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X-MEN:フューチャー&パスト・・・・・評価額1650円
2014年06月04日 (水) | 編集 |
未来を、諦めない。

マーベルコミックの人気ヒーローシリーズ「X-MEN」の第5作は、シリーズ初の時間SFだ。
あらゆるミュータントの特殊能力をコピーして増幅できる自立型ロボット兵器、センチネルが暴走し、ミュータントのみならず人類までもが存亡の淵に立たされた近未来。
運命を変えるべく、ウルヴァリンが過去の世界へと送り込まれ、プロフェッサーXやマグニートらとの共闘を試みる。
前作の「ファースト・ジェネレーション」で新登場した若きX-MENたちと、「ファイナル・デシジョン」までの旧キャストが結集し、時空を超えた戦いが繰り広げられるゴージャスな娯楽大作だ。
シリーズの立ち上げを担当し、社会派SFという独特のカラーを決定づけた後、ライバルDCコミックの「スーパーマン・リターンズ」に浮気してシリーズを離れていたブライアン・シンガーが、2003年の第2作以来11年ぶりに監督復帰、変わらぬ切れ味を見せつける。
※ラストに触れています。

西暦2023年。
ミュータントを滅ぼすために作られた恐るべきロボット軍団、センチネルの暴走によって、ミュータントも人類も等しく絶滅の危機に曝されていた。
そもそもの始まりは、1973年にミスティーク(ジェニファー・ローレンス)がミュータントを敵視するセンチネルの開発者、ボリバー・トラスク(ピーター・ディンクレイジ)を暗殺した事。
当時の政府はセンチネル計画に慎重だったのが、トラスクの暗殺によって逆にミュータントを危険視する様になり、計画の発動を承認したのだ。
追い詰められたプロフェッサーX(パトリック・スチュアート/ジェームズ・マガヴォイ)とマグニート(イアン・マッケラン/マイケル・ファスベンダー)は、シャドウキャット(エレン・ペイジ)の能力を使ってウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)を1973年に送り込み、暗殺を阻止しようとする。
センチネルの軍団が隠れ家に到達するまであと僅か、40年前に戻ったウルヴァリンは「恵まれし子らの学園」を訪ねるが、そこに現れたのは、クスリによって能力を失い、ジャンキーと化した若きプロフェッサーXだった・・・・


独立した作品になっているものの、あちらこちら「ファースト・ジェネレーション」からリンクしている部分があるので、少なくともあれだけは観ておいた方が楽しめるだろう。
センチネルの脅威が迫り、暗黒が支配する2023年から、ベトナム戦争末期の1973年へ。
タイムトラベルとは言っても、その仕組みはちょっとユニーク。
ウルヴァリンは肉体ごと過去に行くわけではなく、シャドウキャットの能力によって、精神だけが40年前の自分に宿るのである。
したがって、抜け殻となった肉体は2023年にそのまま残っており、未来の世界のX-MENたちは、センチネルの襲撃からウルヴァリンの肉体と、彼を過去に留めるために身動きのとれないシャドウキャットを守り抜かねばならないのだ。
ちょっと「アバター」のクライマックスを思わせる設定だが、これによってサスペンスフルな状況が生まれている。
過去と未来のX-MENたちが、それぞれの時代で自らの未来のために奮戦するのが、本作の最大の見どころだろう。

2000年に公開された第一作「X-MEN」以来、シリーズを通して基本的な世界観はほぼ一貫している。
自らもゲイのユダヤ人という、民族的、文化的マイノリティであるシンガーは、人類の進化系としてのミュータントたちを、世界のどの社会にも存在する様々なタイプのマイノリティのメタファーとした。
自分たちと異なる容姿、あるいは能力を持つミュータントを恐れ、迫害するマジョリティ=人類。
そして抑圧者に対して、融和と共存を選択するか、それとも優性思想に基づいて敵対を選択するか、二つの選択肢がプロフェッサーX率いるX-MENと、そのアンチテーゼであるマグニートらブラザーフッドの対立として象徴されるのは今回も変わらない。

