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2013年12月20日 (金) | 編集 |
虚構の国の、泥棒ごっこ。
ターゲットはパリス・ヒルトン、オーランド・ブルーム、リンジー・ローハン、etc。
被害総額は実に300万ドル、セレブ専門の窃盗団はセレブに憧れる高校生たちだった。
著名人の一挙手一投足が報道され、大衆の興味を惹きつけるのは世界共通だろうが、今世紀に入ってからの米国社会のセレブリティへの興味の加熱はちょっと異様だ。
背景にあるのは、間違いなくテレビのリアリティ番組だろう。
その加熱ぶりは今年の夏にオバマ大統領までが、セレブたちが番組で自分たちの富を見せびらかすために、若者の成功への意識が変わり、社会に悪しき影響を与えていると批判するほどに。
なるほど、これは超お嬢様のソフィア・コッポラならではの、爛熟するセレブリティ文化と退廃するアメリカのセルフパロディだ。
2008年から2009年にかけて、ハリウッドの豪邸を次々に襲った窃盗団「ブリングリング」事件の顛末は日本でも報道されたので、覚えている人も多いだろう。
大胆不敵、神出鬼没の窃盗団のメンバーが、ごく普通の高校生たちだったという事実は世間を大いに驚かせた。
ネットでセレブのスケジュールを調べ、留守宅に侵入してブランド品を漁る。
とにかくはっちゃけた泥棒シーンが、思わず「混ぜて〜」と言いたくなるほど楽しそう。
彼らには罪の意識すら希薄で、盗品を身につけて写真を撮り、堂々と自らのSNSに掲載していた。
そもそも彼らが盗んだ物を本当に欲しかったのかもよくわからない。
むしろ憧れのセレブと同じ空間にいて、同じものを身につけることで、擬似的にセレブリティ社会の一員になった錯覚を楽しんでいたのかもしれない。
少女たちが弾けまくって事件を起こすのは、ハーモニー・コリンの怪作「スプリング・ブレイカーズ」に通じる部分もあるが、あれがある意味普遍的な青春の1ページを白日夢の様に描いた寓話だとすれば、本作はいわば現代アメリカという特殊なシチュエーションに対する“批評”である。
ソフィア・コッポラは、自らも属するセレブリティ社会と、虚構の文化に熱狂するアメリカ社会を冷めた目線で眺める。
この達観して突き放した視点は、生まれた時から華やかな映画界で育ち、裏も表も知り尽くした生粋のセレブにしか描けまい。
本作の登場人が、どんなえげつなくビッチな事しても、そこに没入感はなく、むしろ上品さすら感じさせるのも、作者の育ちの良さが透けて見える。
この辺りはソフィア・コッポラという作家の特質であり、同時に現時点での限界でもあると思う。
物語の語り部を少女たちではなく、メンバー唯一の男性に置いたのも、状況を客観視するスタンスを強調する。
ちなみに、ダサ男が学園のはみ出し者集団に受け入れられて、リア充化するのは「ウォールフラワー」的でもある。
どちらもそこにエマ・ワトソンがいるのも共通だ。
不思議なのは窃盗団の主犯格であるレベッカは、イマイチ垢抜けない彼になぜ声をかけたのかという事だが、もしかしたら彼は“男子”では無かったのかも知れない。
盗んだパリスのハイヒールを喜々として履いてたし、美少女ばかりのグループの中で誰とも男女の仲にならず、尚且つ少女らは彼には平気で着替えを見せてたりするし。
「ブリングリング」は青春映画というよりも、現代アメリカのセレブリティ文化を、インサイダーである作者が、多分に呆れ気味のスタンスでシニカルに皮肉った作品と言えるだろう。
何気に映画には一瞬しか出てこないが、一番印象に残るのは何度も泥棒に入られているのに、持ち物が多過ぎて全然盗まれた事に気付かないパリス・ヒルトン。
しかも本作に登場する彼女の自宅は、セットではなく現場ロケなのだという。
つまりあの衣装や靴は、全部パリス本人の本物!
