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ショートレビュー「怪しい彼女・・・・・評価額1550円」
2014年07月08日 (火) | 編集 |
怪しい彼女には、秘密がある。

人生は一度きりだけど、もしも二度目のチャンスを与えられたら?
口が悪くて頑固者、漫画の意地悪ばあさんが実体化した様な、70歳の猛女マンスルが、ひょんなことから20歳の肉体に戻ってしまう。
第二の青春を謳歌する彼女は、毒舌キャラのまま若いころ夢見た歌手となり、ハンサムなプロデューサーと恋をする。
障害を持つ児童への性的虐待というショッキングな実話を映画化した、「トガニ ‐幼き瞳の告発‐」で脚光を浴びたファン・ドンヒョク監督は、180度趣向を変えてノスタルジーを隠し味に、ファンタジックな寓話を作り上げた。

不思議な写真館でポートレートを撮ってもらったら、なぜか若返っていたという展開は「世にも奇妙な物語」あたりにありそう。
意地悪ばあさんの心を持ったまま、若くてかわいい娘になるという設定はコメディだけど、狙いは結構シリアスだ。
マンスルが生まれたのは、まだ朝鮮半島が日本の植民地だった時代。
朝鮮戦争とその後の極貧の時代に母となり、死にもの狂いで育てた一人息子は、国立大学の教授にまで出世した。
青春の全てを捧げた息子は、マンスルにとって生きた証であり、ただ一つの自慢の種なのだ。
しかしようやく豊かな老後を迎えたものの、三世代同居の家は、お約束の嫁姑の確執もあって、必ずしも彼女にとって居心地の良い場所とは言えないのである。
懸命に生きて、次の世代を育ててはみたが、それ以外に自分の人生ってなんだったんだろうと、齢70にしてふとマンスルばあさんが振り返った時に、思いがけず訪れたのが、世にも奇妙なセカンドチャンスという訳だ。

ファン・ドンヒョク監督は、突飛なシチュエーションから、老いるってどういうことなのか、家族ってなんだろうと逆説的に導き出す。
血を失うと年齢が戻ってしまうという、実に分かりやすい伏線がクライマックスに絡んでくるのはバレバレながら、ある人物の生死を巡って母と息子が思いの丈をぶつけあい、究極の決断を下すシーンは分かっていても泣けてしまう。
これはある意味、ファン監督をはじめとする豊かになった韓国に育った世代から、戦争と貧困をのり超えて“今”の礎を作り上げてくれた親世代への、心のこもった感謝状の様な作品。
ライトなファンタジーの装いながら、笑いと涙と、最後には家族の愛の再生を通して、人生の意義を力強く肯定する物語へときれいに落とし込まれ、娯楽映画として上々のフィニッシュだ。

若返ったマンスル役は、傑作「サニー 永遠の仲間たち」で主人公の青春時代を演じ、「王になった男」の薄幸の女官役も記憶に新しいシム・ウンギョン。
憧れのオードリー・ヘップパーンからとってオ・ドゥリ(笑)を名乗る、中身70代のハタチを好演。
70代のマンスルを演じる大ベテランのナ・ムニとの二人一役なのだけど、まったく違和感なく同一人物の20代と70代に見える。
おそらくは相当に演技面のすり合わせをしたのだろうけど、実に見事だ。

劇中の楽曲は、韓国の70年代頃の懐かしのメロディーが多いのだという。
実際に知っている曲だといろいろ蘇ってきて、映画の情感アップにつながるのだけど、さすがにこのあたりは全く知らないので、仕方がないけどちょっと残念。
その点、洋楽が中心だった「サニー」は、国境を超えた共通のノスタルジーがあった。
音楽が映画の感動を倍増させる事を、改めて実感する。

今回は、おばあさんの話なので健康に良いとされる韓国の酒「百歳酒」をチョイス。
もち米をベースに様々なハーブを配合した酒で、やや甘めで非常にあっさりしている。
韓国では百歳酒を飲むときには辛いコルベンイやチゲなどを合わせる事が多いらしいが、個人的には参鶏湯と合わせるのが好みだ。
ちなみに、百歳酒と韓国焼酎を半々で割ると、それは五十歳酒というらしい(笑

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