本作の大きな特徴は、例えば前作のショウの様な明確なヴィランが存在しない事だろう。
73年の世界では、例によってプロフェッサーXとマグニートが対立するが、彼らも未来では対センチネルで共闘関係にある。
人類とミュータントの運命を握るキーパーソンであるミスティークとトラスクも、それぞれの立場で自分たちが属する集団を生き残らせようとしているだけで、それが結果的に相手にとって敵対する行為になるものの、どちらも意識して悪を行おうとしている訳ではない。
圧倒的な力を持つセンチネルも、もとはと言えば人類が開発して、その命令を忠実に実行しているに過ぎないのである。

この構図から浮かび上がってくるもの。
過去のシリーズでは常に物語の背景にあり、今回ブライアン・シンガーが作品の前面に打ち出したテーマは、結局は常に我々自身の選択の問題だという事だ。
プロフェッサーXの選択、マグニートの選択、トラスクの選択、ミスティークの選択、それぞれの選択が絡まりあって、その結果として未来がある。
マジョリティとマイノリティ、寛容と不寛容など、数多くの対立が存在するこの世界において、繁栄も破滅も、戦争と平和も、何らかの形で私たちが選んだ結果であり、未来を決めるのは運命などではなく、我々一人ひとりの考え次第なのである。
ちょっと思い当ったのは、本作と現在記録的な大ヒットになっている「アナと雪の女王」との類似性だ。
あの映画のエルサ女王は、触れたものを全て凍らせてしまう能力を持つミュータントであり、人々に怪物と恐れられて、氷の宮殿に引きこもる。
しかし物語のラストで、妹のアナの真実の愛に触れたエルサは帰還を決意し、人々もまた不寛容を捨ててありのままの彼女を受け入れ、共存を選択する。
「アナと雪の女王」は、ある意味「X-MEN」よりも「X-MEN」的な物語であり、このシリーズのもっとも望むべき結末を描いているのかもしれない。

もちろんSFアクションとしても見せ場はたっぷり。
未来でのVSセンチネルの死闘も迫力だが、やはり圧巻はクライマックスのホワイトハウス襲撃だ。
アメリカ政府の要人を一箇所に集めた上で、外部の干渉を退けてサシで勝負するための、マグニートの豪快な作戦に度肝を抜かれる。
過去エイリアンからテロリストまで、色々な敵に散々襲撃されてきたホワイトハウスだが、まさかこんな手が残っていたとは(笑

しかし、本作のタイムパラドックスによって、ウルヴァリンが第1作から第3作までとは別のパラレルワールドへと帰還した事で、事実上シリーズは仕切り直し。
J.J.エイブラムスがリブート版「スター・トレック」で仕掛け、大成功を収めたのと手法と同じだが、ジーンやサイクロップスら過去に死んだり所在不明になったキャラクターも大手を振って復帰できる訳だ。
という事は、「ファースト・ジェネレーション」から始まる新三部作の最終作となる次回、「X-MEN:Apocalypse」こそ、史上最も派手なミュータントバトルが見られるのではないかと今からワクワクする。
ちなみに、本作ではラストにチラリと登場した、アナ・パキン演じるローグの登場シーンは、次回作を待つまでもなくDVDで復活する様なので、こちらも楽しみだ。

今回はドラマのキーパーソンであるミスティークにちなんで「ブルー・レディ」をチョイス。
ブルー・キュラソー30ml、ドライ・ジン15ml、レモン・ジュース15ml、卵白適量を強くシェイクしてグラスに注ぐ。
卵白を使うので細かい泡ができ、それが口当たりをとても柔らかくしている。
ブルー・キュラソーのオレンジ風味とジンの清涼感のマッチングもよく、優しい味わいの美しいカクテルだ。
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