2013年08月18日 (日) | 編集 |
アメリカの、内なる敵。
ローランド・エメリッヒ監督による、スペクタクルなアクション大作。
謎の武装勢力によって占拠・封鎖されたホワイトハウスで、チャニング・テイタム演じるシークレットサービスの試験に落ちた警察官と、ジェイミー・フォックス演じるオバマっぽい大統領が出会い、危機に立ち向かって行くというプロットは、いわば「ダイ・ハード」話型のバリエーションだ。
エメリッヒと言えば“キング・オブ・大味”であり、もはやそれが個性となっている人だったはずだが、シェイクスピアの正体に迫った歴史ミステリー「もうひとりのシェイクスピア」で新境地を開き、本作でも良い流れは継続中。
今までは「デイ・アフター・トゥモロー」とか「紀元前一万年」とか「2012」とか、やたらと壮大な世界観とド派手な破壊描写が売り物だったが、本作の舞台となるのはホワイトハウスという比較的狭い閉鎖空間である。
作品世界が無駄に広がらない分、ディテールが充実した。
登場人物が多い傾向は相変わらずでも、物語の中でのポジションは整理され、キャラクターを活かす細かな伏線もあちこちに張られており、意外と言っては失礼ながら話の作りは丁寧だ。
全く同じ題材で、非常に似たストーリー構造を持つ「エンド・オブ・ホワイトハウス」とのそっくりさん対決でも、出来栄えは明らかにこちらに軍配が上がる。
本作でホワイトハウスを陥落させ、大統領から核のスイッチを奪おうとする武装集団の正体は、戦争で見捨てられて捕虜になったり、身内を失ったりしてアメリカ国家に強い恨みを抱くものたち。
そして彼らを操る真の悪は、大統領の提唱する中東和平に反対する産軍複合体である。
世界が平和になっては困る彼らは、国内の不満分子を密かに操って大統領を殺させ、合法的に権力を掌握するというクーデターを仕掛けるのだ。
少なくとも「エンド・オブ・ホワイトハウス」の様に、北朝鮮の跳ねっ返り部隊が奇襲攻撃で制圧するよりは、設定に説得力があるしテーマも分かりやすい。
また「エンド・オブ〜」では大統領の息子、本作では主人公の娘という違いはあれど、子どもがキーパーソンになるのも共通。
だが、中途半端に途中退場してしまう「エンド・オブ〜」よりも、クライマックスのサスペンスまで大活躍させるこちらの方がキャラクターとしての活かし方は上だ。
さらにYouTubeをアイテムとして上手く使っており、内と外での情報の取り合いとなる描写はなかなか面白かった。
まあ十一歳にして政治オタという変な娘の、「ブログなんて死語よ」には参ったけど(笑
もちろんホワイトハウスという閉ざされた空間の複雑な構造を逆手にとって、「ダイ・ハード」的銃撃戦からまさかのカーチェイスまで、アクションのバリエーションはテンコ盛り。
娯楽大作としての見応えも十分で、実に良くできた夏休み映画である。
唯一、犯人グループのハッカー男がなぜ突然地下トンネルに行ったのか、仕掛けられていた爆弾はなぜ爆発したのかが大きな謎。
あそこだけ全く前後の脈略が無く、編集ミスの様に見えてしまったのだが、一体どういう事だったのだろう。
今回は、ホワイトハウスが舞台のスカッとした映画なので、米国建国の父の一人の名を冠した「サミュエル・アダムズ ボストン・ラガー」をチョイス。
バドやミラーなどとは一線を画す作りで、マイルドでありながらもコクがあり、モルトの強い風味を味わえる。
元々はボストンの地ビールだったが、今では世界的な銘柄となった。
アダムズは合衆国独立に深く関わったボストン出身の政治家で、マサチューセッツ州知事を勤めた人物である。
因みに彼の又従兄弟のジョン・アダムズは、合衆国第二代大統領であり、始めてホワイトハウスに入居した大統領でもあるのだ。
