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リアル・スティール・・・・・評価額1600円
2011年11月25日 (金) | 編集 |
鋼鉄のリングに挑む親子鷹!

「ナイト・ミュージアム」シリーズで知られるショーン・レビ監督の最新作は、近未来のロボット格闘技の世界を舞台に、戦う場所を奪われた元ボクサーと、長年離れて暮らしていた息子との父子の絆の再生を描くSFドラマ。
人間の身の丈を超える巨大なロボットをラジコンで操って戦うという、正に男の子の夢を具現化した様な話だが、様々な形のロボットたちが繰り広げる格闘シーンはなかなかの迫力。
主人公チャーリーを演じるのは、鋼の骨格を持つ男、ウルヴァリンことヒュー・ジャックマン。
彼の息子マックスを、「マイティ・ソー」で子供時代のソーを演じたダコタ・ゴヨ、パートナーのベイリーを「LOST」のエヴァンジェリン・リリーが演じる。
レビ監督作品としては最もコメディ色の薄い作品だが、ダメ親父が十年ぶりに再会した息子と暮らすうちに、自らの生きる意味を問い直し、父性の復権を目指すという物語全体の構図は、「ナイト・ミュージアム」とよく似ている。

西暦2020年。
チャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)は、嘗てボクシングで活躍した天才ファイター。
だが今やボクシングはロボットが闘うスポーツとなり、チャーリーはロボットファイターのオペレーターとして、各地の賭け試合を転戦し細々と食いつなぐ日々を送っている。
そんな彼の元へ、別れた妻が亡くなったという言う知らせが届き、十年間会っていなかった息子のマックス(ダコタ・ゴヨ)と暮らす事になる。
なかなか打ち解けられない二人だったが、ある夜ジャンクヤードでロボットの部品を探すうちに、ロボット一体が丸ごと埋まっている事を発見する。
“アトム”というそのロボットは、旧式ながら人間の動作を再現するシャドーファンクションという機能を持っていた。
チャーリーとマックスは、アトムをロボットファイターとしてリングに立たせ様とするのだが・・・


原作としてクレジットされているのは、リチャード・マシスンの短編小説「四角い墓場」だが、ロボット格闘技がモチーフで主人公が食い詰めた元ボクサーという設定以外、内容的には別物と言って良いだろう。
原作のロボットは人間ソックリのアンドロイド型で、試合前にロボットが故障してしまい、追い詰められた主人公がロボットのふりをして無謀な試合に臨むという話で、1965年に「トワイライト・ゾーン」の一編としてドラマ化されており、リー・マービンが燻銀の魅力で主人公のスコティッシュのファイター“スティール”を怪演していた。
対して映画版のロボットファイターは、いかにも男の子が好みそうなメカメカしい姿で、むしろ今実際に行われている、小型二足歩行ロボットを使った格闘技大会をスケールアップした様なイメージだ。

そして本作のもう一人の主人公である、打ち捨てられたロボットの名が示す様に、物語のスパイスとなるのは手塚治虫によって創造されたSF史上最も偉大なロボットの一つ、「鉄腕アトム」へのオマージュである。
「鉄腕アトム」には、天馬博士に捨てられたアトムが、ロボット格闘技に出場させられるエピソードがある。
このエピソードは、やはり「アトム」の強い影響が見てとれるスピルバーグ&キューブリックの「A.I.」にも引用されているが、本作も原作よりもむしろ手塚的少年漫画の香りを強く感じる。
アトムの前にチャーリーが手に入れるものの、ハイテクを全く使いこなせず、あっさり破壊されてしまう“超悪男子”には笑ったが、ロボット=JAPANのイメージも手塚治虫以来の日本製アニメや漫画が作り上げてきた物だろう。
何でも二足歩行のヒューマノイド型ロボットの研究者の数は、世界でもダントツに日本人が多いのだそうで、本作でも人型ロボットの誕生地は日本とされている。
アトムの子である我々日本人が、この映画に熱いものを感じるのは当然なのだ。

