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2015年03月24日 (火) | 編集 |
壮大なる愛の時間史。
おそらく世界一有名な理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士と彼の最初の妻ジェーンを主人公とした、実話ベースのラブストーリー。
1963年、彼がまだ難病ALSを発症する前、学生時代の二人の出会いから山あり谷あり、およそ四半世紀の家族の形成と崩壊を経て、二人にとっての“万物の理論(theory of everything)”を見出すまでの物語。
私も読んだ事のあるホーキング博士のベストセラー、「ホーキング、宇宙を語る」の原題は「A BRIEF HISTORY OF TIME(時間小史)」だが、なるほどこれは「ホーキング家の時間小史」とでも言えるだろうか。
主人公がホーキング博士だという特殊性以外、内容的には普遍性のある大人のラブストーリーだが、逆に言えばこの点こそが本作のユニークさ。
博士の研究フィールドである、時間と空間の始まりと終わりのイメージが、二人の愛の宇宙とシンクロし、彼らの人生に投影される。
所々描写される螺旋と円環、逆回転のモチーフ。
健康で幸せな学生時代から始まり、ALSの発症と余命宣告、周囲の反対を押し切っての結婚と家族の形成、そして世界的な名声の獲得によって、一見完成された様に見える彼らの宇宙は、実は徐々に崩壊に向かっている。
面白いのは、本作は前半と後半で実質的な主人公が入れ替わる事だ。
学生時代から「ホーキング、宇宙を語る」を出版し、科学界のロックスターに躍り出るまでは、基本的にホーキング博士の視点だが、後半部分は急速にジェーンの視点が強くなってくる。
これはALSによって、博士が徐々に言葉と表情を失ってゆく事もあるのだけど、彼がある意味現状を受け入れているのに対して、ジェーンは逆に現状への葛藤が高まってゆくのである。
家事と子育てと介護に追われ、自分の研究を進める時間もなく、夫の名声が高まっても、経済的にはさほど恵まれない。
おまけに介護の必要水準は、時間が経てば経つほど高まってくる。
脚本のアンソニー・マッカーテンが、本作の執筆を始めたきっかけは、ジェーンの回想録だったという事も、この構成に反映されているのかも知れない。
宇宙の時間と同様に、家族の時間にも始まりと終わりがある。
おそらくだけど、ジェーンにとって、それは本来2年間のはずだったのだ。
余命宣告を受けていたホーキング博士は、なぜか途中でALSの進行が止まり、72歳になった今も健在。
太く短い結婚生活を覚悟していたジェーンは、いつしかイメージしていた未来と、現実の“今”の差異に心を疲労させていったのだろう。
長年連れ添った二人が自らの宇宙の崩壊と、その結果生み出された結果を受け入れ、一気に家族の時間がビッグバンの瞬間にまで巻き戻るシークエンスが圧巻。
ホーキング博士は、時間を遡るタイムトラベルは不可能という立場なのが皮肉だ。
それにしても、奇しくも日本では同時公開となった「イミテーション・ゲーム」と観比べると、相乗効果で二倍面白い。
一世代違うとはいえ同じ国の天才科学者なのに、見事なまでに対照的な二人の人生。
方や難病を抱えるも、常に愛と栄光に包まれ、方や初恋の幻影を追い続け、偉大な功績を誰にも知られない。
今年のオスカーを獲得した、エディ・レッドメインのホーキング博士は確かに素晴らしかったけど、私的には本作を観た結果、「イミテーション・ゲーム」のチューリング博士の孤独がより印象深くなった。
そう言えばベネディクト・カンバーバッチも、10年前にホーキング博士を演じてるのだけど、彼は科学者顔なのだろうか。
今回は時間にまつわる物語でもあるので、6代170年の歴史を持つ現存するイギリスで最も古いロビソン醸造所の「オールド・トム」をチョイス。
現在も創業家によって守られる味は、ビターなチョコレートやスパイスを思わせる複雑なもの。
アルコール度も8.5%となかなかに高い、濃密なダークストロングエールだ。
