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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1・・・・・評価額1600円
2010年11月25日 (木) | 編集 |
2001年に第一作が公開された、歴史に残る大ヒットファンタジーも、遂に最終章を迎える。
刊行される度に分厚さを増して行く原作を、一本の映画に脚色する限界に達したのか、はたまた過去6作で世界累計54億ドルの興行記録を持つシリーズを終わらせる事への未練か、今回は前後編の二部構成だ。
夢一杯の魔法学園物から始まって、主人公たちの成長と共にダークな色彩を濃くしていったシリーズだが、ここに至ってもはやキッズムービーの色彩は微塵も無く、今までの主要舞台だったホグワーツすら殆ど出てこない。
ヴォルデモートとの最終決戦が迫る中、ハリー・ポッター最後の冒険は、闇の帝王の魂を隠した“分霊箱”と、死を超越できるという最強の魔道具“死の秘宝”を捜し求める、ハードなロードムービーから始まる。

ヴォルデモート(レイフ・ファインズ)が完全復活を遂げ、魔法界はあっけなく彼の軍門に下る。
やがてその影響は人間界にまで及び始め、追い詰められたハリーたちの元に、亡くなったダンブルドアからの形見の品が届けられる。
ハリー(ダニエル・ラドクリフ)は、ロン(ルパート・グリント)とハーマイオニー(エマ・ワトソン)と共に、ダンブルドアの残したヒントを頼りに、残された四つの分霊箱を探す旅に出る。
最初の一つを、アンブリッジ(イメルダ・ストーントン)から奪う事に成功したものの、反撃に遭ってロンが重症を負ってしまう。
先の展望が開けないまま、追っ手から逃れて各地を転々をするうちに、三人の友情にも亀裂が生じ、ハリーとハーマイオニーの仲を疑ったロンが姿を消す。
そんな時、ハリーはヴォルデモートが死を超越すると言われる、伝説の三つの秘宝を探している事を知るが・・・・


世界を闇が覆いつくそうとする時代の、陰鬱とした雰囲気は前作から変わらない。
シリウス、ダンブルドア、そして本作の冒頭ではマッドアイ・ムーディーやフクロウのヘドウィグまでもが命を落とし、ハリーは自分の存在が皆を危険に晒すと考え、一人でヴォルデモートと対決しようと旅に出る。
そんなハリーと行動を共にするのは、やはりロンとハーマイオニーだ。
だが、もう無垢なる子供だった時代は遠い昔。
大概の学園物で、男女三人組はどこかで仲違いするのがお約束だが、友情は何時しか愛憎へと変わる。
アンブリッジから奪った分霊箱のロケットが、まるでサウロンの指輪の様に、所有者のネガティブな心理を増幅させる力をもつため、三人の関係も徐々に蝕まれてゆく。
そして、戦いで傷つき、コンプレックスを抱えたロンが、ハリーとハーマイオニーの仲を勘ぐり、嫉妬から旅の仲間を離脱してしまう。
彼らは、ヴォルデモートの脅威からだけではなく、自らの内面というもう一つの敵とも向き合わなければならないのである。
その意味で、何時終わるともわからない流浪の旅は、彼らの心の情景でもあり、これは少年期の終わりにある彼らが、大人へと脱皮してゆく青春ドラマでもあるのだ。
自分たちが今どこにいて、どこへ行こうとしているのか、何者になろうとしているのか、ヴォルデモートは現実の脅威であると同時に、未来に対する漠然とした不安のメタファーであるとも言えるだろう。

そんな心の機微を表現できるほどに、幼かった主人公たちも立派な大人の俳優に成長している。
相変わらず背は低いが、ちょこっと胸毛も蓄えたダニエル・ラドクリフは、主役オーラたっぷりにハリーの苦悩を表現してみせる。
昔はモップ頭が愛らしかったハーマイオニー役のエマ・ワトソンも、胸の谷間も眩しいセクシーな赤いドレスが似合う、素敵なレディになった。
そしてロンは、言わば天才と秀才に挟まれた凡人という難しいポジション。
今回はそんな彼の立ち位置がドラマのキーとなる訳だが、見た目がグッと大人っぽくなったルパート・グリントは、三枚目ではあるものの、やる時はやる頼りがいのあるキャラクターを上手く作り上げている。
彼らを取り巻く、御馴染みのイギリス系オールスターキャストは、今回上映時間の大半が三人の逃避行に費やされている関係上、あまり出番は多くない。
むしろ今回主役の三人以外で一番目だったのは、悲劇の英雄のポジションを掻っ攫っていったCGキャラのドビーだろう。
まあ原作でも存在感の薄い魔法省大臣ルーファス役で、ビル・ナイをワンシーンだけ登場させているくらいなのだから、考えようによっては恐ろしく贅沢な映画である。

