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2013年05月17日 (金) | 編集 |
大丈夫、きっと、うまくいく!
制作本数ダントツの世界一を誇る映画大国、インドで歴代興行収入ナンバーワンを叩き出した大ヒット作。
大学生活を謳歌する学園のヒーロー、ランチョーと仲間たちの輝かしくもちょっとビターな青春ストーリーと、忽然と姿を消した彼を探す10年後の一日が並行して描かれる。
軽妙なコメディながら、インド社会の矛盾をあぶり出す社会風刺を内包し、人間ドラマとしても実に秀逸。
いわゆるマサラ風味は比較的薄目で、普遍性のある物語なので、インド映画が苦手という人にも自信を持ってオススメ出来る。
観客は大いに笑って、少し泣いて、最後には最高に気持ちよく映画館を後にするだろう。
監督・脚本のラージクマール・ヒラニは娯楽映画の大傑作を作り上げた!
長らく音信不通だったランチョー(アーミル・カーン)が帰って来ると連絡を受けた、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。
彼らはインド屈指の名門理系大学ICEの同窓生。
ランチョーは成績優秀で何者にも媚びず、異議があれば鬼学長(ボーマン・イラニ)にすら遠慮しない、学園一の人気者だった。
彼ら三人と学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)は、10年前に青春を共に過ごし、そしてランチョーは誰にも何も告げず、姿を消したのだ。
しかし、ファルハーンとラージューの前に現れたのは、ランチョーではなく、彼をライバル視していたチャトゥル(オミ・ヴァイディア)だった・・・
輝かしい青春の記憶は、今を生きるエネルギー。
インド人がサービス精神満載で「横道世之介」的、あるいは「サニー 永遠の仲間たち」的物語を作るとこうなる。
邦題は、何となくシネスイッチ系の真面目な作品を思わせるが、原題は「3idiots(三人のおバカ)」なので、ノリは推して知るべし。
インド映画のスーパースター、アミール・カーン演じるランチョーと仲間たちの大学生活は、波乱万丈、抱腹絶倒。
映画は、大学卒業から10年後の現在、行方不明のランチョーが街に帰って来るという情報がファルハーンとラージューに齎され、二人が母校のICEに向かうところから始まる。
ランチョーは言わば横道世之介と「桐島、部活やめるってよ」の姿無きキーパーソン、桐島を合体させた様なキャラクターだ。
とにかく真っ直ぐな性格で冒険心に溢れ、誰に対しても媚びず、物怖じしない。
権威主義的な大学を批判し、友人の落第の危機を救い、壮大なイタズラをしかけ、よりにもよって天敵の鬼学長の愛娘と恋に落ちる。
そして、彼と出会った全ての人に忘れ難い思い出を残して、幻の様に姿を消すのだ。
一体、ランチョーとは何者だったのか?彼の人生に何が起こったのか?
上映時間は例によって2時間50分もある長大さ。
インド映画はミュージカルがあるからその分尺が長くなると言う人もいるが、本作はその辺りはかなり控えめ。
一応踊りも歌もあるにはあるが、せいぜい10分か15分程度だろう。
その分物語は濃密そのものだ。
「横道世之介」同様に、基本の視点は消えたランチョーの謎を追う現在のパートに置かれ、そこから10年前のハチャメチャな学園ドラマへと時系列を行ったり来たりしながら、二つの流れのプロットが並行に描かれる。
三バカvs鬼学長の卒業をかけた丁々発止の騙し合いがあり、親父とは似ても似つかぬ学長の美しい娘とのもどかしい恋あり、更には大嵐の夜に新しい命を救うというスペクタクルな感動あり、長大な物語には喜怒哀楽が詰め込まれ、ほとんど人生の全てがある。
過去と現在で幾つもの出来事が絡み合う複雑なプロットの中で、全ての伏線を完璧に回収してゆく作劇も鮮やかだ。
本作は娯楽として優れているだけでなく、社会派的な硬派さも併せ持つ。
急激な経済成長を続ける一方、激しい身分差別や性差別が残り、人口の3割が一日僅か1ドルで暮らすというインド社会の持つ数々の矛盾。
エリートが集うICEと言えど、生徒たちの背景は千差万別だ。
ランチョー、ファルハーン、ラージューの三人の実家は、それぞれ超格差社会となったインドの、上流、中流、貧困層に設定されていて、それ故に抱える葛藤も異なる。
爪に火をともす様にして学費を捻出し、息子たちの未来に希望を託す親たちの想いは、そのままプレッシャーとなって彼らを押し潰す。
