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ショートレビュー「ピクセル・・・・・評価額1550円」
2015年09月13日 (日) | 編集 |
ある意味、ヲタクの理想郷。

ビデオゲーム黎明期の名作アーケードゲームにオマージュを捧げた、異色のSFコメディ。
いや~本国のレビューは散々だった様だが、実にアホらしい、もとい実に楽しい映画じゃないか。
1982年、NASAは地球外生命体に向けて、ゲーム大会の様子など地球の文化を収録した映像を探査機で打ち上げる。
ところが、その映像を受け取った宇宙人は、地球からの宣戦布告と勘違い。
売られたケンカは受けてたつとばかりに、2015年の現在にゲームに登場するのと同じ形の戦闘マシーンを地球に送り込み、地球人にゲームバトルを挑むのだ。
古典ゲーム同様に、お互いの“ライフ”は三つ。
つまりもしも地球側が三回ゲームに負ければ、そのまま地球は侵略されてしまう。

グアムの米軍基地を舞台にした初戦の「ギャラガ」は、状況を把握する間もなく敗北。
体制を立て直すことも出来ずにインドで行われた第二戦の「アルカノイド」も落とし、タージマハルを破壊されてしまう。
このままでは敗北は必至という事で、世界を救うべく登場するのが、そもそもの発端となった1982年のアーケードゲームのチャンピオンたちというワケ。
日本ではいまだ生き残っている街中の小規模なゲーセンは、DVDレンタル店同様にアメリカではほぼ絶滅。
忘れられたチャンピオンたちも、輝いていた少年時代の未来予想とは、かけ離れた生活をしている。
アダム・サンドラー演じるサム・ブレナーは、ゲームのパターンを見極める天才だが、でっかいことをやる夢は叶わずに今ではしがない街の電気屋。
相方のラドローは、少年時代からずっと陰謀論にとりつかれ、ゲームの「ドージョークエスト」の2次元キャラクターと結婚するのが夢(笑
そしてサムのライバルで、82年大会の決勝で彼を破ったエディは刑務所暮らし。
「こんなはずじゃなかった」と人生に疲れたおっさんたちが、予期せぬチャンスに輝きを取り戻す話は、ある意味ハリウッド映画の王道だ。

まあゲーマーなら誰しも、ゲームの世界が現実になったらとか、ゲームの世界に飛び込めたらと考えた事はあると思うし、好きなゲームを等身大の3次元で楽しめて、ついでに世界を救うヒーローになっちゃうというのは中年ゲーマーの妄想が炸裂した様。
ラドローの夢も含めて、色んな意味で不純な映画である(笑
問題は、ある種のパロディ作品でもある本作の場合、出てくるゲームをプレイした事があるかどうかが、面白さにかなり影響する事だ。
一応ゲームの概要は流れで分るようにはなっているのだけど、やはり実際に経験しているか否かでワクワク感は違ってくるだろう。
またゲーム以外に大量にぶち込まれた80年代ネタ、「ファンタジー・アイランド」から「マックス・ヘッドルーム」に至るまで、少なくとも今の日本の若者には全く分からないんじゃなかろうか。
その意味では本作を一番楽しめるのは、主人公たちと同世代の中年層かも知れない。
そういや、だいぶ年上だけど「ドラえもん」の大山のぶ代さんは、「アルカノイド」の達人なのだそうな。いや、関係ないけど。

以前、この映画に出てくるゲームの時代から活動しているベテランのゲームクリエイターの方とお会いしたとき、黎明期を知る世代にとっては、「ゲームは作品か?製品か?これは文化なのか?芸術といえるのか?」という葛藤があるという話が印象的だった。
これはおそらく映画の誕生の時も同じだったのだろうが、新しいテクノロジーが芸術表現としての深みを持ち、市民権を獲得するまでにはある程度時間が必要で、その一つの指標が他の表現によって歴史を語られる様になるということだと思う。
2013年の「シュガー・ラッシュ」と本作の存在が意味するのは、ビデオゲームが誕生40年にしてすでに広く文化として認知されていることの何よりの証なのかもしれない。
しかしアメリカ人は「Q-bert」を愛してるな(笑

今回は「パックマン」のステージとなるニューヨークの地ビール「ブルックリンラガー」をチョイス。
巨大パックマンがビール色なのもあって、何となく美味しそうと思ってしまったよ。
ブルックリンラガーは、禁酒法以前のニューヨークの名物だった、ドイツ系醸造所の味を復活させようと、1998年に創業した比較的新しい銘柄。
伝統のウィンナースタイルで作られるこのビールは、しっかりとしたコクと苦味があり、香りも芳醇で飲み応え十分だ。
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