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ミッション:8ミニッツ・・・・・評価額1650円
2011年10月27日 (木) | 編集 |
この世界、果たしてホンモノか?

「月に囚われた男」で脚光を浴びた、ダンカン・ジョーンズ監督による長編第二作。
今回は、8分間という時間を無限ループする男の話で、言わば「時に囚われた男」。
厳密に考えれば異なるのだが、所謂タイム・パラドックスSFのバリエーションと言えるだろう。
主人公を演じるのは「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール。
彼と心を通わせる二人の女性にヴェラ・ファーミガとミッシェル・モナハン、怪しげなマッドサイエンティスト、ラトレッジ博士にジェフリー・ライトと演技派が揃った。
斬新なアイディアとスピーディーな展開が魅力の、異色のSFサスペンスだ。
*一部ネタバレ注意。

コルター・スティーブンス(ジェイク・ギレンホール)は、ある朝列車の中で目覚める。
クリスティーナ(ミッシェル・モナハン)なる女性が、親しげに語りかけてくるが、コルターは彼女が何者なのか、自分がなぜここにいるのかも分からない。
何しろ彼は、アフガニスタンの戦場で、ヘリコプターを操縦していたはずなのだ。
トイレに駆け込んだコルターが見たものは、鏡に映った見知らぬ男の顔と、“ショーン・フェントレス”と名の書かれたIDだ。
次の瞬間、列車が大爆発を起こし、炎に包まれたコルターは、奇妙なコックピットで意識を取り戻す。
モニターに現れたグッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)によると、その日の朝7時48分、シカゴ行きの通勤列車で爆弾が爆発し、乗客全員が死亡。
軍は犠牲者の死の直前の意識の中に潜入できる、“ソース・コード”と言う極秘研究を使い、爆弾を仕掛けたテロリストを特定しようとしており、コルターは二ヶ月前からプロジェクトの一員になっていると言う。
再び爆発8分前の列車に戻されたコルターは、フェントレスの肉体を借りて犯人を探し始めるが・・・


ジェイク・ギレンホール演じる主人公、コルター・スティーブンス大尉が送り込まれる“ソース・コード”とは、ある種のヴァーチャル空間だ。
物語がどこまで科学的根拠に基づいているのかはわからないが、何でも人間は死んでもしばらくの間は脳の中に約8分間の短期記憶が留められているそうで、ソース・コードはこの短期記憶から作り出された再現世界の様な物である。
基本的にソース・コードの中は、時間のリミットはあるものの現実の世界と同じで、行動を変えれば世界の筋書きは変わる。
コルターは、ショーン・フェントレスという人物の記憶とシンクロする事で、爆弾が仕掛けられた列車内に送り込まれ、爆発までの8分間に爆弾の隠し場所を突き止め、乗客に紛れ込んだ犯人を見つけ出さなければならない。
しかもこの事件は、巨大な核テロにつながっていて、ソース・コードの中で犯人を特定しなければ、現実世界で更に大きな犠牲が出ると言うのだから責任は重大だ。

だが、自分の置かれた状況も理解出来ないまま任務に放り込まれたコルターは、最初は戸惑って失敗ばかり。
彼はその度に、灼熱の炎で焼かれる“死”を味わなければならないのである。
しかし、繰り返し同じシチュエーションを体験してゆくうちに、段々と要領を掴み、次第に事件の核心に迫ってゆく。
8分間という限られた時間で、爆弾犯人を探し出すというスリリングな展開。
前回はここで失敗した、次はどうなるんだろうという興味が、閉ざされた空間の中でのサスペンスを盛り上げ、観客を飽きさせない。

しかも物語が進むうちに、コルターはもう一つの謎に気づいてしまうのである。
彼はアフガニスタンで任務に付いていたはずなのに、過去二ヶ月間の記憶がなく、いつの間にか奇妙なマシンのコックピットに押し込められている。
当初は、ソース・コードで活動するために起こる記憶障害かと思っているのだが、何度もソース・コードへの侵入と帰還を繰り返すうちに、どうも様子が変わってくる。
コックピットの計器はひび割れ、不気味な液体が染み出てくる。
外部との通信も途切れがちとなり、電源も不安定で強烈な冷気に襲われる。
しかも、プロジェクトの責任者らしいラトレッジ博士は、コルターが“コックピット”にいると告げると何故か意外な反応を示すのだ。
一体、彼は本当は何処にいるのか?ソース・コードの秘密とは何なのか。
五回目に列車に戻った時、彼は爆弾犯を捜索しながら、クリスティーナにある事を頼む。
それは、アフガニスタンに行った“コルター・スティーブンス大尉”の消息を調べること。
ソース・コードの世界は時間の制限以外は現実と同じなのだから、コルターの記録もそこに存在しているはずなのだ。
だが、その結果として、彼は衝撃的な事実を知ってしまうのである。

脚本は「スピーシーズ3 禁断の種」のベン・リプリー
時空を超えるとはどういう事かを考察した結果、全く新しいアイディアを思いついた彼のアプローチに、プロデューサーのマーク・ゴードンが答え、主演に決まったジェイク・ギレンホールが、一緒に仕事をしたいと考えていたダンカン・ジョーンズを推薦したのだと言う。
ジョーンズは、リプリーのオリジナル脚本に少し手を入れている様だが、なるほど連絡担当のグッドウィン大尉とコルターの間に、次第に信頼関係が築かれてゆくあたり、前作「月に囚われた男」の主人公と、彼を手助けするコンピュター、ガーディの関係に近い。
いや、これは偶然かも知れないが、実は物語の全体構造自体、極めて前作によく似ているのである。
その事に気付いた人には、この映画の最大の秘密は、案外早くネタバレしてしまうかも知れない。

無限ループを繰り返すうちに、コルターは考える。
ソース・コードは爆発で死んだ人間の短期記憶から作り出された世界なので、爆発の瞬間に消滅するが、もしも爆発そのものを阻止して、死を免れたとしたら、その先には何があるのか。
ソース・コードは本当に単なる再現世界に過ぎないのか。
8分間という時に囚われた主人公が、自ら“生きる”ための究極の選択をするクライマックスは、それまで基本的に列車、研究室、コックピットという限られたロケーションで展開していたコンパクトな物語に、グッと広がりを与えることに成功している。
「ミッション:8ミニッツ」というB級っぽい邦題がちょっと引っかかるが、これはSF好きも唸らせる、秀逸なアイディアから練り上げられた、ユニークな娯楽映画だ。
ダンカン・ジョーンズは、既に老練さすら感じさせる見事な演出を見せているが、あえて言えば二作目にして既に前作との間に、テーマ的な既視感を感じさせている事が少し気になる。
演出力は十分に証明されたので、次は彼の中にある別の引き出しを観たい。

今回はソース・コードの先にある目的地、「シカゴ」の名を持つカクテルを。
ブランデー45ml、キュラソー2dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、シャンパン適量を用意。
シャンパン以外をシェイクして、砂糖でスノースタイルにしたグラスに注ぎ、最後にシャンパンを合わせる。
ブランデーの琥珀色に、シャンパンの泡立ちで、一見するとビールの様なルックスが特徴だが、実は味わいの方もなんとなくやや甘めでコクの強いビールを感じさせる。
店によってレシピがかなり違い、シャンパンを使わないバリエーションもある様だ。

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