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2012年06月23日 (土) | 編集 |
強盗犯vs殺人犯vs女刑事!

狡猾な猟奇殺人鬼に連れ去られた娘を奪還するため、命がけで脱獄した服役囚と、彼を追う敏腕女刑事率いる捜査チームによる、フランス中を股にかける三つ巴の追撃戦を描くパワフルなサスペンス・アクション
主演は、ギャスパー・ノエの問題作「アレックス」や、自ら監督も務めたダークなコメディ「ベルニー」で知られるアルベール・デュポンテル
彼と対決する殺人鬼役をステファン・デバクが不気味に怪演し、強い印象を残す。
監督のエリック・ヴァレットは、日本映画「着信アリ」のハリウッド・リメイク版「ワン・ミスコール」で知られるフランス人だが、正直箸にも棒にもかからなかったあの映画よりも数段良い仕事をしている。

強盗の罪で服役中のフランク(アルベール・デュポンテル)は、冤罪が明らかになったとして出所する同房のモレル(ステファン・デバク)に、シャバの妻と娘の力になって欲しいと住所を教える。
ところが、数日後フランクを元憲兵隊のカレガ(セルジ・ロペス)が訪れ、モレルの正体は若い女ばかりを狙って殺すシリアルキラーだと明かす。
心配になったフランクが妻に連絡を取ろうとするが、その時妻と娘は既にモレルによって連れ去られた後だった。
刑務所を脱獄したフランクが、強盗事件の金の隠し場所に向うと、そこには惨殺された妻の遺体が横たわり、娘の姿はどこにも無かった。
一方、クレール刑事(アリス・ダグリオーニ)率いる捜査チームは、フランクの足取りを掴み始めていた・・・


実は観る前は、ナノマシンの群れが制御を失って暴走し、人間を襲い始めるという、マイケル・クライトン原作の同名小説の映画化だと思い込んでいた。
何しろ邦題がカタカナと漢字の組み合わせにプラスして、「‐」の入り方まで同じなので、公開後も間違える人が出てきそうな気がする。
しかし、SFスリラーではないものの、これはこれでなかなかに良く出来た娯楽映画だ。
一言で表すなら、フランス版の「逃亡者」か。
狡猾な殺人犯に嵌められた主人公が、連れ去れた家族を奪還するために刑務所を脱獄して、単身追跡を始めるという設定そのものはそれほど新味があるわけではないが、幾つもの複合する要素を裁くシナリオが巧みで、先を読ませない展開もスピーディーで飽きさせない。

先ず、冒頭で刑務所にいるフランクが、モレルを信頼してしまうまでを、所内の複雑な人間関係を使って作り上げるあたりが上手い。
強盗で得た金をある場所に隠しているフランクは、同じ事件で捕まっている共犯者から、金を独り占めするのではと疑われて、命を狙われている。
一方のモレルは一見すると非常に紳士的で、刑務所にいるのが不釣合いなほどの穏やかな人物。
彼のインテリ然とした態度が気に食わない無法者たちには、やはり目を付けられてしまっている。
やがて、モレルへの暴行事件が起こり、彼を助けたフランクは刑期が延長され、逆に冤罪が晴れたモレルは釈放と運命が分かれるのだが、何時しかモレルを信頼する様になっていたフランクは、彼の正体を知らずに、良かれと思って家族の個人情報を教えてしまうのだ。

刑務所の中と外。
高い塀で別たれた自由な世界に解き放たれた瞬間から、モレルは恐るべき殺人鬼として復活し、哀れなフランクの家族がその最初の毒牙にかかる。
フランクの金を奪い、妻を殺害し、娘を自分の子に偽装して連れまわしながら、悠然と逃げるモレル。
その事に気付いたフランクが、刑務所を脱獄し、単身モレルを追い始めると、いよいよノンストップの追跡劇の幕が開く。
無実の罪を着せられた「逃亡者」と違って、フランクは元銀行強盗という犯罪者であり、刑務所からの脱出の仕方も、逃亡のプロセスもかなり荒っぽい。
温厚な仮面とその裏側の嗜虐性がユニークなモレルと、愚直なまでに正面突破で逃亡を図るフランクのキャラクターの違いが面白いコントラストになっている。
そこに割り込んでくるのが、敏腕女刑事のクレール率いる捜査チームだ。
最初、警察は単純に脱獄したフランクを追っているのだが、モレルが自分の過去の殺人までフランクになすりつける工作をした事から、次第に大事件の様相を帯びてくる。
映画は、優雅に逃亡するモレルと、傷だらけになりながらも彼を追うフランク、事件の真相を追うクレールという三者の物語を平行に描きながら、更にそこへ唯一モレルの正体を知るカレガ、過去にモレルに殺された娘の父親までもがからみあい、三つ巴が四つ巴になり、また三つ巴に戻りという複雑な激流へと突入し、クライマックスへと巧みに収束させてゆく。

正直、フランクの逃亡スタイルがあまりにも真っ向勝負過ぎるので、いくらなんでもこれは無理だろうという突っ込みどころも多々あるのだが、基本設定がそれなりにしっかりしているのと、矢継ぎ早の物語の展開にも助けられて、映画のテンションは最後まで落ちる事は無い。
いよいよ全ての登場人物が一同に会するクライマックスになると、それまであえて触れられていなかった、フランク自身も無罪放免とはいかない犯罪者であるという引っかかりが、大きな意味を持ってくる。
そこからのオチは、「お前はジェイソン・ボーンかよ!」と突っ込みたくなる様な少々強引な物で、フランクへの感情移入も含めて評価が分かれそうではある。
個人的には良い意味でB級テイスト漂う古典的なサスペンス・アクションとしては、まあアリかなあと思うけど。

しかし本作で何よりインパクトあったのは、 さすがデザイン大国だけあって、ラブホルームまで完備したフランスの刑務所が外観も内装もやたらオシャレだった事。
所謂迷惑施設では、日本でもゴミ処理場を奇抜な形にしているのはあるけど、刑務所もやったら良いのに。
厳ついコンクリートの塀も、意匠次第でオブジェにもなるんだからさ。

今回は、てんこ盛りの内容だけに、アニスの香りでリフレッシュ。
パスティスの代表的銘柄「リカール」をチョイス。
元々パスティスは、アブサンが禁止された後に代用品として広まった酒で、パスティスという言葉自体が贋作を意味し、アブサンが危険成分を抑えて復活した後も、既に定着したパスティスは独自のジャンルとして飲まれている。
独特な風味を好まない人も多いが、グラスに注いで水で割り白濁させ、氷を幾つか入れて冷やすと、複雑なハーブ香りが漂い、これからの季節にピッタリな清涼感を感じさせてくれる。
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