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2013年04月26日 (金) | 編集 |
ロートル保安官の不屈。
長らくカリフォルニア州知事を務めていたアーノルド・シュワルツェネッガーの、2003年の「ターミネーター3」以来10年ぶりの主演復帰作は、メキシコ国境の田舎町を舞台に麻薬組織と保安官たちの戦いを描くアクション映画だ。
政治家をやっている間に65歳の爺さんになっていたシュワちゃんに、もはや10年前のマッチョさは感じられないが、その衰えがむしろ良い味わいになっている。
監督は、「悪魔を見た」のキム・ジウンで、これが初のハリウッド映画。
このところ、ポン・ジュノ、パク・チャヌクら黄金世代が続々と海を渡っている韓国映画界だが、その先陣を切った作品となった。
オールドファッションが敬遠されたのか、残念ながら米国では興業的には失敗作となってしまったが、なかなかどうして映画ファンの心の琴線に触れる娯楽快作である。
元ロサンゼルス市警の敏腕刑事だったレイ・オーウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、今では都会の喧騒から離れてアリゾナ州の国境沿いの小さな町で保安官をしている。
だがある日、彼の元にFBIのバニスター捜査官(フォレスト・ウィテカー)から警戒を呼びかける電話が入る。
護送車から脱走した麻薬王コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)が、国境の突破を狙って南へと向かっていると言う。
その頃、オーウェンズの部下が、町の郊外に展開する武装集団と遭遇、銃撃を受けて副保安官のジェリー(ザック・ギルフォード)が亡くなってしまう。
コルテスが向かっているのはこの町に間違いない。
SWATチームの応援も間に合わず、オーウェンズは保安官として、コルテスを止める最後の砦となる事を決意するが・・・
国境の田舎町に迫り来る悪の軍団。
援軍は来ず、迎え撃つのはロートルの保安官と僅かな数の仲間たち・・・というプロットはフレッド・ジンネマン監督の「真昼の決闘」以来、西部劇の王道の一つだ。
嘗て「グッド・バッド・ウィアード」で、満州を大西部に見立てたキム・ジウン監督は、使い古された設定を利用して、実に味わい深い“伝統的ハリウッド映画”を作り上げた。
しかし、開拓時代ならともかく、今時孤立無援となる可能性は低い。
21世紀にこの物語を成立させるために、本作の脚本チームは色々な工夫を凝らしている。
まずは逃走した麻薬王コルテスが駆る車を、最高速度300キロオーバーのコルベットZR-1カスタムとし、ヘリコプターすら追いつけないスピードを与える事によって、神出鬼没で長大なアメリカ・メキシコ国境のどこに向かうのか予測不可能とした。
更には応援のSWATチームを途中で粉砕する事で、オーウェンズらを崖っぷちの状況へと追い込むのである。
敵味方それぞれのチームも、良い感じにキャラ立ちしている。
主人公のオーウェンズ保安官は元LAPD麻薬捜査課の敏腕刑事だったが、多くの部下を死なせてしまった事で傷心し、今では田舎町で半隠遁生活・・・とこれまたお約束。
面白いのは、彼が移民だという設定だ。
シュワルツェネッガーは何十年もアメリカに暮らしているのに、母語のオーストリア訛りがなかなか取れない人だが、演じるキャラクターが移民であると劇中で言及されるのは珍しい。
オーウェンズは元アウトサイダーとして苦労を知るが故に、なおさら移民全体の面汚しとなるコルテスの様な男が許せないのだ。
また麻薬犯罪によって心の傷を背負わされたオーウェンズにとって、不利な状況でもコルテスに屈しない事は、自らの過去を克服し、死んでいった部下たちに報いる事も意味するのである。
彼と共にコルテスに立ち向かう四人の仲間も、対テロ戦争の帰還兵、コミックリリーフだがやる時はやるヒスパニックのおじさん、紅一点の女性副保安官、武器オタクでコレクションの銃にいちいち名前を付けてる変人、と個性豊かだ。
対する敵側のメンツも濃い。
スーパーカーでドライビングテクニックを見せつけ、ナルシスト全開のコルテスを筆頭に、不二子ちゃん的裏切りキャラで萌え担当のリチャーズ、コルト・ネイビーなんて超年代物の銃を愛用してる最狂の殺し屋ブルズ。
いくらなんでもプロがあんな非効率的な武器を使う訳がないけど、この映画ではそれが許せるのだ。
なにせここは大西部だから!
