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2011年01月08日 (土) | 編集 |
全長800メートル、有毒物質を満載し巨大なミサイルと化した暴走列車を止めろ!
トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンの5度目のコンビ作は、前作「サブウェイ123 激突」に続いてまたも列車物。
未曾有の大惨事を止めるために、退職間近のベテラン運転士と新米車掌のコンビが命がけの作戦に挑むパニック映画だ。
余計な物が一切無いシンプルなプロットに、必要最低限ながら的確な人物描写、実物の巨大列車を効果的に使った迫力の映像と、プロフェッショナルな職人芸の光る快速エンターテイメントとなった。
ペンシルバニアの操車場。
接着剤の原料である劇薬を満載した巨大な貨物列車『777』号が、無人のまま走り出してしまう。
鉄道会社の停止作戦は、尽く失敗に終わり、列車は勢いを増したまま走り続ける。
このままでは、一時間四十分後に人口密集地のカーブを曲がりきれずに転覆し、大惨事を引き起こすのは必至。
その頃、別の貨物列車を運行していたベテラン運転士のフランク(デンゼル・ワシントン)と新米車掌のウィル(クリス・パイン)は、故郷の街に危機が迫っている事を知り、貨車を切り離すと会社の命令を無視して暴走する『777』を追跡し始める。
彼らだけが可能な、列車を止める作戦とは・・・。
暴走列車物は案外と難しい。
列車内に舞台を限定すると、どうしても一本調子になるので、サスペンスだったり、人間ドラマだったり、大きなストーリーラインの中の一つの要素として扱われる作品が多い。
「サブウェイ123 激突」もそうだったし、日本映画が誇る列車パニックの傑作「新幹線大爆破」も同様だ。
ところが、この映画にはサブストーリーが全く存在しない。
正に「アンストッパブル」な巨大列車が暴走し、それを止めるために二人のヒーローが命がけで大奮闘する。
彼らの作戦とは、暴走列車に追いついて連結させ、後ろから引っ張って止める。
簡単に言えばそれだけの話である。
シンプルであるという事は、つまり単調である事と同義だ。
下手に描けば、いくら画に迫力があろうが、退屈極まりない作品になってもおかしくない。
本作のモデルになっているのは、2001年にオハイオ州で実際に起こった列車暴走事故。
有毒物質を満載して走る無人の列車を、本作と同じ方法で危機一髪停止させた顛末は、日本のテレビ番組でも放送されたので、覚えている人も多いだろう。
本作に描かれる登場人物は基本的に架空の存在だが、人為ミスと不運が重なった事故原因や、脱線装置が列車のパワーに負けて失敗した事、そして追跡した機関車のクルーがベテラン運転士と新米車掌だった事など、事故の基本的な流れとディテールはかなり忠実に描かれている様だ。
ちなみに実際の事故では、死者は出ていない。
脚本のマーク・ボンバックは、妙な色気を出さずに事実からコア要素を抽出し、暴走する列車とそれを止めようとする人々、特にフランクとウィルの周囲だけにドラマの焦点を絞った。
二人は黒人と白人、ベテランとルーキーと対照的なキャラクターだが、共通点もある。
それぞれに少し問題を抱えているものの愛する家族を持ち、鉄道マンとして仕事に誇りを感じているブルーカラーだ。
フランクと年頃の二人の娘たち、ウィルと深刻な夫婦喧嘩中の妻とのエピソードは、ごく短いながらも彼らの英雄的な行動の動機となり、また物語をドラマチックに盛り上げるのに効果をあげている。
暴走列車と追跡する二人鉄道マンのドラマが全体を貫く中心軸だとすると、鉄道司令室と会社上層部の思惑の違いによる葛藤や、現場で列車を追跡するエンジニアのエピソードは横軸だ。
ここでもしも物語に深みを出そうとして、横軸の人間ドラマを膨らませてしまったりしたら、全体がぶれてしまうところだが、ボンバックは良い意味で職人に徹している。
暴走列車の追跡劇から、軸足を決して動かさず、適度に横軸を交錯させる事で、物語が単調に陥るのを防ぎつつも、サスペンスをさらに盛り上げる。
