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2014年03月06日 (木) | 編集 |
いよいよ“ドラゴンクエスト”へ!
J・R・R・トールキン原作による「指輪物語」、即ち映画史のエポックである「ロード・オブ・ザ・リング(LOTR)」三部作の前日譚、「ホビットの冒険」の第二作。
前作で結成された旅の仲間は、遂に邪悪な竜スマウグに占拠されたドワーフの地下王国、“はなれ山”への潜入を試みる。
熊人ビョルンや弓の名手バルドら原作ファンにはお馴染みの面々が続々と登場する一方、原作には出てこないレゴラスが、映画オリジナルキャラクターのタウリエルとコンビを組んで復活。
トールキン文学の純粋主義者には眉をひそめられそうだが、映画版のファンにはますます「LOTR」との一体感が感じられて、中つ国を巡る大冒険は話を知っていてもワクワクドキドキの連続だ。
例によって2時間41分という長尺だが、あっという間に終わってしまった。
オークの追撃を受けるトーリン(リチャード・アーミティッジ)ら旅の仲間は、闇の森を通り抜ける事を決意する。
しかしガンダルフ(イアン・マッケラン)は、南で勢力を高めている“死人占い師”の正体を探るために、別行動をとる事に。
魔法使いの庇護から離れたドワーフたちは、闇の森を統べるエルフの虜囚となってしまうが、ビルボ(マーティン・フリーマン)が指輪の力を使って救い出す。
多くのオークがドワーフを追っている事をいぶかしんだエルフの王子レゴラス(オーランド・ブルーム)とタウリエル(エヴァンジェリン・リリー)は、密かにトーリンらの後を追う。
そして、はなれ山の麓に広がる湖の町エスガロスに到達したトーリンたちは、スマウグとの因縁を持つバルド(ルーク・エバンス)の助けを得て、秘密の入り口からはなれ山内部へと侵入するのだが・・・
副題の「竜に奪われた王国」への改題は、まあ圧倒的多数を占めるであろう原作未読者を取り込むためには当然だろう。
原作通りの「スマウグの荒らし場」では、前作を観てなくて本も知らない人には何の事かさっぱり分からないだろうし。
一昨年の「思いがけない冒険」のレビューでも指摘したが、ピーター・ジャクソンは「指輪物語」に比べれば遥かにボリューム、スケールの小さな「ホビットの冒険」を映画化するにあたって、メインプロットの大筋を維持した上で、サブプロットの大幅な補完を行い、更に映画版「LOTR」の構成を踏襲する事で、新旧三部作の一体化を試みている。
そのスタンスは本作では更に加速。
本作にレゴラスが登場すると聞いた時は、てっきりゲスト出演的な扱いだろうと思っていたので、これほどガッツリと物語にくい込んでくるとは驚いた。
この調子だと、次回の完結編ではアラゴルンあたりが出てきても全然おかしくないだろう。
前作は、「LOTR」の第一作「旅の仲間」とほぼ同じ物語構造を持っていたが、さすがに今回は展開がだいぶ異なるので「二つの塔」のまんまという訳にはいかない。
もっとも、登場人物をいくつかのグループに分けて別行動させ、複数のストーリーラインが同時進行するのは「二つの塔」と同様の考え方だ。
大きな三幕構成の第二幕となる本作には、明確な主人公といえる人物がいない。
それぞれのストーリーラインで、中心となる登場人物たちが異なる葛藤を深めてゆく。
ドワーフたちの仲間と認められたビルボ・バギンズは、その絆が真実なのか否かをスマウグに問われ、疑心暗鬼に陥る。
トーリンは、いよいよはなれ山へと戻ってきた事で、財宝の魔力によって少しずつ心を蝕まれてゆく。
ガンダルフはもっと物理的に、強大な悪の力によって囚われの身となってしまう。
面白いのは、映画版オリジナルキャラクターであるタウリエルを軸とした、レゴラスとイケメンドワーフのキーリの微妙な三角関係である。
サブプロットを跨いだ葛藤が少なく、また原作には女性キャラクターが殆ど出てこず、情愛の要素が少ないだけに、これは長尺の中で効果的なアクセントとなっていると思う。
もちろん、壮大な世界観は、ずっと眺めていたくなるほど魅力的だ。
過去にも何度か書いたが、異世界を舞台とするハイファンタジーは、「ああ、この世界へ行ってみたい!」と観客に思わせたら、その時点で半分勝ち。
“中つ国”を舞台としたトールキンの作品群が他の多くのファンタジー作品と異なるのは、これが小説であるのと同時に、一つの大きな神話体系を形作るピースである事だ。
元々この世界観は、言語・文献学者であったトールキンが、英国には英語で書かれた神話体系が存在しない事から、ならば現在の世界へと繋がる神話を自分で創造してやろうと考えた事から生まれたといわれている。
「ホビットの冒険」から始まったトールキンの仕事は、「指輪物語」「シルマリルの物語」と広がり、物語中での時間経過が数万年にも及ぶ中つ国神話を書き上げるという生涯をかけた遠大な挑戦となる。
