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宇宙人ポール・・・・・評価額1600円
2011年12月22日 (木) | 編集 |
ナードに栄えあれ。

スティーブン・スピルバーグによって生み出された、SF映画史上の金字塔「未知との遭遇」「E.T.」に影響された映画関係者は数多い。
この夏に公開された「SUPER 8/スーパー・エイト」も、そんなスピルバーグ映画への憧れをストレートに、そして真面目に表現した佳作だった。
一方こちらは、スピルバーグ愛は共通なれど、何しろ脚本があのサイモン・ペッグニック・フロストなので、シニカル&ブラックな英国風味だ。
監督は「スーパーバッド 童貞ウォーズ」など、日本ではDVDスルーの作品でファンの注目を浴びていたグレッグ・モットーラが本邦劇場初見参。

イギリス人のイラストレーター、グレアム・ウィリー(サイモン・ペッグ)とSF作家のクライヴ・ゴリングス(ニック・フロスト)はオタクの祭典、憧れのコミコン・インターナショナルを訪れるためにアメリカにやって来る。
彼らは、キャンピングカーで西部に点在する超常現象スポットを旅行をしていたところ、エリア51近くでポール(セス・ローゲン)と名乗るグレイタイプの宇宙人と出会う。
ポールは二人に、宇宙へ帰るから“ある場所”まで送ってくれと言うのだが、彼らの背後にはお約束通りメン・イン・ブラックが迫っていた・・・


アメリカ旅行中に、ひょんな事から宇宙人を拾ってしまった英国人のナード(オタク)二人組の珍道中を描くロードムービー。
スピルバーグを始め、数々の映画へのパロディとオマージュが、エリア51やらブラックメールボックスやら、その筋の人だけに有名な観光スポットを巡りながら描かれる。
サイモン・ペッグとニック・フロストは、実際にキャンピングカーでアメリカを旅行しながら構想を練り、脚本に反映させていったという。
因みに私も、映画とほぼ同じルートでドライブ旅行した事がある・・・ええ、そうです私ナードですとも!(爆

ペッグとフロストはそれぞれ1970年と72年生まれ、監督のモットーラは1964年生まれ。
J・J・エイブラムスらと同じく、典型的なルーカス・スピルバーグ世代と言って良いだろう。
冒頭、いきなり「未知との遭遇」の殆どフルコピーのシークエンスで始まる本作、全編に散りばめられたネタは上記の二作品の他、「スターウォーズ旧三部作」「スタートレック」「エイリアン」「X-ファイル」といったSF作品から「JAWS」「レイダース」「イージーライダー」「ダーティー・ハリー」に至るまで70年代から90年代までのアメリカ映画、TVを網羅。
主人公たちが暗号代わりにクリンゴン語を使ったり、「E.T.」と同じ超能力で死んだ鳥を生き返らせたポールが、いきなり鳥をバリバリ食べちゃったり、はたまた酒場で乱闘が起こるシーンではナゼか荒野の真ん中なのに“水兵”が参戦したりと、アメリカ映画のお約束まで笑のネタに。
パロディだけでなく、何とスピルバーグ御大が自ら声のカメオ出演して、宇宙人ポールと「E.T.」のアイディアを語り合うのだからファンにはたまらない。
だが、それは同時に元ネタを知らない人にとっては、意味不明のギャグと会話が延々続く事を意味するので、一応独立した映画として成立していた「SUPER 8/スーパー・エイト」などとは比較にならない程、観客を選ぶ作品である事は間違いない。
とりあえず、最低限「未知との遭遇」と「E.T.」を観てから観賞すべきだろう。

もっとも、映画ネタだけが本作の見所ではなく、物語に目を向けてもなかなか良く出来ている。
主人公のグレアムとクライヴは友達以上、ホモ達未満の密接な関係。
そんな二人の元に転がり込んで来るのが、メチャクチャ口の悪いお下品な宇宙人ポール。
ポールとグレアムが仲良くなるにつれて、クライヴの中には微妙な嫉妬心が芽生えてくる。
しかも旅の途中で、宗教狂いの父親に育てられたルースという女性が一行に加わり、いつしかグレアムと良い雰囲気に。
旅を楽しみながらも、彼らの心の中の小さな蟠りが、言わば物語の揺らぎとなって深みを齎すのである。
更に、三人のメン・イン・ブラックと、娘を誘拐されたと思い込んだルースの父親までも加わった追跡劇がスリルを盛り上げ、1947年にポールが地球にやって来た時、最初に出会った少女、タラとのエピソードが物語に情感を加える。
政府がポールを連れ去って隠蔽した後、彼女は周囲に自分の見たものを信じて貰えず、嘘つき呼ばわりされたまま寂しく年老いてしまったのだ。
タラも合流した一行が目指す目的地は、もちろんワイオミング州の原野に聳える、“あの山”である。

まあ、ここからのクライマックスは、メン・イン・ブラックのボスキャラとして、ある大物俳優がサプライズ出演する以外は、全くの予定調和
ルースの父親に撃たれて死んだグレアムを、ポールが命がけの超能力で救い、お約束のタイミングで宇宙船がやって来て、ポールが罪滅ぼしにとタラを故郷の星へと誘う。
そして、冒険を終えたグレアムとルースは恋人同士となり、作家として伸び悩んでいたクライヴはポールとの冒険を小説化し大成功と、誰もが予想する通りに物語は進み、絵に描いたような大団円を迎えて幕を閉じる。
だが本作の場合、それは作品の魅力をスポイルする事には繋がっていないと思う。
なぜなら、これはナードによるナードのための映画であり、このお約束こそが過去の幾多の名作に対する大いなるオマージュになっているからである。
我こそはナードを自認する人にこそ、オススメの一本だ。

今回は、アメリカン西部旅行の必需品。
ケンタッキーバーボンの「エヴァン ウィリアムス12年」をチョイス。
エヴァン ウィリアムスは世界4位の生産量を誇るバーボンメーカーで、この12年は同社のラインナップ中でも抜群のコストパフォーマンスを誇る酒だが、味わいは本格的で決して安っぽくは無い。
50度を超えるアルコールは強烈だが、後味はスッキリしている。
まあこれをボトル半分も飲めば、UFOにアブダクションされても気付かないだろうけど。

しかし、本作以外にもニック・フロストはエドガー・ライトと共に「タンタンの冒険」の脚本を担当、サイモン・ペッグは「M:I:IV」に準主役出演と「ショーン・オブ・ザ・デッド」組の勢いは、まるで冬休み映画を完全制覇しそうな勢いだ。

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