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マリリン 7日間の恋・・・・・評価額1650円
2012年03月27日 (火) | 編集 |
伝説に恋した七日間。

今年は、ハリウッドが生んだ永遠のセックスシンボル、マリリン・モンローの没後50年にあたる。
これは、モンローが全盛期を迎えつつあった1956年に製作されたロマンチック・コメディ、「王子と踊り子」の撮影現場を舞台に、映画界に飛び込んだばかりの若い助監督と、世界が愛したスーパースターの秘められたロマンスを描いた物語。
実際に「王子と踊り子」のサード助監督だった、コリン・クラークの著した二冊の回想録を原作としており、こんな映画みたいな恋物語が本当にあったという事が驚きだ。
まあ、だからこそ映画になったんだろうけど(笑
現代ハリウッドの若手ではピカイチの演技派、ミシェル・ウィリアムズが完璧にマリリンを演じ切り、相手役のコリンには「ブーリン家の姉妹」のエディ・レッドメイン
ケネス・ブラナー、ジュディ・デンチ、エマ・ワトソンら、イギリスを代表するビッグネームたちが脇を固める。

1956年、イギリス。
映画界に憧れるコリン・クラーク(エディ・レッドメイン)は、名優サー・ローレンス・オリビエ(ケネス・ブラナー)のプロダクションに職を得る。
おりしも、人気絶頂のハリウッドスター、マリリン・モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)との共演作「王子と踊り子」のクランクインが迫っていた。
やがてマリリンは結婚したばかりの作家のアーサー・ミラー(ダグレイ・スコット)と共にロンドンに降り立つが、いざ撮影が始まると、演技スタイルの違いにオリビエとモンローは衝突し、ナーバスになったモンローは酒と睡眠薬で遅刻を繰り返す様になってしまう。
困り果てたオリビエは、コリンにモンローの見張り役を命じるのだが、やがてモンローはこの映画界に染まっていない若者にだけ、その秘められた心を開きはじめる・・・


半世紀以上前の伝説の裏側を、そっと覗き見る様な映画である。
何しろ本作が撮影されたのは、実際に「王子と踊り子」で使用されたパインウッド・スタジオ、劇中でモンローが滞在しているのも、本物の彼女が当時宿舎にしていたパークサイド・ハウスだという。
今年は何故か映画史をモチーフにした作品が多いが、「マリリン 7日間の恋」は言わばイギリス映画界から、ハリウッドの伝説に捧げられた大いなるオマージュだ。
ここには生身のマリリン・モンローと、映画という虚構の作り出す夢に魅入られた人々がリアルに存在している。

ミシェル・ウィリアムズがとにかく素晴らしい。
嘗てモンロー自身が、男性たちが求める“セクシーなお人形さん”では無く、真実の人間を演じようとした様に、ウィリアムズの演じるモンローは、単なるそっくりさんショーをはるかに越えて、時代のアイコンの内面にいる、繊細で孤独な一人の女性、ノーマ・ジーン・ベイカーを強く感じさせる。
今どきの言葉で言えば、超恋愛体質にして最強の女子力を持つ彼女の魅力に、対抗できる男はそういないだろう。
憧れの映画界に飛び込んだばかりのコリンも、あの愁を帯びた目に引き込まれ、余りにも危ういガラスのような素顔に触れて、“自分が彼女を守らなければ”と思い込んでしまうのである。

まあマリリンにしてみれば、勝負をかけた初プロデュース作で、勝手の違う異国での撮影にナーバスになっていた時に、ちょうど良い話し相手を見つけた位の感覚だったのかもしれない。
実際にコリンがマリリンと恋人として付き合ったなら、彼もいずれアーサー・ミラーや嘗て10日間だけ彼女の恋人だったと語るミルトン・グリーンの様に、彼女を持て余して、逃げ出したり薬でコントロールする様になったのかもしれないが、彼女の真意も含めて今となっては謎。
銀幕のクィーンのきまぐれが生んだ、プラトニック故に官能的な、たった一週間の淡い恋だからこそ、この映画は多分とてもロマンチックなのだ。

また映画史を描いた作品として観ると、メソッド演技の勃興がマリリンとローレンス・オリビエの葛藤に絡めて描かれているのも興味深い。
メソッド演技とは、形式や技術を重んじる従来の演技のスタイルに対して、キャラクターの内面からロジカルかつ丁寧に演技を組み立てる手法で、役作りのプロセスがまるで異なる。
ロシアのコンスタンチン・スタニスラフスキーにルーツを持つメソッド演技は、アメリカでアクターズ・スタジオの芸術監督、リー・ストラスバーグらニューヨークの演劇人よって1940年代に確立され、50年代に彼の元で学んだ多くの俳優たちがブレイクした事によって開花した。
マーロン・ブランド、ポール・ニューマン、ジェームズ・ディーン、そしてモンローもまたセクシー女優からの脱却を目指し、アクターズ・スタジオの門を叩いた一人。

この映画に描かれているのは、リアリズムに基づく新世代の演劇という“黒船”に戸惑う、伝統的な英国演劇の葛藤でもあるのだ。
ビビアン・リーという妻がありながら、ちょこっとだけ浮気心も抱いていたローレンス・オリビエも、異様なほどメソッドのスタイルに拘るマリリンとの衝突にブチ切れながら、スクリーンに映し出される彼女の圧倒的な輝きを認めざるを得ない。
シェイクスピア俳優であり、現代のオリビエとも言うべきケネス・ブラナーに、「われわれ人間は夢と同じもので織りなされている」で始まる「テンペスト」の有名な台詞を言わせる終盤のシーンは、マリリンと彼女が体現する映画という虚構の夢への切なくも狂おしい賛歌。
本作のテーマを象徴してまことに秀逸だった。

ちょっと面白いのは、エマ・ワトソンが「ハリー・ポッター」完結後の最初の仕事に本作を選んでいる事。
彼女の人気と知名度があれば、いくらでも華々しい大作の主演が巡ってきそうだが、あえて母国の名優たちの中に入って、地味な脇役から再スタートを切っているのは、イメージの払拭という点では実は正解かもしれない。
実際、マリリンに恋人を取られる衣装係役ながら、やはり登場シーンでは互角の可愛さなのだ。
ハーマイオニーとモンローを天秤に掛けるとは、羨まし過ぎるぞ、コリン(笑

今回は、どストレートに「マリリン・モンロー」という名のカクテルをチョイス。
彼女の名を冠したカクテルは世界中に様々なレシピが存在するが、これはスパークリングワインをベースにした一杯だ。
冷やしたアップルブランデー30mlとスパークリングワインまたはシャンパン120mlを静かにステアし、グレナデンシロップ1dashを加え、最後にチェリーを飾る。
アップルブランデーの深みのあるコクと繊細な泡の織りなすワクワク感は、モンローのイメージ通りの華やかさ。
そう言えば、あのラストの出来過ぎと言えば出来過ぎなエピソードは史実なのだろうか。
もしそうだとしたら、あのパブでは今でも語り草になっているのだろうな。
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