いや〜、転んでもただでは起きないと言うか、なんという逞しさだろう。
まさしくエマ・ワトソンの最後のセリフを、そのまんま体現してるではないか(笑
今回は弾け過ぎちゃった若者たちの話なので、カリフォルニアの「グローヴ・ストリート プライベート・キュヴェ・スパークリングワイン」をチョイス。
華やかな果実香が泡とともに立ち上がり、ほんのり甘い口当たりに、スッキリとした喉ごしを楽しめる。
クリスマスパーティーにもピッタリだ。
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ターゲットはパリス・ヒルトン、オーランド・ブルーム、リンジー・ローハン、etc。
被害総額は実に300万ドル、セレブ専門の窃盗団はセレブに憧れる高校生たちだった。
著名人の一挙手一投足が報道され、大衆の興味を惹きつけるのは世界共通だろうが、今世紀に入ってからの米国社会のセレブリティへの興味の加熱はちょっと異様だ。
背景にあるのは、間違いなくテレビのリアリティ番組だろう。
その加熱ぶりは今年の夏にオバマ大統領までが、セレブたちが番組で自分たちの富を見せびらかすために、若者の成功への意識が変わり、社会に悪しき影響を与えていると批判するほどに。
なるほど、これは超お嬢様のソフィア・コッポラならではの、爛熟するセレブリティ文化と退廃するアメリカのセルフパロディだ。
2008年から2009年にかけて、ハリウッドの豪邸を次々に襲った窃盗団「ブリングリング」事件の顛末は日本でも報道されたので、覚えている人も多いだろう。
大胆不敵、神出鬼没の窃盗団のメンバーが、ごく普通の高校生たちだったという事実は世間を大いに驚かせた。
ネットでセレブのスケジュールを調べ、留守宅に侵入してブランド品を漁る。
とにかくはっちゃけた泥棒シーンが、思わず「混ぜて〜」と言いたくなるほど楽しそう。
彼らには罪の意識すら希薄で、盗品を身につけて写真を撮り、堂々と自らのSNSに掲載していた。
そもそも彼らが盗んだ物を本当に欲しかったのかもよくわからない。
むしろ憧れのセレブと同じ空間にいて、同じものを身につけることで、擬似的にセレブリティ社会の一員になった錯覚を楽しんでいたのかもしれない。
少女たちが弾けまくって事件を起こすのは、ハーモニー・コリンの怪作「スプリング・ブレイカーズ」に通じる部分もあるが、あれがある意味普遍的な青春の1ページを白日夢の様に描いた寓話だとすれば、本作はいわば現代アメリカという特殊なシチュエーションに対する“批評”である。
ソフィア・コッポラは、自らも属するセレブリティ社会と、虚構の文化に熱狂するアメリカ社会を冷めた目線で眺める。
この達観して突き放した視点は、生まれた時から華やかな映画界で育ち、裏も表も知り尽くした生粋のセレブにしか描けまい。
本作の登場人が、どんなえげつなくビッチな事しても、そこに没入感はなく、むしろ上品さすら感じさせるのも、作者の育ちの良さが透けて見える。
この辺りはソフィア・コッポラという作家の特質であり、同時に現時点での限界でもあると思う。
物語の語り部を少女たちではなく、メンバー唯一の男性に置いたのも、状況を客観視するスタンスを強調する。
ちなみに、ダサ男が学園のはみ出し者集団に受け入れられて、リア充化するのは「ウォールフラワー」的でもある。
どちらもそこにエマ・ワトソンがいるのも共通だ。
不思議なのは窃盗団の主犯格であるレベッカは、イマイチ垢抜けない彼になぜ声をかけたのかという事だが、もしかしたら彼は“男子”では無かったのかも知れない。
盗んだパリスのハイヒールを喜々として履いてたし、美少女ばかりのグループの中で誰とも男女の仲にならず、尚且つ少女らは彼には平気で着替えを見せてたりするし。
「ブリングリング」は青春映画というよりも、現代アメリカのセレブリティ文化を、インサイダーである作者が、多分に呆れ気味のスタンスでシニカルに皮肉った作品と言えるだろう。
何気に映画には一瞬しか出てこないが、一番印象に残るのは何度も泥棒に入られているのに、持ち物が多過ぎて全然盗まれた事に気付かないパリス・ヒルトン。
しかも本作に登場する彼女の自宅は、セットではなく現場ロケなのだという。
つまりあの衣装や靴は、全部パリス本人の本物!
いや〜、転んでもただでは起きないと言うか、なんという逞しさだろう。
まさしくエマ・ワトソンの最後のセリフを、そのまんま体現してるではないか(笑
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華やかな果実香が泡とともに立ち上がり、ほんのり甘い口当たりに、スッキリとした喉ごしを楽しめる。
クリスマスパーティーにもピッタリだ。

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