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2012年08月08日 (水) | 編集 |
“奴ら”は何処からやって来た?
1979年に第一作が公開されたSFホラーの古典、「エイリアン」シリーズと世界観を共有する、ある種の前日譚。
あの映画で、宇宙貨物船ノストロモ号のクルーが発見し、全ての始まりとなった異星人の奇怪な宇宙船と、そこに横たわる巨人の死体、“スペース・ジョッキー”の謎が紐解かれる。
それまで男性のものだったSFの世界に風穴をあけた戦うヒロイン、リプリーの魂を継承するのは、オリジナル版「ドラゴン・タトゥーの女」のリスベット役で大ブレイクしたノオミ・ラパス。
監督は、シリーズの産みの親であるリドリー・スコットが、33年ぶりにメガホンをとる。
できれば、「エイリアン」の第一作をおさらいしてからの鑑賞がオススメだ。
※完全ネタバレしてます。
21世紀末。
年代の異なる世界中の古代遺跡から、同じ星座のモチーフが発見される。
考古学者のエリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)とチャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)は、これを人類を創造した“エンジニア”からの招待状と受け取り、巨大企業ウェイランド社の支援の元、探査船プロメテウス号で星座に示された星、LV-223へと降り立つ。
人工の遺跡を発見したショウら探検隊だったが、そこで目にしたのはおびただしい数の“エンジニア”の死体と、何かに追い立てられるかの様に逃げ惑う、彼らの姿を記録したホログラム映像だった。
一体、この星で何が起こったのか。
ウェイランドから送り込まれているアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)が、遺跡で発見された壺状の容器に入った謎の有機体を、密かにホロウェイに飲ませると、彼の体には不気味な感染症の症状が現れる。
一方、嵐の到来で遺跡に取り残された隊員たちの前に、蛇に似た奇妙な生物が姿を表すが・・・
物語の全体的な構造は、第一作の「エイリアン」に極めてよく似ている。
謎の星に降り立ったノストロモ号をプロメテウス号へ、主人公をリプリーからショウ博士へ、密命を帯びたアンドロイドのアッシュをデヴィッドへと置き換えれば、両作が半分リメイクと言って良いほどに相似形を形作る事がわかる。
構造的には、後半でノストロモ号が離陸しなかったバージョンの「エイリアン」と言っても良いだろう。
とは言っても、映画として目指すベクトルが「エイリアン」と相当に異なる事は、タイトルロールとなっている宇宙船の名前が象徴的に示唆している。
「エイリアン」に登場したノストロモ号の名は、リドリー・スコットのデビュー作「デュエリエスト/決闘者」の原作者でもあるイギリスの小説家、ジョセフ・コンラッドの同名小説が元ネタだ。
これは南米の架空の国の革命を舞台に、港湾労働者のノストロモが隠された銀を巡って権力に利用され最後には死んでしまう物語で、「エイリアン」におけるリプリーら乗組員と、彼らをエサにしてもエイリアンを手に入れようとする極悪企業、ウェイランド湯谷(本作ではまだ合併前なのか、“湯谷”の名は社名に無い)の関係が透けて見える。
対するプロメテウス号は、劇中でピーター・ウェイランドが語っている通り、人類に文明を与えたギリシャ神話の神の名であり、本作が人間と創造主の関係性をメインに描こうとしている事が明らかだ。
冒頭の、まるで修道僧を思わせる姿の“エンジニア”や、劇中での創造論と進化論の議論など、本作はキリスト教的な世界観が物語のバックボーンになっているのである。
余談だが、アンドレイ・タルコフスキー監督のSF映画史の金字塔、「惑星ソラリス」の舞台となるのも宇宙ステーション“プロメテウス”であった。
結果、ホラー色の強い「エイリアン」に対して、「プロメテウス」は相対的に哲学的で、謎解き要素が強い。
一応、本作は「エイリアン」の前日譚と言われているが、実は一致しない部分もある。
「エイリアン」の年代設定は2122年なので、2093年を舞台とする本作はその29年前の物語という事になるが、発見される異星人の宇宙船やスペース・ジョッキーの容姿がほぼまんまなのに対して、到着する星の名前がレクチル座ゼータ星系のLV-223とLV-426と異なっていたり、“エンジニア”の生き残りの最後が符合しなかったり、もしかすると完全な続き物というよりも、微妙にずれたパラレルワールドと理解した方が良いのかもしれない。
