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ワン・デイ 23年のラブストーリー・・・・・評価額1600円
2012年07月02日 (月) | 編集 |
一年に一日、23回の人生模様。

大学の卒業式の日に出会った一組の男女の、その後23年間に渡る“7月15日”を描く風変わりなラブストーリー。
原作はデヴィッド・ニコルズの同名小説で、原作者自身が手掛けた脚本を、「17歳の肖像」のロネ・シェルフィグ監督がセンス良く仕上げた。
正反対の性格の主人公二人を演じたのは、最近出演作が目白押しのアン・ハサウェイと「アクロス・ザ・ユニバース」で注目されたジョン・スタージェス
友情と愛情の間で揺れ動きながら、人生の様々な曲面で大切な時間を共有する不思議なカップルの物語は、誰もが覚えのある自分史の1ページを捲る様。
※ラストに触れています。

1988年7月15日の夜。
大学を卒業したエマ(アン・ハサウェイ)とデクスター(ジョン・スタージェス)は、もう少しでベッドインしそこなう。
やがて芸能界入りしたデクスターはテレビの司会者としてスターとなり、対照的に作家志望のアンはなかなか芽が出ないまま年月が流れ、それぞれが人生の伴侶を得ても、二人の奇妙な友情関係は続いていた。
数年後、人気が凋落したデクスターはテレビ界から足を洗い私生活でも離婚、新進作家として認められつつあったエマも長年付き合ったボーイフレンドと別れ、パリで新しい生活を始めていた。
久しぶりに出会った二人は、長年の曖昧な関係から、ようやく恋人として付き合う事を決めるのだが・・・・

毎年同じ日に邂逅する男女の話というと、映画化もされた舞台劇の「Same time, Next year」が有名だが、あれは不倫コメディ。
似たアイディアではあるものの、こちらはグッと詩的な情感のあるラブストーリーだ。
エマとデクスターが運命的な出会いをする7月15日は、イギリスでは聖スウィジンという聖人を記念する日なのだそうな。
なんでも、この人物が亡くなった時に、教会の軒下に埋葬する様にと遺言を残したのだが、後の世の人々が風雨に晒される場所よりはと遺体を教会内に移そうとしたところ、四十日間も続く大雨になってしまったとか。
この事から、「聖スウィジンの日が雨ならば、四十日間雨続き。聖スウィジンの日が晴れならば、四十日間晴れ続き。」というマザー・グースが生まれた。
そして、エマとデクスターが出会った日は、何とも微妙な曇り空の日で、この天気が予言するかの様に、彼らは長年に渡って友達以上、恋人未満の曖昧な関係を続ける事になるのである。

真面目なメガネっ娘のエマと、享楽的なボンボンでプレイボーイのデクスター、全く対照的な二人の一年にたった一日のカレンダーは、1988年7月15日に始まり、毎年同じ日の彼らの姿を追い続ける。
この本作を特徴づける日付け縛りは、映画的には諸刃の剣だ。
肯定的に捉えれば、364日分の描写が無いので、その分観客の想像力を刺激すると言えるだろうが、一方でエピソードを連続して描く事が出来ないので、始めから断片化という大きな欠陥を抱えている様な物でもある。
だから、本作では普通の映画なら丹念に描くであろうディテールが、豪快にすっ飛ばされているのだ。
例えば、デクスターと妻の間に、離婚に至るまでにどんなやり取りがあったのか。
あるいは、エマは何を切っ掛けにして、売れないコメディアンと付き合う様になったのか。
彼らを生身の人間として身近に感じれば、23年に渡る人生の物語の描かれない部分に、「きっとあんな事や、こんな事があったのでは?」という脳内補完が働いてイメージを豊かにしてくれる。
しかしひたすら受動的に鑑賞してしまうと、いわば砕けた彫刻の破片だけを見せられる様な、物足りない感覚を味わう事になるだろう。

それが最も象徴的に表れるのが、二人の主人公が長年の腐れ縁状態に終止符を打ち、本物の恋人同士になるシークエンスである。
作家として成功し、パリで暮らし始めたエマの元にデクスターが訪ねて来るのだが、なんと二人はあれだけ引っ張ったベッドインを、いつの間にかあっさり済ませてしまっているのだ。
それだけでもびっくりなのに、彼らは過去一年の間に急速にお互いに対する想いを強くした様で、いきなりの恋人宣言から結婚へと一気呵成に動き出すのである。
ここに至るまでに、大胆な飛躍にもついて来られる程度に彼らの人生に十分感情移入し、共感出来ているか否かで、本作への評価は大きく異なる様に思う。

思うに、この映画を観て「そうそう、人生ってこんなんだよね」と捉えられるのは、ある程度の年齢層以上の観客で、あまり若い人が観てもピンと来ないのではないだろうか。
実は物語の終盤の数年間は、もうエマは登場しない。
長い長い曇り空の時代を過ごした後、ようやく心から愛し合う様に成った二人は、残酷な運命によって引き裂かれ、エマはデクスターの前から永遠に姿を消してしまうのだ。
そして、自分の人生を振り返ったデクスターは、楽しい時も悲しい時も、何時も傍にいてくれたエマの存在の大きさを改めて感じ、彼女の面影を過ぎ去った時に追うのである。
現在から振り返る過去は、色々な意味で断片化しているもの。
私はだいたい映画の設定上のエマとデクスターと同世代で、残念ながら特にロマンスには発展してないものの、同じ位付き合いの長い腐れ縁の女友達もいる。
だからだろうか、私はいつに間にか映画の物語の向こうに、自分自身の過去史を観ていた様な気がする。
故に、映画が現在のデクスターからの追想の視線で作られている事がわかった瞬間、何とも言い様の無いノスタルジックな感慨に包まれたのである。

もしもエマとデクスターの様に、長い時を共有したパートナーがいる人は、是非一緒にこの映画を観て欲しい。
映画が終わって場内が明るくなる頃には、きっと傍にいてくれる人がたまらなく愛おしくなるはずだから。

今回は、大切な人と飲みたい(いないけど)ウォッカベースのカクテル、その名も「ラヴァーズ・コンチェルト」をチョイス。
カクテルコンテストのスミノフ部門受賞作で、スミノフ40°を45ml、タリスカー10年を10ml、ベイリーズ・アイリッシュ・クリーム10ml、カルーア5ml、モナン・キャラメル・シロップ10mlをシェイクし、グラスに注ぎ、最後にコーヒーパウダーでグラスをスノースタイルにデコレーション。
まったりとした味わいが奥深い、大人の恋人たちのための一杯だ。
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