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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル・・・・・評価額1700円
2011年12月21日 (水) | 編集 |
IT時代のスパイの秘密兵器はiPhone&iPadだった!

トム・クルーズ主演の大ヒットシリーズ、第四弾にしてシリーズ・ベスト
今回は、クレムリン爆破の容疑をかけられたイーサン・ハントが、第三次世界大戦の危機を阻止するために、サイモン・ペッグポーラ・ハットンジェレミー・レナーといった個性豊かなチームの面々と共に世界を駆け巡る。
ギミック満載の息をもつかせぬアクションが快調なテンポで紡がれ、あっという間に2時間13分の長尺が終了。
正に抜群の安定感を持つ、正月映画の真打ち登場だ。

モスクワでクレムリンが爆破され、ロシア諜報機関はIMFのイーサン・ハント(トム・クルーズ)のチームに疑いをかける。
アメリカ政府は戦争を避けるためにIMFを解散させ、一切の支援を停止するゴースト・プロトコルを発令。
ハントのチームは孤立無援となってしまう。
事件の真犯人が、核戦争が人類を進化させると標榜する、政治学者のカート・ヘンドリックス(ミカエラ・ニクヴィスト)である事を突き止めたハントたちは、ヘンドリックスが殺し屋のモロー(レア・セドゥ)と核兵器発射コードの取引を行う事を知り、ドバイへと飛ぶが・・・


トム様がプロデューサーも兼任するこのシリーズ、毎回意外性のある監督の人選も楽しみの一つ。
第一作はサスペンス映画の巨匠ブライアン・デ・パルマを起用、第二作は香港ノワールを引っ提げてハリウッド進出を果たしたジョン・ウーを、第三作ではテレビ界に旋風を巻き起こしていたJ・J・エイブラムスを大抜擢した。
「M:i:III」は、例のトム様の奇行騒動の余波で興行的には期待された程では無かったが、高い評価を受けたエイブラムスは、本作でもプロデューサーとして残り、脚本チームもエイブラムス繋がりだ。

そして今回の監督は、何とブラッド・バードである。
名作「アイアン・ジャイアント」で長編デビューを飾って以来、ピクサーで「Mr.インクレディブル」「レミーの美味しいレストラン」を監督したアニメ界のヒットメーカーだ。
アニメ映画から実写の監督に転身した例は過去にも度々あるが、最近のハリウッドでは「102」「魔法にかけられて」のケヴィン・リマくらいだろうか。
もっともあれはディズニーアニメの実写化だったり、パロディだったり、アニメとの共通項は多かった。
あ、「シュレック」から「ナルニア国物語」を撮った、アンドリュー・アダムソンもいた。

元々アニメと実写では同じ映像制作とはいっても、方法論がまるで異なるので、それぞれのフィールドで実績を残している人でも、上手くいかない事も多い。
70年代頃の日本では、興行サイドの信頼を得るために、名の知れた実写の監督をアニメの監督に据える例もあったが、実質的には名義貸しに近かったと聞く。
宮崎駿も過去に実写映画を撮る気は無いのか?というインタビューに、「ノウハウが全く違う」と答えている。
だが、映画の急激なデジタル化とCGの普及は手法の垣根をぐっと低める効果を齎した様で、特にCGによる視覚効果を多用するSFやファンタジーでは、「これはアニメか?実写か?」という論争が起こることもしばしば。
ロバート・ゼメキスの一連の作品や、スピルバーグの「タンタンの冒険」など、パフォーマンス・キャプチャを使った実写監督によるアニメ作品はもはや珍しくない。
彼らが、俳優による即興的なボディリアクションなど、実写的な考え方をアニメの演出に持ち込んでいるとしたら、ブラッド・バードが本作でやっているのはその逆である。

