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ショートレビュー「コズモポリス・・・・・評価額1550円」
2013年04月21日 (日) | 編集 |
爛熟の世界都市。

若くして全てを手にした大富豪の、破滅へ向かう1日を描いたドン・デリーロの同名小説を基に、異才デヴィッド・クローネンバーグが作り上げたのは、猛烈な勢いで富と情報が行き交い、もはや誰も制御することが出来なくなったキャピタリズム世界の終焉だ。
主人公のエリック・パーカーを演じるロバート・パティソンは、こういう顔色の悪い退廃的な若者がよく似合う。
過激なデモ隊と大統領の動向によってカオスへと陥った都市で、彼は床屋へ行くために僅か2マイルの距離を巨大な白いリムジンで一日かけて移動し、その間に様々な人間が乗り込んでは語り、去ってゆく。
またエリック自身も、しばしばリムジンを離れてはまた戻ってを繰り返すのである。

この物語の全体構造は、虚構のパリをリムジンで巡りながら、幾つもの“役”を演じてゆく主人公を描いたレオス・カラックスの「ホーリー・モーターズ」とよく似ている。
ただし、こちらで描かれるのは当然ながら“映画の死”ではない。
エリックの乗るリムジンには、ハイテク機器が備え付けられ、全世界の情報にリアルタイムでダイレクトにリンクされている。
鉄と防弾ガラスによって外界の喧騒から隔絶されたSFチックな空間は、いわば現実世界に対する電脳世界のメタファーと言えるだろう。
この中にいる限りは、人間もまた情報装置の一つであり、外で何が起ころうと、情報を把握していれば事足りる。
しかし現実と電脳世界が混沌と融合した世界で、人間たちは逆に閉塞し、肉体感覚を求めるのだ。
暗殺者の影が迫る中、エリックはわざわざリムジンを離れ、セックスし、喰らい、殺し、排泄する。
生物としての人間と、人間が作り上げたシステムの葛藤が、崩壊寸前のカオスとして噴出しているのが“コズモポリス”であり、リムジンを降りたエリックもまた混沌の渦へと呑み込まれ、破滅から逃れる事は出来ない。

デリーロの原作では、主人公を追い詰めるのは円の変動だったが、クローネンバーグは映画化にあたって更に不気味な“人民元”という存在を浮上させた。
情報と可視化されたチャートが全ての主人公がキャピタリズムの象徴だとしたら、その終焉が全体主義と資本主義の狭間に産み落とされ、必ずしも市場原理によらない元によって齎されるというのは実に皮肉な話である。
本作はいかにもクローネンバーグらしい、現代性のあるトンがった作品だが、ぶっちゃけ潔い位に娯楽性を完全放棄してるので、物凄く客を選ぶ映画であることも確かだ。
何も知らずに観に行ったとしたら、8割位の客は怒って帰ってしまうだろうし、クローネンバーグのファンでも、例えば「ヴィデオドローム」とか「裸のランチ」系をも偏愛する人じゃないと多分ついて行けない。
これに比べれば、例えば「ザ・マスター」なんて遥かに普通の映画で、観やすい部類に入る。
まあ、その分ドラッグ的な魅力を見出す人もいるのだろうけど。

今回は、世界都市「コズモポリス」の住人「コスモポリタン」をチョイス。
ウオッカ30ml、ホワイトキュラソー15ml、クランベリー・ジュース15ml、ライム・ジュース10mlをシェークして、カクテル・グラスに注ぐ。
お好みでクランベリーやレーズンを数個沈めても良い。
これは「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公たちが愛飲していたので、日本のバーでも一時ブームになったそうな。
口当たり良く色も美しいが、その実非常に強い飲み初めの気付けの一杯だ。
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