帰って来たスーパースター、シュワルツェネッガーという絶対的な存在、魅力的な悪役に、面白い王道の物語が揃えば、もう小手先のテクニックなどは必要ない。
キム・ジウンは、最近流行りの細切れ映像とCGだらけのアクション描写とは明確に一線を画し、この良い意味で古臭く大らかな物語に相応しい、伝統的なスタイルでキレ味鋭いアクションを繰り広げる。
正に西部劇さながらの銃撃戦から、コルベットvsカマロのちょい「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」を思わせるコーン畑のカーチェイス、そしてボスキャラ同士のどつき合いまで、過剰になり過ぎず程度な抑制をもって“気持ちの良い活劇”を見せてくれるのである。
アメリカ人のタランティーノが「ジャンゴ 繋がれざる者」でマカロニへオマージュを捧げるなら、ハリウッド映画ラブの韓国人キム・ジウンは、正統派西部劇で応える。
全体の雰囲気は、7、80年代位のイーストウッド主演のアクション映画を思わせ、実際オーウェンズのキャラクターは2、30年前なら彼にピッタリだっただろう。
ぶっちゃけ今風の作品で無いのは確かで、アメリカでコケちゃったのもわかる気はするけど、これはセンス・オブ・ワンダーに溢れた愛すべき正統派。
GWにスカッと楽しみたい映画好きには、イチオシの作品である。
今回は熱いアリゾナを舞台とした熱い映画に、アメリカンビールの代表的銘柄「ミラー ドラフト」をチョイス。
炎天下で水の様に飲めるスーパースムーズな喉ごしは、日本でもBBQなどのアウトドアにピッタリ。
連休には気持ちの良い映画を観て、気持ちの良いビールを飲みたい。
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長らくカリフォルニア州知事を務めていたアーノルド・シュワルツェネッガーの、2003年の「ターミネーター3」以来10年ぶりの主演復帰作は、メキシコ国境の田舎町を舞台に麻薬組織と保安官たちの戦いを描くアクション映画だ。
政治家をやっている間に65歳の爺さんになっていたシュワちゃんに、もはや10年前のマッチョさは感じられないが、その衰えがむしろ良い味わいになっている。
監督は、「悪魔を見た」のキム・ジウンで、これが初のハリウッド映画。
このところ、ポン・ジュノ、パク・チャヌクら黄金世代が続々と海を渡っている韓国映画界だが、その先陣を切った作品となった。
オールドファッションが敬遠されたのか、残念ながら米国では興業的には失敗作となってしまったが、なかなかどうして映画ファンの心の琴線に触れる娯楽快作である。
元ロサンゼルス市警の敏腕刑事だったレイ・オーウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、今では都会の喧騒から離れてアリゾナ州の国境沿いの小さな町で保安官をしている。
だがある日、彼の元にFBIのバニスター捜査官(フォレスト・ウィテカー)から警戒を呼びかける電話が入る。
護送車から脱走した麻薬王コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)が、国境の突破を狙って南へと向かっていると言う。
その頃、オーウェンズの部下が、町の郊外に展開する武装集団と遭遇、銃撃を受けて副保安官のジェリー(ザック・ギルフォード)が亡くなってしまう。
コルテスが向かっているのはこの町に間違いない。
SWATチームの応援も間に合わず、オーウェンズは保安官として、コルテスを止める最後の砦となる事を決意するが・・・
国境の田舎町に迫り来る悪の軍団。
援軍は来ず、迎え撃つのはロートルの保安官と僅かな数の仲間たち・・・というプロットはフレッド・ジンネマン監督の「真昼の決闘」以来、西部劇の王道の一つだ。
