FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
オズ はじまりの戦い・・・・・評価額1650円
2013年03月14日 (木) | 編集 |
如何にしてオズは、偉大にして強大な魔法使いになったのか?

昨今のビギニングブームは、遂に誰もが知る古典タイトルにまで及んだ。
「オズ はじまりの戦い」は、ライマン・フランク・ボームが1900年に発表した児童文学の金字塔、「オズの魔法使い」の前日譚にあたる物語だ。
まだドロシーがオズの国へやってくる以前、偉大なるオズの魔法使い(Wizard of OZ)の誕生秘話が描かれる。
監督は「スパイダーマン」のサム・ライミ、タイトルロールの奇術師オズを、同シリーズのハリー・オズボーン役でブレイクしたジェームズ・フランコが演じる。
彼に絡む三人の魔女役で、ミッシェル・ウィリアムズ、ミラ・クニス、レイチェル・ワイズら旬のビッグネームが競演するのも話題だ。
※ラストに触れています。

奇術師のオズ(ジェームズ・フランコ)は、いつかフーディーニやエジソンの様な偉大な男になりたいと思っているが、現実はしがない旅回りの身。
ある時、気球に乗って移動中に竜巻に巻き込まれ、魔女たちが支配する奇妙な世界“オズ”に墜落する。
この国には、「オズという名の偉大な魔法使いが現れ、国を救う」 という予言があり、西の魔女セオドラ(ミラ・クニス)は、予言の魔法使いが現れたと思い込む。
エメラルドシティへと案内されたオズは、そこでセオドラの姉である東の魔女エヴァノラ(レイチェル・ワイズ)と会い、邪悪な南の魔女グリンダ(ミッシェル・ウィリアムズ)を倒せば、この国の莫大な財宝と王座はオズの物になると告げられる。
オズは、空飛ぶサルのフィンリー(ザック・ブラフ)を相棒に、黄色いレンガの道を行き、途中で助けた陶器の少女(ジョーイ・キング)も仲間に加えて、グリンダの住む森へと向かうが、彼らは何時しかオズの国の存亡をかけた陰謀に巻き込まれてゆく・・・


サイレント映画時代の昔から、何度も映画やアニメーションとして映像化されてきた「オズの魔法使い」だが、このタイトルを聞いて殆どの人が思い浮かべる決定版は、ヴィクター・フレミング監督、ジュディ・ガーランド主演で1939年に発表されたミュージカル映画だろう。
「虹の彼方に」などの名曲と共に世代を超えて愛されている傑作だが、実は当時史上初のカラー長編アニメーション映画、「白雪姫」の大ヒットで勢いにのっていたディズニーも、「オズの魔法使い」のアニメーション映画化を狙っていた。
実際には、ディズニーのアプローチ以前に、映画化権を押さえられてしまっていたため計画は頓挫するのだが、その後ディズニーは「魔法使い」以外の「オズ」シリーズの権利を取得し、1985年には再びオズの国へ戻ったドロシーが繰り広げる冒険をダークなタッチで描いた後日譚、「オズ」を製作している。
今回は「魔法使い」を挟んで時代を遡り、原作シリーズには描かれない、オズの支配者の誕生の秘密を新たな物語として映像化した訳だ。

オリジナルの「オズの魔法使い」をはじめ、多くのファンタジー作品で不思議の世界へと誘われるのは、往々にして思春期を迎えようとする少女である。
子供から大人の女性へと変化する年齢の少女たちを描こうとする時、様々なメタファーを駆使できるファンタジーの世界は、生々しい感情をオブラートに包んで描ける打ってつけの舞台なのだ。
ところが、本作の主人公であるオスカー・ディグス、通称オズは、この種の映画の主人公としてはかなり異色の存在といえる。
何しろ彼は、いつかビッグになる野望を抱いてはいるものの、金と女にだらしのない半分ペテン師の様な奇術師で、オズの国で悪の魔女退治を引き受けるのも、莫大な財宝に目がくらんだ故という情けなさ。
劇中で彼を襲う困難も、多分に女たらしの性格に起因している。
そう、この映画は心根は優しいがダメ男であるオズが、冒険を通じて真に偉大な男、タイトル通りの“the Great and Powerful” へと成長してゆく物語なのである。