二段構えのクライマックスで、二人の主人公を両方とも立てる使い方のバランスもお見事。
シンプルではあるが極めてロジカルで、構成のお手本の様な優れたプロットだ。
トニー・スコットの演出も、主人公の二人をじっくり見せながら、事故を中継するメディアの映像を短いカットで効果的に織り込む事で、迫力とスピード感を維持しながら、画作りに適度な緩急をつけている。
もちろん、悪魔の様な凶悪な面構えに『777』という銀河鉄道みたいな車番をつけた、暴走列車のビジュアルは迫力満点だ。
機関車三両を連ねた巨大な体躯は、正に動く要塞と言うに相応しく、こんな物が暴走し始めたら、何をどうやっても止めることは不可能に思える。
『777』が膨張色の赤と黄色にペイントされている一方、追跡する機関車の方は縮小色の青色で、実際に一回り小型である事で生まれる対比も、挑むべき相手の強大さを際立たせており、デザイン効果もさすがに良く考えられている。
クライマックスの急カーブを通過するシーンは、映画だとわかっていても拳を握り締めてしまった。
「アンストッパブル」は、古典的なパニックスペクタクル映画としては、非常に良く出来た一本である。
シンプルな分、舞台が限定的なので、大作感はにはやや欠けるが、その分ピュアに引き締まった物語は、一切の無駄が無く極めてサスペンスフル。
刻々と迫り来る危機へのスリルに、98分間という短めの上映時間はあっという間に通り過ぎ、絵に描いたようなハッピーエンドは爽やかだ。
新年の景気付けにはピッタリの作品ではないだろうか。
アメリカには、日本の様なハイテク超特急は無いが、開拓時代の名残を残す大らかな大陸横断鉄道が張り巡らされている。
今回は、ゴールドラッシュの時代に蒸気機関車が目指した地、サンフランシスコの地ビール「アンカースチーム」をチョイス。
100年以上の歴史を持つ伝統的なスチームビールの銘柄は、ラガー的なキレとエール的なフルーティーなコクを併せ持つ。
緊張感で乾いた喉を潤してくれるだろう。
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トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンの5度目のコンビ作は、前作「サブウェイ123 激突」に続いてまたも列車物。
未曾有の大惨事を止めるために、退職間近のベテラン運転士と新米車掌のコンビが命がけの作戦に挑むパニック映画だ。
余計な物が一切無いシンプルなプロットに、必要最低限ながら的確な人物描写、実物の巨大列車を効果的に使った迫力の映像と、プロフェッショナルな職人芸の光る快速エンターテイメントとなった。
ペンシルバニアの操車場。
接着剤の原料である劇薬を満載した巨大な貨物列車『777』号が、無人のまま走り出してしまう。
鉄道会社の停止作戦は、尽く失敗に終わり、列車は勢いを増したまま走り続ける。
このままでは、一時間四十分後に人口密集地のカーブを曲がりきれずに転覆し、大惨事を引き起こすのは必至。
その頃、別の貨物列車を運行していたベテラン運転士のフランク(デンゼル・ワシントン)と新米車掌のウィル(クリス・パイン)は、故郷の街に危機が迫っている事を知り、貨車を切り離すと会社の命令を無視して暴走する『777』を追跡し始める。
彼らだけが可能な、列車を止める作戦とは・・・。
暴走列車物は案外と難しい。
列車内に舞台を限定すると、どうしても一本調子になるので、サスペンスだったり、人間ドラマだったり、大きなストーリーラインの中の一つの要素として扱われる作品が多い。
「サブウェイ123 激突」もそうだったし、日本映画が誇る列車パニックの傑作「新幹線大爆破」も同様だ。
ところが、この映画にはサブストーリーが全く存在しない。
正に「アンストッパブル」な巨大列車が暴走し、それを止めるために二人のヒーローが命がけで大奮闘する。
彼らの作戦とは、暴走列車に追いついて連結させ、後ろから引っ張って止める。
簡単に言えばそれだけの話である。