ショーン・レビは、子供の頃に親しんだであろう、アメリカと日本の遺産を受け継ぎ、自らの得意分野である父子物のストーリーに上手く結びつけている。
本作で特徴的なのは、父親と息子が共に内なる孤独を抱えたキャラクターで、彼ら其々の心の成長が、ほぼ等しく描かれて行く事だろう。
再会した時の二人の距離感は、やがてアトムを間に置くことで徐々に縮まってゆく。
息子のマックスは、ジャンクヤードに捨てられていたアトムに、嘗て父に捨てられた自らの境遇を重ね合わせ、父のチャーリーは旧式のポンコツロボットの姿に、過去の人となった自分のボクサー人生を重ね合わせる。
メカに強いマックスが、破壊された超悪男子の音声認識機能をアトムに移植し、自ら入場パフォーマンスするのは、父に自分を認めさせる強烈な自己アピールだ。
そしてチャーリーもまた、アトムを通して二度と立つことを許されないリングで躍動し、生きがいを取り戻す。

売り物であるロボットバトルは、会場がロデオ会場だったり、廃墟だったり、はたまた車を並べて作ったリングだったり、会場も相手もバラエティに富んでいて飽きさせない。
何しろ、冒頭でチャーリーのロボットが闘う相手は“牛”である(笑
まあ、それ以降はちゃんとロボット同士の格闘となるのだが、モヒカン頭がいたり、双頭がいたり、見た目にも技にも個性たっぷり。
よく犬と飼い主は似ると言うが、ロボットとそれぞれのオペレーターがどこか似てる設定なのも楽しい。
迫力のロボットバトルは勿論CG中心で描かれるのだが、デザインが今現実に存在するロボットの延長線上で十分リアルなのと、実際に作られた小道具のロボットとの切り替えも巧みで、とても絵空事とは思えない。
まるで本当にこの様な格闘技大会があるのでは?と、錯覚するほど現実感があるのは大したものだ。

9年後という僅かに未来の話ではあるが、今を基点に十分想像が可能な世界観とする事で、人間ドラマも現実の延長線上にあり、下手に捻ったり奇を衒った部分が無いぶん、しっかりと地に足をつけた物になっているのも好感が持てる。
ベタと言えばベタだが、家族の絆がサクセスストーリーの原動力となるのは正にハリウッド映画の王道だ。
アトムの快進撃によって巡ってくる、最新最強の王者“ゼウス”との対決は、チャーリーにとって嘗て僅かに手が届かなかったチャンピオンベルトへのリターンマッチであり、相手チームとの人間同士の因縁も加わって盛り上がる。
因みにボクシングのシーンは、70年代から80年代にかけてボクシング界に君臨した伝説的王者、シュガー・レイ・レナードが指導しているというから本格的だ。
リング上のアトムと、リングサイドのチャーリーが、完全に一体となるクライマックスは、いや確かに見事な“ボクシング映画”である!
どん底からの復活を目指す親父を、父の愛を知らない少年の想いが救い、鮮やかに人生を取り戻す物語が、スペクタクルな映像を背景に展開する良質のファミリームービー
冬休みに、是非お父さんたちに息子(と娘)を連れて観てって欲しい一本だ。

今回は、スッキリ爽やかなハリウッド映画で、主演がオーストラリア出身のヒュー・ジャックマンという事で、オージービールの「フォスターズ ラガー」をチョイス。
アルファベットの“O”の中に真っ赤な“F”が入ったラベルで知られるフォスターズは、世界150ヶ国以上で飲まれている超メジャーブランド。
味のイメージとしてはアメリカンビールに近いが、コク、切れ、苦味、香りのバランスが実に良く、多民族国家オーストラリアらしく、どんな料理にもあう。
観客を選ばない本作の味わいにもピッタリだろう。

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