故に、この世界にはトールキン研究者の著作を含めて二次創作を行う時に必要な膨大な情報の蓄積があり、ピーター・ジャクソンと彼のチームが遺産を最大限生かし切った「LOTR」三部作は、その点で圧倒的であった。
ホビット、エルフ、人間、ドワーフ、そしてオークら悪の種族に至るまで、彼らの暮らす世界観は恐ろしく繊細に作り込まれ、ニュージーランドの実景をベースにした雄大な自然の情景はスクリーンに飛び込みたくなるくらいに魅惑的。
「LOTR」の大成功を受けて生まれたフォロワーのファンタジー大作の多くが、世界観の構築という段階で、オリジナルの壁を越えられないのはある意味では当然なのだ。
とはいえ、「LOTR」と「ホビット」では原作からして作品のカラーが異なる。
ピーター・ジャクソンは「LOTR」より緩めの作風に合わせて、同じ世界観を維持しつつもビジュアルのタッチをやや非リアル系へと振っている。
オークや巨大な獣たちなどの造形が着ぐるみチックだったり、舞台の質感などもあえてセットぽさを残してあったりするが、全体的にコミカルなタッチのアクションとはむしろ親和性が高い。
森のエルフから逃れる時の樽を使った激流下りなんてすごく楽しそうで、何年かしたら何処かのテーマパークでライドとして再現されていそうだ。
もちろん、非リアル系という方向性を定めた上で、隅々まで作り込まれているので安っぽさと言う言葉とは無縁である事は言うまでもない。
素晴らしいクオリティの世界観のビジュアルの中で、旅の仲間たちの冒険は正に危機また危機のつるべ打ちで、2時間41分の長さを全く意識する間も無く終了。
しかも「えええ!そこで切りますかあ‼︎」というくらい絶妙なところで“つづく”になってしまう。
配給会社には是非とも本国公開から間を開ける事無く、速やかな日本公開をお願いしたい!
今回はジンベースのカクテル、「グリーン・ドラゴン」をチョイス。
ドライジン35ml、クレーム・ド・ミント15ml、キュンメル5ml、レモンジュース5mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
キュンメルの独特の風味がアクセントとなり、スッキリと飲める一杯だ。
スマウグとは色違いだけど、鮮やかなグリーンのカラーも美しい。
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J・R・R・トールキン原作による「指輪物語」、即ち映画史のエポックである「ロード・オブ・ザ・リング(LOTR)」三部作の前日譚、「ホビットの冒険」の第二作。
前作で結成された旅の仲間は、遂に邪悪な竜スマウグに占拠されたドワーフの地下王国、“はなれ山”への潜入を試みる。
熊人ビョルンや弓の名手バルドら原作ファンにはお馴染みの面々が続々と登場する一方、原作には出てこないレゴラスが、映画オリジナルキャラクターのタウリエルとコンビを組んで復活。
トールキン文学の純粋主義者には眉をひそめられそうだが、映画版のファンにはますます「LOTR」との一体感が感じられて、中つ国を巡る大冒険は話を知っていてもワクワクドキドキの連続だ。
例によって2時間41分という長尺だが、あっという間に終わってしまった。
オークの追撃を受けるトーリン(リチャード・アーミティッジ)ら旅の仲間は、闇の森を通り抜ける事を決意する。
しかしガンダルフ(イアン・マッケラン)は、南で勢力を高めている“死人占い師”の正体を探るために、別行動をとる事に。
魔法使いの庇護から離れたドワーフたちは、闇の森を統べるエルフの虜囚となってしまうが、ビルボ(マーティン・フリーマン)が指輪の力を使って救い出す。
多くのオークがドワーフを追っている事をいぶかしんだエルフの王子レゴラス(オーランド・ブルーム)とタウリエル(エヴァンジェリン・リリー)は、密かにトーリンらの後を追う。
そして、はなれ山の麓に広がる湖の町エスガロスに到達したトーリンたちは、スマウグとの因縁を持つバルド(ルーク・エバンス)の助けを得て、秘密の入り口からはなれ山内部へと侵入するのだが・・・
副題の「竜に奪われた王国」への改題は、まあ圧倒的多数を占めるであろう原作未読者を取り込むためには当然だろう。
原作通りの「スマウグの荒らし場」では、前作を観てなくて本も知らない人には何の事かさっぱり分からないだろうし。
一昨年の「思いがけない冒険」のレビューでも指摘したが、ピーター・ジャクソンは「指輪物語」に比べれば遥かにボリューム、スケールの小さな「ホビットの冒険」を映画化するにあたって、メインプロットの大筋を維持した上で、サブプロットの大幅な補完を行い、更に映画版「LOTR」の構成を踏襲する事で、新旧三部作の一体化を試みている。
