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2011年01月31日 (月) | 編集 |
奥浩哉のベストセラーコミックを原作として、前・後編の二部作として構成されたSF大作。
死んだはずの人間たちが、謎の黒い球体“GANTZ(ガンツ)”に召喚され、“星人”と呼ばれる異形の敵と戦う、命がけのミッションに強制参加させられる。
「マトリックス」的なSFアクションと、最近流行りの不条理ホラーの設定をミックスした様な世界観は独特で、素晴らしく出来の良いビジュアルと相俟ってなかなかに楽しめる。
就職活動中の大学生玄野計(二宮和也)は、ある日小学校時代の同級生、加藤勝(松山ケンイチ)と共に鉄道事故にあう。
だが、死んだと思った瞬間、彼らは見知らぬマンションの一室にいた。
そこにはガンツと呼ばれる黒い球体が鎮座し、玄野たちの他に数名の男女が集められていた。
彼らは、自分達の身に何が起こったのか理解出来ぬまま、ガンツによってある街角に転送され、恐るべき敵と戦う羽目になるのだが・・・・
ハードでスタイリッシュなビジュアルと、所々に散りばめられた“ボケ”とのギャップが本作に奇妙な味わいを与えている。
ガンツによって“死”を保留された人間たちは、強制的に星人と呼ばれる謎の敵と戦わされるのだが、こいつらがねぎ星人とか田中星人とかおこりんぼ星人とか、ルックスも名前もかなりふざけた連中なのだ。
星人と戦って生き残れば、ガンツによって点数が付けられ、トータル100点満点になるまで戦いを繰り返さなければならない。
30代後半以上の人ならピンと来ると思うが、そもそもこの設定自体が、70年代の人気ロボットドラマ「がんばれ!!ロボコン」のパロディなのである。
戦うために転送される場所はごく普通の街並みだが、転送された人間と星人以外は存在しない異界。
脱力系の見た目とは対照的に、星人たちの戦闘能力は極めて高く、普通の人間ではとても適わないので、戦う人間にはガンツから強力な武器とボディスーツが与えられる。
劇団☆新感線の衣装デザイナー、竹田団吾の手によるスーツのデザインが秀逸だ。
彼は「ヤッターマン」でも驚くほど忠実にアニメのイメージを再現していたが、今回も漫画ならではのデザインを、見事なまでに具現化している。
これはある種のパワード・スーツで、装着する人間のスピードとパワーを、星人に対抗可能なほどに高める事が出来るのだが、手足の長い若い俳優のプロポーションにバッチリ映え、格好良さ倍増である。
男女で微妙にデザインテイストを変えているあたり、流石に芸が細かい。
そして発砲するときにXの形に展開する銃や、必要な時に刀身が飛び出す刀、それに何よりクールな光沢を放つガンツそのものなど、ギミック満載の小道具の出来がまた素晴らしい。
スーツや武器と言った作り物が、これも良く出来たCGと組み合わさり、邦画ではちょっと観た事の無いレベルの、これぞ21世紀の特撮アクションという映像を作り出している。
「修羅雪姫」や「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」の佐藤信介監督は、流石にこの手の映画の見せ方を知り尽くしており、都合三回で上映時間のおよそ半分を占める各星人との戦いは、とぼけたキャラクターと特殊能力を生かして工夫され、それぞれがユニークな魅力を持つ見せ場になっている。
多分に特撮監督の神谷誠のテイストが入っているのかもしれないが、おこりんぼ星人から千手観音、巨大大仏の三連発などは、ハリーハウゼンのストップモーションアニメへの大いなるオマージュとなっていて、特撮映画ファンには感涙物だ。
そして、意外と言っては失礼ながら、登場人物の描きこみが結構しっかりしており、薄味ながらも人間ドラマがきちんと作られている。
二宮和也と松山ケンイチという、ハイレベルな演技が出来る若手二人を主役に選んだのが良かった。