シンプルであるという事は、つまり単調である事と同義だ。
下手に描けば、いくら画に迫力があろうが、退屈極まりない作品になってもおかしくない。
本作のモデルになっているのは、2001年にオハイオ州で実際に起こった列車暴走事故。
有毒物質を満載して走る無人の列車を、本作と同じ方法で危機一髪停止させた顛末は、日本のテレビ番組でも放送されたので、覚えている人も多いだろう。
本作に描かれる登場人物は基本的に架空の存在だが、人為ミスと不運が重なった事故原因や、脱線装置が列車のパワーに負けて失敗した事、そして追跡した機関車のクルーがベテラン運転士と新米車掌だった事など、事故の基本的な流れとディテールはかなり忠実に描かれている様だ。
ちなみに実際の事故では、死者は出ていない。
脚本のマーク・ボンバックは、妙な色気を出さずに事実からコア要素を抽出し、暴走する列車とそれを止めようとする人々、特にフランクとウィルの周囲だけにドラマの焦点を絞った。
二人は黒人と白人、ベテランとルーキーと対照的なキャラクターだが、共通点もある。
それぞれに少し問題を抱えているものの愛する家族を持ち、鉄道マンとして仕事に誇りを感じているブルーカラーだ。
フランクと年頃の二人の娘たち、ウィルと深刻な夫婦喧嘩中の妻とのエピソードは、ごく短いながらも彼らの英雄的な行動の動機となり、また物語をドラマチックに盛り上げるのに効果をあげている。
暴走列車と追跡する二人鉄道マンのドラマが全体を貫く中心軸だとすると、鉄道司令室と会社上層部の思惑の違いによる葛藤や、現場で列車を追跡するエンジニアのエピソードは横軸だ。
ここでもしも物語に深みを出そうとして、横軸の人間ドラマを膨らませてしまったりしたら、全体がぶれてしまうところだが、ボンバックは良い意味で職人に徹している。
暴走列車の追跡劇から、軸足を決して動かさず、適度に横軸を交錯させる事で、物語が単調に陥るのを防ぎつつも、サスペンスをさらに盛り上げる。
二段構えのクライマックスで、二人の主人公を両方とも立てる使い方のバランスもお見事。
シンプルではあるが極めてロジカルで、構成のお手本の様な優れたプロットだ。
トニー・スコットの演出も、主人公の二人をじっくり見せながら、事故を中継するメディアの映像を短いカットで効果的に織り込む事で、迫力とスピード感を維持しながら、画作りに適度な緩急をつけている。
もちろん、悪魔の様な凶悪な面構えに『777』という銀河鉄道みたいな車番をつけた、暴走列車のビジュアルは迫力満点だ。
機関車三両を連ねた巨大な体躯は、正に動く要塞と言うに相応しく、こんな物が暴走し始めたら、何をどうやっても止めることは不可能に思える。
『777』が膨張色の赤と黄色にペイントされている一方、追跡する機関車の方は縮小色の青色で、実際に一回り小型である事で生まれる対比も、挑むべき相手の強大さを際立たせており、デザイン効果もさすがに良く考えられている。
クライマックスの急カーブを通過するシーンは、映画だとわかっていても拳を握り締めてしまった。
「アンストッパブル」は、古典的なパニックスペクタクル映画としては、非常に良く出来た一本である。
シンプルな分、舞台が限定的なので、大作感はにはやや欠けるが、その分ピュアに引き締まった物語は、一切の無駄が無く極めてサスペンスフル。
刻々と迫り来る危機へのスリルに、98分間という短めの上映時間はあっという間に通り過ぎ、絵に描いたようなハッピーエンドは爽やかだ。
新年の景気付けにはピッタリの作品ではないだろうか。
アメリカには、日本の様なハイテク超特急は無いが、開拓時代の名残を残す大らかな大陸横断鉄道が張り巡らされている。
今回は、ゴールドラッシュの時代に蒸気機関車が目指した地、サンフランシスコの地ビール「アンカースチーム」をチョイス。
100年以上の歴史を持つ伝統的なスチームビールの銘柄は、ラガー的なキレとエール的なフルーティーなコクを併せ持つ。
緊張感で乾いた喉を潤してくれるだろう。

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