そう考えれば、本作と「エイリアン」の間に、ウェイランド社が遺跡の再調査を行わなかった事もしっくり来る。
ちなみに、こちらの記事では、LV-223は旧約聖書のレビ記22章3節(Leviticus 22:3)の比喩であると指摘している。
これはイスラエルの人々に対し、「もしもあなたの子孫が汚れた身で儀式に現れ、捧げ物に近づく事あらば、その者は私の下から断たれる。私は主である」と警告する一節である。
なるほど、物語との見事な符号は本作の宗教性を考えれば、リドリー・スコットが潜ませた映画を紐解くヒントなのかもしれない。
ノストロモ号の時は、ジョン・ハート演じるケインがフェイスハガーに襲われて、直ぐに離陸してしまったが、本作ではショウ博士率いる探検隊によって遺跡の詳細な調査が行われ、様々な謎が明らかになる。
どうやら、この星は“エンジニア”であるスペース・ジョッキーたちのバイオ工場の様な施設であり、彼らは遺伝子を突然変異させる有機体を作っていて、それは宿主の体内で様々な作用を起こすらしい。
人間そのものを怪物の様に変化させてしまうバリエーションもあれば、人間の胎児として怪物が育つバリエーション、オリジナル「エイリアン」の様に中間体を経て怪物が産まれるタイプもある。
元々H.R.ギーガーが、男性器をモチーフにデザインしたエイリアンは、女性を支配しようとする男性社会の象徴で、それを女性が倒すことでフェミニズム的な意味を持つという解釈がなされて来た。
今回も子供を産めない身体のショウ博士が、巨大なフェスハガーへと成長する幼体を“妊娠”してしまう展開は、ジェンダーの問題がこのシリーズの隠し味である事を改めて示唆する様で興味深い。
本作を「エイリアン」シリーズの前日譚とするなら、おそらくはラストでスペース・ジョッキーから生まれたアレが、キャメロン版のエイリアン・クイーンへと進化するのだろうが、ギーガーデザインの“エイリアンそのもの”は出て来なくても、人間を変異させる蛇状の生物や部屋いっぱいに広がる巨大フェイスハガーなど、モンスターSFとしてもある程度満足させてくれる。
しかし、ジョン・スパイツと「LOST」で知られるデイモン・リンデロフが手がけた脚本は、謎解きのワクワクは十分でも物語のディテールは結構荒っぽく、あまり練り込まれているとは言えないフィニッシュだ。
宇宙船と遺跡という閉鎖空間が舞台の群像劇なのに、登場人物が無駄に多すぎて、キャストの半分はほぼエキストラ状態になってしまっている。
「エイリアン」と基本構造が似通っている事は前記したが、後半は人間vsエイリアンというシンプルな展開になるあちらと違って、今回は探検と謎の解明に怪物対策とやる事が多く、一人一人のキャラクターに十分な時間がかけられていないのである。
シャーリズ・セロンのキャラクターなんて、せっかく出てきたのに物語上の意味は無きに等しく、これならマイケル・ファスベンダー演じるデヴィッドと統合してしまった方が良かったのではないか。
クライマックスで船長らが人類を救うために自らを犠牲にして“特攻”する選択にも、そこまでにキャラクターが描かれて無いので葛藤が見えない。
特殊メイクで素顔の全くわからない、ピーター・ウェイランド役のガイ・ピアーズはよく出演したものだが、彼とデヴィッドとの関係も不明瞭で、何を命じていたのかもよくわからない。
全体に、登場人物を2/3位の人数に絞って、行動原理を整理した方が観やすくなったと思う。
まあ、色々と突っ込みたい所はあるのだが、やはり「エイリアン」シリーズという確立された世界観があるので、今まで隠されていたその裏設定を探るというコンセプトは興味深く、今回明らかになった新たな謎とシリーズの繋がりを妄想するだけでも十分楽しいのは紛れもない事実。
作劇手法としては諸刃の剣だが、宗教性を隠し味に謎が謎を呼ぶ形でファン心理を刺激し、最後まで飽きさせない辺り、「LOST」や「エヴァンゲリオン」などとも共通するかもしれない。
既に続編の決定がアナウンスされているが、次回は本来の「エイリアン」シリーズとは大きく異なる世界に飛躍する事は確実で、今から非常に楽しみである。
果たして、船が飛び立った先は“パラダイス”か、それとも“エデン”なのだろうか?