そのスタンスは本作では更に加速。
本作にレゴラスが登場すると聞いた時は、てっきりゲスト出演的な扱いだろうと思っていたので、これほどガッツリと物語にくい込んでくるとは驚いた。
この調子だと、次回の完結編ではアラゴルンあたりが出てきても全然おかしくないだろう。
前作は、「LOTR」の第一作「旅の仲間」とほぼ同じ物語構造を持っていたが、さすがに今回は展開がだいぶ異なるので「二つの塔」のまんまという訳にはいかない。
もっとも、登場人物をいくつかのグループに分けて別行動させ、複数のストーリーラインが同時進行するのは「二つの塔」と同様の考え方だ。
大きな三幕構成の第二幕となる本作には、明確な主人公といえる人物がいない。
それぞれのストーリーラインで、中心となる登場人物たちが異なる葛藤を深めてゆく。
ドワーフたちの仲間と認められたビルボ・バギンズは、その絆が真実なのか否かをスマウグに問われ、疑心暗鬼に陥る。
トーリンは、いよいよはなれ山へと戻ってきた事で、財宝の魔力によって少しずつ心を蝕まれてゆく。
ガンダルフはもっと物理的に、強大な悪の力によって囚われの身となってしまう。
面白いのは、映画版オリジナルキャラクターであるタウリエルを軸とした、レゴラスとイケメンドワーフのキーリの微妙な三角関係である。
サブプロットを跨いだ葛藤が少なく、また原作には女性キャラクターが殆ど出てこず、情愛の要素が少ないだけに、これは長尺の中で効果的なアクセントとなっていると思う。
もちろん、壮大な世界観は、ずっと眺めていたくなるほど魅力的だ。
過去にも何度か書いたが、異世界を舞台とするハイファンタジーは、「ああ、この世界へ行ってみたい!」と観客に思わせたら、その時点で半分勝ち。
“中つ国”を舞台としたトールキンの作品群が他の多くのファンタジー作品と異なるのは、これが小説であるのと同時に、一つの大きな神話体系を形作るピースである事だ。
元々この世界観は、言語・文献学者であったトールキンが、英国には英語で書かれた神話体系が存在しない事から、ならば現在の世界へと繋がる神話を自分で創造してやろうと考えた事から生まれたといわれている。
「ホビットの冒険」から始まったトールキンの仕事は、「指輪物語」「シルマリルの物語」と広がり、物語中での時間経過が数万年にも及ぶ中つ国神話を書き上げるという生涯をかけた遠大な挑戦となる。
故に、この世界にはトールキン研究者の著作を含めて二次創作を行う時に必要な膨大な情報の蓄積があり、ピーター・ジャクソンと彼のチームが遺産を最大限生かし切った「LOTR」三部作は、その点で圧倒的であった。
ホビット、エルフ、人間、ドワーフ、そしてオークら悪の種族に至るまで、彼らの暮らす世界観は恐ろしく繊細に作り込まれ、ニュージーランドの実景をベースにした雄大な自然の情景はスクリーンに飛び込みたくなるくらいに魅惑的。
「LOTR」の大成功を受けて生まれたフォロワーのファンタジー大作の多くが、世界観の構築という段階で、オリジナルの壁を越えられないのはある意味では当然なのだ。
とはいえ、「LOTR」と「ホビット」では原作からして作品のカラーが異なる。
ピーター・ジャクソンは「LOTR」より緩めの作風に合わせて、同じ世界観を維持しつつもビジュアルのタッチをやや非リアル系へと振っている。
オークや巨大な獣たちなどの造形が着ぐるみチックだったり、舞台の質感などもあえてセットぽさを残してあったりするが、全体的にコミカルなタッチのアクションとはむしろ親和性が高い。
森のエルフから逃れる時の樽を使った激流下りなんてすごく楽しそうで、何年かしたら何処かのテーマパークでライドとして再現されていそうだ。
もちろん、非リアル系という方向性を定めた上で、隅々まで作り込まれているので安っぽさと言う言葉とは無縁である事は言うまでもない。
素晴らしいクオリティの世界観のビジュアルの中で、旅の仲間たちの冒険は正に危機また危機のつるべ打ちで、2時間41分の長さを全く意識する間も無く終了。
しかも「えええ!そこで切りますかあ‼︎」というくらい絶妙なところで“つづく”になってしまう。
配給会社には是非とも本国公開から間を開ける事無く、速やかな日本公開をお願いしたい!
今回はジンベースのカクテル、「グリーン・ドラゴン」をチョイス。
ドライジン35ml、クレーム・ド・ミント15ml、キュンメル5ml、レモンジュース5mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
キュンメルの独特の風味がアクセントとなり、スッキリと飲める一杯だ。
スマウグとは色違いだけど、鮮やかなグリーンのカラーも美しい。

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