若者たちの自由な探究心よりも、自らの権威を守る事にプライオリティを置き、学生には服従を強いる大学は、勝利至上主義からはみ出す者を無常に排除するが、それは学生たちにとって人生を奪われる事に等しい。
若者たちの、未来への希望に満ちた大学生活は、一方でこの世界の現実を知ってゆく日々でもあるのだ。
実際、インドでは学歴や経済的な成功を求めるあまり、現実とのギャップに悩んで命を断つ、若い自殺者が非常に多いという。
ただ楽しいだけでなく、現代インドの闇からも目を背けなかったからこそ、この映画には単純なエンタメ以上の深みと情感がある。
現状に葛藤する三バカが、鬼学長率いる大学という権威の城に抵抗しながらも自分らしい生き方を見つけ、同時に既存の価値観に縛られた大人たちの目を開かせてゆくドラマは、インド社会全体のメタファーでもあるのだろう。
似た構造を持つ「横道世之介」と「サニー 永遠の仲間たち」が、過ぎ去った過去への強い郷愁を感じさせるのに対して、日本や韓国と違って今が高度成長期真っ只中のインドで作られた本作は、現在と過去がぐっと近い。
この時間までもが凝縮された大きな塊感も、社会全体の胎動するマグマの様な変革のエネルギーを強烈に感じさせる。
日本の様な色々な意味で覚めた社会から見ると、この熱はとても眩しいのである。
今回は、インドの映画の都、ボリウッドの由来でもあるムンバイの古名、ボンベイの名を持つジン「ボンベイ・サファイア」をチョイス。
これ自体はイギリスの酒だが、イギリス統治下のインドでジンの人気が高かった事から名付けられたという。
カクテルベースとしては勿論だが、この酒はジンの中でも香りが抜群に良く、ロックでシンプルに味わうのもオススメだ。
暑い夏にジンの清涼感はピッタリ。
インドの青春に乾杯!
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制作本数ダントツの世界一を誇る映画大国、インドで歴代興行収入ナンバーワンを叩き出した大ヒット作。
大学生活を謳歌する学園のヒーロー、ランチョーと仲間たちの輝かしくもちょっとビターな青春ストーリーと、忽然と姿を消した彼を探す10年後の一日が並行して描かれる。
軽妙なコメディながら、インド社会の矛盾をあぶり出す社会風刺を内包し、人間ドラマとしても実に秀逸。
いわゆるマサラ風味は比較的薄目で、普遍性のある物語なので、インド映画が苦手という人にも自信を持ってオススメ出来る。
観客は大いに笑って、少し泣いて、最後には最高に気持ちよく映画館を後にするだろう。
監督・脚本のラージクマール・ヒラニは娯楽映画の大傑作を作り上げた!
長らく音信不通だったランチョー(アーミル・カーン)が帰って来ると連絡を受けた、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。
彼らはインド屈指の名門理系大学ICEの同窓生。
ランチョーは成績優秀で何者にも媚びず、異議があれば鬼学長(ボーマン・イラニ)にすら遠慮しない、学園一の人気者だった。
彼ら三人と学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)は、10年前に青春を共に過ごし、そしてランチョーは誰にも何も告げず、姿を消したのだ。
しかし、ファルハーンとラージューの前に現れたのは、ランチョーではなく、彼をライバル視していたチャトゥル(オミ・ヴァイディア)だった・・・
輝かしい青春の記憶は、今を生きるエネルギー。
インド人がサービス精神満載で「横道世之介」的、あるいは「サニー 永遠の仲間たち」的物語を作るとこうなる。
邦題は、何となくシネスイッチ系の真面目な作品を思わせるが、原題は「3idiots(三人のおバカ)」なので、ノリは推して知るべし。
インド映画のスーパースター、アミール・カーン演じるランチョーと仲間たちの大学生活は、波乱万丈、抱腹絶倒。
映画は、大学卒業から10年後の現在、行方不明のランチョーが街に帰って来るという情報がファルハーンとラージューに齎され、二人が母校のICEに向かうところから始まる。
ランチョーは言わば横道世之介と「桐島、部活やめるってよ」の姿無きキーパーソン、桐島を合体させた様なキャラクターだ。
とにかく真っ直ぐな性格で冒険心に溢れ、誰に対しても媚びず、物怖じしない。
権威主義的な大学を批判し、友人の落第の危機を救い、壮大なイタズラをしかけ、よりにもよって天敵の鬼学長の愛娘と恋に落ちる。
そして、彼と出会った全ての人に忘れ難い思い出を残して、幻の様に姿を消すのだ。
一体、ランチョーとは何者だったのか?彼の人生に何が起こったのか?
