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2013年01月18日 (金) | 編集 |
哀しみの無限ループ。
タイムトラベルが実用化された未来。
犯罪組織によって転送されてくるターゲットを始末する殺し屋・ジョーの元に、30年後の自分が送られてくる。
未来からやって来たオールド・ジョーの目的は、愛する者の死を防ぐために、この時代である人物を殺す事。
ジョーを演じるのは、「ダークナイト ライジング」など話題作に立て続けに出演し、人気・実力とも急上昇中のジョセフ・ゴードン=レヴィットで、その未来の姿であるオールド・ジョーを演じるのが、似ても似つかぬブルース・ウィリスというミスマッチが面白い。
「ターミネーター」的な奇抜なタイムパラドックスに、「ドライヴ」を思わせるアウトローの純情をミックス。
どこか80年代B級SFの香り漂うチープな映像も個人的にはツボで、なかなかに楽しめる時間SFの佳作である。
西暦2044年のカンザス。
この時代には、更に30年後の未来から、犯罪組織が証拠を残さず抹殺したいターゲットを、タイムマシンを使って送り込んでいる。
ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、ターゲットの処刑と証拠隠滅を任務とする“ルーパー”と呼ばれるプロフェッショナルだ。
ところがある日、彼の元に送られて来たのは30年後の老いた自分で、一瞬躊躇した隙に逃走されてしまう。
任務に失敗すれば自分も殺される事から、ジョーは消えたオールド・ジョー(ブルース・ウィリス)を追い始める。
オールド・ジョーの目的は、愛する妻が未来の暗黒街を支配する邪悪な犯罪王、“レイン・メーカー”の手下に殺された事から、この時代に遡って彼を殺し、未来を変える事だった・・・
タイムマシンで送られて来た暗殺ターゲットは、自分自身だった・・・というアイディアは、藤子・F先生のSF短編辺りにありそうな話だが、そこからの展開は予想外。
予告編の印象から、てっきり何かの手違いで未来の自分が送られて来たのかと思っていたのだが、このルーパーという職業、“最後に自分を殺す”事が宿命付けられているのだ。
未来の自分を殺し、時間のループを閉じるとルーパーを引退、たっぷり金をもらって30年間の余命を楽しむ。
もしも未来の自分を逃がしたら、それは契約不履行となってしまい、組織によって消される事になる。
今さえ良ければ遠い未来の事なんてどうでも良いという、究極の刹那主義人生と言えるかもしれない。
ジョーもまたそう考え、悪の道にどっぷり浸かって生きているのだが、先のことはわからないもの。
ルーパー引退後の30年間で、すっかり真人間となってしまったオールド・ジョーが、未来の世界で犯罪王となる男を殺すために、自分からタイムマシンに入って現代にやってくる。
まあ、要するに「ターミネーター」なのだが、例によってタイムパラドックスは考え始めると矛盾点だらけ。
タイムトラベルの仕組みをヤング・ジョーに問われたオールド・ジョーが、「タイムトラベルに関しては複雑過ぎるんで喋りたくない!」と予防線を張ってしまうのは笑ってしまったが、全体にロジックに関しては勢いで押し流してしまっている印象だ。
映画は先ず現在、すなわち2044年のヤング・ジョーの世界を詳細に描く。
どうやらこの時代のアメリカはかなり退廃し、未来からやって来た犯罪組織が街を牛耳って、流れ者の若いアウトローたちを雇い入れ、ルーパーに仕立て上げて未来の敵を消させている様だ。
それぞれのルーパーは、指定の場所に現れるターゲットをラッパ銃と呼ばれるショットガンの様な武器で射殺し、その代わりにターゲットの体にくくりつけられた銀の延板を報酬として得る。
顔色一つ変えずに無慈悲に哀れなターゲットを抹殺し、酒とドラッグと女で散財するヤング・ジョーの毎日を描く前半は、典型的な犯罪映画のスタイルである。
ところが、オールド・ジョーが現れ、彼の目的が明らかになると、映画はガラリとムードを変えるのだ。
状況を描く前半に対して、感情を描く後半と言って良いかもしれない。
レイン・メーカーになる可能性のある子供は三人おり、オールド・ジョーは確実に未来を変えるために全員を殺そうとするはず。