当初、エメラルドシティを支配する東の魔女エヴァノラに言われるがままに、南の魔女グリンダを退治するために旅に出るオズだが、実は全てはエヴェノラの陰謀。
オズがただの人間なのを知りながら、あわよくば彼に邪魔なグリンダを殺させようとしていたのだ。
真相を知ったオズが逆にグリンダ側に取り込まれると、エヴァノラはオズを愛する妹セオドラの、グリンダに対する嫉妬心を利用して、彼女を怒りの化身の様な邪悪な魔女へと変身させ、オズとグリンダをまとめて始末しようとする。
魔法の世界であるオズで、無力な人間が如何にして強力な魔力を持つ魔女に勝利するのか。
それは勿論、知恵と勇気、そして単独では弱い人間ならではの友情と信頼の力によるものなのだが、サム・ライミはそこに“映画史”というギミックを付与した。

冒頭、カンザスのサーカスのシークエンスは、クラッシックなモノクロのスタンダード画面で始まり、気球がオズの世界へと入ると、一気スクリーンがカラーのシネスコサイズへと広がる。
売り物の立体映像も、今どき珍しい見世物精神たっぷりの飛び出し系。
立体演出では、飛び出してくるオブジェクトがスクリーンの縁で遮られた瞬間、立体効果を失うのが欠点だが、本作の冒頭では狭いスタンダード画面から飛び出した物が、余白である左右の黒味部分にまではみ出すという、逆転の発想で立体効果を高めている。
フレームの中の光の芸術である映画の特質を、巧みに生かした見事な導入だ。
また、主人公の持ち物の中には、アニメーション機械のプラクシノスコープがあり、クライマックスの魔女エヴァノラとセオドラとの決戦のために、彼が“発明”するのがこの機械の原理を使い、煙のスクリーンに映像を映写する機械なのである。
史実では、フランス人のシャルル・エミール・レイノーによって1888年に発明された投影型アニメーション機械、テアトルオプティックもどきを、本作ではオズが作り上げてしまうのだ。
そう、これはある意味ライミ版の「ヒューゴの不思議な発明」であり、映画という新時代の魔術が、古の魔法を打ち破る物語でもある。
あの映画に登場する“最初の映画監督”ジョルジュ・メリエスは、元々オズ同様に映像の可能性に気づいた奇術師だ。
そして、オズが自分もこうありたいと願う“偉大な男たち”が、ハリー・フーディーニと映画の発明者の一人であるエジソンというのも象徴的。
フーディーニもまた稀代の奇術師であっただけでなく、サイレント期の映画監督・俳優としての顔も持ち、また奇術の知識によって、数々の超能力や幽霊現象といった“魔法”のトリックを暴いたサイキック・ハンターとしても知られた存在である。

しかし、ファンタジーの世界へと旅した多くの少女たちと異なり、本作のオズは冒険を終えた後も現実世界へ戻らない。
サーカスでオズの傲慢さに愛想を尽かしているマネージャーのフランクとの関係は、空飛ぶサルのフィンリーとの友情へ、奇術では救うことの出来ない車椅子の少女の願いは、足を折られた陶器の少女の救済へと置き換えられている。
もちろん「オズの魔法使い」との整合性の問題はあれど、この種の映画のセオリーに従えば、物語のラストは成長したオズがカンザスへと戻り、現実の彼らと以前とは異なる関係へと踏み出すのが王道だろう。
では何故オズは、自らと同じ名を持つ魔法の国へと留まるのか。
それは本作が、「オズの魔法使い」へと連なる前日譚であるのと同時に、奇術と科学が融合し、非日常を作り出す新たな魔術、“映画誕生”のメタファーであり、オズとは映画そのものだからだ。
文字通り“映像の魔術師”としてこの世界の象徴となったオズにとって、自らの存在すべき場所は、もはやスクリーンのこちら側ではなく、向こう側にしかあり得ないのである。

今回は、オズの都エメラルドシティのイメージで、カクテルの「エメラルド・ミスト」をチョイス。
ドランブイ45ml、ブルーキュラソー20mlを軽くステアし、クラッシュド・アイスを入れたグラスに注ぐ。
最後にレモンピールを飾って完成。
ブルーキュラソーの色が氷を染めてエメラルドの様に輝き、冷やされたグラスの表面は名前のとおり霧で覆われた様になり美しい。
甘口だが度数は高く、魔女の魔法のように危険なカクテルだ。
ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い



ドランブイ 750ml

ドランブイ 750ml
価格:1,869円(税込、送料別)


スポンサーサイト