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カンフー・パンダ2・・・・・評価額1650円
2011年08月29日 (月) | 編集 |
新たな敵は、カンフーじゃなくて大砲だ!
ひょんな事からジェダイ騎士・・・もとい、“龍の戦士”となってしまった、怠惰でお調子者のパンダ、ポーの冒険を描いた2008年のヒット作、「カンフー・パンダ」の続編。
今回は、自らの出生に関わる葛藤を抱えたポーの前に、カンフー・マスターたちを倒して、中国を支配しようとするシェン大老が立ちはだかる。
ドリーム・ワークス・アニメーションとしては、四部合計でワールドワイドの興行収入30億ドルという、アニメ映画史上最大のヒットシリーズとなった、「シュレック」に続くおデブ&おバカヒーローによるシリーズ化だ。
脚本のジョナサン・エイベルとグレン・バーガーは続投だが、監督はマーク・オズボーンとジョン・スティーブンソンのコンビから、前作でストーリーボードや夢のシークエンスの演出を担当していたジェニファー・ユー・ネルソンにバトンタッチ。
幼い頃からマーシャルアーツ・ムービーが大好きだったと語るアジア系のユー監督、さすがの映像センスで見事な長編デビューを飾った。

伝説の“龍の戦士”となったポー(ジャック・ブラック)は、相変わらず喰いしんぼうでお調子者ながら、タイガー(アンジェリーナ・ジョリー)らマスター・ファイブと共に修行に勤しみ、村々の平和を守る日々を送っている。
ところがある日、谷あいの村を襲ったオオカミたちと戦っている時、ポーの脳裏に不意に赤ん坊の頃の記憶が蘇る。
実家の食堂に戻ったポーが、ガチョウのピン父さん(ジェームス・ホン)に「僕は父さんの子じゃないの?」と問いかけると、ピンはポーが捨て子だった事を認める。
そんな時、嘗て邪悪に走ったとして追放されたシェン大老(ゲイリー・オールドマン)が、強大な武器を持って帰還、都を守護する最強のカンフー・マスターが殺されてしまう。
知らせを受けたポーたちは、シェンの野望を阻止するために、都へと向うのだが・・・・


非常に良く出来た、お手本のようなファミリー向け娯楽映画である。
シンプルな物語の横軸にあるのは、クジャクのシェン大老率いる悪の軍団と、ポーたちカンフー・マスターの戦い。
中国の大発明の一つである火薬は、人々の生活の役に立ったり、花火として楽しませる事も出来るが、使い方次第では人間の能力を遥かに超える恐ろしい武器ともなる。
シェンは、火薬というテクノロジーの持つダークサイドに誘惑され、膳なる心を失った事で追放されるが、自ら開発した大砲と共に復活し、カンフーを滅ぼし中国を支配しようとする。
ここで鉄と火薬は欲望と物質主義の象徴として描かれ、カンフー・マスターたちが体現する豊かな精神主義と対立するのである。

そして、物語の縦軸となるのが、ポー自身のアイデンティティを巡る葛藤だ。
シェンの配下のオオカミたちと戦っている時、ポーは敵の旗印を見て不意にフラッシュバックを起こしてしまう。
それは母親のパンダによって、自分が捨てられるイメージ。
気の良いガチョウのピン父さんに育てられてはいるものの、ポーは遂に自分がガチョウの子でない事に気付いてしまう。
まあ誰がどう考えてもガチョウからパンダが産まれる訳は無いのだけど、そんな周知の事実をピン父さんが大真面目に告白する下りは、二人のボケっぷりに大笑いしてしまった。
本作では、自らは何処から来た何者なのか?本当の両親はなぜ自分を捨てたのか?というポーの内面からの問いが、ギャグを交えながらも物語全編を縦に貫くバックボーンとなっているのだが、やがてポーとシェンの運命が交錯するにしたがって、この縦軸と横軸が絡み合ってくる。

