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キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー・・・・・評価額1550円
2011年10月12日 (水) | 編集 |
その力は、平和のために。
マーベル・コミックのスーパーヒーロー大集合映画、「ジ・アベンジャーズ」の長い長い前フリも、遂に最終章。
いよいよアベンジャーズのリーダーにして高潔の人、キャプテン・アメリカの登場だ。
キャプテンを演じるのは、同じマーベルの「ファンタスティック・フォー」シリーズでヒューマン・トーチを演じていたクリス・エヴァンズ
彼は、図らずもマーベル最古のヒーローと、最古のヒーローチームのメンバーの両方を演じる事になった。
70年の歴史を持つコミックを脚色したのは「ナルニア国物語」シリーズのクリストファー・マルクスとスティーブン・マクフィーリー、監督は「ジュマンジ」のジョー・ジョンストン
ぶっちゃけ話は単純だが、映画の出来は良く、なかなか楽しめる。

第二次世界大戦下のアメリカ。
ひ弱な体ゆえに兵役につく事のできないスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は、科学者のアースキン博士(スタンリー・トゥッチ)と出会い、彼の主導する超人兵士計画の被験者として志願する。
ドイツ人のアーキンスは、かつてナチスの中でもカルト的な秘密組織ヒドラ党の幹部で権力欲の強いシュミット(ヒューゴ・ウィーヴィング)を被験者に実験を行い、彼を世界の破滅を狙う怪人レッドスカルへと変貌させてしまった過去があった。
実験によって、以前とは比べ物にならない強靭な肉体を手に入れたロジャースだが、アースキンは密かに侵入していたスパイによって殺されてしまう。
アーキンスを失った軍は、超人兵士計画をキャンセルし、ロジャースは覆面ヒーロー“キャプテン・アメリカ”として戦意高揚キャンペーンの客寄せパンダに祭り上げられる。
しかし、幼馴染が属する107連隊がヒドラ党の捕虜となった事を知ったロジャースは、たった一人で彼らの救出に赴く事を決意する・・・・


第二次世界大戦中の1941年に、最初のコミックが出版された「キャプテン・アメリカ」は、初期の軍国的キャラクターから徐々に中道リベラル色を強めて来たキャラクターだが、その流れがそのまま映画の物語に取り込まれているのが面白い。
何しろ超人兵士となったロジャースは、「父親たちの星条旗」の主人公と同じ様に、戦時国債キャンペーンや戦争プロパガンダに駆り出され、人々の愛国心を煽るのだ。
やがて自分がメディアの中の虚飾のヒーローにすぎないという現実に直面したロジャースは、本物のヒーローとなるべく戦い始めるが、それは憎き敵を殺すためではない。

元々虚弱体質の青年だったキャプテン・アメリカは、弱きを知るヒーローである。
彼はソーの様な圧倒的な神様パワーも、アイアンマンの様なハイテク兵器も持たない。
少々超人化して身体能力が高まっているとは言え、他のスーパーヒーローに比べれば限りなく普通の人だ。
「ナチスを殺したいか?」と聞かれたロジャースは、「誰も殺したくはない」と答える。
軍隊に志願するのも、早く戦争を終わらせたいがためなのである。
アースキン博士の“超人化血清”は、肉体だけでなく心をも増幅させてしまう。
博士は嘗てナチスの中でも過激な科学技術を追求するヒドラ党の幹部、ヨハン・シュミットを最初の実験体に選び、結果的に彼を本作のヴィランであるレッドスカルへと変貌させてしまった。
人間の憎しみや欲望といった悪しき心が、いかに恐ろしいかよく知っているが故に、博士は善良な心を持つロジャースを選び、彼に良き兵士ではなく、良き人間であれと言い残すのだ。
だからキャプテン・アメリカは無益な殺生はしない。
彼のビジュアルを特徴付ける最大の武器が、銃でも剣でもなく、防御的な盾(Shield)であるのは象徴的だ。

