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GODZILLA ゴジラ・・・・・評価額1650円
2014年07月28日 (月) | 編集 |
王の帰還。

日本映画が生んだ銀幕のスーパースター、怪獣王ゴジラの10年ぶりの復活にして二度目のハリウッド映画化。
突如として出現したゴジラと謎の怪獣ムトーの戦い、人知を超えた巨大生物の脅威に直面し、彼らを倒そうとする人類の葛藤が描かれる。
監督は低予算SF「モンスターズ/地球外生命体」で注目され、本作に抜擢された俊英ギャレス・エドワーズ。
1998年に作られた前回のハリウッド版が、あまりにもオリジナルと乖離した内容で世界中で大不評を買った事を踏まえて、今回はファンの観たいゴジラ像を追及した作品となっている。
1億6000万ドルというシリーズ史上最大の製作費と、最新の映像テクノロジーによって、本来の“荒ぶる神”として復活したゴジラの咆哮は、心に響き魂を奮わせる!
※ラストに触れています。

1999年、フィリピン。
崩落した坑道内で巨大な化石と謎の寄生生物の卵が発見され、特別研究機関MONARCHの生物学者・芹沢猪四郎博士(渡辺健)は、1954年に出現した怪獣ゴジラとの関連を疑う。
一か月後、日本の東海地方で大地震と原発事故が発生し、放射能に汚染された地域一体は封鎖される。
そして15年後の現在。
アメリカ海軍の爆発物処理のエキスパート、フォード・ブロディ大尉(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、戦地からの帰還早々父の核物理学者・ジョー(ブライアン・クランストン)が日本の立ち入り禁止区域で拘束されたと連絡を受ける。
原発スタッフだったジョーは99年の事故で妻を失い、日本政府が廃棄された原発に何かを隠していると疑い、ずっと東京に残って調査を続けていた。
ジョーを引き取りに日本に向かったフォードだったが、父の熱意にほだされて、立ち入り禁止地区に二人で入る。
そこで彼らが見たものは、原発跡に作られた奇妙な研究施設と、巨大な生物の“繭”だった・・・・

ローランド・エメリッヒ版の「GODZILLA」を観たときの失望は、いまだに忘れられない。
奇しくも本作のクライマックスの舞台となるサンフランシスコの映画館で、深夜に開かれた最速上映で米国のファンに交じって観たのだが、ただただ街を走って逃げ回るゴジラに観客のストレスがどんどん高まってゆくのがダイレクトに感じられた。
「なんでビルをぶっ壊さないんだ!」「なんで放射能火炎を吐かないんだ!」
終盤でようやく一発吹いてはくれたものの、あれは放射能火炎じゃなくて単なる火で、しかも単発(笑
挙句の果てに、ミサイル数発で死んでしまったゴジラもどきの姿に呆然とし、多くの人が悪態をつきながら映画館を後にしていた。
北村龍平監督の「ゴジラ FINAL WARS 」で、“GODZILLA”から“GOD”が無い“ジラ”だと揶揄されたのもさもありなん。
後から考えると、あれは「GODZILLA」というタイトルが悪かった。
これは関係者も認めているが、エメリッヒは「原子怪獣現る」のリメイクがやりたくて、お金集めの口実として日本のビッグネームを借りたのであって、彼自身はオリジナルに何の思い入れもなかったのだと思う。
実際その前提で観ると、それほどヒドイ映画ではないのだが、観客にとっては日本蕎麦をオーダーしたのに、食べてみたらパスタだった!みたいなギャップがあったのだ。

あれから16年。
再びハリウッドで作られた「GODZILLA ゴジラ」は、ついに本来の姿を取り戻した。
アメリカ的にファット・・・もとい、マッチョに造形されているが、オリジナルと似ても似つかぬフォルムだったエメリッヒ版と違って、今回のゴジラは誰が見てもゴジラである。
デザインだけの事ではなく、重要なのはそのキャラクターだ。
オリジナルシリーズでも、ゴジラという存在の意味付けは、時代によって徐々に変化してきている。
1954年版では、人類によって傷つけられた自然の怒りであり、オキシジェン・デストロイヤーによって、初代芹沢博士と共に海の藻屑として消える悲劇性の強いキャラクターであった。
その後「ゴジラの逆襲」での復活から対怪獣シリーズを重ねるうちに、人類の意向とは関係なく存在し、決して殺す事の出来ない荒ぶる神としての性格を強め、やがて作品のメインターゲットが子供に移るにつれて人類の味方としてのキャラクターを確立する。
今回のゴジラは、ちょうど対怪獣シリーズで傑作を連発していた1960年代の黄金期のイメージに一番近いのではないか。

意外だったのは、マッシブな造形から番長感半端ないゴジラに、日本を代表するもう一つのビッグネームの影を感じた事だ。
飛行能力を持つ敵怪獣が先に出現し、暴れまわる巨大な力に人類はなす術がない。
やがて彼らを追うようにして善玉怪獣が姿を現し、大都会を舞台にした三つ巴の最終決戦になだれ込む・・・という話をどこかで聞いたことがないだろうか?
そう、本作の脚本チームは日本の怪獣映画を実によく研究して、オリジナルシリーズだけでなく、プロット的に言えば平成「ガメラ」シリーズの影響を強く受けていそうなのだ。
日本では東宝が必死にムトーの存在を隠して、54年版同様の恐怖の象徴としてのイメージで売ろうとしているが、実際の作品を観ればゴジラは脅威であると同時にガメラ的なヒーローでもあり、いわば二つのビッグGのハイブリッドの様な作りになっているのは面白い。
ただし、ゴジラと平成ガメラの最大の違いは、その存在が人為的か否か。
古代アトランティス人の開発した生物兵器という設定の平成ガメラやギャオスは、自然の象徴であり、人類にはアンタッチャブルなアニミズムの神的存在である、ゴジラを筆頭とした東宝怪獣とは本質的に異なるのである。