上映時間は例によって2時間50分もある長大さ。
インド映画はミュージカルがあるからその分尺が長くなると言う人もいるが、本作はその辺りはかなり控えめ。
一応踊りも歌もあるにはあるが、せいぜい10分か15分程度だろう。
その分物語は濃密そのものだ。
「横道世之介」同様に、基本の視点は消えたランチョーの謎を追う現在のパートに置かれ、そこから10年前のハチャメチャな学園ドラマへと時系列を行ったり来たりしながら、二つの流れのプロットが並行に描かれる。
三バカvs鬼学長の卒業をかけた丁々発止の騙し合いがあり、親父とは似ても似つかぬ学長の美しい娘とのもどかしい恋あり、更には大嵐の夜に新しい命を救うというスペクタクルな感動あり、長大な物語には喜怒哀楽が詰め込まれ、ほとんど人生の全てがある。
過去と現在で幾つもの出来事が絡み合う複雑なプロットの中で、全ての伏線を完璧に回収してゆく作劇も鮮やかだ。
本作は娯楽として優れているだけでなく、社会派的な硬派さも併せ持つ。
急激な経済成長を続ける一方、激しい身分差別や性差別が残り、人口の3割が一日僅か1ドルで暮らすというインド社会の持つ数々の矛盾。
エリートが集うICEと言えど、生徒たちの背景は千差万別だ。
ランチョー、ファルハーン、ラージューの三人の実家は、それぞれ超格差社会となったインドの、上流、中流、貧困層に設定されていて、それ故に抱える葛藤も異なる。
爪に火をともす様にして学費を捻出し、息子たちの未来に希望を託す親たちの想いは、そのままプレッシャーとなって彼らを押し潰す。
若者たちの自由な探究心よりも、自らの権威を守る事にプライオリティを置き、学生には服従を強いる大学は、勝利至上主義からはみ出す者を無常に排除するが、それは学生たちにとって人生を奪われる事に等しい。
若者たちの、未来への希望に満ちた大学生活は、一方でこの世界の現実を知ってゆく日々でもあるのだ。
実際、インドでは学歴や経済的な成功を求めるあまり、現実とのギャップに悩んで命を断つ、若い自殺者が非常に多いという。
ただ楽しいだけでなく、現代インドの闇からも目を背けなかったからこそ、この映画には単純なエンタメ以上の深みと情感がある。
現状に葛藤する三バカが、鬼学長率いる大学という権威の城に抵抗しながらも自分らしい生き方を見つけ、同時に既存の価値観に縛られた大人たちの目を開かせてゆくドラマは、インド社会全体のメタファーでもあるのだろう。
似た構造を持つ「横道世之介」と「サニー 永遠の仲間たち」が、過ぎ去った過去への強い郷愁を感じさせるのに対して、日本や韓国と違って今が高度成長期真っ只中のインドで作られた本作は、現在と過去がぐっと近い。
この時間までもが凝縮された大きな塊感も、社会全体の胎動するマグマの様な変革のエネルギーを強烈に感じさせる。
日本の様な色々な意味で覚めた社会から見ると、この熱はとても眩しいのである。
今回は、インドの映画の都、ボリウッドの由来でもあるムンバイの古名、ボンベイの名を持つジン「ボンベイ・サファイア」をチョイス。
これ自体はイギリスの酒だが、イギリス統治下のインドでジンの人気が高かった事から名付けられたという。
カクテルベースとしては勿論だが、この酒はジンの中でも香りが抜群に良く、ロックでシンプルに味わうのもオススメだ。
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