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2014年08月18日 (月) | 編集 |
流れる道路、巡りゆく人生。
ドキュメンタリー映画として、史上初のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作である。
それは即ち、既成概念からかけ離れた作品と言う事だ。
人類の悠久の歴史を刻むローマを、円形に囲むGRA(Grande Raccordo Anulare )は、直径およそ20km、周囲68kmの環状高速道路。
東京で言えば、外環道が完成すると丁度同じくらいの長さだろうが、街の規模としてはローマは東京よりだいぶ小さいので、GRAが通る風景はどこか牧歌的に見える。
描かれるのは大都市の周囲を永遠に巡り続ける道路と、その沿線に住む様々な人々の人生模様だ。
※ラストに触れています。
ドキュメンタリー映画というと、映像を通して何らかのメッセージを投げかけてくるもの、というイメージが強い。
モチーフは千差万別でも、最終的に作者がある事実を通して何を思ったのか、何を観客に問いかけたいのかがストレートに伝わるという点では、ドキュメンタリーは時としてドラマに勝る。
ところが、本作のカメラはただひたすら市井の人たちを観察し続け、事件は何も起こらない。
登場するのは、老いた母の世話をする救命救急隊員、屋敷をロケやイベントに貸し出して何とか生計を立てている没落貴族、GRAが横切る川でウナギを捕る猟師、場末のショーダンサー、古びたキャンパーで車上生活をしているトランスジェンダー、空港近くのアパートに暮らす人々・・・・。
一度しか出てこない人もいれば、繰り返し登場する人もいるが、編集に特にストーリー性はなく、それぞれの登場人物の物語にオチがある訳でもない。
マスコミ試写では某評論家が、「こんなのはドキュメンタリーじゃない」と怒り出したとか(笑
では、はたしてドキュメンタリーとは何か?を改めて考えさせてくれる作品でもある。
淡々とした映画の流れに身を任せ人々の暮らしを眺めていると、やがて小さなピースの断片が繋がり、全体の大きなイメージが見えてくる。
ジャンフランコ・ロージ監督は、登場人物一人ひとりは“音符”だという。
彼は言わば、ある人生から生じた音符をすくい上げ、次の音に引き継がせてゆくマエストロ。
なるほど、これはGRAという巨大な人工の流れに乗せて描かれる、永遠に終わりを持たない一編の詩であり、壮大な映像交響曲なのである。
登場人物の中でもっとも象徴的なのは、道路周辺に植樹されたヤシの害虫の研究をしている樹医だ。
マイクとヘッドホンでヤシの幹の奥深くに巣食った虫たちを探り当て、殺虫剤で繁殖を食い止める彼を見ているうちに、いつの間にか木の中にうごめく虫たちの鳴き声が、人間社会の喧騒に聞こえてくる。
本作のポスターにもデザインされているGRAに囲まれたローマの地図は、古代から作り続けられた無数の道路が広がり、なんかだ木の年輪の様だ。
映画のラストは、害虫を沢山捕えた樹医が「お前たちはもう十分食べただろ。死んでもらうよ」と言って、虫の入ったツボを火にかけると、画面はGRAを捉えた無数の監視カメラの集合映像に切り替わり、エンドロールとなる。
ロージ監督は本作の撮影に二年半を費やし、日々積みあがる膨大なフッテージを前に、この映画をどう終わらせるか自分でもわからなくなっていたというが、この樹医のシーンを撮れた時に決めたという。
原題の「Sacro GRA」とは、「聖なるGRA」という意味である。
徹底的に客観を貫く事で、やがて神の視点を獲得した映画のオチが、人を食ったイタリア流ブラックジョークとは全く恐れ入った。
ドキュメンタリーとは、いや映画とはかくあるべしという確固たるイメージのある人にとっては、これは驚愕だろうし、おそらく相当に観客を選ぶ作品だ。
漠然と使っている“ドキュメンタリー”という言葉の概念を超えた、大変な意欲作である。
今回は、マフィアっぽいおっさんのラベルで日本でも御馴染み、イタリアを代表するビール「モレッティ」をチョイス。
1859年創業というイタリア最古のビール銘柄で、当時のオーストリア・ハンガリー帝国の醸造技術の影響を強く受けて誕生し、基本的に味は変わっていないとされる。
ホップ感の強いピルスナーは、ドライな味わいで苦味、コクも適度。
全体のバランスに優れ、食前から食中、食後までどんなシチュエーションでもプッハーできる。