生と死の境界線上で、不条理なサバイバルを強いられる彼らは、戦いの中で次第にその個性を明確にしてくる。
自分が信じられず、無気力な生き方をしている玄野は、命の危機に晒される事で逆にその生を実感し、戦いにのめりこんで行く。
彼が自分に言い聞かせる様に口にする、「人にはそれぞれに与えられた役割がある」と言う言葉の通り、彼は星人を倒すヒーローという役割に自らの情熱を再発見して行くのである。
冒頭の気だるそうな表情が、戦いを経るたびに、段々と自信溢れる表情へと変化して行くあたりの細やかな演技は実に上手い。
一方、松山ケンイチ演じる加藤は、たった一人の家族である弟を孤児にしないために、可能な限り皆で協力し合って生き残る事にプライオリティを置く。
彼にとっては、戦いは決して望む物ではなく、そのリスクは最小限にしなければならないのだ。
同じ状況に追い込まれていながら、異なる心情で戦う二人の葛藤が、物語にエモーションを作り出している。
ただ、やはり膨大な原作と上映時間との関係か、もう少し丁寧に描いて欲しかった部分も多い。
本作には、大学の同級生の玄野に惹かれ、彼をモデルに漫画を描いている小島多恵と、戦いの中で加藤の優しさに惹かれてゆく岸本恵という二人の女性が、ヒロイン的な位置付けで登場するが、彼女達の内面は殆ど描かれず、物足りない。
特に、悲劇的な最後を遂げる岸本恵は、演じる夏菜が不二子ちゃん体型で、ボディスーツ姿の存在感が絶大なために、ちゃんとバックグラウンドを描いて欲しかったところ。
ガンツにも「いたの?」と言われてしまった、田口トモロヲ演じる鈴木良一も、多分狙いなのだろうけど、せっかく演技派を起用してるのだから、戦闘シーン以外でもうちょっと積極的に物語りに絡んで欲しかった。
もっともこのあたりは、後編の展開を考えて、あえて抑えているのかも知れないが、とりあえず前編だけの印象としては、主役の二人以外がやや描写不足なのは否めない。
あと、演出のディテールでちょっと気になったのは、銃の扱いだ。
敵に確実にダメージを与えられる武器を持ちながら、発砲せずにただ構えているだけの描写が多い。
最初のねぎ星人や二度目の田中星人あたりまでなら、登場人物の経験値の少なさや、敵の動きが早すぎて発砲できないというエクスキューズも成り立つのだけど、おこりんぼ星人や巨大大仏は外しようが無いくらい的がでかいだけあって、武器があるのに逃げ回っているだけなのは何で?と思ってしまう。
数少ない発砲シーンの破壊力が超強力に描写されているために、余計に撃たない違和感は強まる。
この辺りは、せっかくのアクションシーンなので、派手にぶっ放してもらって、例えばシューティングゲームの様に、でかい敵には武器があまり効かないとか、何かシールドみたいな物を持っているとか、フォローの描写が欲しかったところだ。
ちなみに原作は、連載開始当事にちょうど本作で描かれた、おこりんぼ星人の辺りまで読んだが、珍妙なルックスの星人たちや、当事はまだ漫画では珍しかったCGを使った緻密な背景描写などはかなりインパクトがあった。
その後は、完結したら単行本で読もう・・・と思っているうちに10年経ってしまい、細かい設定や人間のキャラクターなどはもうあまり覚えていないから、原作から適度な距離感をもって観られたと思う。
二部作としてはちょうど良いところで切っていると思うが、聞くところによると脚色されている部分も多い様なので、原作の熱烈ファンからしたら評価の分かれる内容なのかもしれない。
四月公開の後編は、どうやら原作とは違う展開になるらしく、新キャラクターの役割やガンツの正体を含めて、とても楽しみである。
今回は、黒い球体に召喚される話という事で、黒繋がりで「東京ブラック」をチョイス。
よなよなエールで有名な軽井沢のヤッホー・ブルーイングが作った黒ビール。
濃厚なテイストと香ばしい香り、クリーミーな泡のトリニティが楽しめる一本で、本場欧州の黒ビールにも引けをとらない。