キャプテン・アメリカが活躍する世界は、他のヒーローたちと違って第二次世界大戦という現実の戦争だ。
一応、直接の敵はドイツ軍そのものではなくて、ナチス内部の秘密結社ヒドラ党とその支配者であるレッドスカルだが、一歩間違えると生々しくなってしまいそうな設定である。
映画は、ヒドラ党をナチス本体へも反旗を翻す絶対悪とし、「マイティ・ソー」の世界と共通するコズミック・キューブのパワーによるトンデモ科学を駆使する漫画チックな集団と描写する事で、本作に過度なリアリズムを与えない様にバランスをとっており、超能力を操るヒーロー物に比べると、どうしても地味になりがちなアクションも、ヒドラ党の繰り出す秘密兵器がカバーする。
特に航空機の充実ぶりはなかなかで、おそらく映画初登場のフォッケウルフ・トリープフリューゲルVTOL戦闘機とか、アラドAr E.555/1全翼機の更に巨大なバージョン(機内に爆弾と一体化した様な戦闘機を搭載している!モデルはゾンボルトSo344か?)とか、飛行機ヲタには感涙物であり、何となくこのマニアックさは宮崎駿風(笑

ひょんな事からヒーローとなる一般人の主人公と、第二次世界大戦という舞台背景、セピアな色調でまとめられたレトロ色たっぷりのビジュアル、そしてメカ満載の空中のクライマックス。
このあたりのイメージは、世評は著しく低いが、個人的には結構好きな、ジョー・ジョンストン監督による1991年のコミックヒーロー映画「ロケッティア」ともどこか被る。
ジョンストンは元々ILMの創立メンバーで、「SW」の初期三部作のVFX部門のアートディレクターとして活躍(ボバフェットやヨーダをデザインしたのはこの人!)した後に、ルーカスの勧めで改めて南カリフォルニア大学の映画学科に入りなおして演出を勉強し、映画監督へと転身したという異色の経歴の持ち主だ。
オスカーを持ってる様な大物が生徒とは、先生もさぞやり難かったと想像するが、1989年に「ミクロキッズ」で監督デビューすると、「ジュマンジ」や「ジュラシックパーク3」などファンタジー色の強い作品を発表してきた。
また前記の「ロケッティア」や「遠い空の向こうに」など、空への憧れを描いた作品では、本人のヲタク心が刺激されるのか、作品全体にモチベーションの高さが感じられ、本作でもその持ち味は十分発揮されているのではと思う。

因みに本作にはアンクレジットながら、「ジ・アベンジャーズ」の監督・脚本を担当するジョス・ウェドンが脚本参加している。
コミックとは若干意味付が異なる様だが、キャプテンの出現は「ジ・アベンジャーズ」或いはウワサされる「S.H.I.E.L.D.」の映画で描かれるであろう、この組織の設立の秘密とも関わってくるものと思われる。
本作には更にロジャースの恋人としてペギー・カーター、戦友にコミックではキャプテンの後継者となるバッキー・バーンズ、アースキンの協力者としてハワード・スタークが登場し、これがマーベル・ユニバースの作品である事を強調する。
ラストで70年の眠りから冷めたロジャースが、ニック・フューリーに言うあるセリフがが、時空を超えてしまったヒーローの悲哀を感じさせて切ない。
彼の病室に現れた女性はもしかするとシャロン・カーターなのだろうか?

今回は、アメリカン・スピリットの象徴、キャプテン・アメリカの映画という事で、ブランドとしては世界一の販売量を誇るアメリカンビール「バドワイザー」をチョイス。
アンハイザー・ブッシュの販売する製品の中でも、このオリジナル・バドワイザーは1876年に発売され実に135年の歴史を誇る。
カラッとした西部の陽気にピッタリのビールだが、キャプテン・アメリカでスカッとしたあとは、ヘビーなアメリカン・フードとアメリカン・ビールも楽しみたい。

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