ところで、今回は蛇状の生物に寄生された人間が、宿主とされるのではなく、そのまま不気味な姿に変異してしまう描写があるが、この設定はジョン・カーペンター監督による「遊星からの物体X」とも酷似している。
昨年公開されたリ・ブート版「遊星からの物体X ファーストコンタクト」では南極大陸に埋まっている巨大な宇宙船の描写もあり、意図した訳では無いだろうが、奇しくも二つの古典SFホラーの世界観が本作でオーバーラップする様で面白かった。
今回はモンスターがウリのSF映画に相応しく、コンパスボックス社のスコッチウィスキー、「ピートモンスター」をチョイス。
2000年創業の比較的新しいボトラーブランドだが、早くも一定のファン層を獲得している。
ラベルに描かれたモンスターは、ギーガーというよりはB級映画の深海モンスター風?
ピートモンスターはカリラの10年、11年と アードモアの12年から17年の樽をブレンドした物で、名前の通りスモーキーな味わいだが、フルーティさとスパイシーさのバランスも良く、ウィスキー好きなら広く好まれる味わいだと思う。
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1979年に第一作が公開されたSFホラーの古典、「エイリアン」シリーズと世界観を共有する、ある種の前日譚。
あの映画で、宇宙貨物船ノストロモ号のクルーが発見し、全ての始まりとなった異星人の奇怪な宇宙船と、そこに横たわる巨人の死体、“スペース・ジョッキー”の謎が紐解かれる。
それまで男性のものだったSFの世界に風穴をあけた戦うヒロイン、リプリーの魂を継承するのは、オリジナル版「ドラゴン・タトゥーの女」のリスベット役で大ブレイクしたノオミ・ラパス。
監督は、シリーズの産みの親であるリドリー・スコットが、33年ぶりにメガホンをとる。
できれば、「エイリアン」の第一作をおさらいしてからの鑑賞がオススメだ。
※完全ネタバレしてます。
21世紀末。
年代の異なる世界中の古代遺跡から、同じ星座のモチーフが発見される。
考古学者のエリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)とチャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)は、これを人類を創造した“エンジニア”からの招待状と受け取り、巨大企業ウェイランド社の支援の元、探査船プロメテウス号で星座に示された星、LV-223へと降り立つ。
人工の遺跡を発見したショウら探検隊だったが、そこで目にしたのはおびただしい数の“エンジニア”の死体と、何かに追い立てられるかの様に逃げ惑う、彼らの姿を記録したホログラム映像だった。
一体、この星で何が起こったのか。
ウェイランドから送り込まれているアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)が、遺跡で発見された壺状の容器に入った謎の有機体を、密かにホロウェイに飲ませると、彼の体には不気味な感染症の症状が現れる。
一方、嵐の到来で遺跡に取り残された隊員たちの前に、蛇に似た奇妙な生物が姿を表すが・・・
物語の全体的な構造は、第一作の「エイリアン」に極めてよく似ている。
謎の星に降り立ったノストロモ号をプロメテウス号へ、主人公をリプリーからショウ博士へ、密命を帯びたアンドロイドのアッシュをデヴィッドへと置き換えれば、両作が半分リメイクと言って良いほどに相似形を形作る事がわかる。
構造的には、後半でノストロモ号が離陸しなかったバージョンの「エイリアン」と言っても良いだろう。