良い意味でハリウッドライクな、パワフルな娯楽映画の後に喉を潤すにはピッタリだろう。
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死んだはずの人間たちが、謎の黒い球体“GANTZ(ガンツ)”に召喚され、“星人”と呼ばれる異形の敵と戦う、命がけのミッションに強制参加させられる。
「マトリックス」的なSFアクションと、最近流行りの不条理ホラーの設定をミックスした様な世界観は独特で、素晴らしく出来の良いビジュアルと相俟ってなかなかに楽しめる。
就職活動中の大学生玄野計(二宮和也)は、ある日小学校時代の同級生、加藤勝(松山ケンイチ)と共に鉄道事故にあう。
だが、死んだと思った瞬間、彼らは見知らぬマンションの一室にいた。
そこにはガンツと呼ばれる黒い球体が鎮座し、玄野たちの他に数名の男女が集められていた。
彼らは、自分達の身に何が起こったのか理解出来ぬまま、ガンツによってある街角に転送され、恐るべき敵と戦う羽目になるのだが・・・・
ハードでスタイリッシュなビジュアルと、所々に散りばめられた“ボケ”とのギャップが本作に奇妙な味わいを与えている。
ガンツによって“死”を保留された人間たちは、強制的に星人と呼ばれる謎の敵と戦わされるのだが、こいつらがねぎ星人とか田中星人とかおこりんぼ星人とか、ルックスも名前もかなりふざけた連中なのだ。
星人と戦って生き残れば、ガンツによって点数が付けられ、トータル100点満点になるまで戦いを繰り返さなければならない。
30代後半以上の人ならピンと来ると思うが、そもそもこの設定自体が、70年代の人気ロボットドラマ「がんばれ!!ロボコン」のパロディなのである。
戦うために転送される場所はごく普通の街並みだが、転送された人間と星人以外は存在しない異界。
脱力系の見た目とは対照的に、星人たちの戦闘能力は極めて高く、普通の人間ではとても適わないので、戦う人間にはガンツから強力な武器とボディスーツが与えられる。
劇団☆新感線の衣装デザイナー、竹田団吾の手によるスーツのデザインが秀逸だ。
彼は「ヤッターマン」でも驚くほど忠実にアニメのイメージを再現していたが、今回も漫画ならではのデザインを、見事なまでに具現化している。
これはある種のパワード・スーツで、装着する人間のスピードとパワーを、星人に対抗可能なほどに高める事が出来るのだが、手足の長い若い俳優のプロポーションにバッチリ映え、格好良さ倍増である。
男女で微妙にデザインテイストを変えているあたり、流石に芸が細かい。
そして発砲するときにXの形に展開する銃や、必要な時に刀身が飛び出す刀、それに何よりクールな光沢を放つガンツそのものなど、ギミック満載の小道具の出来がまた素晴らしい。
スーツや武器と言った作り物が、これも良く出来たCGと組み合わさり、邦画ではちょっと観た事の無いレベルの、これぞ21世紀の特撮アクションという映像を作り出している。
「修羅雪姫」や「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」の佐藤信介監督は、流石にこの手の映画の見せ方を知り尽くしており、都合三回で上映時間のおよそ半分を占める各星人との戦いは、とぼけたキャラクターと特殊能力を生かして工夫され、それぞれがユニークな魅力を持つ見せ場になっている。
多分に特撮監督の神谷誠のテイストが入っているのかもしれないが、おこりんぼ星人から千手観音、巨大大仏の三連発などは、ハリーハウゼンのストップモーションアニメへの大いなるオマージュとなっていて、特撮映画ファンには感涙物だ。
そして、意外と言っては失礼ながら、登場人物の描きこみが結構しっかりしており、薄味ながらも人間ドラマがきちんと作られている。
二宮和也と松山ケンイチという、ハイレベルな演技が出来る若手二人を主役に選んだのが良かった。
生と死の境界線上で、不条理なサバイバルを強いられる彼らは、戦いの中で次第にその個性を明確にしてくる。
