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トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン・・・・・評価額1600円
2011年08月10日 (水) | 編集 |
マイケル・ベイ監督による、巨大変形ロボットアクションの第三弾にして、一応の完結編。
地球を狙うディセプティコンの侵略は、遂に全世界的な規模へと拡大し、オートボット軍団と主人公ののび太・・・いや、サム・ウィトウィッキーは絶体絶命の危機を迎える。
前二作をご覧になった方は当然ご存知だろうが、相変わらずお話に深い物はなーんも無い。
本作にあるのはカッコいいロボットと兵器とクルマ、後はどんなに戦おうが吹っ飛ばされようが、決して化粧の崩れないセクシーなお姉さん(笑
でも、これはこれで良い。
「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」は男の子の一番おバカな願望を、ストレートに実体化したオモチャ箱なのである。

1969年。
月面着陸したアポロ11号は、月の裏側に墜落したオートボットの宇宙船を調査するという極秘の任務を帯びていた。
彼らがそこで見た物は、以降40年間に渡って政府によって封印される。
時は流れて現代。
月面の宇宙船に乗っていたセンチネル・プライムが、オプティマス・プライムによって復活する。
強力な同盟者を得たと考えるオプティマスだが、実はセンチネルはある驚くべき方法によって故郷サイバトロン星を復興させようとしていた。
その頃サム・ウィトウィッキー(シャイア・ラブーフ)は、大学卒業までに就職が決まらず、恋人のカーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトレイ)の家に居候状態。
必死に就活するサムの元に、三たびディセプティコンの陰謀が忍び寄る・・・・


オープニングの1969年のシークエンスが素晴らしすぎる。
今まで散々描かれてきたアポロの月着陸と陰謀説を、まさかトランスフォーマーとこんな風に組み合わせるとは!流石にこの発想は無かったよ。
当時のドキュメンタリー映像と新たに撮られたフィクションの映像を融合させ、ケネディやニクソンがまるで本当に秘密計画にコミットしていた様に見せるのは上手い。
最近では「SUPER8/スーパーエイト」などもそうだが、こういう史実とホラ話を上手く絡めた、“あの事件の裏に実は!”的な構成は、ファンタジーの世界をググッと身近に引き寄せる効果があり、わかっていてもワクワクさせられる。
しかも今回は本物のアポロ11号クルー、バズ・オルドリン本人の特別主演というオマケつきだ!

まあその後しばらくは、世界を二度も救ったのに就職先の決まらないサムのプータローライフが描かれるのだが、この辺りはジョン・マルコビッチがパラノイアっぽい軍需企業CEOを楽しそうに演じるサプライズや、新恋人カーリー役のロージー・ハンティントン=ホワイトレイのセクシーなルックスをマッタリと楽しめばいい。
サムは前作までのヒロイン、ミカエラにはふられたという設定になっているが、演じたミーガン・フォックスとの確執が伝えられたマイケル・ベイは、相当腹に据えかねたのか、映画の台詞でケチョンケチョンに彼女を扱き下ろしているのが可笑しい。
このユルユルの前半のうちに、とりあえず特殊部隊NESTの面々や“元”エージェントのシモンズ、コミックリリーフのサムの両親ら御馴染みの面々が次々に登場し、後半へのコマの配置が手際よく進んで行く。

物語的には、海外から伝え聞くほどにはぶっ壊れておらず、むしろ前作の「トランスフォーマー/リベンジ」よりはわかりやすく纏まっていると思う。
要するに、月に墜落した宇宙船は惑星が移動できるほどの巨大なワームホールを作り出せるエネルギー源を運んでおり、パイロットであるセンチネル・プライムは、オートボットの指揮官だったのだが、実はディセプティコンに寝返っている。
上手い事オプティマスを使って復活したセンチネルは、ワームホールを使って圧倒的な数のディセプティコンを地球に呼び寄せ、人類を脅迫してオートボットを追放し、更にサイバトロン星を地球近くに移動させ、人類を奴隷労働力として星を再興させようとしているのである。
オートボットを追放してしまい、サムたち人類は自らの力だけでディセプティコンと戦わざるを得なくなるという訳だ。
要するにドラえもんがいなくなったのび太が、一人でジャイアンと喧嘩するというあの幻の最終回と同じ構図である。
そしてイザ戦いが始まると、映画の後半1時間以上は、その殆どが血湧き肉踊る戦闘シーンに費やされる。