とは言っても、映画として目指すベクトルが「エイリアン」と相当に異なる事は、タイトルロールとなっている宇宙船の名前が象徴的に示唆している。
「エイリアン」に登場したノストロモ号の名は、リドリー・スコットのデビュー作「デュエリエスト/決闘者」の原作者でもあるイギリスの小説家、ジョセフ・コンラッドの同名小説が元ネタだ。
これは南米の架空の国の革命を舞台に、港湾労働者のノストロモが隠された銀を巡って権力に利用され最後には死んでしまう物語で、「エイリアン」におけるリプリーら乗組員と、彼らをエサにしてもエイリアンを手に入れようとする極悪企業、ウェイランド湯谷(本作ではまだ合併前なのか、“湯谷”の名は社名に無い)の関係が透けて見える。
対するプロメテウス号は、劇中でピーター・ウェイランドが語っている通り、人類に文明を与えたギリシャ神話の神の名であり、本作が人間と創造主の関係性をメインに描こうとしている事が明らかだ。
冒頭の、まるで修道僧を思わせる姿の“エンジニア”や、劇中での創造論と進化論の議論など、本作はキリスト教的な世界観が物語のバックボーンになっているのである。
余談だが、アンドレイ・タルコフスキー監督のSF映画史の金字塔、「惑星ソラリス」の舞台となるのも宇宙ステーション“プロメテウス”であった。
結果、ホラー色の強い「エイリアン」に対して、「プロメテウス」は相対的に哲学的で、謎解き要素が強い。
一応、本作は「エイリアン」の前日譚と言われているが、実は一致しない部分もある。
「エイリアン」の年代設定は2122年なので、2093年を舞台とする本作はその29年前の物語という事になるが、発見される異星人の宇宙船やスペース・ジョッキーの容姿がほぼまんまなのに対して、到着する星の名前がレクチル座ゼータ星系のLV-223とLV-426と異なっていたり、“エンジニア”の生き残りの最後が符合しなかったり、もしかすると完全な続き物というよりも、微妙にずれたパラレルワールドと理解した方が良いのかもしれない。
そう考えれば、本作と「エイリアン」の間に、ウェイランド社が遺跡の再調査を行わなかった事もしっくり来る。
ちなみに、こちらの記事では、LV-223は旧約聖書のレビ記22章3節(Leviticus 22:3)の比喩であると指摘している。
これはイスラエルの人々に対し、「もしもあなたの子孫が汚れた身で儀式に現れ、捧げ物に近づく事あらば、その者は私の下から断たれる。私は主である」と警告する一節である。
なるほど、物語との見事な符号は本作の宗教性を考えれば、リドリー・スコットが潜ませた映画を紐解くヒントなのかもしれない。
ノストロモ号の時は、ジョン・ハート演じるケインがフェイスハガーに襲われて、直ぐに離陸してしまったが、本作ではショウ博士率いる探検隊によって遺跡の詳細な調査が行われ、様々な謎が明らかになる。
どうやら、この星は“エンジニア”であるスペース・ジョッキーたちのバイオ工場の様な施設であり、彼らは遺伝子を突然変異させる有機体を作っていて、それは宿主の体内で様々な作用を起こすらしい。
人間そのものを怪物の様に変化させてしまうバリエーションもあれば、人間の胎児として怪物が育つバリエーション、オリジナル「エイリアン」の様に中間体を経て怪物が産まれるタイプもある。
元々H.R.ギーガーが、男性器をモチーフにデザインしたエイリアンは、女性を支配しようとする男性社会の象徴で、それを女性が倒すことでフェミニズム的な意味を持つという解釈がなされて来た。
今回も子供を産めない身体のショウ博士が、巨大なフェスハガーへと成長する幼体を“妊娠”してしまう展開は、ジェンダーの問題がこのシリーズの隠し味である事を改めて示唆する様で興味深い。