自分が信じられず、無気力な生き方をしている玄野は、命の危機に晒される事で逆にその生を実感し、戦いにのめりこんで行く。
彼が自分に言い聞かせる様に口にする、「人にはそれぞれに与えられた役割がある」と言う言葉の通り、彼は星人を倒すヒーローという役割に自らの情熱を再発見して行くのである。
冒頭の気だるそうな表情が、戦いを経るたびに、段々と自信溢れる表情へと変化して行くあたりの細やかな演技は実に上手い。
一方、松山ケンイチ演じる加藤は、たった一人の家族である弟を孤児にしないために、可能な限り皆で協力し合って生き残る事にプライオリティを置く。
彼にとっては、戦いは決して望む物ではなく、そのリスクは最小限にしなければならないのだ。
同じ状況に追い込まれていながら、異なる心情で戦う二人の葛藤が、物語にエモーションを作り出している。
ただ、やはり膨大な原作と上映時間との関係か、もう少し丁寧に描いて欲しかった部分も多い。
本作には、大学の同級生の玄野に惹かれ、彼をモデルに漫画を描いている小島多恵と、戦いの中で加藤の優しさに惹かれてゆく岸本恵という二人の女性が、ヒロイン的な位置付けで登場するが、彼女達の内面は殆ど描かれず、物足りない。
特に、悲劇的な最後を遂げる岸本恵は、演じる夏菜が不二子ちゃん体型で、ボディスーツ姿の存在感が絶大なために、ちゃんとバックグラウンドを描いて欲しかったところ。
ガンツにも「いたの?」と言われてしまった、田口トモロヲ演じる鈴木良一も、多分狙いなのだろうけど、せっかく演技派を起用してるのだから、戦闘シーン以外でもうちょっと積極的に物語りに絡んで欲しかった。
もっともこのあたりは、後編の展開を考えて、あえて抑えているのかも知れないが、とりあえず前編だけの印象としては、主役の二人以外がやや描写不足なのは否めない。
あと、演出のディテールでちょっと気になったのは、銃の扱いだ。
敵に確実にダメージを与えられる武器を持ちながら、発砲せずにただ構えているだけの描写が多い。
最初のねぎ星人や二度目の田中星人あたりまでなら、登場人物の経験値の少なさや、敵の動きが早すぎて発砲できないというエクスキューズも成り立つのだけど、おこりんぼ星人や巨大大仏は外しようが無いくらい的がでかいだけあって、武器があるのに逃げ回っているだけなのは何で?と思ってしまう。
数少ない発砲シーンの破壊力が超強力に描写されているために、余計に撃たない違和感は強まる。
この辺りは、せっかくのアクションシーンなので、派手にぶっ放してもらって、例えばシューティングゲームの様に、でかい敵には武器があまり効かないとか、何かシールドみたいな物を持っているとか、フォローの描写が欲しかったところだ。
ちなみに原作は、連載開始当事にちょうど本作で描かれた、おこりんぼ星人の辺りまで読んだが、珍妙なルックスの星人たちや、当事はまだ漫画では珍しかったCGを使った緻密な背景描写などはかなりインパクトがあった。
その後は、完結したら単行本で読もう・・・と思っているうちに10年経ってしまい、細かい設定や人間のキャラクターなどはもうあまり覚えていないから、原作から適度な距離感をもって観られたと思う。
二部作としてはちょうど良いところで切っていると思うが、聞くところによると脚色されている部分も多い様なので、原作の熱烈ファンからしたら評価の分かれる内容なのかもしれない。
四月公開の後編は、どうやら原作とは違う展開になるらしく、新キャラクターの役割やガンツの正体を含めて、とても楽しみである。
今回は、黒い球体に召喚される話という事で、黒繋がりで「東京ブラック」をチョイス。
よなよなエールで有名な軽井沢のヤッホー・ブルーイングが作った黒ビール。
濃厚なテイストと香ばしい香り、クリーミーな泡のトリニティが楽しめる一本で、本場欧州の黒ビールにも引けをとらない。
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