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ショートレビュー「ラヴレース・・・・・評価額1600円」
2014年03月10日 (月) | 編集 |
伝説の裏側で起こっていた事。

映画史上最も成功したハードコアポルノ、「ディープ・スロート」に主演したリンダ・ラヴレースの半生を描く物語。
平凡な少女は、如何にして時代を代表する性のアイコンとなったのか。
監督はドキュメンタリー作家として長いキャリアを持つ、ロブ・エプスタインとジェフリー・フリードマン。
伝説のポルノスターをアマンダ・セイフライドが文字通り体を張って大熱演し、今までの優等生イメージから確実に一皮剥けた。

1972年に公開された「ディープ・スロート」の事は、たとえ観た事が無くてもタイトルは聞いたことがあるという人も多いだろう。
ストーリー物の劇場用ポルノとしては記録的な大ヒットを飛ばし、その存在は全米のみならず、世界的な社会現象を巻き起こした。
累計興行収入は実に6億ドルと、ハリウッド超大作も真っ青の数字を稼ぎ出している。
この作品で、なぜか喉の奥にクリトリスがある、という珍妙な設定の主人公を演じたのが本作のタイトルロールとなったリンダ・ラヴレース。
それまでの典型的ポルノスターと違って、何処にでもいそうな普通の娘、でも他の誰にも真似できないある“秘技”を持った彼女は、激動の60年代を経たアメリカにおいて、性の解放の象徴へと祭り上げられる。
しかし、その後世間から姿を消した彼女は、1980年になって突然、当時の熱狂の裏で起こっていた“本当の事”を暴露する自叙伝を発表するのである。

アンディ・ベリンの脚本は、その構成がユニークだ。
93分とコンパクトに纏まった物語の前半は、ごく普通の生活を送る少女リンダ・ボアマンが、後の夫であり、マネージャーとなるチャック・トレイナーと出会い、彼の経済的な苦境を助ける形で入ったポルノ業界で、サクセスストーリーの主役となるプロセスが描かれる。
女優になりたいという夢はあるものの、リンダの演技力は絶望的で、キャラクターに華も無い。
しかしそれが逆に新鮮に受け止められ、新進ポルノスター、“リンダ・ラヴレース”として売り出された彼女は、「ディープ・スロート」の大ヒットで瞬く間にスターダムを駆け上がる。
大劇場での上映会には、ハリウッドのセレブたちまで現れ、マリブの高級住宅地に暮らし、ロールスロイスを乗り回す華やかな毎日。
ここまでは、ポルノ業界という特殊性はあるものの、ありがちなアメリカンドリームの物語だ。

ところが、それから6年が経過した後半の冒頭で、リンダは出版社が用意したポリグラフテストを受けている。
自分の語る言葉が真実である事を証明するためだ。
ここから映画は、前半の時系列をトレースする形で、その“ビハインド・ザ・シーン”を暴いてゆくのである。
最初紳士的だったチャック・トレイナーは、実は超がつくダメ男で、サディストのDV夫。
暴力でリンダを支配し、欲望を満たす為に性技を仕込むと、自らの借金のカタに彼女をポルノに出演させる。
映画がヒットして金が入ると、全て独り占めして瞬く間に浪費し無一文に。
すると今度は、リンダを無理やり買春させて金を作ろうとするのである。
時代を作った華やかなムーブメントの裏側で、誰にも知られる事なく繰り広げられていた孤独な悲劇。
本作は、クズ男に惚れてしまった為に、“リンダ・ラヴレース”と言う虚構の殻に閉じ込められてしまった女性が、過去と向き合い、遂に自分の人生を取り戻すまでの物語だ。

同時に、これは業を背負った母娘の物語でもある。
私生児としてリンダを産んだ負い目ゆえ、厳しく娘を突き放してしまい、結果救えなかった母ドロシー(演じるは驚きのシャロン・ストーン!)と、ようやく地獄から這い上がりささやかな幸せを掴んだ娘に、和解が訪れるシーンは良かった。
しかしリンダの次のトレイナーの犠牲者が、マリリン・チェンバースだったとは驚きだ。
ああ言う極端なダメ男はなぜモテるのだろう??

今回は、喉が苦しい話なので、喉スッキリなスパークリング「グローヴ・ストリート プライベート・キュヴェ・スパークリングワイン」をチョイス。
ほんのり甘くて、柔らかな果実香りが細やかな泡と共に立ち上がる。
暖かくなってくると、こんなワインを持ってお花見も良いかもしれない。

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