本作を「エイリアン」シリーズの前日譚とするなら、おそらくはラストでスペース・ジョッキーから生まれたアレが、キャメロン版のエイリアン・クイーンへと進化するのだろうが、ギーガーデザインの“エイリアンそのもの”は出て来なくても、人間を変異させる蛇状の生物や部屋いっぱいに広がる巨大フェイスハガーなど、モンスターSFとしてもある程度満足させてくれる。
しかし、ジョン・スパイツと「LOST」で知られるデイモン・リンデロフが手がけた脚本は、謎解きのワクワクは十分でも物語のディテールは結構荒っぽく、あまり練り込まれているとは言えないフィニッシュだ。
宇宙船と遺跡という閉鎖空間が舞台の群像劇なのに、登場人物が無駄に多すぎて、キャストの半分はほぼエキストラ状態になってしまっている。
「エイリアン」と基本構造が似通っている事は前記したが、後半は人間vsエイリアンというシンプルな展開になるあちらと違って、今回は探検と謎の解明に怪物対策とやる事が多く、一人一人のキャラクターに十分な時間がかけられていないのである。
シャーリズ・セロンのキャラクターなんて、せっかく出てきたのに物語上の意味は無きに等しく、これならマイケル・ファスベンダー演じるデヴィッドと統合してしまった方が良かったのではないか。
クライマックスで船長らが人類を救うために自らを犠牲にして“特攻”する選択にも、そこまでにキャラクターが描かれて無いので葛藤が見えない。
特殊メイクで素顔の全くわからない、ピーター・ウェイランド役のガイ・ピアーズはよく出演したものだが、彼とデヴィッドとの関係も不明瞭で、何を命じていたのかもよくわからない。
全体に、登場人物を2/3位の人数に絞って、行動原理を整理した方が観やすくなったと思う。
まあ、色々と突っ込みたい所はあるのだが、やはり「エイリアン」シリーズという確立された世界観があるので、今まで隠されていたその裏設定を探るというコンセプトは興味深く、今回明らかになった新たな謎とシリーズの繋がりを妄想するだけでも十分楽しいのは紛れもない事実。
作劇手法としては諸刃の剣だが、宗教性を隠し味に謎が謎を呼ぶ形でファン心理を刺激し、最後まで飽きさせない辺り、「LOST」や「エヴァンゲリオン」などとも共通するかもしれない。
既に続編の決定がアナウンスされているが、次回は本来の「エイリアン」シリーズとは大きく異なる世界に飛躍する事は確実で、今から非常に楽しみである。
果たして、船が飛び立った先は“パラダイス”か、それとも“エデン”なのだろうか?
ところで、今回は蛇状の生物に寄生された人間が、宿主とされるのではなく、そのまま不気味な姿に変異してしまう描写があるが、この設定はジョン・カーペンター監督による「遊星からの物体X」とも酷似している。
昨年公開されたリ・ブート版「遊星からの物体X ファーストコンタクト」では南極大陸に埋まっている巨大な宇宙船の描写もあり、意図した訳では無いだろうが、奇しくも二つの古典SFホラーの世界観が本作でオーバーラップする様で面白かった。
今回はモンスターがウリのSF映画に相応しく、コンパスボックス社のスコッチウィスキー、「ピートモンスター」をチョイス。
2000年創業の比較的新しいボトラーブランドだが、早くも一定のファン層を獲得している。
ラベルに描かれたモンスターは、ギーガーというよりはB級映画の深海モンスター風?
ピートモンスターはカリラの10年、11年と アードモアの12年から17年の樽をブレンドした物で、名前の通りスモーキーな味わいだが、フルーティさとスパイシーさのバランスも良く、ウィスキー好きなら広く好まれる味わいだと思う。

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