとするが・・・


役者が凄い。
これは本来、B級C級Z級をわざと狙った作品のはずだが、いざ蓋を開けてみると物凄いオールスターキャストになっている。
なにしろ悪の上院議員にいきなりのロバート・デ・ニーロ、悪の実業家にジェフ・フェイヒー、白人至上主義者の自警団長にドン・ジョンソン、I.C.E捜査官にジェシカ・アルバ、移民組織のリーダーにミッシェル・ロドリゲス、悪の実業家のおバカな娘にリンジー・ローハン、そしてボスキャラである麻薬王は何とスティーブン・セガールだ。
現在最高の演技派といわれるオスカー俳優デ・ニーロと、たぶん死ぬまでB級のセガールが、同じスクリーンで共演する映画など、一体誰が想像したであろう。
テキサス一の殺し屋、オシリスを演じてるのが、スプラッター特殊メイクの生ける伝説、トム・サビーニだったりするのも芸が細かい。
このゴージャスな面々が、相当に漫画チックかつ人によってはセルフパロディ的自虐キャラを嬉々として演じ、ノリと気分でガンガンと銃をぶっ放してゆく。

しかし、この銀河系の様なスター軍団の中にあっても、主人公のインパクトは群を抜いている。
ワニを思わせる生まれつきの凶悪面で、何をどうしても善人には見えない、ダニー・トレホが正義のヒーローというミスマッチ。
この見るからに恐そうな男が、巨大な鉈を振るって悪人達を細切れにしてゆくのだから、一歩間違えれば猟奇ホラーである(笑
ついでにこの男、何故かモテモテだ。
何しろミシェル・ロドリゲスにお試しされ、リンジー・ローハンとアリシア・レイチェル・マレクとは親子丼を楽しんだ挙句、最後にはジェシカ・アルバをかっさらって行ってしまうのだ。
このあたりは、悪役で知られるこの強面が、こんな良い思いを出来る事はもう一生無いだろうと、トレホの従兄弟でもあるロバート・ロドリゲスからのささやかなプレゼント?
いや、予告どおりに「殺しのマチェーテ」「続・殺しのマチェーテ」があれば、このモテモテは更に続くのか(笑

うそ予告の時からわかってはいたが、話は完全に漫画である。
基本的にマチェーテが出ずっぱりで物語を引っ張り、彼の行くところ、敵も味方も死体の山が築かれる。
アクション描写もスプラッターホラーと紙一重のえげつなさなので、この手の描写が苦手な人にはちょっと辛いかもしれない。
その分、小ネタのブラックジョークがかなり効いていて、例えばブースの屋敷に勤める小悪党とのコミカルな絡みなど、全体に良いスパイスになっている。
ただロドリゲスの映画は、いつも一本調子になりがちという欠点があり、本作でもドラマ的な捻りが無いので、後半はちょっと失速気味。
まあそれでも上映時間が1時間45分程度なので、墜落する前には終わってしまう。
クライマックスの大乱戦での見ものは、海賊風アイパッチに意味も無く黒ビキニのセクシーコスチュームで登場するミッシェル・ロドリゲスに、これまたナゼか尼僧姿でマシンガンをぶっ放すリンジー・ローハンのコスプレ合戦と、トレホVSセガールのボスキャラ決戦だろう。
大鉈に対抗するセガールの武器はやっぱり日本刀で、最期が切腹ってのも明らかに狙ってる(笑
まあ良くも悪くも悪趣味で、70年代B映画の香り漂う作品である。

だが、このマニアックな作品が、熱烈なサブカル系映画ファンの支持を受けただけでなく、興行的にもそれなりの成功を収めたのは、単に能天気なアクション映画だからという訳ではあるまい。
本作には、合衆国を二分する、不法移民に対するアプローチというテーマ性が明確に描かれているのである。
悪役であるテキサス出身のポピュリズム政治家と言えば、誰もがブッシュ前大統領を連想するだろうし、演じるデ・ニーロも意図的に似せている。
折りしも、テキサスと同じくメキシコと長い国境を接するアリゾナ州で、明らかに人種選別を目的とした州独自の厳しい移民対策法が4月に成立。
7月には連邦裁判所が、その大部分を差し止める判決を出したが、反移民というわかりやすいポピュリズムに傾く政治家は後を絶たず、連邦政府を巻き込んだ論争になっている。
本作が徹底的にオフザケをやりながらも、映画として一本の芯を失わないのには、こうした政治的なメッセージ性と共に、絵空事でない社会的なリアリズムが背景に存在しているからなのである。
映画は時代を映す鏡であると考えると、実は本作は極めてタイムリーに、2010年の時代の気分を映し出したのかも知れない。

今回は、メキシコのテキーラ「サウザ・ゴールド」をチョイス。
テキーラとしてはマイルドな口当たりで、どちらかと言うとトレホよりもミッシェル・ロドリゲスやジェシカ・アルバといったヒスパニック美女のイメージかもしれない。
もちろん強い酒なので、なめてかかるとあっという間に骨抜きにされてしまう。
ソルトとレモンを添えて。

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