物語の動きは、次回の大団円の前で控えめだ。
前作の「謎のプリンス」に引き続いて、登場人物を居るべき所にポジショニングし、最終局面を迎える準備を着々と進めているという印象である。
もっとも、二部作に分けたおかげで脚色には多少の余裕が生まれ、今までとは違った時間の使い方が出来るようになっている。
その影響が如実に現れているのは、充実した各キャラクターの心理描写だ。
ハリーたちの長い旅路の描写は、愛する世界を救いたいのに、事態を打開する策がなかなか見つからないという、彼らのジリジリとした焦燥感をリアルに伝えてくるが、このあたりはもしも前作までの様なキチキチの構成だったら、かなり端折られて説明的になってしまっただろう。
もちろん、長くなったとは言っても、まだまだ原作の全てを描写するには不足なのだが、結果的にこのシリーズの後半四作全てでメガホンを取ったデヴィッド・イェーツ監督と、第一作から参加している脚本のスティーブ・クローヴスは、勝手知ったる物語のコアを若者たちの成長物語と明確に定め、膨大な要素を上手く取捨選択してしっかりとしたストーリーラインを再構築している。
物語の橋渡しが役目の作品という事で、展開としてはやや地味ではあるが、これは言わば「帝国の逆襲」であり、クオリティの点では過去最高の仕上がりと言って良い。

シリーズの魅力でもある壮大なビジュアルも、相変わらず凝っている。
今回は全体を不安色であるグリーンを基調としたトーンで統一し、季節的にも冬が背景となるので、寒々としたムードが作品を覆う。
またヴォルデモートが新たな支配者となり、世界観のイメージにも変化が現れている。
彼の支配する魔法界は、マグルとの混血を迫害していたり、秘密警察が反逆者狩りをしていたり、明らかにナチズムをモチーフにしているのだが、個々の描写が何となくビッグブラザー的というか、ギリアムの「未来世紀ブラジル」っぽいのが可笑しい。
昔リドリー・スコットが監督した、伝説的な1984年のアップル・コンピューターのCMの様なテイストも感じられ、このあたりのセンスはイギリス人独特の物かも知れない。
また冒頭の「おそ松くん」もどきの七人のハリー・ポッターや、まるで「ドラえもん」の四次元ポケットの様に何でも出てくるハーマイオニーの鞄とか、なぜかジャパニーズコミックテイストのディテールも楽しかった。

「ハリーポッターと死の秘宝」は、本来前後編あわせて評価すべき作品だと思うが、とりあえず「PART1」の印象としては、シリーズ中最も良く出来た一本である。
原作では最高にドラマチックな盛り上がりを見せる、ホグワーツでの最後の戦いへの期待は高まる。
個人的には一番燃えたスネイプのあのシーンとか、蘇りの石を使った泣けるあのシーンとか、どの様に映像化されているのか本当に楽しみだ。
しかし、最終章を二本に分けたのは正解だと思うが、基本的に一つの話なので同時、あるいは連続公開して欲しかったなあ。
まあ「PART2」公開前に「PART1」のDVDが出るだろうから、それを観て復習しろって事なんだろうけど、出きれば一気に映画館で味わいたかった。
ちなみに、本作は立体版の作業が間に合わないとかで、通常版のみの公開になっているが、ぶっちゃけそのあたりはどうでも良い作品である。
でも「PART2」は、派手な見せ場が多いだろうから立体でも観たいかな。

荒涼とした大地の、寒々しい風景が印象的な本作、今回は冬を乗り切る温かい酒を。
ドイツ名物の「グリューワイン」の白をチョイス。
要するに、体を温めるための甘めの燗専用ワインである。
マグカップに移してレンジでチンしても良いし、ヤカンでそのまま暖めても良い。
風呂上りやベッドに入る前に飲むと、本当に体がポカポカしてやみつきになる。
ちなみに、赤でも白でも良いが普通の安ワイン1本(720ml)に、蜂蜜大さじ2、砂糖大さじ2、レモン汁1個分、バニラ、シナモン、オレンジピール各適量を加えると、自分でも作れる。
甘いのが好きなら蜂蜜と砂糖を多めに、アルコールを低めにしたければ、これらの材料を加えた状態で、弱火で少し煮てアルコールを飛ばす。
逆にアルコール度を高めたければ、ブランデーを少し加えても美味しい。
ナイトキャップにも最適な一杯だ。

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