彼を捕まえない限り、自分の命が危ないヤング・ジョーは、唯一所在の分かった三人目の子供の所に向かう。
そこは、まるで「フィールド・オブ・ドリームズ」に出てきた様な、広大なトウモロコシ畑に囲まれた農家。
ジョーはその家で、“サラ”という「ターミネーター」のヒロインと同じ名を持つシングルマザーと、彼女の息子・シドとの奇妙な同居生活を始め、何時しか三人は擬似家族の様になってゆく。
キーワードになるのは“母性”だ。
母親に捨てられた記憶を持つジョーは、何時しかサラに対して恋心と母なる存在への憧れという二つの感情をおぼえる事になるが、対するオールド・ジョーは、未来で自分を変えてくれた妻に対して、やはり同様の想いを抱いている。
孤独な無法者である二人のジョーは、絶対に叶わないと思っていた愛という儚い夢を、全く異なる未来に見ており、彼らのループが連続する事はもはや無い。
同時に、ヤング・ジョーは母を失った結果、悪の道へと転がり落ちた自分の過去を、幼いシドの未来にも見ているのである。
矛盾するループを閉じ、愛する者たちを破滅から救うためにはどうすれば良いか。
ここでヤング・ジョーのとる驚くべき解決策は、なるほどタイム・パラドックスSFのオチのつけ方としては斬新だが、同時に過去に作られた多くのアウトロー・ムービーの系譜においては王道であるとも言える。
複雑な世界観などは、ヤング・ジョーのモノローグなども駆使して饒舌に語る一方、登場人物の感情に関しては、極力説明性を排して映像で物語ろうとしており、それがある種の叙情性に繋がっているのも面白い。
切ない恋に落ちたアウトローは、いつだって哀愁と共に記憶の彼方に去ってゆくのである。
今回は、個性的な映画にあわせて、強めの酒を。
テキーラの銘柄サウザの「コンメモラティボ」をチョイス。
“記念”を意味する名は、サウザ社の創立90周年にあわせて出荷されたためで、ホワイトオークの樽で長期熟成され、比較的マイルドな味わいを持つ。
カクテルベースにしても良いが、ストレートでも十分楽しめるクオリティだ。
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タイムトラベルが実用化された未来。
犯罪組織によって転送されてくるターゲットを始末する殺し屋・ジョーの元に、30年後の自分が送られてくる。
未来からやって来たオールド・ジョーの目的は、愛する者の死を防ぐために、この時代である人物を殺す事。
ジョーを演じるのは、「ダークナイト ライジング」など話題作に立て続けに出演し、人気・実力とも急上昇中のジョセフ・ゴードン=レヴィットで、その未来の姿であるオールド・ジョーを演じるのが、似ても似つかぬブルース・ウィリスというミスマッチが面白い。
「ターミネーター」的な奇抜なタイムパラドックスに、「ドライヴ」を思わせるアウトローの純情をミックス。
どこか80年代B級SFの香り漂うチープな映像も個人的にはツボで、なかなかに楽しめる時間SFの佳作である。
西暦2044年のカンザス。
この時代には、更に30年後の未来から、犯罪組織が証拠を残さず抹殺したいターゲットを、タイムマシンを使って送り込んでいる。
ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、ターゲットの処刑と証拠隠滅を任務とする“ルーパー”と呼ばれるプロフェッショナルだ。
ところがある日、彼の元に送られて来たのは30年後の老いた自分で、一瞬躊躇した隙に逃走されてしまう。
任務に失敗すれば自分も殺される事から、ジョーは消えたオールド・ジョー(ブルース・ウィリス)を追い始める。
オールド・ジョーの目的は、愛する妻が未来の暗黒街を支配する邪悪な犯罪王、“レイン・メーカー”の手下に殺された事から、この時代に遡って彼を殺し、未来を変える事だった・・・
タイムマシンで送られて来た暗殺ターゲットは、自分自身だった・・・というアイディアは、藤子・F先生のSF短編辺りにありそうな話だが、そこからの展開は予想外。
予告編の印象から、てっきり何かの手違いで未来の自分が送られて来たのかと思っていたのだが、このルーパーという職業、“最後に自分を殺す”事が宿命付けられているのだ。