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おそらく世界一有名な理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士と彼の最初の妻ジェーンを主人公とした、実話ベースのラブストーリー。
1963年、彼がまだ難病ALSを発症する前、学生時代の二人の出会いから山あり谷あり、およそ四半世紀の家族の形成と崩壊を経て、二人にとっての“万物の理論(theory of everything)”を見出すまでの物語。
私も読んだ事のあるホーキング博士のベストセラー、「ホーキング、宇宙を語る」の原題は「A BRIEF HISTORY OF TIME(時間小史)」だが、なるほどこれは「ホーキング家の時間小史」とでも言えるだろうか。
主人公がホーキング博士だという特殊性以外、内容的には普遍性のある大人のラブストーリーだが、逆に言えばこの点こそが本作のユニークさ。
博士の研究フィールドである、時間と空間の始まりと終わりのイメージが、二人の愛の宇宙とシンクロし、彼らの人生に投影される。
所々描写される螺旋と円環、逆回転のモチーフ。
健康で幸せな学生時代から始まり、ALSの発症と余命宣告、周囲の反対を押し切っての結婚と家族の形成、そして世界的な名声の獲得によって、一見完成された様に見える彼らの宇宙は、実は徐々に崩壊に向かっている。
面白いのは、本作は前半と後半で実質的な主人公が入れ替わる事だ。
学生時代から「ホーキング、宇宙を語る」を出版し、科学界のロックスターに躍り出るまでは、基本的にホーキング博士の視点だが、後半部分は急速にジェーンの視点が強くなってくる。
これはALSによって、博士が徐々に言葉と表情を失ってゆく事もあるのだけど、彼がある意味現状を受け入れているのに対して、ジェーンは逆に現状への葛藤が高まってゆくのである。
家事と子育てと介護に追われ、自分の研究を進める時間もなく、夫の名声が高まっても、経済的にはさほど恵まれない。
おまけに介護の必要水準は、時間が経てば経つほど高まってくる。
脚本のアンソニー・マッカーテンが、本作の執筆を始めたきっかけは、ジェーンの回想録だったという事も、この構成に反映されているのかも知れない。
宇宙の時間と同様に、家族の時間にも始まりと終わりがある。
おそらくだけど、ジェーンにとって、それは本来2年間のはずだったのだ。
余命宣告を受けていたホーキング博士は、なぜか途中でALSの進行が止まり、72歳になった今も健在。
太く短い結婚生活を覚悟していたジェーンは、いつしかイメージしていた未来と、現実の“今”の差異に心を疲労させていったのだろう。
長年連れ添った二人が自らの宇宙の崩壊と、その結果生み出された結果を受け入れ、一気に家族の時間がビッグバンの瞬間にまで巻き戻るシークエンスが圧巻。
ホーキング博士は、時間を遡るタイムトラベルは不可能という立場なのが皮肉だ。
それにしても、奇しくも日本では同時公開となった「イミテーション・ゲーム」と観比べると、相乗効果で二倍面白い。
一世代違うとはいえ同じ国の天才科学者なのに、見事なまでに対照的な二人の人生。
方や難病を抱えるも、常に愛と栄光に包まれ、方や初恋の幻影を追い続け、偉大な功績を誰にも知られない。
今年のオスカーを獲得した、エディ・レッドメインのホーキング博士は確かに素晴らしかったけど、私的には本作を観た結果、「イミテーション・ゲーム」のチューリング博士の孤独がより印象深くなった。
そう言えばベネディクト・カンバーバッチも、10年前にホーキング博士を演じてるのだけど、彼は科学者顔なのだろうか。
今回は時間にまつわる物語でもあるので、6代170年の歴史を持つ現存するイギリスで最も古いロビソン醸造所の「オールド・トム」をチョイス。
現在も創業家によって守られる味は、ビターなチョコレートやスパイスを思わせる複雑なもの。
アルコール度も8.5%となかなかに高い、濃密なダークストロングエールだ。

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