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アデライン、100年目の恋・・・・・評価額1650円
2015年08月26日 (水) | 編集 |
歳と恋人とワインは、決して数えるものではない。

とある事故がきっかけで歳をとらなくなり、29歳の姿のまま1世紀以上を生きる女性の、最後の恋を描くラブロマンス。
エキゾチックな港町、サンフランシスコを舞台に、時空を超えるファンタジックな愛の物語が、ムード満点に展開する。
タイトルロールの永遠の美女を、「恋するジーンズ」シリーズやテレビドラマの「ゴシップガール」で知られるブレイク・ライヴリーが演じ、監督は「セレステ&ジェシー」のリー・トランド・クリーガーが務める。
熟成されたデザートワインのように、美しくて甘味な現代のおとぎ話である。

アデライン・ボウマン(ブレイク・ライヴリー)は、1908年1月1日にサンフランシスコで生まれる。
彼女は橋梁技術者の若者と結婚し一女をもうけるも、夫は当時建設中だったゴールデン・ゲート・ブリッジで事故に巻き込まれ帰らぬ人に。
そして1937年のある夜、アデラインは車ごと海に転落し、一度死んだ後に落雷を受け、奇跡的に蘇る。
この時から彼女の体は、なぜか時の流れから切り離され、老化しなくなってしまう。
家族が、友だちが、大切な人たちが皆年老いてゆく中で、彼女だけがずっと変わらない。
そして数十年の歳月が流れた現在、偽名を使いひっそりと生きているアデラインは、エリス(マイケル・ユスマン)という若者と出会い、恋におちる。
だが、なかなか自らの秘密を打ち明けられないうちに、エリスの実家を訪れたアデラインは、そこで意外な人物と再会する・・・


他と異なる時間軸を生きる人物の話というと、80歳の肉体で生まれ、そこから若返ってゆく男を描いた「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」が記憶に新しい。
逆さまの人生で、ベンジャミンが他人と共有できる時間はごく僅かな瞬間に過ぎず、彼の人生は一瞬の邂逅の繰り返しである。
しかしそれでも、時が流れるだけアデラインよりはマシかもしれない。
肉体の老化そのものが止まってしまった彼女の葛藤は、要するにヴァンパイアの血を吸わないバージョンと言える。
世界はどんどんと変わってゆくのに、自分の時計だけもう時を刻まない。
それだけでも切ないのに、アデラインは秘密を誰にも明かすことが出来ないのである。
何しろ彼女は、人類にとって永遠の夢である不老不死を、図らずも手に入れてしまったのだ。
ずっと若いままの女がいれば、いつか誰かが気付き、その秘密を手に入れようとする。
50年代のある日、政府職員を名乗る男に誘拐されかけたアデラインは、以降10年ごとに名前と居場所をかえ、人目から逃れるようにしてひっそりと生きるしかない。

ゆえに極わずかな“例外”を除き、誰も愛さず、誰にも愛されない人生が続く。
唯一彼女の本当の名前を知るのは、もはや80を過ぎた娘だけ。
そして107回目の誕生日、新しい名前を手に入れ、次なる10年のための引越しを目前にして出会ってしまったのが、運命の恋というワケだ。
お相手のエリスは若くして富を手に入れ、ルックスも性格も申し分なく、もはやこの恋を止める事はアデライン自身にも出来ないが、気まぐれな神は更なるドラマを彼女に齎す。
エリスの父親のウィリアムは、1960年代にアデラインと出会い、お互いの人生に焼きついた思い出の人、つまり“例外”の元カレだったのである。
はたしてアデラインは自らの数奇な運命にどう折り合いをつけ、恋を成就させられるのか?というプロットそのものは特にひねった所もなく、甘々かつシンプルなものだが、物語の味付けというか、ディテールの作り込みが実に豊かだ。


幻のインドア・ドライブインシアターや、都市の地下に埋もれた開拓時代の船、ゴールデンゲートの事故など、舞台となるサンフランシスコの過去に纏わる細かいエピソードも、“時”を扱うドラマとしてのムードを高める。
そして、アデラインとエリスを結びつける3冊の本、ヘンリー・ジェームズの「Daisy Miller」、レイ・ブラッドベリの「Dandelion Wine」、ジャネット・フィッチの「White Oleander」の持つ意味。
いずれも“花の名前”をタイトルに持ち“出会いと死”が重要なモチーフとなるこれらの小説は、おそらく内容的に本作を成立させるのに大きな影響を与えた作品だろう。
それだけでなく、出版されたのは「Daisy Miller」が19世紀後半、「Dandelion Wine」が20世紀中盤、そして「White Oleander」が20世紀末と、ほぼアデラインの人生と同じくらいのスパンであり、この映画もまたこれら物語の歴史を受け継ぐもの、という作り手からのさり気ない主張なのかもしれない。
もっとも、本作では特に“死”に関しては、アデラインの不死に対する相対という以上に深く考察されているとは言えず、作品のテイスト的にはむしろ、ジャック・フィニイの短編小説「愛の手紙」や、リチャード・マシスンの小説をヤノット・シュワークが映画化した「ある日どこかで」の系譜に連なる作品といえるだろう。


アデラインを演じる、ブレイク・ライヴリーがとても魅力的。

古典的な顔立ちの正統派美人だけど、1世紀以上を生きている主人公にはぴったり。
各時代のゴージャスな衣装、時代性のあるメイクやヘアスタイルの変遷も見もの。
また
アデラインの因縁の相手であるエリスの父を演じる、ハリソン・フォードも印象深い。

彼の役が天文学者で、青春の象徴たるアデラインへの想いと、普通の人間とは異なる彼女の時間を、彗星の飛来という宇宙的なイベントにリンクさせるとか、壮大なハッタリをサラッと描写する、物語のテリングのセンスの良さが光る。
ちなみにハリソン・フォードの役名はウィリアム・ジョーンズ。
彼は「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」で、父親役のショーン・コネリーと同じ女性を愛するという設定があったから、このファミリーネームはたぶん制作者のあそび心だろう。
この種の品があって味わい深い、大人のレトロロマンスは、ハリウッドならでは。
日本の映画や小説だと、ジュブナイルになってしまうのはなぜなんだろうなあ。

今回はサンフランシスコの北、全米有数のワインどころナパバレーから「スミス・マドローン シャルドネ」をチョイス。
銘柄のマドローンとはアメリカ西海岸で見られる樹木で、小さな鈴が沢山集まったような特徴的な花をつける。
映画自体がいい意味で相当に甘味な話なんで、こちらはスッキリとした味わいだが、複雑なアロマと適度な酸味が力強く、エレガントなキャラクターを感じさせるのはアデラインのイメージ。
永遠の美女と飲んでみたい。

ところで私もサンフランシスコに長く暮らしたが、映画の中に出てくるインドア・ドライブインシアターの話は聞いたことがない。
調べても情報は出てこないし、はたしてフィクションなんだろうか?もし知ってる人いたら教えて欲しい。

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