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ローランド・エメリッヒ監督による、スペクタクルなアクション大作。
謎の武装勢力によって占拠・封鎖されたホワイトハウスで、チャニング・テイタム演じるシークレットサービスの試験に落ちた警察官と、ジェイミー・フォックス演じるオバマっぽい大統領が出会い、危機に立ち向かって行くというプロットは、いわば「ダイ・ハード」話型のバリエーションだ。
エメリッヒと言えば“キング・オブ・大味”であり、もはやそれが個性となっている人だったはずだが、シェイクスピアの正体に迫った歴史ミステリー「もうひとりのシェイクスピア」で新境地を開き、本作でも良い流れは継続中。
今までは「デイ・アフター・トゥモロー」とか「紀元前一万年」とか「2012」とか、やたらと壮大な世界観とド派手な破壊描写が売り物だったが、本作の舞台となるのはホワイトハウスという比較的狭い閉鎖空間である。
作品世界が無駄に広がらない分、ディテールが充実した。
登場人物が多い傾向は相変わらずでも、物語の中でのポジションは整理され、キャラクターを活かす細かな伏線もあちこちに張られており、意外と言っては失礼ながら話の作りは丁寧だ。
全く同じ題材で、非常に似たストーリー構造を持つ「エンド・オブ・ホワイトハウス」とのそっくりさん対決でも、出来栄えは明らかにこちらに軍配が上がる。
本作でホワイトハウスを陥落させ、大統領から核のスイッチを奪おうとする武装集団の正体は、戦争で見捨てられて捕虜になったり、身内を失ったりしてアメリカ国家に強い恨みを抱くものたち。
そして彼らを操る真の悪は、大統領の提唱する中東和平に反対する産軍複合体である。
世界が平和になっては困る彼らは、国内の不満分子を密かに操って大統領を殺させ、合法的に権力を掌握するというクーデターを仕掛けるのだ。
少なくとも「エンド・オブ・ホワイトハウス」の様に、北朝鮮の跳ねっ返り部隊が奇襲攻撃で制圧するよりは、設定に説得力があるしテーマも分かりやすい。
また「エンド・オブ〜」では大統領の息子、本作では主人公の娘という違いはあれど、子どもがキーパーソンになるのも共通。
だが、中途半端に途中退場してしまう「エンド・オブ〜」よりも、クライマックスのサスペンスまで大活躍させるこちらの方がキャラクターとしての活かし方は上だ。
さらにYouTubeをアイテムとして上手く使っており、内と外での情報の取り合いとなる描写はなかなか面白かった。
まあ十一歳にして政治オタという変な娘の、「ブログなんて死語よ」には参ったけど(笑
もちろんホワイトハウスという閉ざされた空間の複雑な構造を逆手にとって、「ダイ・ハード」的銃撃戦からまさかのカーチェイスまで、アクションのバリエーションはテンコ盛り。
娯楽大作としての見応えも十分で、実に良くできた夏休み映画である。
唯一、犯人グループのハッカー男がなぜ突然地下トンネルに行ったのか、仕掛けられていた爆弾はなぜ爆発したのかが大きな謎。
あそこだけ全く前後の脈略が無く、編集ミスの様に見えてしまったのだが、一体どういう事だったのだろう。
今回は、ホワイトハウスが舞台のスカッとした映画なので、米国建国の父の一人の名を冠した「サミュエル・アダムズ ボストン・ラガー」をチョイス。
バドやミラーなどとは一線を画す作りで、マイルドでありながらもコクがあり、モルトの強い風味を味わえる。
元々はボストンの地ビールだったが、今では世界的な銘柄となった。
アダムズは合衆国独立に深く関わったボストン出身の政治家で、マサチューセッツ州知事を勤めた人物である。
因みに彼の又従兄弟のジョン・アダムズは、合衆国第二代大統領であり、始めてホワイトハウスに入居した大統領でもあるのだ。

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