実は、ダークサイドに走ったシェンは、ヒツジの預言オババに、自分が「いつか“白と黒の戦士”によって倒される」と告げられ、予言封じのためにパンダの村に攻め込んで虐殺した過去があり、その時に母パンダによって唯一逃がされたのが赤ん坊のポーだったという訳だ。
このエピソードは、聖書の「マタイによる福音書」にある、新たなるユダヤの王(イエス)の誕生に怯えたヘロデ大王が、ベツレヘムに住む二歳以下の男の子を皆殺しにしたという話を思わせるが、この虐殺がシェンの両親の逆鱗に触れ、彼は悪しき者として都を追放される。
したがって、シェンとポーの関係は、ハリー・ポッターとヴォルデモート卿の様な、出生を巡る因縁によって結び付けられており、彼らの対決は物語の縦横それぞれの軸の終着点となる様に、巧みに構成されているのである。

とは言っても、これはあくまでもおデブ&おバカなパンダが主人公の、アクション・コメディ映画なので、あの映画の様に全体が大人向けのダークな世界に行く事は無い。
シェンが大砲の威力を背景に都を占領し、ポーとマスター・ファイブが彼の野望を阻止するために街に潜入すると、後はアニメーションならではのメリハリの効いたアクションとギャグの連続だ。
クジャクのシェンが華麗に羽を広げて繰り出す鋭い技、巨大な楼閣の中でのオオカミ軍団との対決や、人力車による追いかけっこなど、ギミックの楽しさが散りばめられたコミカルなアクション・シークエンスは、往年のジャッキー・チェン映画、或いは「ルパン三世カリオストロの城」を思わせ、3D効果を生かすために正しく縦横無尽に展開する。
古の中国を上手くカリカチュアした壮麗な世界観も映え、満載の見せ場には大人から子供まで魅了される事は間違いないだろう。

そして、一度シェンによって大砲で吹っ飛ばされたポーは、都を追放された予言オババによって助けられると、遂に全ての記憶を取り戻す。
嘗て命がけでポーを助けた本当の両親と、故郷の村を滅ぼしたシェン。
だがポーは、師匠のシーフー老師に教えられた、“心の内なる平和”という境地に達する事で、過去の因縁に縛られるのではなく、全てを受け入れ、全てを赦す事を決める。
それは正に天から降る雨の一滴が、この世界の理によって大地に染み渡るように、自然と彼の内面に生まれた心だ。
大砲と言う物質主義の象徴が、ポーの会得した心の奥義によって、文字通り手玉に取られるクライマックスは、単にアクションとして盛り上がるだけでなく、本作の持つ意外な精神性を十二分に感じさせる。
もちろん、お約束のボケと控えめに顔をだすちょっとしたハードさのバランスも良く、娯楽映画として極上の仕上がり。
戦いの後に、ポーとピン父さんのほっこりした絆を改めて感じさせるセンスも良い。
どうやら「カンフー・パンダ3」を期待して良さそうなラストのサプライズも含めて、夏休みの終わりを飾るのに相応しい鮮やかな快作である。
しかし、来年でパラマウントとの契約が切れるドリーム・ワークス・アニメーション、一体何処と組むのかが少々心配だが・・・。

今回は、アメリカ映画だけど主役がパンダで舞台も中国なので「青島スタウト」をチョイス。
普通の青島ビールとは一味違ったコクのある黒ビールは、ゴージャスな3D映画にも存在感で負けてはいない。
因みにこの「カンフー・パンダ」シリーズは、中国でも大ヒットしているが、一部ではアメリカによる文化侵略だという反発もあると言う。
何処の国にもそういう事を言い出す人はいるのだろうが、実際の映画はそんな偏狭な精神を軽々と越えているし、本当はこれこそ中国が作るべき作品だという気がする。
まあパンダにカンフーやらせるなんて、本場からすると余りにもベタ過ぎて、こっ恥ずかしいのかも知れないが(笑

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