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アメイジング・スパイダーマン・・・・・評価額1650円
2012年06月27日 (水) | 編集 |
蜘蛛男の熱い青春。

2012年、アメコミの夏の開幕を告げる切り込み隊長は、マーベルコミックの人気キャラクター、スパイダーマンのリブート作品だ。
サム・ライミ監督&トビー・マクガイア主演のコンビによる前三部作から僅かに5年。
監督は「(500)日のサマー」で脚光を浴びたマーク・ウェブに引継がれ、新スパイディ役には「ソーシャル・ネットワーク」で、facebookの共同設立者エドゥアルド・サベリンを演じたアンドリュー・ガーフィールド
ヒロイン役も前作までのMJではなく、ネコ顔で人気のエマ・ストーン演じるグウェン・ステイシーにバトンタッチ。
色々な意味でリニューアルし、ライミ版とはかなり様相の異なる「アメイジング・スパイダーマン」だが、このちょいイケメンでギークなピーター・パーカー像は悪くない。
シリーズ初の立体版を最大限意識したダイナミックな空間演出も見事で、新シリーズは上々の滑り出しを見せたと言えるだろう。
※ラストに触れてます。

ピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は、あまりイケテない日常を送るギークな高校生。
科学者だった両親は、13年前に失踪し、以来伯父のベン(マーティン・シーン)とメイ(サリー・フィールド)夫婦と暮らしている。
ニューヨーク市警のステイシー警部(デニス・リアリー)を父に持つ、初恋相手の同級生グウェン(エマ・ストーン)には声もかけられず、悶々とした日々を送っていたある日、物置で父のカバンを見つけたピーターは、生物学者のコナーズ博士(リーズ・イーヴァンズ)が父の共同研究者だった事を知る。
両親の失踪の原因を知るために、オズコープ社で働く博士を尋ねたピーターは、たまたま入り込んだラボで遺伝子操作された蜘蛛に咬まれてしまう。
直後から、ピーターの体には力が漲りまるで自分が蜘蛛になったかの様な異変が起こりはじめる。
一方、ピーターの齎した情報によって、自らの研究を劇的に進める事が出来たコナーズ博士は、研究の最終段階の実験台に、自らの体を選ぶのだが・・・・


リブートと称しているが、要はリメイクである。
サム・ライミによる前シリーズが始まったのは、まだまだ記憶に新しい2002年の事で、最終作からは5年しか経っていない。
技術革新による映像の進化で、この種の作品の制作サイクルが短くなる傾向にあるとはいっても、例えばティム・バートンとクリストファー・ノーランの「バットマン」の間に流れた時間と比べても早すぎるという印象は否めない。
しかも、前シリーズは三部作合計で全世界で25億ドルを売り上げた大ヒット作であり、三本目でやや評価を落としたものの、作品的なクオリティもすこぶる高いのだ。

言わば、ワールドシリーズを制覇したチームを受継ぐ様な重責を背負わされたマーク・ウェブ監督は、強烈な個性を持つ作家監督であるライミの作り上げた世界を一度分解し、原作と改めてミックスした上で再構築している。
ウェブ版の「スパイダーマン」の世界は、良い意味でクセが弱くストレート
軽快なテンポのストーリーテリングは、ピーター・パーカーの青春の葛藤と、力を持った者の責任というテーマ性が上手くバランスし、夜のニューヨークを縦横無尽に疾走する。
ライミがあれ程引っ張ったヒーローの正体をヒロインに明かすという一大事も、本作ではそこは重要なポイントではないとばかりにあっさりスルー。
なるほど、自分から“アメイジング(すばらしい)”という形容詞を戻した自信は伊達ではないという訳だ。

新しいスパイダーマンのスタンスは、人間描写を見ればより明らかとなる。
本作には、基本的に悪しき人間が登場しないのだ。
まあベン伯父さんを殺した犯人という存在はあるものの、少なくとも劇中で彼の人間性や内面が描写される事はなく、単なるストーリー展開上の切っ掛けにすぎない。
リブートの最初のヴィランに、原作コミックではピーターと師弟関係にあるリザードを選んだのも面白い。
リザードに変身するコナーズ博士も、実験の失敗で自らの右手を失った経験を持ち、弱者無き世界を目指して、爬虫類の肉体再生能力を人間に応用する再生医療に取り組んでいる。
研究の完成を急がされ、自分自身で人体実験してしまったことから怪物化して理性を失ってしまうが、基本的には善意の人だ。
細かい所ではピーターの通う高校のジャイアン的存在で、スパイダーマンの能力を獲得したピーターにコケにされるフラッシュも、伯父を失ったピーターの喪失を共有しよとする優しさを見せる。

そう「アメイジング・スパイダーマン」は、ピーター・パーカーという心に大きな喪失感を抱えた少年が、悪に対する憎しみに一時我を忘れながらも、いつしか大きな力を持つ自己存在の意義と責任に目覚める青春物語なのである。
近年のアメコミ映画には珍しく、ヴィランを殺す事なく、死にゆく者も主人公に大きな成長を即すという結末も、本作の目指す世界を象徴する。
クリストファー・ノーランの「ダークナイト」の衝撃によって、良くも悪くもダークで複雑である事が最先端と見做される様になってしまったアメコミ映画の世界。
ジョーカーがバットマンの合わせ鏡である様に、マーク・ウェブは本作でも弱さと哀しみを知る似た者同士をヒーローとヴィランとしつつ、ある意味「ダークナイト」のアンチテーゼ的なストレートさで、今一度原点に立ち戻ろうとしている様に思えるのだ。

もちろん、スーパーヒーロー物であるからには、アクションとVFXの見せ場も盛り沢山だ。
目新しい点としては、ライミ版のスパイディは手から直接蜘蛛糸を発射していたが、こちらでは原作にあるウェッブシューターを復活させている。
原作のスパイダーマンは、蜘蛛の様な身体能力を持っているものの糸を出すことは出来ず、糸そのものはピーターが発明したという事になっているが、いくらギークな高校生でもそれは無理があるので、糸の発生装置自体はオズコープからいただいて来て、撃ち出すためのシューターを発明したという設定だ。
これによって、ビジュアル的な格好良さだけでなく、スパイダーマンの弱点を作る事にもなり、クライマックスの盛り上げに一役かっている。
そして何よりも、本作の最大のウリはシリーズ初の立体映像が作り出すスパイダースウィングのダイナミズムである。
リザードの野望を阻止するために、傷つきながらもオズコープ社へ急ぐスパイダーマンを、以前彼に救われた市民が助けるというライミ版の第二作を思わせる描写は、先輩へのさりげないリスペクトを感じさせながら、ニューヨークの摩天楼という空間を使った、圧巻の見せ場へと繋がっている。
元々スパイダーマンというキャラクターは立体向きだと思っていたが、期待を上回る臨場感で、空を飛ばない立体映画としては過去最高の出来栄えだと断言しても良い。
これは追加料金を出しても、3D版で鑑賞すべき作品である。

今回は、蜘蛛の名を持つ「グリーン・スパイダー」をチョイス。
ウォッカ45mlとクレーム・ド・ミント・グリーン15mlを、氷を入れたグラスに注ぎ、ステアする。
甘口のカクテルだが、ミントの香りが爽やかに広がり、青春の味わい(笑
グウェンとの最後の会話は意味深だったが、果たして次回作のヒロインは?
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