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婚前特急・・・・・評価額1550円
2011年04月10日 (日) | 編集 |
“運命の相手”は本当にいる?
二股どころか五股をかけて、男たちを手玉にとっている女性が、友人の結婚に触発されて、自分が本当に幸せになれる相手を探し始めるライトなラブコメディ。
主人公を演じるのは、最近ノリにノッている吉高由里子
彼女の五人の彼氏たちを、人気インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」の浜野謙太、加瀬亮、榎本孝明、青木崇高、吉村卓也ら個性的な面々が演じる。
監督は、自主映画で注目を浴び、これが長編劇場用映画デビュー作となる前田弘二だ。

24歳のOLのチエは、実は五人の彼氏と同時に付き合っている。
仕事の愚痴を聞いてくれるバツイチのミノル(加瀬亮)、リッチな中年美容師のミヤケ(榎本孝明)、可愛い年下の大学生のケンジ(吉村卓也)、趣味人のミチオ(青木崇高)、そしてパン工場で働くタナシ(浜野謙太)。
「人生、限られた時間を有効に使わなきゃ。いろんな人と、いろんな体験をしたほうが絶対トク!」
がポリシーのチエだったが、親友のトシコ(杏)が結婚した事に触発され、五人の彼氏を査定し始める。
とりあえず、一番査定の低いタナシを切ることに決めて、別れを告げるのだが、逆にタナシに「なんで?俺たち付き合ってないじゃん」とあっさり言われてしまう。
まさかの展開にショックを受けたチエは、プライドを賭けてタナシに仕返しをしようとするのだが・・・


実は、しばらく前に本作の前日譚となる携帯ドラマ、「婚前特急―ジンセイは17から―」のDVDを観た。
一話が5分程度のショートショートなのだが、シンプルな構成の中にも適度なドラマ性を楽しめるセンスの良い佳作で、本編を楽しみにしていた。

チエを演じる吉高由里子がいい。
美人で五人の男に愛されるのも当然と思っている高慢ちきな女性でありながら、友人の突然の結婚に動揺し、更にブサイクで将来性も無いと思っていたタナシに、実はセフレ扱いされていた事を知って大ショック。
いかにもクールでタカピーそうなルックスと、予期せぬシチュエーションに翻弄されて焦りまくるギャップが可愛い。

まあ、お話としては、他愛ないと言えば他愛ない。
五人の彼氏たちのうち四人は、それぞれ一長一短あるものの、ルックスも将来性もまずまずなのに対し、タナシだけキャラがまるで違う。
ブサイクで貧乏、なのに異様な自信家でKYの天然である。
チエは何でわざわざこの男と付き合っているのか?もうこの時点で、彼女の運命の相手がタナシであるのはバレバレだ。
他の彼氏とは旅行に行ったり、相手の家で会ったりしているのに、なぜかタナシだけはチエの家の鍵を持っていて、毎日の様に風呂に入りに来ているのも、チエの中でタナシが特別な存在な事を示唆している。
面白いのは、チエもタナシも互いに遊びだと思っていて、自分が本当に好きなのは誰なのか気付いていない事。
要するに、この二人はルックスこそ美女と野獣だが、実は似たもの同士のボケ役と突っ込み役で、ジンセイを自己中に過ごしてきて、同じ様に打算しているだけなのだ。
これは、周りを巻き込んだ恋の鞘当を通じて、二人が自分の素直な気持ちに気付き、それを受け入れるプロセスを描く物語なのである。

そもそも、チエが結婚を考え始めるのは、友人のトシコの幸せそうな結婚生活を目の当たりにしたから。
彼女のお相手は、特にイケメンでも金持ちでもなく、どちらかと言えば冴えない普通の男だが、二人の間のまったりした空気は何とも幸せそう。
つまりチエは、ルックスや金が幸せをもたらす訳ではない事に、もう気付いているのだけど、彼女の心の目を曇らせているは、少々高すぎるプライドだ。
今まで上から目線で世間や男を見てきたので、どうしても“自分の価値に見合った相手”というバイアスによって物事を見てしまう。
ところがそんな彼女のささやかなプライドは、よりにもよって自分が査定で最低ランクをつけたタナシによって木っ端微塵に打ち砕かれてしまうのである。
このままでは終われないと思ったチエの復讐計画は、タナシを何とか自分に思いっきり惚れさせて、気持ちがピークに達したときに振る事(笑
相手を自分に振り向かせようとする事自体、彼女の気持ちが既にタナシに奪われている事の証なのだけど、あくまでも復讐だと思おうとするチエはまだ気付かない。
しかも、時を同じくして他の彼氏たちにも少しずつ問題点が発覚し、チエは彼らの事も本当の相手とは思えなくなって、運命の相手を巡る苦悩は深まるばかりだ。

だが、そんなチエの葛藤をよそに、タナシは自分の勤めているパン工場の社長の娘、ミカに惚れてしまい、なぜかチエはタナシの恋を成就させる手伝いをさせられてしまう。
この場に及んでプライドを捨てられないチエは、最後に残っていた五股彼氏の一人ミノルを従えて、タナシとミカとのダブル食事会に挑むのだが、ここで遂に気持ちのコントロールを失って、ぶっ壊れた、いや初めて素直な行動に出るのである。
プライドの鎖から解放され、漸く自分の気持ちに気付いたチエが出来るのは、その場から逃げ出すことだけ。
そして一方のタナシもまた、自分の中に沸き起こる強い感情に戸惑いながらも、行動を抑える事が出来ず、物語は一気にスラップスティック調になり、正に特急列車のごとく怒涛のスピードで突き進む。
まあ観ている方としては、もうちょっと早く気付けよと思わなくも無いが、プライドも打算も無くなった二人に訪れる、出来すぎなくらい幸せな物語の結末は気持ちの良いものだ。

「婚前特急」は、新鋭前田弘二監督の軽妙なセンスが光る、なかなかに楽しい佳作となった。
17歳の頃からジンセイの幸せを追求していたチエの恋の物語はひとまず終わったが、とりあえず一番ブサイクで将来性も無いタナシを選んでくれたのは、イケメンでも金持ちでもない私としても喜ばしい。
天災や人災で神経が磨り減る今だから、こういう肩肘張らない娯楽映画には救われる気分になる。
ちなみに最後に彼らが乗って行く婚前特急ならぬ新婚ローカル線は、茨城県のひたちなか海浜鉄道湊線。
残念ながら今回の震災で被害を受け、復旧にはしばらくかかるらしい。
なお、本作には「婚前特急―ジンセイは21から―」なる前日譚もあるが、こちらは残念ながら未見。
そのうちDVDが出たら観賞してみよう。

久しぶりの日本映画なので、今回は結婚式で飲みたい東北の酒。
岩手県を代表する地酒「南部美人 大吟醸」をチョイス。
吟醸酒らしい複雑な香りと、やや酸味を抑えた米の豊かな味を十分に味わえる一本だ。
東日本大震災では、多くの酒蔵も被災し、中には陸前高田市の酔仙酒造の様に津波で蔵ごと流されてしまった所もある。
今酒飲みが出来る事は、自粛ムードに逆らって、東北の酒を飲み続ける事だ。
花見はもちろん、結婚式でもデートでも映画の後でも、上手い酒を飲んで、日本酒王国東北に復活してもらおう。

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