嘗て「グッド・バッド・ウィアード」で、満州を大西部に見立てたキム・ジウン監督は、使い古された設定を利用して、実に味わい深い“伝統的ハリウッド映画”を作り上げた。
しかし、開拓時代ならともかく、今時孤立無援となる可能性は低い。
21世紀にこの物語を成立させるために、本作の脚本チームは色々な工夫を凝らしている。
まずは逃走した麻薬王コルテスが駆る車を、最高速度300キロオーバーのコルベットZR-1カスタムとし、ヘリコプターすら追いつけないスピードを与える事によって、神出鬼没で長大なアメリカ・メキシコ国境のどこに向かうのか予測不可能とした。
更には応援のSWATチームを途中で粉砕する事で、オーウェンズらを崖っぷちの状況へと追い込むのである。
敵味方それぞれのチームも、良い感じにキャラ立ちしている。
主人公のオーウェンズ保安官は元LAPD麻薬捜査課の敏腕刑事だったが、多くの部下を死なせてしまった事で傷心し、今では田舎町で半隠遁生活・・・とこれまたお約束。
面白いのは、彼が移民だという設定だ。
シュワルツェネッガーは何十年もアメリカに暮らしているのに、母語のオーストリア訛りがなかなか取れない人だが、演じるキャラクターが移民であると劇中で言及されるのは珍しい。
オーウェンズは元アウトサイダーとして苦労を知るが故に、なおさら移民全体の面汚しとなるコルテスの様な男が許せないのだ。
また麻薬犯罪によって心の傷を背負わされたオーウェンズにとって、不利な状況でもコルテスに屈しない事は、自らの過去を克服し、死んでいった部下たちに報いる事も意味するのである。
彼と共にコルテスに立ち向かう四人の仲間も、対テロ戦争の帰還兵、コミックリリーフだがやる時はやるヒスパニックのおじさん、紅一点の女性副保安官、武器オタクでコレクションの銃にいちいち名前を付けてる変人、と個性豊かだ。
対する敵側のメンツも濃い。
スーパーカーでドライビングテクニックを見せつけ、ナルシスト全開のコルテスを筆頭に、不二子ちゃん的裏切りキャラで萌え担当のリチャーズ、コルト・ネイビーなんて超年代物の銃を愛用してる最狂の殺し屋ブルズ。
いくらなんでもプロがあんな非効率的な武器を使う訳がないけど、この映画ではそれが許せるのだ。
なにせここは大西部だから!
帰って来たスーパースター、シュワルツェネッガーという絶対的な存在、魅力的な悪役に、面白い王道の物語が揃えば、もう小手先のテクニックなどは必要ない。
キム・ジウンは、最近流行りの細切れ映像とCGだらけのアクション描写とは明確に一線を画し、この良い意味で古臭く大らかな物語に相応しい、伝統的なスタイルでキレ味鋭いアクションを繰り広げる。
正に西部劇さながらの銃撃戦から、コルベットvsカマロのちょい「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」を思わせるコーン畑のカーチェイス、そしてボスキャラ同士のどつき合いまで、過剰になり過ぎず程度な抑制をもって“気持ちの良い活劇”を見せてくれるのである。
アメリカ人のタランティーノが「ジャンゴ 繋がれざる者」でマカロニへオマージュを捧げるなら、ハリウッド映画ラブの韓国人キム・ジウンは、正統派西部劇で応える。
全体の雰囲気は、7、80年代位のイーストウッド主演のアクション映画を思わせ、実際オーウェンズのキャラクターは2、30年前なら彼にピッタリだっただろう。
ぶっちゃけ今風の作品で無いのは確かで、アメリカでコケちゃったのもわかる気はするけど、これはセンス・オブ・ワンダーに溢れた愛すべき正統派。
GWにスカッと楽しみたい映画好きには、イチオシの作品である。
今回は熱いアリゾナを舞台とした熱い映画に、アメリカンビールの代表的銘柄「ミラー ドラフト」をチョイス。
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