本作を観て、一番驚かされたのもこの点だ。
米国で最も有名な巨大モンスターと言えばキングコングだろうが、伝統的にハリウッド映画の怪物は、どれだけ大きくても既知の生物のスケールアップ版であって、有限の命を持つ生物である事には変わりは無い。
イグアナの突然変異という設定だったエメリッヒ版ゴジラは正にそれで、単にでかいサイズのトカゲなのだから、そりゃミサイルで殺せてしまうのである。
対する本家ゴジラは、アニミズム的世界観の中で生まれた、地震や台風の様な人間には制御不能の自然の象徴だ。
むろん西洋にも自然崇拝の概念はあるものの、長いハリウッドの歴史の中でも、荒ぶる神という、東宝型怪獣のイメージそのままでキャラクターを作り上げているのは、おそらく初めてではないだろうか。
西洋の“MONSTER”とは異なる巨大生物という意味での“KAIJU”という言葉は昨年の「パシフィック・リム」でも採用されていたが、あはどちらかというとガメラ系の怪獣であった。
本作の劇中でもゴジラを“GOD”と呼ぶ科学者に対して、軍人であるフォードが“MONSTER”だと言いなおす、怪獣の概念に関する衝突の描写がある。
怪獣をある種の自然の化身であり、アニミズムの神と捕えた作品が、ハリウッドで作られて大ヒットしたのは画期的と言って良いだろう。

したがってゴジラとムトーの戦いは、神々の行いであるであるから、ちっぽけな人類に出来る事はほとんどない。
富士の裾野に広がる謎の地名“ジャンジラ”はご愛嬌だが、冒頭から地震と原発事故、そして政府による隠蔽と、日本では腰が引けて作れなそうな所をグイグイ突いてくる。
しかし一度怪獣が姿を表すと、以降人間たちは一度たりともドラマの主導権を握る事はない。
唯一の能動的役割と言えば、太古の存在にとってエネルギー源となる“核”というアイテムによって自然のバランスを崩し、彼らを復活させる切っ掛けを作り出しただけなのである。
一応の主人公となるのはキックアスの中の人が演じるフォード大尉だが、彼は遠い日本で災難にあって、基本的に妻子が待つサンフランシスコに帰ろうとしているだけだし、準主役である二代目芹沢博士は、怪獣たちの観察者以上の存在になろうとはしない。
ある意味達観した視点で自然現象としての怪獣の行動に任せようとする彼は、54年版で志村喬が演じ、「ゴジラを殺すのではなく研究せよ」と訴えた、山根博士を現代化したようなキャラクターだ。
もっとも、広島で被爆した父の懐中時計を持ち歩き、米軍に核兵器の使用をやめるように訴える事で、やや薄味ながらもオリジナルと共通する反核のメッセージを体言しているのは彼なので、テーマ的な意味で言えば人間側の主役は芹沢博士と言えるかもしれない。
ただゴジラとムトーが強大過ぎる事もあるが、人間ドラマが怪獣たちの戦いとあまり上手く絡んでいるとは言いがたく、ディテール部分の多くの突っ込みどころも含め、脚本の詰めの甘さはマイナスポイント。

しかし、その辺りを差し引いても、私はこの映画を大いに楽しんだ
実のところ、ハワイでゴジラがはじめて全身を現して咆哮するシーンと、サンフランシスコの戦いで最初に放射能火炎を吐くシーンでは、あまりにも待ち望んだイメージにピッタリだったので、ちょっと感涙してしまった。
ハワイ空港の列車を使った54年版へのオマージュ、「パシフィックリム」ともかぶるアメリカン怪獣の聖地、ゴールデンゲートブリッジのシーン、米海軍の艦隊がゴジラを追走している巨大さと荘厳さを感じさせる秀逸なイメージ。
窓枠や障害物などを使ってフレーム越しに怪獣を捕えるショットが多いのも、古の円谷特撮を思わせて、ビジュアルイメージはなんだか新しいんだけど懐かしい
まあ怪獣の画をもっともっと見せて欲しかったのは確かではあるけれど、その分具現化された映像は見事なものが多かった。
先日のコミコンで、既に続編の正式決定とエドワーズ監督の続投がアナウンスされているが、なんでも次はラドン、モスラ、キングギドラが登場するという。
まさか「三大怪獣 地球最大の決戦」のリメイクでは無いだろうけど、怪獣版「アベンジャーズ」に期待は高まる。
ちなみにレジェンダリーは「キングコング」のリブートも手がけるそうで、いつか「キンゴジ」の復活もありかも・・・?とか妄想するだけでも楽しいではないか。
巨大な怪獣王は海から現れ、素晴らしい視覚効果によって見応えある怪獣プロレスを展開し、再び海へと帰ってゆく、まことに正しいゴジラ映画。
これは是非とも、劇場の大スクリーンで堪能すべき作品だろう。

今回はオリジナル「ゴジラ」の生みの親でもある、特技監督・円谷英二の故郷から程近い、福島県二本松市の人気酒造から円谷プロ公認の「純米総攻撃」をチョイス。
これはゴジラではなくてウルトラマンの怪獣たちがモチーフになっているのだけど、箱やラベルもいかにも昭和の特撮の香りがして、眺めているだけで楽しい。
お味の方はやや甘口で、この季節なら冷やしてBBQのお肉やから揚げなどとの相性が良いと思う。
売り上げの一部は、被災地の子どもたちを支援するウルトラマン基金に寄付されるという。
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