本作で特徴的なのは、画作りがとにかくロジカルで、正に一瞬の隙も無い事だろう。
ゼロから脳内で映像を創造するアニメ監督ならではの画面の密度、空間を縦横に使ったアクションシーンの一挙手一投足にまで、完璧な絵コンテの存在を想像させ、尚且つそれぞれの見せ場に凝ったギミックが組み込まれているのである。
例えばクレムリンへの潜入におけるCG画像のカモフラージュ、ドバイに聳える世界一の超高層ビル、プルジュ・ハリファの壁面に張り付くというめまいを起こしそうなシーンの、ヤモリみたいな手袋の使い方、視界ゼロの砂嵐の中での携帯ナビを使ったカーチェイス、更にムンバイのエアダクトに侵入するシーンのセルフパロディ気味の空中浮遊。
ブラッド・バードは、過去のシリーズをクリティカルに分析し、それを良い意味で漫画チックに再構成している。
特にクライマックスの、駐車場タワーを舞台にしたスーツケースの奪い合いは、まるで宮崎駿の「ルパン三世/カリオストロの城」を思わせ、正にアニメーション監督の真骨頂だ。

物語も良く出来ている。
基本はクレムリン爆破の容疑をかけられ、アメリカには見放され、ロシアからは追われる立場となったハントのチームが、核戦争勃発を目論む事件の真犯人を探し出し、世界を救うというシンプルな物だが、登場人物の背景がしっかり作られており、それが行動原理に上手く結び付いているのだ。
例えば、ジェレミー・レナー演じる分析官のウィリアム・ブラントは、元々凄腕のエージェントだったのが、ある事件で心に傷を負い現場を退いているのだが、その事件に絡んでいたのが、実はハントだったという設定だ。
また、チームの紅一点であるジェーン・カーターは、恋人だったハナウェイ(演じるのは「LOST」のジョッシュ・ホロウェイ)を殺し屋のモローに殺されており、復讐心と任務への忠誠の間で揺れ動く。
この様に、登場人物の背景が物語の展開に伴ってサブストーリーとして絡み、話が一本調子になるのを巧みに防いでいるのである。
因みに出番は多くないが、モローを演じるレア・セドゥが良い。
2008年の「美しい人」で注目され、今週末公開の「ルルドの泉」にも出演しているフランスの注目株。
仏映画界大手のパテ社会長の孫娘にして、世界最古の映画会社ゴーモン社の会長は大おじという超サラブレッドで、いかにもタカピーそうなルックスが萌える。
殺しの報酬はダイヤでって、漫画っぽいディテールも似合うのだ。

「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」は、観応えたっぷりのアクションがてんこ盛りで、年末年始にスカッとするにはピッタリのゴージャスな一本だ。
全力疾走の必死さなどに多少歳を感じるようになったとはいえ、スターオーラ全開のトム様はまだまだ若い!
まあ核ミサイルが発射されたら、普通は着弾する前に迎撃したり報復したりするよね、とかツッコミどころも無きにしも非ずだが、その大らかさも魅力のうち。
良くも悪くもクール&シリアス路線が定着した「007」シリーズと比較しても、本作の圧倒的な間口の広さは明らかだろう。
また新たな監督での新展開も良いが、シリーズ中でもダントツに高い完成度を持つ本作のチームには、もう一本くらい期待したい気がする。
しかし、舞台となるのがモスクワ、ドバイにムンバイとまるで新興国ツアーの様。
前作で中国も行っていたし、このシリーズは漫画チックに見えて、案外と世界のパワーシフトを敏感に拾っているのかも知れない。
次回の舞台はブラジルに南アフリカ、インドネシアあたりかな?

今回は、ハリウッド映画らしい華やかさと面白さを併せ持つ作品に相応しく、アメリカン地ビールの王道「アンカー リバティ・エール」をチョイス。
1975年の登場時には、アメリカ中の地ビール業者に衝撃を与えたと言われるペールエールは、よく言われる様にマスカットを思わせるフルーティなフレーバーが特徴で、繊細な泡の刺激も喉に心地良い。
重すぎず、軽すぎず、それでいて個性もある、絶妙のバランスを誇るニュージェネレーション・エールの名品だ。

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