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インモータルズ -神々の戦い-・・・・・評価額1450円
2011年11月16日 (水) | 編集 |
神々のスプラッターバトル。

「ザ・セル」「落下の王国」で知られる映像派の異才、ターセム・シンによる、ギリシャ神話に材をとった煌びやかな英雄譚。
元々カッコいい画を撮る以外に興味の無い人だから、ビジュアルはまるでどこかの美術館のルネッサンス絵画か、ギリシャ絵巻が動き出したかの様。
ロケーション中心だった前作とは趣は異なるものの、初3Dとなった今作は、空間設計も立体効果を高めるために計算されており、画的な観応えは十分だ。
もっとも、例によって物語は突っ込みどころ満載で荒っぽく、特に神様の行動原理はサッパリわからない。
※ネタバレ注意

古のギリシャ。
全能の神ゼウス(ルーク・エヴァンス/ジョン・ハート)は、地上で繁栄する人類の平和を願い、見守っている。
だが、ギリシャ滅亡を狙う邪悪な王、ハイぺリオン(ミッキー・ローク)が出現し、嘗てオリンポスの神々との戦争に敗れ、地底深くに封じられたタイタン神族を解き放とうとする。
封印を破壊する力を持つ、伝説のエピロスの弓を捜し求め、侵攻して来たハイペリオンの大軍の前に、ギリシャ軍は総崩れ。
人間の争いに関わらない事を信条とするゼウスは、正体を隠して自ら育て上げた剣士テセウス(ヘンリー・カヴィル)に一縷の望みを託すのだが・・・


珍作・・・いや怪作である。
「300 スリーハンドレッド」をザック・スナイダー監督で大ヒットさせた、マーク・キャントンとジャンニ・ナヌリらのプロデュースチームが、二匹目の泥鰌を狙って立ち上げた企画だ。
ただ、あちらが史実を脚色したグラフィック・ノベルを映像化した物なのに対して、こちらは一応ギリシャ神話がベースではあるものの、本来タイタン神族の一員であるハイペリオンを邪悪な人間の王にしてしまい、後にアテナイ王となるはずのテセウスを、農奴出身の一剣士として彼と対峙させた時点で物語はほぼオリジナルである。
基本的にはティタノマキアとして知られるオリンポスとタイタンの戦いに、ミノタウロス退治などのテセウス神話を組み合わせた感じだ。

ぶっちゃけ、話の展開はかなり強引。
テセウス、ハイペリオン、神々という三つ巴のうち、まず悪役であるハイペリオンが何者で、何をしたいのかよく分からない。
彼はオリンポスを滅ぼすために、封印されたタイタン神族を開放しようとしており、その力をもつエピロスの弓を探し求め、ギリシャに侵攻する。
一応、家族を失った時に、神々に祈ったにも関わらず、助けられなかった事がオリンポスへの恨みに繋がっているらしいが、元々そんなに信心深い人物には見えないので、動機としては今一つ弱い。
ギリシャとオリンポスを滅ぼして、その先に彼が何を見ているのか、解放したタイタンをどうするつもりなのかも不明のままだ。

もっともハイペリオンに輪をかけて、何を考えてるのか分からないのは、石岡瑛子デザインの聖闘士チックなコスチュームに身を包んだ 神々である。
人間とは関わらないと宣言し、テセウスを助けた神を死刑にしてしまうほど厳格なゼウスが、自分は人間に化けてヨーダよろしくテセウスを鍛えている矛盾。
娘のアテナには妙に甘いのも可笑しい(笑
そもそも、嘗ての戦争で苦労してタイタンを封じ込めたにも関わらず、彼らが開放される迄手出ししないという掟自体が謎である。
まあそれこそ神のみぞ知る深い理由があるのかも知れないが、映画を観ている限りでは、彼らの行動原理が何に基づいているのかサッパリわからない。
とりあえず、ハイペリオンに母を殺されたテセウスの復讐譚として観るのが、一番わかりやすいだろう。

意外と言っては失礼ながら、アクション映画としてはなかなかだ。
ターセムの画作りは、どちらかというと止め画に近い絵画的表現や、スローモーションの美しさに特徴があり、肉弾戦のアクションのイメージは無かった。
だが、テセウスが殺されそうになった時、突然戦神のアレスが現れ、敵を秒殺してしまう描写には、展開の唐突さに呆気に取られながらも唸らされた。
スーパースローとリアルタイムの緩急がユニークで、スナイダーの「300」とはまた違った華麗な面白さがある。
アレスがウォーハンマーを振るう度に人間たちの骨が砕け、血飛沫が飛び散る容赦無しのスプラッター描写、残酷性までもが美術館の展示品であるかの様な様式美は、ターセムのビジュアル演出の真骨頂だろう。

クライマックスでは封印を解かれたタイタン神族とオリンポスの神々の、超越者同士の正に血で血を洗う戦いと、狭い通路でのギリシャ軍とハイペリオン軍の敵味方押し合い圧し合いの白兵戦、テセウスとハイペリオンの人間のボスキャラ同士のどつき合いのタイマン勝負という、三つの戦いが並行して描かれ圧巻だ。
テセウスを演じるのは、これも奇妙な縁でザック・スナイダーが手掛ける「マン・オブ・スティール」で、新スーパーマン/クラーク・ケント役に決まったヘンリー・カヴィル
対する悪の化身ハイペリオンには、ヒールとして第二の全盛期を迎えているミッキー・ローク
残虐極まりない悪役を実に楽しそうに演じ、その存在感は神々、英雄をも圧倒する。
超マッチョな肉体を持つ、スーパーマンvsレスラーの一騎打ちは迫力満点だ。

“不死の、不滅の”と言う意味を持つ「Immortals」というタイトルを深読みすれば、本作は神々の時代から人間の時代への移り変わり、すなわち如何にして人が神の地位を奪い去ったのかを描こうとしているではないか。
本来“immortal”であるはずのオリンポスの神々は、人間によって解き放たれたタイタンとの戦いによって、自らの箱庭であったはずの地上で呆気なく命を奪われ、死すべき運命“mortal”の人間たちと変わらない存在に貶められる。
神話では本来神の眷族であるハイペリオンが本作では人間として死に、人間であるテセウスが神となるのも何か象徴的だ。
ラストで、テセウスの息子の前にゼウスが再び現れ、彼が来るべき戦いのビジョンを見るのも、人間の時代の神々は伝説として語り継がれる事でしかその不死性を維持できず、それ故に戦い続けるしか無いからかも知れない。
まあ、深読みすればの話だが(笑

ギリシャ神話ベースの話だけに、今回はギリシャから。
今ではこの地の酒と言えばウゾが一番有名だが、原型となったラキアが作られる様になったのは東ローマ帝国の時代と言われている。
神話の時代の酒と言えばやはりワインであろう。
エステート・セオドラカコスの「マルブディ・オーガニック」をチョイス。
神々の鮮血を象徴するフルボディの赤ワイン。
上品な香りはゴージャスなビジュアルに負ける事はない。

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