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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン・・・・・評価額1550円
2012年05月13日 (日) | 編集 |
“一番の友だち”は誰?

人生ドン底の主人公が、幼馴染の結婚式で花嫁の介添人に選ばれた事から、大騒動を巻き起こす抱腹絶倒の女子会コメディ
昨年、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」や「トランスフォーマー/ダークサイドムーン」と言った超大作を向こうに回し、全米で8週連続ベスト10入りというロングヒットを飛ばした話題作だ。
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」という邦題サブタイトルが示唆する様に、超おバカでお下品なギャグの数々は正しく女版「ハングオーバー」で、純情な男の子が観たら女性不信になってしまいそうな勢い(笑
主演と共同脚本は「サタデー・ナイト・ライブ」出身のコメデジエンヌ、クリスティン・ウィグで、彼女は本作の脚本でアニー・マモローと共にオスカーにノミネートされた。
監督は「アイ・アム・デビッド」のポール・フェイグ

やる事なす事上手くいかないアニー(クリスティン・ウィグ)は、親友のリリアン(マーヤ・ルドルフ)から花嫁の介添人(ブライズメイズ)のまとめ役、メイド・オブ・オナーを頼まれる。
張り切ってプランを立てるアニーだが、ブライズメイズたちは曲者揃いで、特に大金持ちのヘレン(ローズ・バーン)とは何かにつけて衝突ばかり。
結婚式前の独身最後の旅行でラスベガスに向かう機内で、アルコールと薬で酩酊状態になったアニーは、大パニックを引き起こしてしまう。
式の準備は混迷する一方で、何時しか長年の友情すら風前の灯火になってしまうのだが・・・


いや~、楽しかった。はらわたが捩れるほど笑ったのは久しぶり。
冒頭の大バカなベッドシーンから、気持ちの良いラストまで、大いに笑ってちょっとだけホロリとして、お下品系アメリカンコメディの王道を行く一本である。
私はいとこがアメリカ人で、ちょうど去年あちらの結婚式に参列したばかりだったので、式の裏側のドタバタを思い出して余計に可笑しかった。

アメリカの結婚式では、新郎新婦それぞれが数名程度の同性の介添人を指名する習慣があり、新郎側が“Groomsman(グルームズマン)”新婦側が“Bridesmaid(ブライズメイド)”と呼ばれる。
普通新郎新婦の兄弟姉妹、近しい親戚、友人たちの中から選ばれるが、特にその中でも介添人のリーダーとなる“Best man(ベストマン)”“Maid of honor(メイド・オブ・オナー)”に選ばれる事は、言わば親友の中の親友であると宣言される事で、とても名誉な事なのだが、それ故に友人関係に禍根を残さない様に、選ばれる側も選ぶ側もそれなりに頭を悩ませる。
更に、わりと気楽な新郎側と違って、メイド・オブ・オナーになると式の段取りや独身パーティの仕切りなど、結婚式のプロセス全体にも関わる事になるので責任重大。
基本的に、結婚式の費用は新婦側の実家が持つケースが一般的なので、経済観念のない人に任せると、本当に結婚式貧乏になってしまい、実家との仲が険悪になってしまう事もあるのだ。

本作の主人公であるアニーは、幼馴染のリリアンからメイド・オブ・オナーを頼まれるのだが、本人の人生は絶不調
夢だったケーキ屋の経営は、不況に直撃されて呆気なく失敗し、付き合っている金持ちの男には都合の良いセフレ扱いされ、同じベッドで目覚める事すら許されない。
経済的には勿論ひっ迫して、ポンコツ愛車の壊れたテールランプの交換すら先延ばしにしている位である。
ところが、リリアンのお相手は名家の御曹司で、何時の間にか交友関係もセレブ中心になっていて、アニー以外のブライズメイズも金持ちばかり。
アニーは、図らずも住む世界の違う彼女たちを取りまとめなければならなくなるのだが、特にメイドの一人で、ダントツの金持ちであるヘレンとは、何かにつけて衝突してしまう。

実は、このアニーとヘレンは社会的な立場こそ対照的だが、内面は結構似た者同士だ。
どちらも強烈なコンプレックスを抱え、余裕の無い自分自身に嫌気がさしているイタい女なのである。
ただ、ヘレンの方は有り余るお金にものを言わせる事で、自分の問題点をとりあえず見えなくしている一方、貧乏人のアニーは普通に全身からコンプレックスを噴出させている。
人間誰でも心が追い詰められると、自己客観視できなくなり、進むべき道が見えにくくなるものだが、アニーもまた自分の中の良い点や可能性すら自らダメ出しして前に進もうとしない。
だから壊れたテールランプが縁で知り合った、誠実な警官のネイサンと一夜を過ごした時も、結局自分の背中を押してくれる彼の事を拒否してしまうのだ。
もはや何も持っていないアニーにとっては最後の心の拠り所であり、逆に何でも持っているヘレンにとっては唯一お金で手に入れられないものが、リリアンとの友情なのである。
しかし元々心に余裕のない二人は、自分たちのやっている事が、リリアンのために素晴らしい結婚式の準備をするという本来の目的を外れてしまい、“リリアンの一番の親友の座”の争奪戦になってしまっている事に気付かないのだ。
度重なる失敗でメイド・オブ・オナーを降ろされたアニーが、パーティの席上でヘレンがリリアンにお金にまかせてパリ旅行をプレゼントした事に、ついに信じていた友情まで失ってしまったと思い込んで、キレて会場をメチャクチャにする姿はとても痛々しいのだが、彼女の絶望が伝わってきて何とも切ない。

そう「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」は、女性目線で人生の一大イベントである結婚式をネタにしたギャグ満載のコメディであるのと同時に、人生の相次ぐ失敗によって幼い駄々っ子の様なメンタリティーになってしまったアニーが、親友の結婚というビッグイベントを通して、自分の殻を突き破る成長物語でもあるのだ。
いや、アニーだけではない。
お金だけはあるものの、母親として結婚相手の継子たちに受け入れられない悲哀を味わっているヘレンも、二人の“親友”の狭間でマレッジブルーに陥ってしまったリリアンも、結婚までの大騒動によって皆少しづつ大人の女として成長し、最高の式を迎える。
コメディというラッピングを纏ってはいるが、ここに描かれるのは多少なりとも誰にでも身に覚えのある挫折と再生の物語であり、だからこそ単なる笑いを超えて、心に響くのである。

因みに5人いるメイドたちのキャラクターのなかでも最高に面白いのが、新郎の妹でもあるミーガンだ。
デブでブチャイクな容姿から嘗て酷いイジメを受けた反動か、超肉食系に育てしまった彼女のギャグはお下品かつ強烈で、何と映画のオチまでかっさらって行く。
演じるメリッサ・マッカーシーは、インパクト絶大の本作の演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされたが、もし続編があるならミーガンの結婚式をやって欲しいぞ。
過激過ぎてX指定になりそうだけど(笑

今回は結婚パーティーの定番、モエ・エ・シャンドンの「ロゼ・アンペリアル」をチョイス。
フルーティで野いちごやりんごの様な果実香と、柔らかくシルクの様な喉ごしが印象的で夏野菜や肉料理との相性が抜群。
薄紅色の液体にきめ細やかな泡が立ち上る様は、目で楽しく舌で美味しい。
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