一応ディセプティコンの侵略は全世界に及んでいるらしいのだが、主な舞台となるのはヒロインのカーリーが連れ去られたシカゴ。
この街を舞台に、先ずは人間たち主導のカーリーの救出作戦が描かれ、満を来たしてオートボットが帰還すると、お待ちかねのロボット大バトルが勃発するという展開である。
過去二作と違って、巨大な宇宙船なども動員したディセプティコンの攻撃は、ロボット物というよりこのところ流行のディザスター系侵略SFに近く、特に様々な形の宇宙船がシカゴの高層ビル街を襲うビジュアルは、今年公開の「スカイライン-征服-」「世界侵略:ロサンゼルス決戦」に良く似ており、既視感を感じさせるほど。
もっともお金のかけ方の違いは一目瞭然で、クオリティの高い立体効果も含めてド迫力の都市破壊スペクタクルが楽しめる。
そしていよいよ絶対絶命となったところで、ドラえもんの秘密道具、もとい水戸黄門の印籠の様にオートボット軍団が登場し、一気に形成逆転。
いや、そんな簡単に倒せるなら、変な作戦使わず最初から一緒に戦えよ、とか言ってはいけない。
これはよくも悪くもマイケル・ベイの美学によって作られた“マンガ”なのであり、如何に強引だとしてもお約束は守らねばならないのである。

摩天楼の間を飛びぬけるNESTのウィングスーツのスピード感、スローモーションで崩れ落ちる巨大なビルの迫力、メカメカしいディセプティコンの破壊兵器の禍々しい美しさ、そして無骨な機械の塊が繊細に変形するトランスフォームのカッコ良さ!
マイケル・ベイは、自らが作り出した映像世界で、愛するオモチャたちの戦いを夢中になって描写して行く。
まるで緩急の“緩”の字を忘れたかのように、ひたすら超ハイテンションな危機・脱出のシークエンスが映画の後半延々と繰り返され、おそらくこのノリを素直に楽しめるかどうかがこの映画の評価の分かれ目だろう。
まあ、前二作もそうだったが「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」は映画と言うよりもむしろテーマパークのライドみたいな物。
スリル一杯のライドに、2時間半乗りたいという人には、夏休みらしい豪華でパワフルな超大作だが、そうでない人には、コース料理がすべてハンバーガーで構成されている様な大味な作品なのだろう。

既に企画が動き始めている次回作では、マイケル・ベイとシャイア・ラブーフが降板し、サム・ウィトウィッキーに変わる新たな主人公が登場するとも言われ、リ・ブート的位置付けの作品になる様である。
おそらく映画としては、もうちょっとキッチリとした方向性にチェンジすると思われるが、間違っても最近流行のダーク系に行くのは勘弁だ。
元々が日本生まれの子供用フェギアから生まれたこのシリーズ、誰が撮るにしても何時までも“男の子の理想”を具現化するオモチャ箱のスピリットは忘れないで欲しいものである。

このシリーズに合うのはアメリカンビール以外に思いつかないのだが、今回はシカゴが舞台と言う事で地ビールの「GOOSE ISLAND 312」をチョイス。
グース・アイランドは1988年創業の比較的若い会社だが、非常に特徴的な様々な種類のビールを製造して急成長し、つい先日世界最大級のビール会社ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブに買収された。
この「312」はスパイシーなアロマと深みのあるコク、まろやかでクリーミーな泡を楽しめる上品な一本。
映画が余りにもアメリカンなので、お酒はアメリカ製でもちょっとヨーロピアンな風味としたい。
残念ながら日本では未発売だが、東海岸では比較的目にするビールなので、米国土産にお勧めだ。

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