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猿の惑星 : 創世記(ジェネシス)・・・・・評価額1700円
2011年10月06日 (木) | 編集 |
1968年に作られた、タイムパラドックスSFの金字塔「猿の惑星」のユニークなビギニング。
オリジナルで、チャールトン・ヘストン演じる主人公のテイラーが、砂に埋れた自由の女神を目撃する瞬間は、おそらく映画史上最も衝撃的なラストシーンであろう。
一体何故人類は滅びたのか?何故猿たちは劇的な進化を遂げたのか?
本作のルパート・ワイアット監督は、一人の科学者と一匹のチンパンジーの絆の物語を軸に、人類の終焉と星を継ぐものの誕生を、神話的なストーリーにのせて描き出す。
最新のVFXを駆使し、無数の猿達が人類からの独立を目指すスペクタクルな映像も見応え十分。
「127時間」の好演が記憶に新しいジェームズ・フランコが、図らずも歴史の転換点の引鉄を引いてしまう脳神経科学者を演じる。
※一部ネタバレあり。

サンフランシスコの製薬会社、ジェンシスの研究所で働くウィル・ロッドマン(ジェームス・フランコ)は、開発中のアルツハイマー病治療薬、ALZ112を投薬したチンパンジー“9番”の知能が劇的に向上している事に驚き、人間への治験開始を願い出る。
しかし、そのプレゼンテーションの日に、9番が突然暴れ出し、研究所をパニックに陥れた挙句に射殺されてしまう。
実は9番は誰にも知られずに子供を産んでおり、赤ん坊を守ろうとして暴れたのだった。
チンパンジーを使った実験は中止され、ウィルはシーザー(アンディ・サーキス)と名付けた赤ん坊を家に連れ帰り、5年の間育てながら観察を続けるが、成長したシーザーは人間を上回る認知能力を持つ超類人猿である事が明らかになる。
ウィルは、データを元にチンパンジーでの実験を再開し、より強力な治療薬ALZ113を完成させるが、ある時偶然の事故でシーザーが人間を傷付け、アニマルシェルターに強制収容所されてしまう。
そこでシーザーが見た物は、冷酷な監視員のドッジ(トム・フェルトン)に虐待される猿達の姿だった。
次第に人類に対する疑念を深めたシーザーは、密かにシェルターを抜け出しALZを盗み出すとシェルターの猿達に吸引させる。
高度な知能を得て、シーザーをリーダーに団結した猿達は、ついに人類に反旗を翻す。
一方のウィルはALZ113の持つ、ある致命的な欠点にまだ気付かずにいた・・・


一応おさらいしておくと、旧シリーズは1968年の「猿の惑星」から73年の「最後の猿の惑星」までの五作が作られている。
第一作では、猿が人間を支配する惑星に不時着した宇宙飛行士のテイラーが、猿の科学者コーネリアス博士らに助けられながらも、冒険の末にそこが人類文明が滅びた後の未来の地球である事を発見する。
第二作「続・猿の惑星」では、猿と地下世界でミュータント化した人間の戦争が起こり、絶望したテイラーが最終兵器コバルト爆弾を起爆し、地球は消滅してしまう。
第三作「新・猿の惑星」では、消滅した地球を脱出し、時間を遡って現代の地球に到達したコーネリアス達と、猿に支配される自分たちの未来を知った人類との間で軋轢が起こる。
そして第四作「猿の惑星・征服」では、疫病で犬や猫が死滅し、地球に到達した猿達の子孫が人類の奴隷となっている近未来。コーネリアスの息子のシーザーが、自由を求めて人類に対して反乱を起こす。
旧シリーズは、この後に最終作「最後の猿の惑星」が作られ、猿達のリーダー、シーザーによって猿と人類との間に和平が結ばれ、共存の道が築かれる。
つまり、最終作のラストはパラレルワールドとなり、第一作には直接繋がらないのである。
本作は、基本的には第二作以降の旧シリーズとは無関係とされているが、ベースとなっているのは聖書の「出エジプト記」を思わせる第四作「猿の惑星・征服」であろう。
主人公のシーザーという名前、人類に隷属化した猿達の反乱劇という内容も共通点が多い。
本作の後に続編が作られれば、また異なるパラレルワールドが作られそうだが、現時点ではオリジナルの「猿の惑星」に直接繋がるビギニングとして成立している。