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ドキュメンタリー映画として、史上初のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作である。
それは即ち、既成概念からかけ離れた作品と言う事だ。
人類の悠久の歴史を刻むローマを、円形に囲むGRA(Grande Raccordo Anulare )は、直径およそ20km、周囲68kmの環状高速道路。
東京で言えば、外環道が完成すると丁度同じくらいの長さだろうが、街の規模としてはローマは東京よりだいぶ小さいので、GRAが通る風景はどこか牧歌的に見える。
描かれるのは大都市の周囲を永遠に巡り続ける道路と、その沿線に住む様々な人々の人生模様だ。
※ラストに触れています。
ドキュメンタリー映画というと、映像を通して何らかのメッセージを投げかけてくるもの、というイメージが強い。
モチーフは千差万別でも、最終的に作者がある事実を通して何を思ったのか、何を観客に問いかけたいのかがストレートに伝わるという点では、ドキュメンタリーは時としてドラマに勝る。
ところが、本作のカメラはただひたすら市井の人たちを観察し続け、事件は何も起こらない。
登場するのは、老いた母の世話をする救命救急隊員、屋敷をロケやイベントに貸し出して何とか生計を立てている没落貴族、GRAが横切る川でウナギを捕る猟師、場末のショーダンサー、古びたキャンパーで車上生活をしているトランスジェンダー、空港近くのアパートに暮らす人々・・・・。
一度しか出てこない人もいれば、繰り返し登場する人もいるが、編集に特にストーリー性はなく、それぞれの登場人物の物語にオチがある訳でもない。
マスコミ試写では某評論家が、「こんなのはドキュメンタリーじゃない」と怒り出したとか(笑
では、はたしてドキュメンタリーとは何か?を改めて考えさせてくれる作品でもある。
淡々とした映画の流れに身を任せ人々の暮らしを眺めていると、やがて小さなピースの断片が繋がり、全体の大きなイメージが見えてくる。
ジャンフランコ・ロージ監督は、登場人物一人ひとりは“音符”だという。
彼は言わば、ある人生から生じた音符をすくい上げ、次の音に引き継がせてゆくマエストロ。
なるほど、これはGRAという巨大な人工の流れに乗せて描かれる、永遠に終わりを持たない一編の詩であり、壮大な映像交響曲なのである。
登場人物の中でもっとも象徴的なのは、道路周辺に植樹されたヤシの害虫の研究をしている樹医だ。
マイクとヘッドホンでヤシの幹の奥深くに巣食った虫たちを探り当て、殺虫剤で繁殖を食い止める彼を見ているうちに、いつの間にか木の中にうごめく虫たちの鳴き声が、人間社会の喧騒に聞こえてくる。
本作のポスターにもデザインされているGRAに囲まれたローマの地図は、古代から作り続けられた無数の道路が広がり、なんかだ木の年輪の様だ。
映画のラストは、害虫を沢山捕えた樹医が「お前たちはもう十分食べただろ。死んでもらうよ」と言って、虫の入ったツボを火にかけると、画面はGRAを捉えた無数の監視カメラの集合映像に切り替わり、エンドロールとなる。
ロージ監督は本作の撮影に二年半を費やし、日々積みあがる膨大なフッテージを前に、この映画をどう終わらせるか自分でもわからなくなっていたというが、この樹医のシーンを撮れた時に決めたという。
原題の「Sacro GRA」とは、「聖なるGRA」という意味である。
徹底的に客観を貫く事で、やがて神の視点を獲得した映画のオチが、人を食ったイタリア流ブラックジョークとは全く恐れ入った。
ドキュメンタリーとは、いや映画とはかくあるべしという確固たるイメージのある人にとっては、これは驚愕だろうし、おそらく相当に観客を選ぶ作品だ。
漠然と使っている“ドキュメンタリー”という言葉の概念を超えた、大変な意欲作である。
今回は、マフィアっぽいおっさんのラベルで日本でも御馴染み、イタリアを代表するビール「モレッティ」をチョイス。
1859年創業というイタリア最古のビール銘柄で、当時のオーストリア・ハンガリー帝国の醸造技術の影響を強く受けて誕生し、基本的に味は変わっていないとされる。
ホップ感の強いピルスナーは、ドライな味わいで苦味、コクも適度。
全体のバランスに優れ、食前から食中、食後までどんなシチュエーションでもプッハーできる。

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