FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
長ぐつをはいたネコ・・・・・評価額1600円
2012年03月21日 (水) | 編集 |
ニャンダフル!

アニメーション映画史上最大のヒット・シリーズとなった「シュレック」から、人気キャラクターの「長ぐつをはいたネコ」こと、プスを主役にしたスピンオフが誕生。
「シュレック2」の先日譚とも言える内容で、プスの生い立ちや何故長ぐつを履くようになったか、などの“ビギニング”的物語が、西部劇へのオマージュとパロディたっぷりの冒険活劇として展開する。
監督は、「シュレック3」クリス・ミラーだが、ややマンネリズムが鼻に付いたあの映画よりも、今回の方がずっとイキイキしている様に思える。
声優陣には、タイトルロールにお馴染みアントニオ・バンデラス、勝気なヒロインのキティに「デスペラード」のサルマ・ハエック、腐れタマゴのハンプティ・ダンプティに「ハングオーバー!」のザック・ガリフィアナキス、更にはビリー・ボブ・ソーントンまで乱入する豪華さだ。

お尋ね者の長ぐつをはいたネコ、プス(アントニオ・バンデラス)は、悪漢夫婦のジャック(ビリー・ボブ・ソーントン)とジル(エイミー・セダリス)から、伝説の魔法の豆を盗み出そうと彼らの宿に忍び込むが、先客の女泥棒キティ(サルマ・ハエック)と出くわし、作戦は失敗。
実はキティのパートナーは、孤児院でプスと共に育ったハンプティ・ダンプティ(ザック・ガリフィアナキス)だった。
7年前にハンプティが起こしたある事件によって、ハンプティは刑務所に囚われ、プスはお尋ね者として追われる身となったのだ。
お互いに裏切られたと考えている二人は、ひとまず魔法の豆を手に入れるためにわだかまりを捨てて、キティと三人で共同戦線を張る事にするのだが・・・


いや~、イヌ派が幅をきかせるハリウッドにあって、これはまるでネコ派の妄想が炸裂したような一本だ。
主人公はネコ、相棒もネコ(とタマゴ)、アジトにもネコがいっぱい、フワフワでモフモフである( ;´Д`)
ちょっとした仕草の本物っぽさや、ネコのどんなところがカワイイのかの表現など、スタッフには相当なネコ好きが結集したとみえる。
プスとキティの対決で、“相手に屈辱を与えるダンス”などネコの習性を知らないと意味不明だろうけど、逆に知っていれば爆笑必至。
とりあえず、映画の内容以前にハリウッドでは貴重なネコ派映画であり、ネコ好きは必見である。

「シュレック」シリーズと言えば、ディズニー的な御伽噺の世界をブラックな笑で包んだパロディ映画だが、スピンオフのこちらも基本的な方向性は同じ。
元々プスのキャラクター自体、嘗てアントニオ・バンデラスが、自身の出世作となった「マスク・オブ・ゾロ」で演じた怪傑ゾロのパロディなのだけど、今回もティザーポスターがイースウッドの「許されざる者」ソックリだったり、全編に渡って西部劇のパロディが満載されている。
もっとも、元々の「シュレック」のノリが、どちらかというとディズニー的なお約束の世界をシニカルに笑い飛ばすものなのに対して、こちらは西部劇、特にセルジオ・レオーネのマカロニ・ウェスタンへの愛がたっぷりなのが特徴的だ。
全体には、プスとハンプティを軸に、童話の「ジャックと豆の木」と「ガチョウと黄金の卵」の設定を組み合わせた様な構成となっている。

レオーネの映画というと、男たちの友情と裏切りの物語という印象が強いが、本作におけるプスとハンプティの関係は、正にこのパターンでレオーネ節全開。
腕白で正義漢のプス、虐められっ子だが、頭が良く発明好きのハンプティは、対象的なキャラクターながら、お互いをリスペクトしながら孤児院で育つ。
彼らは、雲の上にある巨人の城に住む、黄金の卵を産むガチョウを手に入れる事を夢見ており、そのために天まで育つ豆の木になる、魔法の豆を探し求めているのだ。
しかし、何時の間にか心のどこかが歪んでしまったハンプティは、7年前に何も知らないプスを巻き込んで強盗事件を起こしてしまい、それ以来お互いを裏切り者として許し合えずにいる。
この、男たちの過去を描く回想の手法なども、レオーネの定番を上手く茶化して笑いに結びつけてあり、ファンは嬉しくてニヤニヤしてしまう。

もちろん、活劇としての見せ場も数多い。
プスとキティの迷路のような街を縦横無尽に駆け巡る追いかけっこ、荒野を突っ走る馬車を使った「レイダース」ライクな迫力ある追撃戦、そして豆の木を伝って辿り着くのは、「天空の城ラピュタ」ソックリの巨人の城。
子供の頃からの目標を叶えるまではトントン拍子だが、もはや無垢なる存在ではない登場人物たちの物語は、ここからが佳境。
因縁の故郷の街を舞台に、それぞれの思惑が交錯する中、ある者の飛来と共に起こる「大巨獣ガッパ」・・・いやいや「怪獣ゴルゴ」的な壮大な危機が、嘗て袂を別ったプスとハンプティの友情を再び試すのである。
まあ、作劇的には最後まで予定調和を壊すことは無いのだが、もとよりこれは「シュレック」シリーズが作り上げてきたパロディ版の御伽の国の世界観を、西部劇にまで広げた物語であり、作り手の映画的記憶で愛情たっぷりのダシをとり、若干の毒をスパイスにした仕上がりは、十分に期待通りで満足できる物だ。

そう言えば、今年のオスカーを本作と競った「ランゴ」もまた大西部への想いが詰まった一本で、作品の志向する方向はよく似ている。
だが、「ランゴ」は良くも悪くもゴア・ヴァービンスキーの作家映画であり、彼の趣味性が先鋭的に表現されていたのに対し、「長ぐつをはいたネコ」はあくまでも「シュレック」のスピンオフという器があるからか、良い意味でハリウッドの法則の範囲内に収まり、マニア以外にも観易い、間口の広い作品になっていると思う。
例えば、ジョージ・マーシャル監督の「砂塵」以来、西部劇の定番ネタである“酒場でミルクを頼む”にしても、「ランゴ」でも同様のシチュエーションがあったが、本作では更に主人公がネコである事が上手く絡められ、とても自然に感じられる。
全体にオマージュ部分が「ランゴ」ほど突出せずに、より世界観の中にナチュラルに埋め込まれており、古典西部劇をよく知らない人でも、もとい本作のオリジナルである「シュレック」を一本も観たことが無くても、ちゃんと楽しめる様に出来ているのは大したものだ。
大人にも子供にも、一応イヌ派にもオススメ出来る、春休みらしい一本である。

今回は、ミルク好きのプスに合わせて「カルーアミルク」をチョイス。
カルーア40mlとミルク80mlを、氷を入れたタンブラーに注いでステアし、最後にミントの葉を添える。
カルーアとミルクの分量はあくまでも好みだが、甘くてビターなコーヒーリキュール、カルーアと、人間の味覚の原体験であるミルクのコンビネーションは、口当たりマイルドでとても飲みやすい。
因みにカルーアの代わりにバーボンとミルクのコンビネーションにすると、「カウボーイ」というこれまたそれっぽいカクテルになる。
私は、この考案者は多分西部劇の“酒場でミルク”からヒントを得たんじゃないかと思っていたのだが、実際にはウィスキーとミルクのレシピは古くからアイルランドなどで飲まれており、それがアメリカに広まって、この名前で知られる様になったらしい。
ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い




スポンサーサイト