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愛と誠・・・・・評価額1500円
2012年06月18日 (月) | 編集 |
蘇る昭和の純愛神話。

梶原一騎原作、ながやす巧作画による1970年代の純愛劇画、「愛と誠」のまさかのリメイクである。
74年から76年にかけて三部作として映画化されたほか、テレビドラマとしても映像化されている作品だが、今回メガホンを取った三池崇史監督は、時代設定やプロットはほぼそのままに、全体を昭和歌謡ミュージカルに仕立て上げるという奇策に出た。
凝りに凝って作りこまれた三池ワールドの中で、やたらと老けた高校生達が歌い踊り殴りあうぶっ飛んだ世界観には、故・梶原一騎も草葉の陰で驚いている事だろう。
主人公の誠役は31歳で学ランが似合う男、妻夫木聡が演じ、愛役には18歳と実年齢どおりの武井咲。

額に三日月型の傷を持つ、超不良の大賀誠(妻夫木聡)は、復讐の情念を秘め東京へやって来た。
早乙女財閥の令嬢、愛(武井咲)は、大乱闘の現場で偶然誠と出会い、彼こそが幼い頃に自分を救ってくれた白馬の騎士だと確信する。
愛は、少年院に送られた誠を自分と同じ名門・青葉台学園に無理やり転入させ、アパートや生活費まで与えて立ち直らせ様とするが、彼は直ぐに暴力事件を起こして退学処分に。
不良たちの巣窟である花園実業に転入した誠は、過去に自分を捨てた母親の消息を探し始める。
一方、愛と彼女に想いを寄せる岩清水弘(斎藤工)も誠を追って、花園実業にやって来る。
おりしもスケ番グループに喧嘩を売った誠に、謎の裏番の魔の手が迫っていた・・・・


ぶっちゃけ、「愛と誠」は70年代に既に“ネタ”だったと思う。
タイトル、そして主人公二人の役名の由来になっているのは、本作にも引用されている、後にインド首相となるジャワハルラール・ ネールが、獄中から娘(後のガンジー首相)に宛てて送った有名な手紙。

『愛は平和ではない 愛は戦いである 武器のかわりが誠実(まこと)であるだけで それは地上における もっともはげしい きびしい みずからをすててかからねばならない戦いである わが子よ この事を覚えておきなさい』

この手紙と言うよりも詩の様な文章の持つスピリットを、どストレートに物語にしたのが本作の原作であり、「君のためなら死ねる」とか「私の白馬の騎士」などの、今なら韓流メロドラマでも言わない様なこっぱずかしい名(珍)台詞は当時の小学生の物まねギャグの定番だった。

40年前の時点で古色蒼然としていた原作を、そのままリメイクしてももはやギャグにしかならない。
ならば開き直って、徹底的に作り物の世界にしてしまおう、というのが本作の基本コンセプトだろう。
企画としては思いっきりチャラく、しかし決して安っぽくはなく、オバカな物をプロフェッショナルな拘りを持って作るというのは、例えば「ヤッターマン」などでも見られた三池流プログラム・ピクチャへのスタンス。
いきなりアニメーションで始まる冒頭から、見事に作りこまれた1972年のカオスな新宿の大乱闘へ、林田裕至による「ムーラン・ルージュ」ばりの美術は、昭和の東京のダークサイドをカリカチュアした様で、観客を映画のイリュージョンへと誘いこむ。
不良たちが歌い踊る最初のミュージカルシーンで流れるのは、74年の大ヒット曲「激しい恋」だが、これは同じ年に作られた最初の映画で大賀誠を演じた西条秀樹へのオマージュか。
以降も「空に太陽があるかぎり」「夢は夜ひらく」、最近ではたむらぱんのカバーが有名な「狼少年ケンのテーマ」や急逝した尾崎紀世彦の代表作「また逢う日まで」など、全編を昭和歌謡のミュージカルが彩り、総尺に占める割合は殆どボリウッド映画並だ。

元々コミックだから当たり前だが、漫画チックにキャラ立ちした登場人物と演じる俳優の相性もまずまずだ。
31歳の妻夫木聡、岩清水役の斎藤工も30歳となぜか男子学生は高年齢だが、極めつけは座王権太役の伊原剛史、48歳!
いくらなんでも高校生というには無理がありすぎるのだけど、“おっさんにしか見えない病”なる設定をでっち上げて笑いに繋げてしまうあたり、お見事(笑
女生徒たちはさすがに実年齢に近いのだが、中でも年長の安藤サクラ演じるガムコの純情はいかにも少年漫画的で良かった。
ちょっと驚いたのは、今までテレビドラマやCMでチラッと観た印象しかなかった武井咲
まあ芝居の上手い下手を問われる役ではないし、三池監督の演技指導の巧みさもあるのだろうが、出来すぎなまでに原作通りのお嬢様像にはまっていて、なかなかのインパクトだった。

作品の外側を思いっきり作り物で飾り立て、結果として正面から語るのも躊躇する様なピュアすぎる愛を、作品世界の中心に浮き立たせるという思惑は、一定の成功を収めていると思う。
派手なミュージカルにある種の異世界として作り込まれた世界観のビジュアル、不良たちの壮絶なアクション、そして誠の抱える母への哀しい情念というバックグラウンド、正にエンタメのごった煮的な猥雑感は、密度の濃い映画を観たという充実に繋がっているし、オバカな内容とは裏腹に、妥協の無い画作りの完成度は極めて高い。
惜しむらくは、三池崇史監督のミュージカル的なセンスが正直なところあまり高くない事だろう。
海外でも、ミュージカル監督はスペシャリストが多い事からもわかる様に、これほど映画作家の資質が問われるジャンルは無いと思う。
本作の場合は、群舞のシーンでもカメラワークのダイナミズム、肉体の躍動が、映画的カタルシスに上手く繋がらない。
おまけに基本フルコーラス故に、一曲一曲の描写が冗長に感じてしまうのである。
2時間14分というプログラム・ピクチャとしては少々長すぎる尺も、全体に占めるミュージカルシーンが多い故だろう。
もう少しミュージカルシーンを刈り込むか、歌と踊りでもストーリーを進行させるなどの構成上の工夫をして2時間以内にまとめた方が、全体のバランスも良かった様に思う。
もっとも、売り物のミュージカルがどこか堅苦しさを感じさせる半面、歌と踊りが三池演出の真骨頂とも言うべきバイオレンスに切り替わると途端に生き生きしてくるので、両者がもう少し融合していたら、更に面白い映画になってたのではないだろうか。

今回は昭和歌謡を歌いながら飲みたい焼酎割り、「ホッピー」をチョイス。
甲種焼酎とホッピーを1:5の割合でジョッキに注ぎ入れると、ビールテイストのカクテルが出来上がる。
ホッピーは、元々ビールが高級品だった大正時代に、代用品として低価格のノンアルコールビールのブームが起こった事から、本物のホップを使った本格的ノンアルコールビールとして研究・開発が進められた。
実際の発売は戦後の1948年で、焼酎とのミックスもこの時代に考案された飲み方だった様だ。
何れにしても安価なビールの代用酒だった物が、今となっては昭和の味わいを感じさせる懐かしい一杯だ。

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