未来の自分を殺し、時間のループを閉じるとルーパーを引退、たっぷり金をもらって30年間の余命を楽しむ。
もしも未来の自分を逃がしたら、それは契約不履行となってしまい、組織によって消される事になる。
今さえ良ければ遠い未来の事なんてどうでも良いという、究極の刹那主義人生と言えるかもしれない。
ジョーもまたそう考え、悪の道にどっぷり浸かって生きているのだが、先のことはわからないもの。
ルーパー引退後の30年間で、すっかり真人間となってしまったオールド・ジョーが、未来の世界で犯罪王となる男を殺すために、自分からタイムマシンに入って現代にやってくる。
まあ、要するに「ターミネーター」なのだが、例によってタイムパラドックスは考え始めると矛盾点だらけ。
タイムトラベルの仕組みをヤング・ジョーに問われたオールド・ジョーが、「タイムトラベルに関しては複雑過ぎるんで喋りたくない!」と予防線を張ってしまうのは笑ってしまったが、全体にロジックに関しては勢いで押し流してしまっている印象だ。
映画は先ず現在、すなわち2044年のヤング・ジョーの世界を詳細に描く。
どうやらこの時代のアメリカはかなり退廃し、未来からやって来た犯罪組織が街を牛耳って、流れ者の若いアウトローたちを雇い入れ、ルーパーに仕立て上げて未来の敵を消させている様だ。
それぞれのルーパーは、指定の場所に現れるターゲットをラッパ銃と呼ばれるショットガンの様な武器で射殺し、その代わりにターゲットの体にくくりつけられた銀の延板を報酬として得る。
顔色一つ変えずに無慈悲に哀れなターゲットを抹殺し、酒とドラッグと女で散財するヤング・ジョーの毎日を描く前半は、典型的な犯罪映画のスタイルである。
ところが、オールド・ジョーが現れ、彼の目的が明らかになると、映画はガラリとムードを変えるのだ。
状況を描く前半に対して、感情を描く後半と言って良いかもしれない。
レイン・メーカーになる可能性のある子供は三人おり、オールド・ジョーは確実に未来を変えるために全員を殺そうとするはず。
彼を捕まえない限り、自分の命が危ないヤング・ジョーは、唯一所在の分かった三人目の子供の所に向かう。
そこは、まるで「フィールド・オブ・ドリームズ」に出てきた様な、広大なトウモロコシ畑に囲まれた農家。
ジョーはその家で、“サラ”という「ターミネーター」のヒロインと同じ名を持つシングルマザーと、彼女の息子・シドとの奇妙な同居生活を始め、何時しか三人は擬似家族の様になってゆく。
キーワードになるのは“母性”だ。
母親に捨てられた記憶を持つジョーは、何時しかサラに対して恋心と母なる存在への憧れという二つの感情をおぼえる事になるが、対するオールド・ジョーは、未来で自分を変えてくれた妻に対して、やはり同様の想いを抱いている。
孤独な無法者である二人のジョーは、絶対に叶わないと思っていた愛という儚い夢を、全く異なる未来に見ており、彼らのループが連続する事はもはや無い。
同時に、ヤング・ジョーは母を失った結果、悪の道へと転がり落ちた自分の過去を、幼いシドの未来にも見ているのである。
矛盾するループを閉じ、愛する者たちを破滅から救うためにはどうすれば良いか。
ここでヤング・ジョーのとる驚くべき解決策は、なるほどタイム・パラドックスSFのオチのつけ方としては斬新だが、同時に過去に作られた多くのアウトロー・ムービーの系譜においては王道であるとも言える。
複雑な世界観などは、ヤング・ジョーのモノローグなども駆使して饒舌に語る一方、登場人物の感情に関しては、極力説明性を排して映像で物語ろうとしており、それがある種の叙情性に繋がっているのも面白い。
切ない恋に落ちたアウトローは、いつだって哀愁と共に記憶の彼方に去ってゆくのである。
今回は、個性的な映画にあわせて、強めの酒を。
テキーラの銘柄サウザの「コンメモラティボ」をチョイス。
“記念”を意味する名は、サウザ社の創立90周年にあわせて出荷されたためで、ホワイトオークの樽で長期熟成され、比較的マイルドな味わいを持つ。
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