アルツハイマー治療薬によって、劇的に知能が向上したチンパンジー、“9番”から生まれたシーザーは、物心つく頃からウィルの家で育てられ、人間としての感情を学ぶ。
彼にとっては人間イコール父親代りであり、心から信頼するウィルなのである。
ウィルは、アルツハイマー病を患っている父チャールズと同居しており、人間的な優しさを知っているシーザーは彼に対しても思い遣りの心を見せる。
だが人間社会の中では、所詮チンパンジーはチンパンジー。
彼の自由は屋根裏の窓から見える世界でしか無い。
次第に自己存在の矛盾に直面するシーザーは、ある時その優しさ故にチャールズを守ろうとして、隣人を傷付けてしまう。
裁判所命令によって多くの猿達が暮らすシェルターに収容されたシーザーは、そこで始めて他の生物の支配者として君臨する人間の恐ろしい側面を目撃し、やがて覚醒する。
最初はおどおどした子供の様だったシーザーの表情が、次第に確固たる信念を持ったリーダーの顔に成ってゆく様は見所だ。

旧シリーズの猿達は、ジョン・チェンバース率いる20世紀FOXのメイクアップ・デパートメントのスタッフによって特殊メイクで作られたが、21世紀の本作ではピーター・ジャクソンによって設立されたVFX工房、WETAのテクノロジーで創造されたデジタルキャラクターだ。
「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役や「キング・コング」のコング役で、この種のパフォーマンス・キャプチャ俳優の第一人者となったアンディ・サーキスが素晴らしい演技でシーザーに命を吹き込んでいる。
彼は単純に猿になり切っているのではない。
猿でありながら、頭脳は人間をも上回り、複雑な内面の葛藤を抱えるという難しいキャラクターだ。
ウィルへの想いを残しながら、シーザーが人間に絶望してゆく様が切ない。
もう家に帰る事が出来ないと悟った時、彼は牢獄の壁に幸せだった幼い頃、外の世界を見ていた屋根裏部屋の窓を描く。
そしてそれは、反乱を起こした猿の軍団が掲げる自由へのシンボルとなるのである。

猿達はサンフランシスコから脱出して、海峡を挟んだ街の北側に広がる広大な原生林、ミュアウッズを自分たちの新たな王国とすべく目指すが、そのためにはゴールデンゲートブリッジを通らねばならない。
クライマックスは、ミュアウッズに向かう猿の軍団と、橋を封鎖する警官隊の激突。
立体的な吊り橋の構造を巧みに利用した、ダイナミックな3次元アクションは興奮度抜群だ。
シェルターで一人ハミゴにされていたゴリラが、シーザーに救われた恩を返すためにとったある行動と、その後にシーザーが見せる人間への完全な決別のシーンは、映画的カタルシスに鳥肌が立つ。
まさかゴリラの男気に泣かされるとは思ってなかったよ。

もっとも、突っ込みどころも無くはない。
最大の物は、やはり猿達の数が多すぎじゃないの?という事だろう。
終盤ではサンフランシスコ中に猿が出没しているが、基本的にアニマルシェルターに収容されていた仲間とサンフランシスコ動物園から逃がした分の、精々数十頭だったはずだが、何時の間にか明らかに数が増えている(笑
また動物園の猿はALZを吸引してないのだから、知能は普通なままのはずで、あんな統率のとれた行動は出来ないだろう。
まあ、物語は小気味良いテンポで一気に進んでゆくので、観ている間にはそんなに気にならないのだけど。
因みに、人間サイドの主人公、ウィル・ロッドマンの役名は、オリジナル「猿の惑星」の脚本を執筆した、ロッドマン“ロッド”・サーリングへのトリビュートになっている。
本作には他にもキャラクター名などに、オリジナルシリーズへのオマージュが散りばめられているのも、オールドファンには嬉しいポイントだ。

猿たち反乱劇とその裏で、人知れず進行するある恐るべき事態によって、やがて人類は滅び、猿達がこの惑星を継ぐ事が示唆されて、物語は幕を閉じる。
本作で素晴らしい仕事をしたワイアット監督は、既に続編のアイディアはあると語っている様だが、はたしてこの新たな「猿の惑星」は、そのままオリジナルへと繋がるのか、それとも新たなパラレルワールドが作られるのだろうか。
確実に作られるであろう次回作を、楽しみに待ちたい。

今回は、サンフランシスコを舞台にした映画なので、この地を代表する地ビール「アンカースチーム」をチョイス。
西海岸の地ビールでは最も高い知名度を誇る歴史ある銘柄だ。
薄味が主流のアメリカンビールの中では、しっかりとしたコクを持つヨーロピアンなテイストが特徴。
このビールで懐柔したら、猿も人類と共存してくれるかもしれない(笑


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